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勇者「魔王は一体どこにいる?」続編のつづき
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694 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:34:35.95 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡の付近』
商人「う〜ん全然分からないね…土砂と灰で埋もれて草木も生え始めてる」
盗賊「だろ?目印の木も何処に行ったか分からん」
剣士「整地した土を何処に積めば良い?」
盗賊「そうだな…川に沿って壁になる様に積めるか?獣除けの柵を置きたい」
剣士「おけおけ!任せて…蠕虫!来い」
ザワザワザワ ズドーン
盗賊「どわぁ!!こんなんが地面の中に居るんか…」タジ
剣士「土を運べ!」
ワーム「ギュゥゥゥ…」モシャモシャ
剣士「もっとワームを呼ぶから少し離れておいて…蠕虫!従え…」
ザワザワザワ ズドーン
---------------
---------------
---------------
『1時間後』
ズモモモ ガッサ ガッサ
商人「あそこだ!!遺跡の入り口が見えた!!」
盗賊「すげぇ整地力だ…辺り一帯2メートル掘り下げやがった」
剣士「なんか整地楽しい…川沿いを村まで土手積んでおくから遺跡の調査行って来て良いよ」
盗賊「崩れん様にしてくれな?子供達が巻き込まれん様に」
剣士「適当に木を植えるから大丈夫…任せて」
商人「じゃぁ2人…いや3人で行こうか」
機械の犬「ワン!」トコトコ
盗賊「おう!」スタ
695 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:35:17.66 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』
シーン
商人「あの時のままだ…」
盗賊「俺ぁ薬を探す…前は噴火でゆっくり物色出来なかった」ダダ
商人「生体の部品は無いか…盗賊!ちょっと来て」
盗賊「んん?何だ?」
商人「この機械に鍵穴が有るだろう?これ解錠できる?」
盗賊「ほぅ?ちっと見て見る…」カチャカチャ
商人「謎の機械はまだ結構あるね?」
盗賊「全部持って行った方が良いな…又いつ埋まるか分からん」
商人「前に来た時はガラクタだと思って居たけど…デリンジャーの部品も転がってる」
盗賊「また作れそうか?」
商人「持って帰って剣士に見せよう」
盗賊「ぬぁぁ…これはロックピックで解錠する鍵じゃ無ぇな…鍵を作らにゃイカン」
商人「作れる?」
盗賊「型取って一回戻る…30分だな…その間調査してろ」
商人「分かった…」
盗賊「ついでに謎の機械全部持って行くぜ?」
商人「あぁ仕分ける…ここで必要な物は大体分かる」ガチャガチャ
盗賊「銀貨持ってるか?」
商人「あるよ…」チャリン
盗賊「この銀貨を細工して鍵にする…よっし型取れた」
商人「ああああああああああ!!こんな所に…有るじゃ無いか外部メモリ!!」
盗賊「お?それ探してたんか?」
商人「そうだよ…前に来た時に見落としてる」
機械の犬「ワン!ワン!ワン!」
商人「もう一つのスロットに挿しても良いかい?」
機械の犬「ワン!」
商人「挿すよ…」スッ
盗賊「俺ぁちっと戻って鍵作ってくんな?」ダダ
696 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:36:15.61 ID:pYa2Z27w0
『30分後』
タッタッタ
盗賊「作って来たぜ?」
商人「遺物を集めて置いたよ」
盗賊「薬は無ぇか?」
商人「見当たらない…怪しいのはこの容器だけど開けられない」
盗賊「これどっから開けんのよ…鍵穴も無ぇ」カタカタ
盗賊「何か入ってる音はするんだな」
商人「それが一番怪しい…その容器の上に外部メモリが乗ってたし」
盗賊「まぁ後だ…鍵作って来たから解錠してみるぞ?」
商人「そうだね…頼む」
盗賊「俺の鍵開け技術は世界一よ…ぬっふっふ」カチャリ
ブーン ピピピ
商人「おぉ!!起動した…ラヴおいで!!」
機械の犬「ワン!」
盗賊「石板が光り出したぞ?」
商人「今度の石板は前の物と違う…何だろう?」
機械の犬「ワン!」フリフリ カチャ
盗賊「ヌハハ機械の犬が操作するんか…」
商人「どんどん文字が流れて行く…ちょっと待った!!止めて!!」
盗賊「人体の画?…数字」
商人「やっぱりそうか…ホムンクルスを作る機械だ…この数字は材料の割合だ」
なんで各地にこういう設備が残されてるんだ?
予備の材料まで保存されてる
ホムンクルスの寿命は約400年だったな
そうか精霊は生体を乗り換えて数千年生きているんだ
じゃぁ誰がこれを動かす?
盗賊「待て待て…今の画…世界地図だな?」
商人「この地図はどう見れば良い?」
盗賊「この北側のこの地形…こりゃセントラルだろ」
商人「逆さま?…いや横かな?」
盗賊「ちと待て…これは書き写す」
商人「あぁ…ノートあるからやるよ」カキカキ
盗賊「この印の位置も恐らく需要な意味が在る…お宝だよお宝!!」
商人「他にも同じ遺跡が有ると言う事か…」
盗賊「多分な?後で俺らの地図に移し替えるぞ」
商人「書き写すまでちょっと待って…」
盗賊「時間掛かりそうだな?俺は残りの遺物持ってもっかい走る…まぁしばらく調査やってろ」ガチャガチャ
商人「済まないね…」
697 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:36:52.54 ID:pYa2Z27w0
『ハテノ村』
ズモモモ ガッサ ガッサ
盗賊「おぉこんな所まで土手作ったんか」
剣士「村を守る想定で整地するのって楽しい…狙いは分かる?」
盗賊「おうよ!!柵張って守備する場所を絞りたいんだろ?」
剣士「そうそう…まずは熊とか獣に入られたくない」
盗賊「柵用の木材は切り出してあるんだ…お前も作って見るか?」
剣士「やりたい!」
盗賊「釘が無いんだが何とかならんか?」
剣士「出来る…どんぐりを軟鉄に変性させられる…軟鉄の形整えたら釘替わりになるよ」
盗賊「やるな?お前…おう!それからよ?デリンジャーの部品みたいな奴を見つけたんだ」
剣士「本当!!見せて」
盗賊「これだ…組み立てられるか?」
剣士「あれ?ちょっと違う形だな…4連じゃないし筒の径が大きい」
盗賊「まぁ俺も欲しい訳よ」
剣士「おけおけ!今から組み立てて見る」
---------------
魔法使い「ハンターまだ帰って来ないんだけど見てない?」
盗賊「いや見て無ぇな…暗くなるとマズイな」
オエエエッ ドスドス
盗賊「む!!ヘラジカ…」
魔法使い「ハンター!!遅いから心配した!!」
ハンター「すごい地形が変わって…これ何事?」
魔法使い「剣士がハテノ村に来たのよ…ワームを使って整地してくれたわ」
ハンター「おぉぉ無事だったか」
盗賊「ヘラジカ捕まえたか!随分弱ってそうだな」
ハンター「かなり遠くまで行って苦労したよ…ちょっと食事与えてくる」
盗賊「それが良い…ヘラジカは木の実を良く食うぞ?」
ハンター「うん!食べさせたらすぐ戻るよ」グイ ドスドス
698 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:37:30.26 ID:pYa2Z27w0
『教会の外』
ワーイ キャッキャ
盗賊「要らん木材で玩具作ったのか…誰だ?」
子供達「女オークが作ってくれたのー」キャッキャ
女オーク「オークの村にはこういう遊びがあるのよ」
盗賊「俺も登りたくなるじゃ無ぇか」ウズウズ
女オーク「この子たちは野良オーク…でもオークのしきたり何も知らない」
盗賊「俺には見分けが付かんのだが…肌の色か?」
女オーク「そうよ…茶色い肌が野良オーク…緑が西で青が東…南の方に行くと赤い肌の部族も」
盗賊「なるほど…ほんでお前は野良オークって訳か?」
女オーク「私を見てオークと分かる?」
盗賊「見た目じゃ分からんな…オークに詳しそうだからそう思ったんだ」
女オーク「オークも人間もほとんど変わらないのに人間はオークを嫌う…」
盗賊「嫌ってる訳じゃ無ぇな…多分恐れてるんだ」
女オーク「怖い?」
盗賊「そりゃ体格が良いし…なんだか思ったよりも賢いしな?」
女オーク「言葉が通じればもっと仲良く出来るのに…」
盗賊「うむ…ここの子供達を見ていると本当にそう思う…オークは人間が大好きな様だ」
女オーク「オークから見ると人間はとてもかわいい」
盗賊「見て見ろ…子供達は普通に仲が良い…これが本来の姿だ」
女オーク「私達はいつ混ざり合える?」
盗賊「人間にはよ…なぜか自分と違う者を遠ざける心がいつの間にか育っちまう…魔王の心ってのか?」
女オーク「魔王…やっぱり人間に憑りつくのね」
盗賊「こればっかりはどうしようも無いかもなぁ…」
カーン カーン カーン カーン
女オーク「鐘?」
盗賊「食事の合図だ…皆呼んでくるから待ってろ」
699 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:38:31.01 ID:pYa2Z27w0
『教会』
皆さん今日も無事に食事を食べられることに感謝しましょう…
精霊に祈りを…
僧侶「食べて良いですぅ!」
子供達「頂きマンモス〜!!」パクパク
盗賊「シスター元気になった様だな?」
シスター「皆さんのお陰です…どうぞお掛けになって下さい」
魔法使い「剣士は来ないの?」
盗賊「作り物してて忙しいとの事だ…まぁ気にすんな」
魔法使い「食事持って行くわ…何処?」
盗賊「あいつ等が乗って来た小さい飛空艇ん中だ…どうせ食わんぞ?」
魔法使い「うるさいなぁ…持って行くから」スタ
女オーク「…」ジロリ
僧侶「女オークさん肉と木の実のスープでし…新しく採れたヤシの実もあるです…どうぞ」
女オーク「ありがとう…」
僧侶「女オークさんは剣士さんと一緒に旅をしてるですか?」
女オーク「うん…そうよ」
僧侶「私達ずっと剣士さんを探してたです」
盗賊「探してるなら探してるでなんで俺に言わなかったのよ」
僧侶「剣士さんに秘密を守れと念を押されて居たです」
盗賊「秘密?」
僧侶「秘密を守る条件で仲間になったんでしゅ…誰にも力を知られたくないとか」
盗賊「何隠してんだ?あいつ」
僧侶「虫を使う所とかどうして旅をしているだとか他の人に知られるといけないらしいのです」
盗賊「ほ〜ん…まぁ只でさえ目立っちまうからな?」
女オーク「虫を使うと人間達はみんな悪い目で剣士を見るのよ」
盗賊「そら違い無ぇ」
僧侶「光る剣もいつも見えない様に背中に隠してるですね」
盗賊「なるほど…付け狙われるのを回避してるのか…あいつが持ってる光る刀は世界で1本だけしか無い刀だ」
僧侶「どうしてそんな物を剣士さんが持って居るのか知りたいですけど教えてくれないでし」
盗賊「まぁ隠してもいずれバレルだろうから言っとくがあいつは勇者の子だ」
僧侶「勇者って本当に居たですか?」
盗賊「まぁな?誰も知らんだろうが勇者が魔王を葬って今の平和が有るんだ…それは間違い無ぇ」
僧侶「盗賊さんがそれを知って居るという事は勇者の仲間だったのですね?」
盗賊「まぁあんまり他人に喋る事では無い…剣士も同じだったんだろう」
僧侶「理解したです…剣士さんは勇者なのですね」
盗賊「それは違う…話が複雑なんだがあいつは勇者ではない…間違いない」
僧侶「そうですか…思い違いでしたか」
女オーク「勇者じゃないと言い切る理由は?」
盗賊「勇者はな?青い眼をしているんだ…なんつーか世界を導く眼って言うのか?あいつはその眼を親に奪われたんだ」
女オーク「何の為に?」
700 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:39:18.41 ID:pYa2Z27w0
盗賊「勇者の宿命から解放する為だ…青い眼の勇者は魔王と共にこの世から居なくなる宿命を持ってんだ」
女オーク「では親に生かされたという事ね?」
盗賊「まぁそうなる…生きる事を託された訳よ」
僧侶「なんだか深いですね…」
盗賊「だから隠してんだよ…秘密にしとけよ?」
女オーク「剣士は名も無き島でこの世界を救う事を誓った…やっぱり勇者の宿命から逃れて居ない」
盗賊「どういう事だ?」
女オーク「アダムを倒すって…」
盗賊「アイツ気付いてんのか…人間の子供が生まれない原因がアダムに有るって」
僧侶「アダムって誰でしゅか?」
盗賊「神だ…ドリアードっていう植物の中に復活した神の名だ」
僧侶「その話…誰も知らないです」
盗賊「だろうな?俺らだけが知ってる」
僧侶「どうして皆に教えないですか?魔王を倒したこともアダムという神の事も誰にも教えないのはズルいです」
盗賊「誤解すんな…俺らは魔王を倒しアダムという神が復活してこれで平和になったとずっと思ってた訳よ」
盗賊「気付いたらなぜか子供が中々生まれない様になってて今やっとアダムが原因じゃ無ぇかと思い始めた所だ」
僧侶「最小存続個体数って知ってますか?」
盗賊「何の数だ?」
僧侶「人類が繁殖できる最小単位です」
盗賊「聞いた事無いんだがどんなもんよ?」
僧侶「たった10年子供が生まれないだけで一気に個体数が減って絶滅するです」
盗賊「いやまだ間に合うだろ?子供を産める女はまだ居る筈だ」
僧侶「私がもう産めない体だったとしたらどうですか?」
盗賊「待て待て…そういう病気がすでに蔓延だとするとヤバイな」
盗賊「いや待てその為に俺はここに薬を探しに来たんだ」
僧侶「事態はとても深刻だと思うのでしゅ」
女オーク「私見えて来た…剣士が虫を使って世界を救う姿を…剣士はやっぱり勇者よ」
盗賊「あのニョロニョロの虫の奴か…そうだなそりゃ名案だ」
701 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:40:29.83 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
カチャカチャ
魔法使い「剣士?食事を持って来たわ…」スタ
剣士「魔法使いかい?わざわざありがとう…そこに置いておいて」
魔法使い「食べないの?」
剣士「後で頂くよ」
魔法使い「目を合わせてくれないのね…」
剣士「あぁゴメンそんなつもりじゃ無いんだ…ちょっと機械の組み立てで手が離せなくて」カチャカチャ
魔法使い「そんなつもりって…」
剣士「ゴメンよ今忙しい」
魔法使い「剣士?あなたずっとハテノ村に居られる?」
剣士「それはムリかな…」カチャカチャ
魔法使い「又居なくなるのね」
剣士「やる事が有るんだ」
魔法使い「あなたいつも私達と見ている所が違う…ずっと遠くを見てる」
剣士「ハハ…もう僕の正体に気付いて居るでしょ?そういう事なんだよ」
魔法使い「…」
剣士「昔この村で遊んで居た時は楽しかったなぁ…君がリーダーだったね赤毛の番長…皆君のいう事を聞いた」
魔法使い「あの時からずっとあなたは戦い続けているのね?」
剣士「結果的にそうだね…そんなつもりは無かったけど無意識でそういう道を選択してた」
魔法使い「私あなたの事が好きだったの…御免なさい軽々しく言ってしまって」
剣士「その気持ちは嬉しいけど仕舞って置いて…僕は君に答えられないから」
魔法使い「…」ググ ポロ
702 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:41:06.39 ID:pYa2Z27w0
タッタッタ
盗賊「おい剣士!ちょいと話があるんだが…」
魔法使い「はっ…」ゴシゴシ
盗賊「魔法使いも居たか…何やってんだ?」
剣士「よし出来た!!」ジャーン
盗賊「おぉ!?デリンジャよしかちとデカイか?どんな銃よ…」
剣士「ちょっと試し撃ちしたいなぁ…」
盗賊「おいおい…俺を的にはすんなよ?」
剣士「この銃はね2連装なんだ…このラッパみたいな穴から弾が出る」
盗賊「ほう?穴がデカい様だが?」
剣士「どんぐりだと小さすぎるから代わりに銅貨を飛ばす…サイズが丁度良いんだ」カチャカチャ
盗賊「試し撃ちすんならイラン切り株がいくつかあんぞ?整地の邪魔で掘り出した奴がな」
剣士「イイね!!それに撃ってみよう…何処?」
盗賊「木材の切り出し場だ…付いて来い」スタ
703 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:41:43.13 ID:pYa2Z27w0
『製材所』
カチャカチャ
剣士「これで良し…と」
盗賊「ヌハハやはり暴発が怖い様だな?」
剣士「そりゃね…銅貨が破裂するかもしれないし…皆何かの陰に隠れて?」
盗賊「木材の裏だ…こっち来い」
僧侶「何が始まるですか?」ドキドキ
盗賊「俺の新しい武器のテストよ…銅貨を撃ちだす銃なんだとよ」
僧侶「投げ銭でしゅか…」
盗賊「俺にピッタリだ」
剣士「行くよ?」
バーン! ジャラジャラ
盗賊「おぉ!!切り株が破裂しやがった…すげぇ威力だ」
剣士「銅貨が散乱するか…調整に意味が無さそうだな」
僧侶「なんだか銅貨が勿体ないですねぇ…」
剣士「次は飛距離と広がり具合を試したい」
盗賊「ここじゃ危無ぇな…日が出たら川でやると良い」
剣士「まぁ良いか…暴発はしなさそうだしこれは盗賊さんにあげるよ」
盗賊「おぉ!!どうやって使うか教えろ」
剣士「火薬はここの容器だよ…銅貨はこのスロットに丁度12枚収まる」カチャカチャ
盗賊「ほんで引き金を引くだな?」
剣士「間違って引き金を引かない様に安全装置が付いてる…ここの部分さ」
盗賊「ふむふむ…」
剣士「撃ったら毎回安全装置が引っかかる様になってるから毎回撃つ直前に外す感じ」
盗賊「分かった!使って見て何か有る様だったら又相談するわ」
剣士「うん!じゃぁコレ」パス
盗賊「うひょぉぉ…俺もユニーク武器ゲットしたぜ」
---------------
704 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:43:11.29 ID:pYa2Z27w0
盗賊「ところで剣士…お前に話が有ってだな」
剣士「全部聞こえていたさ…線虫を使わせたいんだよね?」
盗賊「なら話が早えぇ」
剣士「それは今までずっとやってるんだよ…皆寝静まった夜中にね」
盗賊「なぬ!?意味が無いってか?」
剣士「シン・リーンで疫病が少ないのはそのお陰なんだ…でも出生率は上がらない」
僧侶「そうだったのでしゅね…」
剣士「僕の線虫で癒せるのは生きている生体だけ…死んでしまった種には意味が無いのさ」
盗賊「種が死んでるだと?まさか俺の種も?」
剣士「魔女はとっくに異常に気付いていろいろ調べているよ」
盗賊「通りで俺と情報屋の間に子供が出来なかった訳だ…死んでるのは男の方か」
剣士「確かな話では無いよ…魔女の蘇生魔法でなんとかなるらしいくらいしか知らない」
盗賊「なら魔女に蘇生魔法をだな…」
剣士「また死なないならそれでも良いかもね」
盗賊「また死ぬ…てことは元を断たん事には意味が無い…ケシの実の流通か」
剣士「それも可能性の一つ…そもそも人間は植物の種子を口にしないと生きていけない…すべての種子を断つわけに行かないよ」
盗賊「やっぱドリアードん中のアダムぶっ倒すのが一番の近道か」
剣士「…それも難しい…なぜならあの光る隕石が飛んで来る…10年前の時のようにね」
盗賊「…手が無い…畜生!!あの第3皇子の野郎」ギリリ
剣士「第3皇子?」
盗賊「お前は知らねぇか…第3皇子の野郎が魔王を封じた魔石を使ってアダムを復活させたんだ」
剣士「魔王を封じた…パパとママが全部集めて光の石に転移させた筈じゃ…」
盗賊「その魔石がどうなったかは知らん…ただドリアードは生きている…つまりあの中にまだあるって事だ」
剣士「分かった…逆だ…アダムは魔王に支配されてる」
盗賊「魔石に封じられた状態で何か出来るんか?」
剣士「エネルギーの供給が条件…供給を止めると脅されたら?」
盗賊「…マジかよ」
705 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:44:11.02 ID:pYa2Z27w0
『飛行船』
メラメラ パチ
魔法使い「なんだか話が重すぎて…」
僧侶「そうでしゅねぇ…剣士さんが抱えている物がやっと理解出来たです」
魔法使い「ハンター?どうして黙っているの?」
ハンター「いや…別に…」
盗賊「ハンターさっきお前隠れて剣士と魔法使いの話聞いて居ただろ」
ハンター「う…」
魔法使い「聞いて居たのね…そうよ私剣士に振られたの!」
盗賊「ヌハハお前等三角関係か…若い若い!!」
僧侶「デリカシーの無い事言っちゃダメです」
盗賊「まぁ良いんだよ!若いうちは振って振られてなんぼよ…まぁハンターと魔法使いもお似合いだぜ?」
魔法使い「ダメダメこいつケチだから!デブでグズなのも知ってるから」
ハンター「ハハ…そう言わないでおくれよ」
盗賊「ハンター!お前にゃ期待してんだ…俺が解錠のすべてを教えてやる…女の解錠の仕方もな?」
ハンター「お願いします師匠」
盗賊「よし!じゃぁまず魔法使い!お前脱げ…今からお前等ヤレ」
魔法使い「なぁっ!!そんなこと出来る訳無いじゃない!!」
僧侶「私も見て見たいですぅ…」ニヤニヤ
ハンター「あのね…人に見せる事じゃない」
盗賊「鍵開けは強引さも必要なんだ…良いから黙ってヤレ」グイ
魔法使い「ちょっ!!放して!!」
僧侶「むふふ」ニヤニヤ
魔法使い「ちょっと僧侶助けて…あぁぁダメ脱がさないで」ジタバタ
ハンター「魔法使い!逃げるよ」グイ
盗賊「ヌハハハハハ俺はしつこいぞぉ?」ダダ
ハンター「こっちだ…早く」グイ タッタッタ
----------------
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----------------
706 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:45:24.04 ID:pYa2Z27w0
『翌日』
コーン コーン メリメリ ドターン
盗賊「女オークの剣はすげぇな?2振りで木を倒しやがる」
ハンター「木材の加工が間に合わないよ」ギコギコ
盗賊「まぁこれで一気に捗る」
僧侶「テーブルとイス出来たですぅ」
魔法使い「木箱は積んでおけば良い?」
盗賊「おぉ!!材料ごとに分けて積んでくれ…終わったら馬車作るの手伝え」
僧侶「手伝えるです!」スタタ
盗賊「早い所馬車組み立てて炭坑の石炭と硫黄を運ばにゃならん…急いで作るぞ」トンテンカン
トンテンカン
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------------
------------
商人「盗賊!!ちょっと来て」
盗賊「おぉ商人!調査は終わったか?」
商人「まぁね…地図作ったんだ…見て欲しい」パサ
盗賊「宝の地図だな?見せろ…おぉ!!未踏の地まで書き込んだかスゲェなこれ」
商人「見ての通りお宝の殆どは未踏の地の様だよ」
盗賊「行くしか無ぇだろ…でも待て直ぐに行けそうな範囲にも有るじゃ無ぇか…んん?」
商人「察したかい?」
盗賊「こりゃもしかして精霊の足取りか?」
商人「多分そうだね…僕達の知ってる範囲の遺跡で生体を乗り換えながら数千年活動したんだ」
多分こうだよ
生誕の地は恐らく南の大陸の南部…約6000年〜7000年前だね
ウンディーネ伝説の時代さ
その後約4000年前に地軸の移動があって大きく文明が入れ替わる
当時の主要な場所はその時にみんな未踏の地に移動した…北極と南極だ
そして精霊の活動場所は北の大陸に移った
僕達が良く知ってるセントラルやシャ・バクダ…シン・リーン等々
とっくに滅んだ都市もあるみたいだね
全部古代遺跡の有った場所に新たに都市が生まれているんだよ
707 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:46:38.93 ID:pYa2Z27w0
盗賊「てことはほぼ行き尽してるな…」
商人「一つだけまだ行けそうなところが残ってる…ここさ」
盗賊「オークの地か…」
商人「多分東オークの領内だよ…この場所にウンディーネが眠って居ると思われる」
盗賊「またエライ遠いな」
商人「でもね…正直期待出来ない…密閉された状態じゃないと6000年も経てばみんな風化する」
盗賊「なんで密閉された状態じゃないと思う?」
商人「オークが精霊の姿形を知って居るからさ…蓋をされた状態だったら分からないでしょ?」
盗賊「なるほど…石造になった精霊を拝んでるってオチだな?」
商人「うん…北の大陸でもそうだったよね?シン・リーンに安置されてる精霊の像」
盗賊「まぁでも一回確認してみんとな?」
商人「エリクサーに浸かったままという可能性もあるから一応調べてはおきたいかな」
盗賊「行くんか?」
商人「その前に名も無き島でホムンクルスをもう1体作る事が出来るかもしれないんだ…先にそっちを解決したい」
盗賊「やっぱお前はホムンクルス第一か」
商人「そうだ!!昨日見つけた謎の容器…開けて見た?」
盗賊「おぉ忘れてた…剣士の飛空艇に積んである」
商人「ラヴがあれをすごく気にしている…絶対何か有る」
機械の犬「ワン!」
盗賊「無理に開けて爆発したりはせんだろうな?」
商人「盗賊は解錠の専門だろう?壊さないで開けて欲しいな」
盗賊「仕組みが何も分からんのだが…」
商人「頼むよ」
盗賊「何か手掛かりがありゃ良いんだけどな?」
商人「そうだ一つ僕の夢話だと思って聞いてくれ…ここの遺跡にはデリンジャーが有ったよね?」
盗賊「10年前に拾った奴な?」
商人「誰が置いたと思う?」
盗賊「ナヌ?誰だと?…おいまさか!」
商人「僕はね…ここの遺跡を最後に封じたのは過去に戻った女海賊じゃないかと思ってる」
盗賊「そういや全部アイツ好みの物ばっか有ったな…て事は俺らへのメッセージか?」
機械の犬「ワン!」
盗賊「マジか…」
商人「ラヴともっと話せれば早いんだけどね…兎に角ラヴが落ち着かない様子なのさ」
機械の犬「ワン!ワン!」
盗賊「そうかアイツが鍵を掛けたとなると…虫か磁石だ…いや分かったぞアダマンタイトと磁石だ」
708 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:53:46.75 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
タッタッタ
盗賊「おお剣士!丁度良い所に来た」
剣士「聞こえてた…ママのメッセージと聞いて作業止めて飛んできた」
盗賊「お前は地獄耳だな…今から謎の容器を開けるぞ」
剣士「うん!」
盗賊「磁石持ってるか?」
剣士「ある…これだよ」ポイ
盗賊「どっか引っ付く場所無ぇか?」カチカチ
盗賊「有った!!ここだ…回すぞ?」スゥ
剣士「狭間に入った…」
プシューー パカ
盗賊「開いた…ガラス容器に入った謎の液体…薬だ!!」
剣士「指輪とママが育ててたダンゴムシ…指輪はもう魔力を失ってる…」
盗賊「このアダマンタイトはアイツが使ってた物だ…て事はもうアイツ何も持って無ぇ」
剣士「ママはこの場所ですべてを置いた…6000年前に…」
盗賊「手紙とかは無い様だ…残念だったな」
剣士「ママは文字が書けないんだ…でも十分さ…ママのメッセージは受け取った」
盗賊「狭間から出るぞ?」スゥ
-----------------
709 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:54:23.08 ID:pYa2Z27w0
商人「あ!突然消えたから何処に行ったかと思ったよ…容器は開いた?」
盗賊「俺は世界一の鍵開け師だ…空いたぞ?」
商人「見せて!薬と指輪…」
剣士「これは僕の物だ…ママからの贈り物だよ」ポロリ
商人「薬を埋めたのは夢じゃなかった」
機械の犬「ワン!ワン!ワン!」ウロウロ
剣士「何か伝えたい事があるんだね?」
機械の犬「ワン!」
商人「その容器の上に外部メモリが置いてあったんだ…メッセージはラヴが知ってる」
機械の犬「ワン!」
商人「でもこれで確定だ…君のパパとママは間違いなく過去に戻って魔王を倒して来た勇者だ…6000年前にここですべてを置いた」
剣士「受け取ったよママー!!何処かで見てるかなぁ…」ポロポロ
機械の犬「クゥ〜ン」
商人「否定?どういう事だ?ここに骨を埋めたんじゃ無いのかい?」
機械の犬「ワン!」
商人「肯定…剣士君!まだ続きがある様だ」
剣士「本当!?」ゴシゴシ
機械の犬「ワン!」
ドコーン ズザザザ
剣士「ワームが暴れてる…」
ハンター「大変だ!!地面からゾンビが這い出てる」ダダ
盗賊「なにぃ!!子供達は?」
ハンター「炭坑から逃げて来てる」
盗賊「魔法使いと僧侶でゾンビ退治やらせろ」
剣士「子供達にも銀の武器を配った方が良い…僕が作る」
盗賊「おう!任せた」
剣士「それと僧侶に言って村に虫除けの方陣を組ませて…ワームはその外で村を守らせる」
盗賊「聞いたかハンター?ゾンビ退治はお前と魔法使いでヤレ」
ハンター「分かった…行って来る」ダダ
710 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:55:05.05 ID:pYa2Z27w0
『広場』
カーン カンカン
剣士「即席で銀の槍を作った…出来た槍から皆に配って」
魔法使い「もうほとんど処理したから急がなくて良いわ」
剣士「変性魔法!」シュワワ
魔法使い「芋を銀に変えて居るのね?」
剣士「結構質の良い銀になる」カーン カンカン
魔法使い「石炭居る?」
剣士「うん!助かる…かまどに突っ込んで」ジュゥゥ
タッタッタ
盗賊「剣士!もうゾンビは片付いたからそんなに武器要らんぞ?」
剣士「手の届くところに沢山置いておいた方が良いよ…又いつ来るか分からない」
盗賊「まぁそうだな」
剣士「倒したゾンビは村の外に置いておけばワームが処理する…疫病起きちゃうから早く運んで」
盗賊「分かった…魔法使い行くぞ!」
魔法使い「うん…」スタ
-------------
ハンター「こっちはおっけ!後はゾンビの体液を燃やしておく」
盗賊「おう!子供達にもやらせろ石炭の粉は腐る程有るからな」
ハンター「地面から這い出て来るのは厄介だね…折角村を柵で囲んだのに意味が無い」
盗賊「だな?まぁ獣が来んだけマシっちゃぁマシだ」
ハンター「遠くの方だとガーゴイルが飛んでいるのも見たんだ…それも心配だよ」
盗賊「子供達に使えるクロスボウも必要になるか…物資が足りんな」
ハンター「ここは陸の孤島だよね」
盗賊「そもそも人が足りん」
ハンター「石炭と硫黄は沢山掘れるのに鉄が無い…」
盗賊「早い所村の安全確保して物資運搬せんとイカン…問題はスピードだ」
ハンター「飛行船でキ・カイまで片道5日…」
盗賊「やるしか無ぇな?」
ハンター「積める量が多いだけ幸いかぁ…」
711 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:55:42.54 ID:pYa2Z27w0
『飛行船』
ガチャガチャ
剣士「女オーク!このクロスボウを教会に運んで」
女オーク「うん…教会を守る?」
剣士「そうだよ…あそこが最後の砦になりそうだ」
女オーク「こっちの飛行船は良いの?」
剣士「9台もクロスボウは要らない…3台あれば十分だよ」
女オーク「勝手に外して怒られない?」
剣士「良いの良いの!僕がもっと良く改造するからこれで納得してもらう」
女オーク「分かったわ…ボルトも運んでおく」ガッサ
剣士「お願い…」トンテンカン
---------------
---------------
---------------
盗賊「おいおい!勝手にクロスボウ外してどうしようってんだ?」
剣士「今は教会で子供達を守れるようにと思ってさ…クロスボウは教会に運んだよ」
盗賊「ふむ…ガーゴイル対策だな?」
剣士「うん…ゾンビは教会に籠ってしまえば問題無いよね?ガーゴイルが来たらクロスボウで戦う」
盗賊「まぁ良いか…ほんで今何作ってんだ?」
剣士「こっちの飛行船もハイディング出来るようにしてるんだ」
盗賊「おぉ!!でかいアダマンタイト有るんか…そりゃ良い」
剣士「きっとレイスに追いつかれるだろうから退魔の魔方陣を工夫してる所だよ」
盗賊「よし!!それなら輸送の時間が大幅に削減できる」
剣士「だよね?あとね?…昨日作った散弾銃…多分飛行船の上から撃つと効果高いと思うんだ」
盗賊「おぉ!なるほどな?クロスボウ一気に12発撃ってるのと同じって事か」
剣士「そんな感じ…火力はもうそれで十分だと思うよ」
盗賊「あれからちと川で試したんだがな…飛距離はクロスボウより飛ぶんだが的に当てようとすると近距離じゃないと当たらん」
剣士「何処に飛んでいくか分からないんだね?」
盗賊「毎回バラバラなのよ…ただ近距離で全部当てた時の破壊力が半端無ぇ」
剣士「だろうね?切り株がバラバラになるくらいだからねw」
盗賊「これ銀貨でも行けるよな?」
剣士「それはお金が勿体ない」
盗賊「そんなん回収する前提よ…ドラゴンゾンビが居ても一発でイケる」
剣士「ハハまぁ工夫して使ってよ」
712 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:56:14.76 ID:pYa2Z27w0
『数日後』
盗賊「…もう行っちまうか」
商人「海賊王を待たせるのも良くないし」
盗賊「もうちっと良い武器が欲しいんだ…次来る時は持って来てくれ」
剣士「爺いじに相談してみる」
盗賊「次はいつ来れそうだ?」
商人「う〜ん…正直分からない…一回キ・カイに戻りたいのもある」
盗賊「俺も輸送でキ・カイまで飛ぶ予定で居るんだが人出がなぁ…」
剣士「ハンター達で何とかなるよ…魔術師が2人も居るんだ」
僧侶「剣士さんに魔術師って認められてるです」ヒソ
魔法使い「シーッ黙ってて」ヒソ
剣士「村の外は沢山のワームが守ってるから大丈夫!」
盗賊「まぁそうだな?俺はしばらく硫黄の運搬でキ・カイと往復してるからそのつもりで頼む」
商人「うん…こっちも上手く人を誘導する」
盗賊「じゃぁ気を付けて行けな?」
剣士「飛ぶよ?」フワリ
シュゴーーーーー バサバサ
盗賊「うはぁ…鳥だなありゃ」
僧侶「形は蛾でしゅね」
盗賊「蛾か!!そうだなありゃデカイ蛾だ」
ハンター「なんか置いて行かれた感が…」
盗賊「何言ってんだ俺らにはまだやる事満載なんだぞ?作業に戻るぞ…来い!!
魔法使い「…」トーイメ
ハンター「…」チラ
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713 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:56:53.04 ID:pYa2Z27w0
『名も無き島_上空』
シュゴーーーー バサバサ
剣士「島に気球が沢山降りてる…爺いじが帰って来てるんだ!!」
女オーク「丁度良かったみたいね」
商人「スゴイな…6台も降りてる」
剣士「女オーク!前と同じ要領で金属糸引っかけて」
女オーク「うん…」バシュン シュルシュル
剣士「羽閉じる」ギリリ ガチャン
女オーク「フン!フン!」グイグイ
フワフワ ドッスン
『小舟のある入り江』
ドドドドドド
海賊王「未来かぁぁぁぁ!!」ドドドドド
剣士「爺いじ…」
海賊王「やっと帰って来よったかぁぁ!!」ガシ ギュゥゥゥゥ
商人「あぁぁぁぁぁ」ポーン ゴロゴロ
海賊王「顔を見せい!!おぉぉぉここに居ったか…この眼や…ワイの娘の眼や」
剣士「爺いじ…苦しい」
海賊王「待っとったんや!!帰って来るのを!!」ベロベロ
剣士「ちょちょ…目を舐めないで」
商人「ハハ…これは又スゴイ歓迎だな…」
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714 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:57:25.12 ID:pYa2Z27w0
『広場』
ワイワイ ガヤガヤ
海賊王「今日は祭りや…どんどん食え…おまんの好きなキノコもあるで?」
剣士「キノコばっかりもう食べられない…」モグモグ
村人「娘さんの養蜂場で採れたハチミツで作ったハチミツ酒持って来たで〜?」
海賊王「未来も飲め!!」
剣士「ママのハチミツ…」
海賊王「商人やったか?おまんも飲め!!」グイ
商人「頂きます…ハハハ」タラリ
海賊王「おまんは誰や?未来の連れかいな?」
剣士「紹介するよ…僕の奴隷の女オークさ」
海賊王「奴隷かいな?」
女オーク「いえ…剣士は私の奴隷」
海賊王「なんやおまんら奴隷同志なんかいな…まぁええ!!おまんも飲めガハハハハ」
女オーク「はい頂きます」ゴクゴク
海賊王「ほーーーう?ええ飲みっぷりやな気に入ったぞい!者共ぉぉぉ酒や!!全部持って来い!!」
村人「ほいさーほいさーほいさっさー」
海賊王「いやしかし未来はワイの婿にそっくりになったな?眼だけ娘と入れ替えただけや」
剣士「みんなそう言うよ」
海賊王「おまんはワイの血も引いとるんや!忘れるなや?」
剣士「この間まで忘れてたさ…この島に来てやっと思い出した」
海賊王「ほんで腹も膨れたやろう…この10年どうやったんや?話してみぃ…」
剣士「うん…実は…」
カクカク シカジカ
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715 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:59:10.95 ID:pYa2Z27w0
海賊王「…ほうか…それでそれでやっと帰って来たちゅう訳やな」
剣士「ビッグママは今どうして?」
海賊王「お姉ぇはな…10年前にワイの所に戻って全てを語ったんやが…」
妹を失って辛い思いをしたのはおまんだけや無いんや
お姉ぇはな…実は妹を真底愛しておってな?
更に戦いの中で意中の人物も失い…輪を掛けておまんも手放す様になってしもうて
心を閉ざしてしもうた
今は誰とも口を利かん様になってしもうとる
持ち味の指導力も無うなってしもうて海賊共に裏切られる様や
剣士「修行している間に何回か会いに来てくれてたよ…変わった様子は無かった」
海賊王「魔女はんとは連絡し合うとる様やな…会話しとるのは魔女はんだけやろう」
剣士「僕は何も知らなかったよ…」
海賊王「なってしもうた物はしゃーない…ドワーフは前だけ見て生きれば良いんやが…おまんは前を向けや」
剣士「何処に行けばビッグママに会える?」
海賊王「ワイも知らん…幽霊船で彷徨っとるわ」
商人「幽霊船の話はたまに聞くよ…セントラル沖だ」
海賊王「ワイも連れ返しに行きたいんやが豪族になった輩が邪魔をして自由に海を渡れんくなってしもうた」
商人「豪族が海戦をやっている話は本当だったんだ…」
海賊王「豪族はな?物資が潤沢で火薬を大量に持っとる…ワイらは硫黄が無いで火薬が作れん」
剣士「それで気球を沢山作った?」
海賊王「そうや?火薬が無い分気球の数で勝負しとる」
商人「燃料は何?」
海賊王「石炭やな…石炭はなんとか掘れる」
商人「剣士…」チラ
716 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 21:59:40.67 ID:pYa2Z27w0
剣士「うん…爺いじ?硫黄が取れる炭坑があるんだけど人が不足しているんだ」
海賊王「本真か!?硫黄鉱山は噴火でみんな無くなってしもうたんや無いか?」
剣士「ハテノ村で硫黄が採掘出来るんだ…でも人が全然足りない」
海賊王「ええ話を聞いたな…硫黄さえあれば豪族に奪われた漁村も取り返せる」
商人「お互いに利があるね…良い取引だ」
剣士「爺いじ?ハテノ村には鉄も足りない…採掘するツルハシも武器も不足してる」
海賊王「鉄は腐る程有るで?鉄と交換やな?」
剣士「良かった爺いじに相談して」
海賊王「おまんはワイの息子や…この島もおまんの物やし何でもいう事聞いたる」
剣士「じゃぁもう一つお願い…僕ドリアードの中に居るアダムを倒したい…力が欲しい」
海賊王「…」
剣士「ダメ?」
海賊王「ちぃと考えさせーや…おまんを失う訳にイカン」
剣士「失うってまだ決まって無いよ」
海賊王「えーか?良く聞け…」
ドワーフの一族はな…勇者を保護する血が流れとるんや
おまんは気付いとらんかもしれんが
おまんの中に勇者の血脈が残っとる…おまんはそれを守らなアカン
その為にワイの娘…おまんのママが犠牲になっとるんや
海賊王「ええな?無茶はイカン!おまんだけは最後まで生きるんや」
剣士「…」---僕の血---
ダンゴムシは自分を犠牲にして仲間を守る
どうしたら良いの?ママ…
--------------
--------------
--------------
717 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:00:17.91 ID:pYa2Z27w0
『小舟のある入り江』
ザザー ザブン
剣士「…」ボー
女オーク「剣士?皆楽しんでるのにどうして一人に?」
剣士「この入り江で良くママと一緒に海を見たんだ…ママは何を見たのかなと思ってさ」
女オーク「ハチミツ酒持って来たわ…飲む?」
剣士「君は全然酔わないね?」
女オーク「私も酔ってみたい」
剣士「頂戴…ぷはぁ」グビ
女オーク「ウフフ…」
剣士「この島にある古代遺跡もさ…6000年前に多分ママが封じたんだと思うんだ」
女オーク「剣士も全部話聞こえていたのね?」
剣士「君もかフフ…そう…それで絶対僕と同じ様にこの入り江で海を見たと思うんだよ」
女オーク「感じたいのね?」
剣士「うん…でもまぁほとんどボーっとしてるだけw」
女オーク「ねぇ…昔みたいに木の棒で立ち合いやらない?」
剣士「もう君には敵わないよ」
女オーク「立ち合いすると色んな事忘れられるの」
剣士「アハそう言えば最近エッチしてないね」
女オーク「それも忘れられる…はい」ポイ
剣士「よーし!!負けないぞ」グイ ダダ
カンカンコン クルクル シュタ
剣士「守備上手くなったね…」タジ
女オーク「私も!!」ダダ
--------------
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--------------
718 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:01:08.72 ID:pYa2Z27w0
『一瞬』
剣士(見える…遅い…)
スカッ
剣士(何だ?…時が止まった?)
??「ママ暗くなって来たよう帰ろうよぉ…」
??「今が一番大きく見えるの!」
??「その望遠鏡で見えるの?」
??「来た来た来た…おっし!見える…おぉぉやっぱりそうだ!!」
??「何?僕にも見せて?」
??「ちょっと魔術書取って!」
??「見せてよぅ」
??「やっぱ欠けてる…なんでだ?」
??「ねぇ…」
剣士(次元の選択…この時に戻れる…これは僕の記憶)
剣士(いやダメだ次元が崩壊する…量子転移はダメだ)
スカッ
剣士(僕にはやる事がある…僕の次元で)
--------------
--------------
--------------
719 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:01:38.77 ID:pYa2Z27w0
『次元の揺らぎ』
??「あれ?…ここは…」
??「パパ?…ここどこ?」
??「魔女?…何処に居るの?」
??「あれ?記憶が…」
??「僕何してたんだっけ…」
??「誰も居ないの?」
---こっち---
??「誰?」
---目を覚まして---
??「ホム姉ちゃん?」
---僕だよ---
??「僕?」
??「僕は…僕は…違う…ここじゃない」
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--------------
--------------
720 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:02:25.54 ID:pYa2Z27w0
『次の一瞬』
ピョン クルクル シュタ
剣士「…見つけた!!」ダダ ブン
バシ!
女オーク「つ…」タジ
女オーク「剣士!!消えるのズルい…」
剣士「え?何もして居ないよ」
女オーク「2回も消えた…私の攻撃を消えてかわした」
剣士「あー魔術師はそういう風に見えるんだ…もう一回打ち込んで見て」
女オーク「行く!」ダダ ブンブン ブン
スカスカ スカ
女オーク「撃つ前に避けて居るの?」
剣士「そういう風に見えるんだよ」
女オーク「これなら…」ダダダ ガシ
剣士「ぅぅぅ…強引に捕まえに」
女オーク「私の勝ち!!ふんっ」ドヤ
剣士「ちょちょ…次は掴まらないからもう一回」シュタタ
女オーク「本気で捕まえるわ」フンッ フンッ
剣士「来い!!」
ピョン クルクル シュタ
カンカン コン
-------------
-------------
-------------
721 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:03:40.69 ID:pYa2Z27w0
『砂浜』
ザザー ザブン
海賊王「何処行ったかと思えば…ええ戦いしとるやないか」
商人「パワーの女オークと速さの剣士…スゴイよね」
海賊王「ワイはあの女オークを気に入ったで?酒は飲めるわ未来と対等にやり合えるわ文句無しや」
商人「剣士は力押しされてるなぁ」
海賊王「女オークは未来の動きを読むようになって来とるな?」
商人「あ!剣士の負けだ…掴まった」
海賊王「ガハハハハハ未来は鍛え直しや酒が美味い!!」ゴクゴク
---------------
剣士「くそぅ!!棒っ切れじゃ君にダメージが入らない」
女オーク「私の勝ちよ!剣士は私の物…言う事聞いて貰うから」
剣士「痛いなぁ君の打撃…」スリスリ
女オーク「ズルした罰」
剣士「ズルじゃ無いって…線虫!」ザワザワ ニョロ
女オーク「ウフフ…全力で動いて気持ちよかった」
剣士「まぁそうだね?アハハハ」
女オーク「背負ってあげる」グイ
剣士「良いよ!歩けるから」
女オーク「じゃぁ背負ってもらう」
剣士「ええ!?ぐぁぁ重い」
女オーク「訓練だから…」
---------------
海賊王「罰ゲームかいな?ガハハハハ仲が良うてええわ」
剣士「女オークは重すぎるんだよ…」ハァハァ
商人「体格は剣士と同じくらいじゃない?」
剣士「筋肉の付き方が違う…というか骨が金属だよ」
海賊王「ワイと同じやな?ワイはもっと重いで?」
商人「うーん僕だけ場違いだ…」
女オーク「剣士?戻ってみんなと食べよう?」
剣士「うん…食べたらもう一回勝負しよう」
女オーク「ウフフ…」
722 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:04:56.35 ID:pYa2Z27w0
『翌日_剣士の家』
だめだぁぁぁエリクサーが足りない!!
剣士「下で商人が騒いでる…」
女オーク「行ってみましょ?」
タッタッタ
剣士「商人どうしたの?」
商人「ホムンクルスを生成するのにここにあるエリクサーじゃ足りない事が分かった」
剣士「エリクサーさえあればホム姉ちゃんを生成出来るんだね?」
商人「あと一歩だ…エリクサーを入手しないと」
剣士「どのくらいの量?」
商人「もともとこっちの容器に入って居た分…多分樽で4杯か5杯」
剣士「パパに全部飲ませちゃったんだ…」
商人「キ・カイに戻れば少しづつ買い付けは出来る」
剣士「樽4つなら飛空艇で運べるよ…シャ・バクダの精霊樹まで行って来ようか?」
商人「頼めるならお願いしたい」
剣士「元々シャ・バクダに居る情報屋さんの所に行く予定だったのさ」
商人「情報屋?どうして彼女に用がある?」
剣士「魔女に情報屋を訪ねろって…」
商人「剣士君は精霊の御所まで一人で行けるのかい?」
剣士「あ…場所が分からない」
商人「精霊樹と話は?」
剣士「した事無い…でも瞑想は出来る」
商人「う〜ん僕が行っても役に立たない…エルフゾンビを覚えているね?」
剣士「うん…」
商人「千里眼で彼を追えば良い」
剣士「あぁ千里眼かぁ…僕は魔女みたいに他人の目を盗み見たりしないんだ…許可なく千里眼はやらない」
商人「ふむ…まぁ良い…精霊樹まで行けばエルフゾンビの方から様子を見に来るのに掛けるか」
剣士「何とかなるよ」
商人「分かった…早速で悪いけど一旦キ・カイまで送って欲しい」
剣士「おっけ!!」
---------------
723 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:06:41.67 ID:pYa2Z27w0
『小舟のある入り江』
フワフワ
海賊王「ガハハハハもう行くんやな?それでこそワイの娘の子や…それでええ…真っ直ぐ前を向け」
剣士「又戻って来るから心配しなくて良いよ」
海賊王「ワイもな?硫黄が早い所欲しいのや…当面はハテノ村とこの島が拠点や」
剣士「僕も拠点はそうする」
海賊王「昨日も言うたがドリアードを倒すちゅうのはちと待てな?時期尚早なんや…ワイにも準備が必要や」
剣士「準備?」
海賊王「何度も言うがドワーフは勇者を守る為に居る…ワイはおまんを守らなアカン…その準備や」
剣士「おっけ!!分かった」
海賊王「それや!!その返事が聞きたかった!!さっさと行って来い」
剣士「ありがとう爺いじ!!」グイ
シュゴーーーー バサバサ
海賊王「ひょぉぉぉ凛々しいのぅ…者共ぉ!!ハテノ村行くぞ!準備せい!!」
---------------
---------------
---------------
月を夢見て編
完
724 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:08:10.87 ID:pYa2Z27w0
『古都キ・カイ』
フワフワ ドッスン
剣士「どうして海に沢山船が出てる?」
商人「豪族の船だよ…どういう訳か集まってるね…行こうか」
剣士「待って!やっぱり様子がおかしい…人が寄って来る」
商人「え?」
女オーク「剣士!あの二人が居るわ」
剣士「飛ぶ…」グイ フワフワ
シュゴーーーー バサバサ
商人「この飛空艇は目立ち過ぎか…」
剣士「どこか他に降りられる場所は?」
商人「キ・カイの外に降りるしかない…そこで飛空艇を隠そう」
剣士「おっけ!…商人さんと女オークもこれを持って」ジャラ
商人「アダマンタイトと魔方陣のペンダント…」
剣士「僕はデリンジャーを使う所を豪族の関係者に見られて居るんだ…そのせいで付け狙われてるんだと思う」
商人「それで豪族が集まってる?」
剣士「そんな気がする…爺いじも豪族と戦ってるって言ってたから捕獲したいんだよきっと」
商人「君は頭が回るね…よしハイディングして僕だけ商人ギルドに戻る」
剣士「え?渡したい物があるって…」
商人「僕が取りに行けば済む事さ…渡したいのは北の大陸の詳細地図とちょっとした機械さ」
剣士「あー地図があると助かる」
商人「君達は飛空艇で待って居てくれれば良い…すぐに戻るから」
剣士「うん…待ってる」
フワフワ ドッスン
商人「よし!場所は分かったからハイディングで隠しておいて」
剣士「おっけ!ハイディング!」スゥ
725 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:09:04.27 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド裏』
タッタッタ
この馬車には戻って来て無ぇか?
見てねぇっすね
くっそ逃げられたか
あの女絶対海賊王の娘だ…変装までやるとは
デカい体は隠し切れて無いっすよ
商人「あぁぁすいません通ります…」
野郎1「おいお前!!コンくらいの背の高さの赤毛の女見て無ぇか?」
商人「赤毛?あー見ました…地下の方にさっき居りて行きましたよ?」
野郎1「なんだと?おい!!チャンスだ地下の入り口張りに行くぞ」
野郎2「やっと金をガッポリ稼ぐチャンスか…」
野郎1「全員で地下を炙りだす…ぐふふふふあの女壊れるまでヤリ尽くしてやるからな」
商人「では…」---こいつ等生きて居たのか---
野郎1「俺は先に地下入り口行くから野郎2は仲間集めて来い」
野郎2「なんでお前が命令するんだ!!俺に借金返してから言えタワケ」
野郎1「まぁそう言うな?金は全部お前にやる…俺はあの女とヤリまくるだけで良い」
野郎2「ちぃぃぃその言葉忘れるなよ?」タッタッタ
--------------
--------------
--------------
726 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:09:53.78 ID:pYa2Z27w0
『1時間後_キ・カイの外』
タッタッタ
商人「どこだ?分からなくなっちゃったな…」
剣士「リリース」スゥ
商人「うわ!!」
剣士「危なかった…商人さんと重なる所だった」
商人「一回見失うと探せないね」
剣士「うん…そう思ってた」
商人「地図と計算機…それからこれはジャイロ…そして高度計」
剣士「おぉ!!欲しかった奴だ」
商人「速度計は無いから自分で工夫して…女海賊はパイプに水を入れて速度に換算してた」
剣士「やってみる…」
商人「それから豪族達が追ってるのは君じゃ無くて女オークの方だね…どうも海賊王の娘と思ってる様だ」
剣士「アハ…ビッグママに背格好は似てるね」
商人「それはそれで都合が良い…色々利用できるからね」
剣士「戻って来た時に樽をどうやって運び入れよう?」
商人「そのまま名も無き島に持って行ってくれれば良いよ」
剣士「あ!そうか…じゃぁ早速行くね」
商人「もう一つ朗報だよ…影武者に綺麗な髪の毛が生えて来ている…肌はすっかり綺麗になったよ」
剣士「それは良かった…彼女によろしく言っておいて」
商人「フフ伝えておく…じゃぁ気を付けて」
剣士「うん…」スタ
727 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:10:43.40 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
シュゴーーーーー バサバサ
剣士「女オーク?操舵変わって?」
女オーク「うん…任せて」
剣士「よし改造するぞぉ!!」
女オーク「ウフフ…」ニッコリ
まずジャイロ…これと羽を金属糸で繋いで連動させてバランスさせよう
高度計は下限が来たら上昇するように
速度は連通管を先端と側面で差圧を測る様にしよう
トンテンカン トンテンカン
---------------
---------------
---------------
『数時間後』
女オーク「どう?」
剣士「時間を測る方法が無いから勘になっちゃうけど大分自動で方向修正出来てると思う」
女オーク「大体羅針盤の方向には向かってるのね?」
剣士「うん…細かいズレはしょうがないかな風向きも変わっちゃうし」
女オーク「高度が下がると変な方向に向いてしまう様ね」
剣士「速度得る為にはしょうがないんだよね…本当は偏西風に乗りっ放しが良いんだけどさ」
女オーク「どのくらいで到着出来そうなの?」
剣士「ママの飛空艇だと狭間に入って5日くらいだったんだ…帆で進むタイプだからジグザグに進む」
女オーク「真っ直ぐだともっと早いでしょう?」
剣士「単純に距離で言ったら半分くらいにはなってると思う…海の上だと何処まで進んでるか分からないんだよ」
女オーク「小舟で海を漂流していたのが昔の事みたい…」
剣士「ハハそうだね?そんなに昔じゃないのに」
女オーク「移動する速さって早くなるほど遅かった時が過去の事に感じる…どうして?」
剣士「ハッ…時空だ…しまった勉強していない」
魔女が言って居たのはコレか
全てを知った後に思い返すと知らなかった時の長さは短い…そして過去に感じる
でも本当は今と同じ長さだった筈…それが短く感じるのは時空がそこにあるからだ
量子転移
分かったぞ
過去はすぐそこにある
6000年前もすぐそこにある…知るか知らないかの差だけなんだ
728 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:11:37.42 ID:pYa2Z27w0
『1日後』
シュゴーーーーー バサバサ
剣士「リリース!」スゥ
女オーク「羅針盤の方向はズレて無いわ」
剣士「まだ海の上かぁ…」
女オーク「左後ろに島が見える」
剣士「どこの島だろ…あれ?でも…」クンクン
剣士「花粉が飛んでる…陸地近いぞ?」
剣士「なんで花粉?これ大分東に流されて…」
女オーク「望遠鏡で陸地見えてる…正面は崖ね」
剣士「崖…崖あああここか!!セントラルの上は通れない…東にかなり流れてる」グイ
女オーク「真っ直ぐ飛ぶのはやっぱり難しいのね」
剣士「でも早いよ…この位置だとあと1日かからないでシャ・バクダに着く」
女オーク「右前方に河口…」
剣士「場所把握…ここだ!河口に漁村が有る筈…このまま行けば森だ」
剣士「よし!ハイディング!」スゥ
---------------
『森南部上空』
シュゴーーーーー バサバサ
剣士「右手見て…10年前の隕石跡地だ」
女オーク「月の模様と同じ物?」
剣士「どうかな?丸くなってるね…そこだけ木が薄い」
女オーク「正面にも…」
剣士「昔は森が全部燃えてる様に見えていたけど…よく見るとまだまだ森は大きいなぁ」
女オーク「円の中心に水が溜まってる…湖になっているのね」
剣士「そうだね…ちょっと地図に書き足しておく」
女オーク「場所わかる?」
剣士「大体ね…山の形で追ってる…ここだ」
女オーク「左前方森の切れ目よ」
剣士「おけおけ!切れ目沿いに北上しよう…場所の把握しやすい」グイ
---------------
729 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:12:24.38 ID:pYa2Z27w0
『翌朝_シャ・バクダ付近』
シュゴーーーー バサバサ
剣士「見えた…あれがシャ・バクダだと思う…」
女オーク「廃墟?」
剣士「まだ誰か住んでるんだろうか…」
女オーク「建物が全部破壊されて…あ!シカが飼われてるわ?」
剣士「一応誰か居そうだね」
女オーク「降りるの?」
剣士「ちょっとオアシスの付近の地形だけ確認してから降りよう」
女オーク「オアシスは何処だろう?見えない」
剣士「森になってるのか…降りて聞いた方が早そうだな…降りよう」
女オーク「うん…」
---------------
『廃墟_シャ・バクダ』
ヒュゥゥゥ サラサラ
剣士「…もう町としては機能していないんだ」
女オーク「人が来るわ…気を付けて」
男「お前達!!何処から来た!!」スラーン
女「…」ギリリ
剣士「あ…旅の者だよ…情報屋という人を訪ねに来たんだ」
男「人間か…南から来たんだな?」
剣士「まぁ…南の方だね」
男「魔物が多い…建屋に入れ」
女「ドラゴンが居なくなった…早く」
剣士「ドラゴン?」
男「ここらはしきりにドラゴンが飛び回る…危ないから建屋に」
730 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:13:29.59 ID:pYa2Z27w0
『監視所』
ガチャリ バタン
監督「おいおいまた迷い込んで来たのかぁ?」
衛兵1「まぁそこに掛けろ…」
衛兵2「あなた達何処から?」
剣士「キ・カイから来たと言って信じて貰えるのかな?ハハ」
監督「アホか…どうせスプリガン狩りで森に迷い込んだだけだろう…ったく」
衛兵1「情報屋を尋ねに来たと言うのは?」
剣士「うん…遺跡の調査をしている筈なんだ」
監督「アレだ女王お抱えの部隊に調査員が居る…多分そいつだ」
剣士「今何処に?」
衛兵1「オアシス砦の方に部隊が駐留している…どちらにせよ放浪者はそちらに移送するんだが…」
衛兵2「行くしか無いわね…」
監督「ここを空ける訳にはイカン…お前達まで怪我をしては…」
衛兵1「どうします?先に応援要請しましょうか?」
剣士「あの…僕達自分で行けるよ…周辺の地理と場所だけ教えて欲しい」
監督「冒険者気取りかぁ?そう言って何人も担ぎ込まれてる」
剣士「そんなにこの辺は魔物が?」
監督「デザートウルフにスプリガン…リザードマンにミノタウロスまでうろつく…お前等に行けるのか?」
剣士「ハハ大丈夫だよ」
衛兵1「監督…この2人は体格も良くて装備も整ってます…伝令を任せてみては?」
監督「応援要請か…ふ〜む」ジロジロ
731 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:13:58.40 ID:pYa2Z27w0
衛兵2「シカを貸与すれば割と安全にオアシスまでは行ける筈」
監督「シカに乗って逃げるのがオチだ…伝令は頼めん」
女オーク「シカを買い取るのはどうかしら?」
監督「お前等金持ってるのか?1頭金貨2枚だ…払えんだろう」
女オーク「…」チャリン
監督「うぉ…ここはシカの斡旋所では無いんだが…」
衛兵2「餌も少ないし良いかと…」
監督「まぁ良い…書簡にシカの補給も書留よう」カキカキ
衛兵1「手が掛からんだけ助かる…周辺の地図はコレだ…何かに書き写してくれ」パサ
剣士「ペンが無い…」
衛兵2「ペンよ…ほら」ポイ
剣士「ありがとう…」カキカキ
監督「よし!書簡が出来た…これをオアシス砦の衛兵の誰かに渡せば良い」
剣士「うん…」
衛兵1「夜は魔物が活発になる…移動するなら今の内に行くんだ」
衛兵2「どうしても魔物から逃げられない場合は遺跡に向かえばエルフに助けられる筈…」
剣士「遺跡にエルフが?」
監督「エルフに攻撃はするな!?関係が悪くなると俺達もここには居られなくなる」
剣士「分かったエルフは味方ね」
衛兵2「味方では無くてただのエルフの好意…繋がりは何も無い」
剣士「そっか…じゃぁ行く…ありがとう」スタ
732 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:21:01.38 ID:pYa2Z27w0
『森の入り口_星の観測所の有った所』
ドスドスドス
剣士「有った!!目印の瓦礫だ…ここから森に入れば獣道沿いで遺跡には行けるみたいだ」
女オーク「オアシスの砦には行かないの?」
剣士「うーん…どうしようかなぁ」
女オーク「目的地は遺跡?」
剣士「遺跡に行けば情報屋さんに会えるかなと思ったけど…オアシス砦に向かった方が良いかもなぁ…」
女オーク「剣士!!上」
剣士「え?あ…ドラゴンだったのか」
女オーク「気付いてた?」
剣士「何の匂いだったか気になってたんだ…旋回してるね」
女オーク「呑気にしてて良いの?」
剣士「ドラゴンはエルフに悪さしない限り襲って来ないよ」
女オーク「そうなんだ…」
剣士「でも旋回してるから何か見張ってるんだろうね」
女オーク「私達は平気?」
剣士「心配無いよ…ワームが沢山居る」
女オーク「そう…」
剣士「よし!決めた!!先にオアシス砦に行こう…その後に遺跡だ」
女オーク「うん…」
733 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:21:41.80 ID:pYa2Z27w0
『獣道』
アオ〜〜〜ン アオ〜〜ン
女オーク「ウルフの遠吠え…」
剣士「昼間から遠吠えはおかしい…何かに警戒してる」
女オーク「急ぎましょ」
剣士「そうだね…ウルフとは戦いたくない」
ザワザワ
剣士「む…エルフに見張られてる…」クンクン
女オーク「何処?」
剣士「遠くて分からない…複数」クンクン
女オーク「森に近付くなという事かしら?」
剣士「さぁね?先を急ごう…」
ドスドス ドスドス
『オアシス砦』
おい!誰か来たぞ
監視所の奴らじゃないか?
衛兵「止まれ!!お前達は何者か?」
剣士「監視所から書簡を届けに…これを」パサ
衛兵「ふむふむ…なるほど怪我人が出て人員が居ないのか…それで代わりに」
剣士「僕達は情報屋という人を尋ねに来たんだけどここに居るかな?」
衛兵「一先ず門の中に入れ…話はそこで聞く」
剣士「うん…ありがとう」グイ
ドスドス
女オーク「中は小さな町なんだ…」
衛兵「…それで情報屋を尋ねに来たと言う事だが…まずお前達は誰だ?」
剣士「えーと…どう伝えれば良いかな…シン・リーンの魔女の使いだと言えば信じて貰える?」
衛兵「何!ではお前は魔術師か?」
剣士「うん…照明魔法!」ピカー
衛兵「おぉ!!シン・リーンが要請に応じた訳か…ササこちらへ」
剣士「要請?」
衛兵「聞いて居ないか?魔物が増えて対処し切れなくなっているのだ」
剣士「ゴメン何も聞かされて居ない」
衛兵「怪我人の治癒だけでも随分助かる」
剣士「それなら簡単だよ…どうすれば?」
衛兵「兵舎に居る…流行り病も多い」
剣士「おっけ!任せて」
衛兵「案内する」
734 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:22:19.27 ID:pYa2Z27w0
『兵舎』
ぅぅぅぅ…治療師はまだか
毒消しがもう無い…辛抱しろ
衛兵「おい!喜べ!魔術師が来たぞ!」
剣士「うわ…皆毒に掛かってるのか…どうして?」
衛兵「スプリガンとスライムだ…加えて最近はマンイーターという植物の魔物も発生している」
剣士「まとめて一気に治療するよ?驚かない様に?」
衛兵「回復魔法に驚くも何も…」
剣士「線虫!毒を食らえ!」ザワザワ ニョロリ
ワサワサワサ ニョロニョロ
衛兵「虫!!うわぁぁ」タジ
剣士「大丈夫…虫が全部毒を食べて体も癒すから」
衛兵「こ…これで治療は終わりか?」
剣士「うん!直ぐに良くなるから安心して?」
ぎゃぁぁぁ助けてくれぇぇ
ひぃぃぃ虫が…虫がぁぁぁ
衛兵「シン・リーンもまた特殊な魔術師を送って来る…」
剣士「ところで情報屋さんは何処に?」
衛兵「あぁそうだったな…残念だが入れ違いになっている」
剣士「ええ!!もしかして居ない?」
衛兵「随分前にシン・リーンの気球に乗って何処かへ向かった様だ…至急の事で行き先はわからん」
剣士「なんだ無駄足だったかぁ…困ったなぁ」
衛兵「なんなら砦に身を置いて戦力になって貰えると助かるのだが…」
剣士「用事があっていつまでも居る訳には行かないんだ」
衛兵「情報屋を訪ねる以外に用事があると?」
剣士「精霊樹に行きたいんだよ…場所が分からない…情報屋さんに聞こうと思ってたのさ」
衛兵「この辺りの事情を知らない様だな?」
剣士「事情?」
衛兵「精霊樹は遺跡の北西に位置するがエルフの許可が無いと立ち入れないのだ」
剣士「遺跡の北西ね…おけおけ」
衛兵「聞いて居るのか?エルフの許可が…ん?まさか魔女様の許可を得ている?」
剣士「ハハ…まぁそんな感じかな」
衛兵「許可を得ているなら行っても構わんがくれぐれもエルフと揉め事だけは起こさない様に」
剣士「大丈夫だよ」
衛兵「森で野生の動物を倒すのは厳禁だ…クマが相手でも手を出さない様に」
ピーーーーーー ピーーーーーー
衛兵「敵襲!?話はここまでだ」ダダダ
735 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:22:50.97 ID:pYa2Z27w0
『中庭』
ガヤガヤ ドタドタ
閉門!!閉門!!
ダメだぁ!!撃つな!!
門番「北側にウルフ20頭…西側にも20頭ほどに囲まれてる」
衛兵「松明を用意しろ!!火で寄せ付けるな」ドタドタ
剣士「…参ったな門を閉じられちゃった」
女オーク「足止めね…」
剣士「今から精霊樹に行っても夜になるから一晩待とうか」
女オーク「上…」
剣士「ドラゴンずっと旋回してるね…なんか思ったより慌ただしいなぁ」
女オーク「夏なのに雪も少しチラついてる」
剣士「寒くなりそうだね…宿あるんだろうか?」
女オーク「寒さ凌ぐのは兵舎で良いのでは?」
剣士「折角だしベッドで寝たいよね」
女オーク「シたいの?」
剣士「ハハずっとシテ無いしね」
女オーク「ウフフ…」
剣士「あ!そうだ…どうして君が金貨持ってる?」
女オーク「剣士はお金に無頓着だからって商人が私に渡したの」
剣士「なんだ…そういう風に見られてたのか」
女オーク「お金ある?」
剣士「全部飛空艇に置いてきた」
女オーク「ほらね?」
剣士「ハハまさかお金が必要になるとは思ってなかったさ」
女オーク「私はお金の相場が分からないから心配…」
剣士「シカ一匹金貨2枚はちょっと高いかな…でもあの場合は仕方ない」
剣士「それで商人さんから幾ら貰った?」
女オーク「金貨10枚…残り6枚ね」
剣士「なんだケチだなぁ…色々協力した割に…」
女オーク「代わりに地図とか羅針盤を貰ったでしょう?」
剣士「まぁ良いや!宿探そう」スタ
736 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:25:51.23 ID:pYa2Z27w0
『宿屋』
オンギャー オンギャー
婆「おやおや…定期便が来ていないのにお客とは珍しい…おぉよしよし」
女オーク「赤ちゃん?珍しい…」
剣士「本当だね…」
婆「騒がしくて済まないねぇ」
剣士「宿空いてる?」
婆「食事の用意は無いが良いかね?」
剣士「寒さ凌げれば良い…一晩いくら?」
婆「一人銀貨5枚だよ」
女オーク「はい…」コロン
婆「あらま?金貨かね…お釣りが用意出来んのだがどこぞで銀貨に変えて来れんか?」
剣士「露店も商人も居なかったんだ…どうしようかな」
女オーク「もう良いじゃない?どうせ使い道無いのだし」
剣士「ハハお金に無頓着は君も同じじゃ無いか」
婆「釣りを用意出来んのは悪いでせめてコレを持ってお行き」ジャラリ ドスン
剣士「銀貨50とお酒かぁ…このお酒は?」
婆「サボテン酒だで?昔はサボテンが沢山あったのだが今はもう無いで貴重な酒なんよ」
剣士「おけおけ!思わぬ楽しみが増えたよ」
婆「ゆっくり休んで行きーな」
赤ちゃん「オギャーオギャー」ヒック
737 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:26:24.96 ID:pYa2Z27w0
『部屋』
ガチャリ バタン
女オーク「質素なお部屋…」
剣士「さて!どっちが強いか勝負しようか」
女オーク「もう?ウフフ良いわ」
ドタン バタン ドスドス
-------------
-------------
-------------
剣士「フフフ僕の勝ちだ!」
女オーク「ま…まだ…」ビク ビク
ザワザワ ザワザワ
剣士「外が騒がしいな…」
女オーク「逃げる気?」ガクガク
剣士「ちょっと様子見て来る…君は休んでて良い」ゴソゴソ
女オーク「まだ負けてないから…」グッタリ
剣士「行って来る!」スタタ
738 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:33:19.76 ID:pYa2Z27w0
『中庭』
ザワザワ ザワザワ
スライムが入り込んでる!
ダメだここで倒すな!毒が広がる
門が閉まってるんだどうしろってんだ
魔術師が居た筈だ探して来い
剣士「スライム…たった一匹でこの騒ぎか」
衛兵「居た!!良かった…我々ではスライムを焼けない!なんとかしてくれ」
剣士「分かった…火炎魔法!」ボボボボボ
スライム「プギャァァ…」メラメラ
衛兵「破裂するぞ?」
剣士「サンドワーム!従え!スライムを食らえ!」
モゾモゾ ズドーン バクリ
衛兵「サンドワーム…」タジ
剣士「大丈夫!驚かないで…サンドワームを操って居るから」
衛兵「そ…そうか…撃つなぁ!!サンドワームを撃つなぁ!!」
剣士「サンドワーム!地中に潜れ!」
モゾモゾ モゾモゾ
剣士「あと穴を埋めておけばもう戻って来ないよ」
衛兵「助かった…さすがシン・リーンの魔術師」
剣士「北の空で炎が…」
衛兵「アレはドラゴンのブレスだ…精霊樹に近付くスライムを焼いて居る」
剣士「エルフとドラゴンの敵がスライム?」
衛兵「そうだ…エルフとドラゴンは精霊樹を守って居るのだ…敵はスライムにスプリガン…そしてマンイーター」
剣士「なるほど事情が読めて来た…この砦はサンドワームに守らせるから安心して」
衛兵「助かる…しかしサンドワームは我々の主食だ…どうすれば?」
剣士「好きにしたら良い…サンドワームは沢山居るから」
衛兵「ハハ良く分からんが兎に角感謝する」
分かって来たぞ
エルフとドラゴンはドリアードの浸食から精霊樹を守って居るんだ
彼らもドリアードと戦っている
そしてウルフは僕を迎えに来てるんだ
行かなきゃ
739 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:33:54.52 ID:pYa2Z27w0
『宿屋』
ガチャリ バタン
女オーク「聞こえていたわ?魔物が進入して来たのね?」
剣士「うん…女オーク聞いて?僕の友達が砦の外で僕を待って居る様なんだ」
女オーク「友達?こんな所で?」
剣士「君には言ってなかったけど…ずっと一緒に過ごして来たウルフが居るんだよ」
女オーク「ウルフ…それで砦が包囲されて居るのね?」
剣士「多分ね」
女オーク「迎えに行くのね?」
剣士「うん…少し離れて待っている様に話してくる」
女オーク「一人で平気?」
剣士「大丈夫…その方が動きやすい」
女オーク「分かったわ…」
剣士「ゴメンね?続きはまた今度」
女オーク「…いいわ」
剣士「じゃぁ行って来る」タッタ
----------------
----------------
----------------
アオーーーン アオーーーーン
740 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:34:20.55 ID:pYa2Z27w0
『翌日』
チュン チュン
剣士「よし!行こう…遺跡でウルフが待ってる」
女オーク「うん…昨夜は寝て居ないのでしょう?大丈夫?」
剣士「平気さ…君も寝ていない顔をしているよ」
女オーク「平気…癒されたから」
剣士「どんぐり食べる?」ポイ
女オーク「…」モグ
---------------
門番「開門!!開門!!」ガラガラガラ ガシャーン
衛兵「昨夜は世話になった…獣道から逸れると危ないから気を付けて」
剣士「もうウルフが来る事は無いから安心して良いよ?」
衛兵「ウルフも使役するのか?」
剣士「まぁね?」
衛兵「フフさすがシン・リーンの魔術師…協力に感謝する」ビシ
剣士「シカさん行くよ?お願い…」
ドスドスドス
741 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:34:51.60 ID:pYa2Z27w0
『獣道』
バサバサバサ ピュー
剣士「昼間はうって変わって良い雰囲気の森だ」
女オーク「鳥が沢山…」
剣士「えとね?秘密があるんだよ?あの鳥たちは本当はトロールなのさ」
女オーク「本当に?」
剣士「パパに教えて貰った…トロールっていつも肩に鳥を乗せてるんだって」
女オーク「へぇ?トロールは見た事無いわ」
剣士「南の大陸には居ないもんね…そして夜にしか動かない」
女オーク「じゃぁ森の中にある大きな石は…」
剣士「多分トロールだよ…僕らの話声は全部聞こえてると思う」
女オーク「変なお話出来ないわね?」
グルルル ガウ
女オーク「え!?ウルフ?」
剣士「あぁぁコラコラ!遺跡で待っててって言ったじゃない」
ウルフ「ガウルルルル…」
剣士「え?あぁ僕の奴隷の女オークさ」
女オーク「剣士は私の奴隷よ…」
剣士「まぁどっちでも良いや…彼女強いんだよ?」
ウルフ「ウゥゥゥゥ…」
剣士「大丈夫だって!威嚇しないで?」
女オーク「ウルフとお話出来るんだ…」
剣士「付き合い長いからね…え?毒?そうか…みんな線虫欲しいんだね?おけおけ…向こうに着いたらやってあげる」
女オーク「ウルフたちも毒に?」
剣士「そうらしい…薬草を探すのに随分遠くまで行く必要があるみたい」
女オーク「ウルフも私達と同じなのね」
剣士「そうだよ?言葉が通じないだけで人間と仲良く出来ない…オークと同じだね」
女オーク「私がオークだって分かってる?」
剣士「匂いですぐに分かるさ…ウルフは人間よりずっと鼻が利く」
女オーク「それで直ぐに剣士を見つけたのね」
剣士「いづれこの森に来ると思って待ってたんだって」
女オーク「賢いわね」
剣士「人間と同じくらいにはね?…でもね?物を投げられると反射的に拾いに行く癖がある」
女オーク「フフ…」
剣士「あんまり遊ぶと噛まれるけどねw」
ウルフ「ガウルルルル…」ガブガブ
剣士「分かった分かった秘密にしとくから…」
742 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:35:42.49 ID:pYa2Z27w0
『シャ・バクダ遺跡』
ウゥゥゥ ガルルルル
剣士「線虫!癒せ!」ザワザワ ニョロリ
ウルフ「ワオーーーン!」パタパタ
女オーク「喜んでるw」
剣士「さて…折角遺跡に来たからパパとママを最後に見た場所に行って見よう」
女オーク「この遺跡で最後を…」
剣士「直ぐ近くなんだ…どこだっけな」
ウルフ「ガウガウ…」シュタタ
剣士「そっちか!全然景色が変わってる…」
ウルフ「ガウ…」ココホレワン
剣士「ここだ…この場所だ…」
女オーク「…」
剣士「…」スゥ
------------
------------
------------
『あの時』
僕「パパ?どうする気?」
パパ「未来…自分の次元を強く持て」
僕「え?どういう事?」
パパ「見ていれば分かる…言う事聞けるな?」
僕「ママも一緒に行っちゃうの?」
ママ「一緒に魔王を倒すからちゃんと見ていなさい」
僕「…うん」
パパ「女戦士!後は頼んだ…エルフ達!援護を頼む!行くぞ」シュタタ
ビッグママ「未来…意味がわかるか?」
僕「…」
ビッグママ「最後まで良く見て置け…勇者の宿命だ」
僕「パパ…ママ…」
パパとママが魔王を封じるのを
ほとんどの人が見ていなかった
こんなにもあっさりと物事が終わって
僕の心にポカンと穴が開いた
大きな変化は何も無いのに
只…目の前から消え去った
その後に光る夜が来た
その時
僕が始まった
僕の物語
743 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:36:46.73 ID:pYa2Z27w0
『シャ・バクダ遺跡_地下』
学者「見学ですかね?」
剣士「昔ここに避難してた事があってね…近くまで来たから気になったんだ」
学者「ほう…そうでしたか…散らかって居ますが遺物には触らない様にお願いします」
剣士「うん…書物は読んでも?」
学者「考古学に興味がおありで?」
剣士「僕はシン・リーンの魔術師さ」
学者「これは失礼しました…ご自由にお読みください」
剣士「ありがとう…汚さない様にするよ」
-------------
女オーク「ここも思い出の場所なのね?」
剣士「あんまり良い思い出は無い…情報屋さんの行先が分からないかと思ってさ」
女オーク「難しそうな資料ばかりなのね…分かるの?」
剣士「ハハ全然分からない…」パラパラ
超古代史とウンディーネ伝説との関連
古代史と自転の変化による文明の崩壊と再構築
近代史における魔術介在による文明の変遷
人類行動の進化過程
食料生産と放牧の傾向
超高度AIの発見と発祥の考察
剣士「あれ?ホム姉ちゃんの事が書かれてる…こんな事まで研究してるんだ…へぇぇすごいな」
パサ ヒラヒラ
女オーク「何か紙が落ちたわ?」
剣士「この書物からだ…あ!!これ情報屋さんの日記だ」ヨミヨミ
女オーク「何の絵かしら…」
剣士「あ!!それ僕が書いた書物の写しだ…そうそう確かドリアード遺跡に一人で行こうとしてたんだ」
女オーク「あまり他人のプライベートを見ない方が良いのでは?」
剣士「フフ僕がここで家出した事が書いてある…へぇ?こんな事が合ったのか」ヨミヨミ
女オーク「ダメよそれ以上見たら」グイ
剣士「うんそうだね…僕が蟲使いの道を選んだきっかけだったんだよ」
---あまり思い出せないけど…なんか気になるなぁ---
744 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:37:17.55 ID:pYa2Z27w0
『勇者の像』
剣士「この石造は大昔の勇者本人なんだって」
女オーク「どうして石造に?」
剣士「不思議だよね?」
スタスタ
剣士「誰か来る…」クンクン
女オーク「え!?」
剣士「…」クルリ
エルフゾンビ「此処に居たか…勇者の子だな?」
剣士「エルフゾンビさん?」
エルフゾンビ「如何にも…お前を数度しか見たことが無かったが…勇者に瓜二つだ」
剣士「良かった…探さないで済んだ」
エルフゾンビ「精霊樹が呼んで居る…付いて来い」
剣士「え!?…精霊樹が僕を?」
エルフゾンビ「精霊樹に呼ばれる意味は分かるか?」
剣士「まさか僕を勇者にするつもり?」
エルフゾンビ「すでに勇者だ…導きを受けるのだ」
剣士「僕の勇者の眼はママが…」
エルフゾンビ「青い瞳の宿命はお前の母が背負った…それだけだ」
剣士「それだけ?…」
エルフゾンビ「来い…」スタスタ
剣士「あ…女オーク!見学は終わりだ…付いて行こう」
745 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:37:59.37 ID:pYa2Z27w0
『精霊樹』
サラサラ サラサラ
剣士「沢山のエルフに囲まれてる…」
エルフ「…」ジーーーー
エルフゾンビ「すべてのエルフがこの森に集っているのだ」
剣士「エルフの森はどうなって?」
エルフゾンビ「浸食され既に死の森へと化した…この森は最後の砦なのだ」
剣士「知らなかった…」
エルフゾンビ「…これが精霊樹だ導きを受けろ」
剣士「どうやって?声なんか聞こえない」
エルフゾンビ「目を閉じて感じろ…」
剣士「瞑想か…」スッ
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女オーク「え!?どうしてエルフが私に跪いて…」
エルフゾンビ「フフどうやら男エルフ達に気に入られた様だ」
女オーク「エルフに興味無いわ…」
エルフゾンビ「只の儀礼だ…気にするな」
女オーク「どうしたら…」
エルフゾンビ「目を合わせてみろ」
女オーク「…」スッ ドキッ
エルフゾンビ「フフ…」
女オーク「止めて…勝手に心を触らないで」
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746 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:38:35.23 ID:pYa2Z27w0
剣士「…」パチ
エルフゾンビ「導きを聞いたな?」
剣士「ぁ…こ…これはどういう事だ?思い出せって何の事だろう…」
エルフゾンビ「混乱して居るのか?」
剣士「僕には森を統べる力が有ると…導きを思い出せって…何の導きなのか…」
エルフゾンビ「白狼の血脈も受け継いでいるのだ…その記憶の事では無いのか?」
剣士「僕が森を守るという事?」
エルフゾンビ「精霊樹は助けを求めているのだ…恐らくお前にしか出来ない」
剣士「命の種子は夜に運ばれる…闇に光を照らしてって…意味が分からない…どうすれば良いの?」
エルフゾンビ「それはお前が答えを見つける事だ…一つ分かるのは命の種子と言うのは精霊樹の花粉の事」
剣士「花粉は夜に運ばれる…闇に光…月の事か?」
女オーク「剣士?エリクサーの事は伝えた?」
剣士「伝えたよ…でも返事が無い」
エルフゾンビ「ほう?…察するにエリクサーを求めに来たな?」
剣士「うん…ホム姉ちゃんを蘇らせる為にエリクサーが樽で4〜5杯必要なんだ」
エルフゾンビ「今何と言った!?ホムンクルスが蘇るだと…時代の節目はまだ先だと言うか!!」
剣士「えーと話しが掴めない…時代の節目って何?」
エルフゾンビ「お前はアダムという神が復活したのは知って居るな?」
剣士「うん…」
我々エルフはアダムと決別し精霊樹を主として生き永らえている
アダムは新たな森を構築し始め我々エルフは追い出されたのだ
精霊シルフが滅び新たなアダムという神の下
新時代を受け入れたつもりだがアダムはそれを許さなかった
精霊樹の森を侵食し始め我々は窮地に立って居る
その最中お前がこの森へ訪れ…今…精霊を蘇らせると言う
747 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:39:02.19 ID:pYa2Z27w0
エルフゾンビ「分かるか?我々の敵はアダムだ…新時代はまだ来ていない」
剣士「僕が思って居る事と同じだ…やっぱりそういう事なんだね…」
エルフゾンビ「お前はそれを知りながらここに訪れたと?」
剣士「今は時期尚早だって僕の爺いじが言ってる」
エルフゾンビ「尚早?何故?」
剣士「あの光る隕石だよ…ミサイルって言ったっけ…あれを封じる事が出来るのはホム姉ちゃんだけさ」
エルフゾンビ「ふむ確かに…」
ズゴゴゴゴ ドーン
エルフゾンビ「聞いたか?御所への通路を精霊樹が開いた…エリクサーの許可が出た様だ」
剣士「ハハやった!!返事が無いからダメかと思った」
エルフゾンビ「樽はどこだ?」
剣士「飛空艇に乗せてある…ここまで乗って来ても良い?」
エルフゾンビ「急げ…日が暮れると森の浸食が始まる」
剣士「女オーク!ここで待ってて?僕一人で走った方が早い」
女オーク「分かったわ…気を付けて」
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748 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:39:45.79 ID:pYa2Z27w0
『精霊の御所_入り口』
サラサラ サラサラ
女オーク「エルフの子供まで…」
エルフゾンビ「珍しいだろう?エルフの森以外では滅多に見る事が無い」
女オーク「触っても?」
エルフゾンビ「さぁな?エルフは肌の触れ合いは好まんのだが…」
女オーク「…」ナデナデ
エルフの子供「…」ジー
女オーク「反応が分からない…」
エルフゾンビ「目を合わせて見ろ…感じるんだ」
女オーク「…」スッ ギク
エルフの子供「…」ジー
女オーク「こ…こんにちは」タジ
エルフの子供「…」ジー
エルフゾンビ「フフ性が合わんか?近づいて来るという事は好かれて居るのだぞ?」
女オーク「私はオークよ…どうして?」
エルフゾンビ「匂いだな…エルフは目で物を見ない…空気で物を見る」
女オーク「どんぐり食べる?」スッ
エルフの子供「…」カリ モグ
エルフゾンビ「そういう所が好まれる」
エルフの子供「…」ジー
女オーク「表情で気持ちが読み取れない…」
こういう事なのね
エルフに好かれても私はエルフを好きになれない
オークは人間が好きなのに人間に好かれない
剣士はとっても分かりやすい…だから好き
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ギャオーーーース バッサ バッサ ドッスーーーン
女オーク「ドラゴン…大きい」タジ
エルフゾンビ「初めて見るか?」
749 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:40:14.52 ID:pYa2Z27w0
タッタッタ
剣士「飛空艇持って来たよ…途中でドラゴンが寄って来てびっくりした」タッタッタ
エルフゾンビ「もうすぐ日暮れだ…今日はもう飛空艇で飛べないと思え」
剣士「戦いが始まるの?ドラゴンは森を守る為に来た?」
エルフゾンビ「そうだ…我々の戦いを見て行くか?」
剣士「見て行くかって…それしか選択が無いじゃない」
地上はスライムとスプリガン…マンイーター
上空にアルラウネとその種子…他にも幾多の胞子が飛ぶ
それらをすべて焼き払う
特にケシの種子はいつの間にか増えるから完全に焼く必要がある
剣士「飛んで来る種子を全部焼くなんて無理過ぎる気が…」
エルフゾンビ「風を使って巻き上げるのだ…そして焼く」
剣士「ボルケーノか…」
エルフゾンビ「風が止む凪の時に戦いが始まる…その前までにエリクサーを飛空艇に積んでおくんだ」
剣士「フフ…僕達も加わらせるつもりだね?」
エルフゾンビ「森の全域を守る大変さは分かるな?」
剣士「僕に何が出来るかな?…僕は高位のエレメンタル魔法は苦手だ」
エルフゾンビ「マンイーターが大型で厄介なのだ…突然地面から現れる…少しでも戦力になれば助かる」
剣士「おけおけ!地上専門ね」
エルフゾンビ「エルフの戦い方は分かるな?」
剣士「森の声だね?」
エルフゾンビ「それを知って居れば良い…早くエリクサーを運んで備えろ」
剣士「うん!」
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750 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:40:48.09 ID:pYa2Z27w0
『浸食』
ドコーーン ドコーーン
剣士「始まった…トロールが動き出した」
女オーク「北東ね…ドラゴンがブレスを吐き始めた」
剣士「走る事になる…付いて来てね?」
女オーク「うん…」
剣士「ウルフ!先導お願い」
ウルフ「ワフ!!」シュタタ
剣士「付いて行くよ…」シュタタ
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剣士「見つけた!スプリガン!」
女オーク「私が行く」ダダダ
剣士「サンドワーム来い!スライムは任せる!」
モゾモゾモゾ バクリ
女オーク「てやぁ!!」ブン ザクリ
スプリガン「キシャァァァ…」ブーン ブンブン
女オーク「虫?」
剣士「蝿虫!従え!」ブーン
剣士「今の内に止めを!」
女オーク「フン!」ブン グサ
剣士「よし!燃やす!火炎魔法!」ボボボボ
女オーク「剣士に虫がどんどん集まって…」
剣士「ハエは全部使役してる…スプリガンはどんどん倒して行こう」
女オーク「私が倒して剣士が燃やすのね?」
剣士「そう…魔石は後で拾う」
女オーク「分かったわ…次のスプリガンを探しましょ」ダダ
剣士「東側!ボルケーノが3つ立ってる」
女オーク「これ朝まで続くのかしら…」
剣士「その様だね…行くよ」シュタタ
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751 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:41:24.84 ID:pYa2Z27w0
ギャオーーース ゴゥ ボボボボ
剣士「アレか…あれがマンイーターだ!!」
女オーク「大きい…」フラ
剣士「ん?」クンクン
女オーク「どう…するの?…」フラ
剣士「睡眠の息を吐くのか…ちぃぃ厄介だ!女オーク…一旦下がる」グイ
女オーク「どうし…たの?…」フラ
剣士「だめだもう寝てる…ウルフ!!女オークを守って」
ウルフ「ガウガウ…」グルルル
剣士「…どうする?大きすぎてサンドワームでは食らえない…」
シュンシュンシュン ストストスト
剣士「あれじゃ倒せない…なるほどドラゴン頼みになるから厄介なのか」
剣士「数で行くしか無いな…蟲達よ従え!マンイーターを食らえ」ザワザワ
ブーン ドヨドヨドヨ
剣士「女オーク!起きて!!」ペシペシ
女オーク「ハッ!!…」キョロ
剣士「気は確かかい?」
女オーク「私どうして?」フリフリ
剣士「マンイーター睡眠の息を吸ったんだ」
女オーク「マンイーターは!?」
剣士「まだ倒せて居ない…蟲をけしかけたけど食らうのに時間が掛かりそうだ」
女オーク「剣士のどんぐり銃で木に変えてみては?」
剣士「おおお!!ソレだ…」チャキリ
ターン ターン
剣士「成長魔法!」ニョキニョキ
女オーク「干からびたマンイーターだけ燃やせる?」
剣士「根が邪魔だ…切り倒して」
女オーク「任せて!!」ダダダ
コーン コーン メリメリ ドッスーン
剣士「根っこを切って!!」
女オーク「フン!」ザクン ザクン
剣士「火炎魔法!」ボボボボボボ
女オーク「大きな魔石が一つ見えるわ?」
剣士「お!?収穫したい」
女オーク「他のスプリガンは私に任せて…剣士は魔石を」ダダ
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752 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:42:33.88 ID:pYa2Z27w0
『暁の空』
ギャオーーース ゴゥ ボボボボボボ
剣士「風向きが変わった…」
女オーク「強い魔物はマンイーターだけでもこれを毎日続けるのは辛そう」
剣士「エルフが沢山居るのに窮地になってる意味が分かった…敵が多すぎる」
女オーク「戻りましょ…」
剣士「あ!魔石拾って行かないと」
女オーク「場所覚えてる?」
剣士「マンイーターの場所だけだね…それだけでも随分な収穫だよ」
女オーク「じゃぁ魔石4つね?」
剣士「うん!取りに行こう」シュタタ
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753 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:43:04.13 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
フワフワ
エルフゾンビ「未来!行く前に一つ質問だ」
剣士「ん?何?」
エルフゾンビ「マンイーターにどの様して木を生やす?エルフが知りたがっている」
剣士「あーあれはね…どんぐりをマンイーターに打ち込んで成長魔法で育てるんだよ」
エルフゾンビ「なるほど…エルフにも出来るな」
剣士「弓で打ち込んじゃえば良いね?」
エルフゾンビ「これで持ちこたえられる…我々の厳しさは理解してもらえたな?」
剣士「毎日はさすがにキツイね」
エルフゾンビ「ホムンクルスが蘇った暁には出来るだけ早く導きを貰いたい」
剣士「うんホム姉ちゃんに状況を話しておく」
エルフゾンビ「それから精霊樹の導きも忘れない様にな?」
剣士「分かったよ…一つ僕からも質問が有るんだけど」
エルフゾンビ「何だ?」
剣士「エルフゾンビさんが戦う理由は精霊樹を守る事だけ?」
エルフゾンビ「…」ジロリ
剣士「答えられない?」
エルフゾンビ「何故その質問をするのだ?」
剣士「エルフゾンビさんから何か闇を感じる…不死者だからと言うのじゃ無くて」
エルフゾンビ「私が戦っている相手はドリアードになった私の弟なのだ…違うな私の分身と戦っている」
剣士「ドリアードになった…か…救いたいんだね?」
エルフゾンビ「フフ聞くな…早く行け」
剣士「理解したよ…じゃ行くね」グイ
シュゴーーーーー バサバサ
エルフゾンビ「…」---そうだよ未来---
私の身代わりとなりすべてを背負った弟を救いたい
私は死んでも死に切れないのだ
--------------
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754 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:44:28.27 ID:pYa2Z27w0
『暁の墓所』
分かった事を時系列で説明するわ…
約4000年前に起きた地軸の移動…この時に壊滅的な破壊が起きて人類はほぼ滅亡
その中で唯一生き残った種が耐環境性のあるオークの種族
それまで彼らは今で言う南の大陸に住んで居たの…恐らくウンディーネと共に
その後北の大陸へと進出を始めこの暁の墓所の東側…未踏の地で一時代を築いた
これが約3500年前…
そしてウンディーネはシルフと名を変え今で言うエルフの森に移り住む
そこでオークの遺伝子と類似したエルフを生み出した
エルフは魔法を巧みに操り森を拠点として繁栄する
エルフの協力を得た精霊シルフは森の北部にドリアードを生成して管理する者として小人のノームを生んだ
ここが約3000年前…
ノームの器用さを用い失われた古代技術を復活させた精霊シルフは
超高度AIを複製してアダムを復活させようとするが
魔王に乗っ取られて失敗し…再び世界は滅亡の危機
ここで危機を救うのがこの地の東に栄えたオーク達
彼らは呪術で虫を操りドリアードを封じる事に成功したがノームは滅びる
恐らく2500年程前ね…
一旦平和になった世界でエルフとオークはそれぞれに繫栄して時代を築く最中
その恩恵を受けたのが温暖な海付近に少しだけ残って居た人間達
彼らは環境の良いエルフの森周辺で新たな文明を築き始め力を付けた
そして事件が起きる…エルフが持つ祈りの指輪を奪い人間の魔術師が台頭
魔術によって人間達が急速な発展をして時の王の時代に至る
ここが約1700年前…
この時代に起きたのが北の大陸の東側に位置していたオーク達が滅んだ事
時の王と暁の使徒が手を組み東のオークを退けた
なぜか?
情報屋「答えは勇者の刀…オーク達が宝具として所持していた刀を奪って聖剣エクスカリバーを生む為」
魔女「…ではオーク達が初めから勇者の刀を持っておったと言う事じゃな?」
情報屋「そう…ここからは憶測だけど勇者2人は4000年前よりさらに過去に遡ってオークに託したと思うわ」
魔女「つまりこの墓所にあった暁の使徒は勇者では無く他人じゃという訳か」
情報屋「多分勇者の命を受けた予言の守り人ね…不明な点が多いから確かな事は言えないわ」
魔女「黄昏の賢者について何も分からんのか?」
情報屋「ここから先は時の王の証言のまとめだから確証は無いけれど…」
755 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:45:14.37 ID:pYa2Z27w0
暁の使徒と黄昏の賢者はどうも恋仲だったらしいわ
暁の使徒は人間の男…そして黄昏の賢者はオークの女
暁の使徒が東のオークを攻め立てる最中二人は関係を持った
処女を失った黄昏の賢者は力を失い
暁の使徒はオークを退け勝者となった
二人は駆け落ちをした形
そして黄昏の賢者はオークを裏切った形
その後暁の使徒は時の王と接触し協力関係を得る
でもこれに黄昏の賢者は猛反発して別れた
ここから第2期と呼ばれる魔王との戦いが始まる
魔女「黄昏の賢者はオークシャーマンの可能性が高かったな?」
情報屋「多分そうね」
魔女「ミイラとなった恋人を連れ去ったと言う事じゃが…何故じゃと思う?」
情報屋「分からない…蘇らせるとしても今になって何故?という疑問が残る」
魔女「わらわはこう思う…失った力を取り戻す為じゃ…死霊術に屍を食らう術が有るのじゃ」
情報屋「なるほど…話が通りそう…」
魔女「読めたぞよ?黄昏の賢者は3000年前と同じ様に虫を操りドリアードを封じたいのじゃ…力を求めて居る」
情報屋「南の大陸に居るオークがどうして?」
魔女「予言じゃ…予言に従って居るのじゃ」
よう考えてみぃ
勇者らは3000年前のドリアードがどういう惨状を生んだか知って居る
じゃからわらわ達の時代に復活したドリアードを再度封じるための予言を残したのじゃ
情報屋「そういう事ね…ドリアードをどう倒すのか私達は知ってる…それは伝説を通じた予言なのね?」
魔女「イカンな…このままでは未来が先走ってしまうな」
情報屋「未来君が蟲使いの道を選んだのも…」
魔女「勘でどうすれば良いか知って居るからじゃ…何年も前に未来は感じて居る…事の異常に」
情報屋「連絡取れないのがもどかしいわ」
魔女「先回りで待つしか無いのぅ…さてどうするか…」
---------------
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756 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:45:42.56 ID:pYa2Z27w0
『セントラル海岸』
ザザー ザブン
剣士「よし!飛空艇隠すよ?ハイディング!」
剣士「女オークはセントラル来るの初めてだよね?」
女オーク「初めて…」
剣士「今晩はここの宿で一泊しよう…」
女オーク「どうして寄って行くの?」
剣士「様子を見ておきたいのと…線虫だよ…夜中に僕の蟲を放っておきたい」
女オーク「病を治してあげたいのね?」
剣士「うん…あと昨日は一睡もしていないし…この間の続きもあるじゃない?」
女オーク「続き?…ウフフ」
剣士「あ!そうそうこの国は武器を持ち込めないから飛空艇に置いて行って」ゴトリ
女オーク「わかったわ」
剣士「ウルフ!飛空艇の番をお願い!明日の朝には戻るから食事は自分で何とかして」
ウルフ「ガウ!!」
剣士「じゃぁ行こうか!」
女オーク「本当に武器は要らないの?」
剣士「僕はデリンジャーだけ持って行く…どんぐり銃のおもちゃに見えるからね」
女オーク「じゃぁ私は一応ナイフだけ持って行くわ」
剣士「おけおけ!行こう」グイ
タッタッタ
757 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:46:12.09 ID:pYa2Z27w0
『貧民街』
ガヤガヤ ガヤガヤ
剣士「ここは住まう家の無い人が集ってる区域だよ…ほらみんなテントで横になってる」
女オーク「焚火を囲んで食事するのね」
剣士「ちょっとしたキャンプだね…結構みんな黒死病に掛かって居そうだなぁ…」
女オーク「そうみたいね…」
剣士「僕のママは昔ここに住んでた事があるらしいよ」
女オーク「剣士はそれを見に来たかったのね?」
剣士「まぁね…」
女オーク「何か感じる?」
剣士「臭いなぁ…下水の匂いと海の匂いが混ざった独特の匂い…行こっか!」グイ
『中央広場』
ガヤガヤ ガヤガヤ
ヤスイヨー カッテネー オイシイヨー
キ・カイ産の謎のアクセサリーお得だぜぃ?ほら買った買ったぁ!
魔石有るよ?秘密ルートの魔石さ…コレ偽物じゃないよ
剣士「…ここは露店が集まってる場所だよ…ちょっと買い物して行こう」
女オーク「うん…」
剣士「僕は種が見たいんだ…君も好きな物買い物してごらん?」
女オーク「私は欲しい物が無いわ…」
剣士「じゃぁコーディネートしようか?このボロ雑巾みたいなフードとマントを変えよう」
女オーク「これで良いのに」
剣士「ダメだよ…金貨5枚あったでしょ?お金は使うために有る…皆生活掛かってるからどんどん使わないと」
女オーク「それもそうね…」
剣士「よーし!どうするかな…白狼の装備にしてみよっか?」
女オーク「目立ち過ぎない?」
剣士「どうせ汚れるからイーのイーの!コレ2つ頂戴!!」
雑貨屋「アイヨー!2つで銀貨20枚!」
剣士「おけおけ…」ジャラリ
雑貨屋「マイドー!要らん装備引き取るよーウヒヒ」
剣士「ホラ?着替えて?」ファサ
女オーク「何の毛皮?」
剣士「何だろね?シーサーかな?他にも見よう!」グイ
こんな風に買い物したっけ
丁度夕方のこれくらいの時間
--------------
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758 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:46:44.76 ID:pYa2Z27w0
『宿屋』
カラン コロン
店主「いらっしゃいませ…お二人様で?」
剣士「2階の角の部屋空いてるかな?」
店主「そのお部屋はお高いですがよろしいですか?」
剣士「いくら?」
店主「お二人で銀貨20枚です」
剣士「おっけ!」ジャラリ
店主「ではご案内致します…こちらへ」
『部屋』
ガチャリ バタン
剣士「ふぅぅぅ水浴びしたら後で酒場にでも行こうか」
女オーク「私先に浴びて来るわ…」
剣士「ゆっくりで良いよ…酒場行くにはまだ早いし」
女オーク「うん…じゃ…」ガチャリ バタン
剣士「…」---この部屋だ---
ママと泥棒みたいな生活で
いつも誰かから逃げて
落ち着く場所は無かった
でも充実してた
剣士「…」ファサ
こうやってフードの隙間から隠れて覗く世界
僕はこの世界が好きだ
これが人間の世界
無くしたくない世界
僕が守る世界
人間の中の魔王を許容する世界
バランスした世界
759 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:47:25.70 ID:pYa2Z27w0
『酒場』
ワイワイ ガヤガヤ
ねぇ聞いた?いつもここに来てたあの豪族…殺されたらしいわ?
ええ!?誰に?ヒソヒソヒソ…
お〜い!酒くれぇ!!
なんだよ良いだろパフパフさせてくれよ
マスター「いらっしゃいませ…お二人様で?」
剣士「うん…席は空いてなさそうだね」
マスター「カウンターでよろしければ」
剣士「おけおけ!えーとセントラル名産はエール酒だっけな…2杯お願い」
マスター「かしこまりました」
剣士「あとオリーブとブドウが欲しい」
マスター「合わせて銀貨10枚になります」
女オーク「はい…」ジャラリ
剣士「酒場には女の人が結構居るんだ…」
マスター「手を出すと豪族に目を付けられるのでご注意を…」
女オーク「セントラルは女性がとても少ないわね」
剣士「なんか活気に欠けるよね」
マスター「女性はフィン・イッシュに拉致されたままほとんど帰って居ないのですよ」
剣士「拉致?保護されたんじゃなかったっけ?」
マスター「帰って来ていれば保護だと言われたのかも知れませんがねぇ…」
剣士「そうだったんだ…それもセントラルとフィン・イッシュが関係悪い原因ぽいね」
マスター「お客さんは傭兵か何かで?」
剣士「只の旅人だよ」
マスター「未だに西の国境付近では小競り合いをやって居るそうですので陸路は止めた方が良いですよ」
剣士「ところで港に沢山の船が停泊してるけど何だか分かる?」
マスター「豪族の船ですね…大半は貴族居住区の方で飲んで居られるかと」
剣士「じゃぁこっちに居るのは下っ端ばっかりなのか…道理で」
マスター「ハハ大きな声で言うと聞こえてしまいます」
ワイワイ ガヤガヤ
俺は気に入ら無ぇんだあの好かした豪族がよぅ…どーにかして引きずり降ろしてやりてぇ
貴族側にテコ入れするのはどうだ?
どうやってよ?
ヤクを横流しするんだ…豪族の船に乗せるヤクを横流しすんのよ
ほう?豪族がマイナス1で貴族がプラス1…その差は2って寸法だな?お前賢いな…
剣士「女オーク聞こえてる?」
女オーク「なんかバカな話ね」
剣士「豪族の人達ってどこに行っても同じような文句を言ってるよね…懲りない人達だ」
女オーク「アレはアレで可愛い…」
剣士「ハハハオークにはそう見えるのか…ヤレヤレだよ」
760 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:48:20.71 ID:pYa2Z27w0
『路地裏』
ズルズル
乞食「お金を…お金を恵んで下せぇ…銅貨1枚で良いんで」ズルズル
女「薬を…薬を持っていませんか…ひぃぃぃぶたないで」ガクガク
男「はぁぁぁ天国だ…天国が見える…ケシの花が咲く天国がぁぁぁ」バタバタ
剣士「…」チャリン
乞食「ありがとうございます…あなたは神様です…」ヨロ
剣士「…」
女オーク「…」
剣士「ラクにしてあげるからね…線虫!」ザワザワ ニョロ
ザワザワザワ ニョロ
剣士「行こうか…」グイ
女オーク「…」
タッタッタ
-------------
761 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:48:56.04 ID:pYa2Z27w0
衛兵「そこの2人待て…止まれ」
剣士「え!?僕?」
衛兵「今何をした?」
剣士「いえ何も…」
衛兵「フードを脱げ…顔を見せろ」
剣士「んぁぁ…」ファサ
衛兵「お前もだ」
女オーク「…」ファサ
衛兵「…」ジロジロ
剣士「僕達何もして居ないよ」
衛兵「麻薬密売の現行犯だ…大人しくしろ」
剣士「ちょちょちょ…違うよ」
衛兵「持ち物を見せるんだ」グイ
剣士「ちょっと待って!違うったら…」
衛兵「魔石を大量に所持…種も…これは何だ!」
剣士「返してよ」グイ
衛兵「ピーーーーーーーーー」
剣士「笛?」---マズイなコレ---
衛兵「魔石の密輸容疑で拘束する!!大人しくしろ!!」
剣士「女オーク?」チラ
女オーク「…」コクリ
衛兵「何をする気だ?」
剣士「ハイディング!」スゥ
女オーク「ハイディング!」スゥ
剣士「迷ってない?」
女オーク「見える…」
剣士「ちょっと遊んで行こう…こっちだおいで」グイ
女オーク「うん…」タッタッタ
ピーーーーーーーーーー
762 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:49:25.39 ID:pYa2Z27w0
『貴族居住区』
タッタッタ
剣士「はぁはぁ…ここまで来れば安心だ」
女オーク「剣士まさか泥棒するつもりなの?」
剣士「違うよちょっと様子見たいだけさ…かくれんぼだよ」
女オーク「豪族の様子が知りたいのね?」
剣士「まあね?どんな人が豪族のお偉いさんなのか知りたく無い?」
女オーク「興味無いわ…」
剣士「まぁかくれんぼだと思って付き合ってよ」
女オーク「何処に行くつもり?」
剣士「屋根に上ろう…そこで隠れて遠くから見るだけ」
女オーク「悪い事はダメよ?」
剣士「分かってるって…こっち!」シュタタ
『屋根の上』
剣士「リリースするよ?リリース!」スゥ
女オーク「リリース!」スゥ
剣士「フフ見える見える…」
女オーク「さっきの路地の方で騒いでるわね?」
剣士「あっちは放置だ…貴族居住区は結構女の人居るよ…見て」
女オーク「その様ね…」
剣士「へぇ…あちこちで食事会やってるんだ…こっちの方が楽しそうだ」
女オーク「あの中に入りたいの?」
剣士「そういう訳じゃ無い…皆楽しんでるなってさ」
女オーク「貧富の差ね…」
剣士「うん…豪族が富を持ってる…向こう側も見て見よう…こっち!」シュタタ
763 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:49:57.34 ID:pYa2Z27w0
『とある貴族の建屋』
剣士「ここが一番大きそうだ」
女オーク「中庭で食事会…」
剣士「どの人が豪族のお偉いさんなんだろう?」
---------------
助かるでやんすよ…もし捕らえたら高額の報酬を出しやす
何処に潜伏しているか情報は無いのか?
セントラル沖っすね…多分海士島辺りで隠れて補給してると思うでやんすが中々見つからんのです
海賊王の娘も今じゃ落ちぶれだ…噂じゃ殆ど仲間を失ったと聞く
実はですねぇ…海賊王の娘の船には秘密があるんすよ…それを奪えばあっしの出す報酬よりも儲かりやすぜ?
それは頂いて良いんだな?
好きにしてくだせぇ…あっしは海賊王の娘を捕らえたいだけなんでやんす…あの女は最高の体を持ってるすからねぇウヒヒ
---------------
剣士「…」---嫌な事聞いちゃった---
女オーク「剣士?…あの話もしかして…」
剣士「ローグさんは豪族になったんだよ…ビッグママを捕らえようとしてる」
女オーク「…」
剣士「気分が悪くなった…行こう」シュタタ
---------------
764 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:51:04.92 ID:pYa2Z27w0
『貴族特区_一番大きな屋敷』
女オーク「この屋敷は?」
剣士「昔ここに泥棒に入った事があるんだ…直ぐに見つかって逃げたんだけど気になる物が一杯あってね」
女オーク「盗むのはダメよ?」
剣士「見るだけ…それなら良いでしょ?」
女オーク「見るだけよ?」
剣士「うん…屋敷には誰も居なさそう…こっち!裏の2階から入れる」シュタタ
『屋敷の中』
剣士「誰も住んでる気配が無い…」
女オーク「でも片付いてるわ?」
剣士「見て…壁に掛かってる画」
女オーク「全部ウンディーネ?」
剣士「ホムンクルスっていうお姉ちゃんだよ…多分ウンディーネと同じ人」
女オーク「これが気になる物?」
剣士「うん…昔はこれが誰だか分からなかったんだよ…今見てホム姉ちゃんだと確信した」
ドスドスドス
剣士「ハッ!!」
ラットマンリーダー「がおおおぉぉ」ドシドシ
剣士「マズイ!見つかった!女オーク逃げるよ!!」
ラットマンリーダー「がうっ!」ブン
女オーク「先に走って!」ガシ
剣士「付いて来て!!窓から飛び降りる」シュタタ
女オーク「…」ダダ
ピョン ガチャーン!!
765 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:51:30.66 ID:pYa2Z27w0
剣士「うわ!…もう一体居る!」シュタ
女オーク「走って!!」ピョン スタ
ラットマンリーダー「がおおおぉぉ」ドシドシ
剣士「くそぅ…」チャキリ
ターン!!
剣士「成長魔法!」ニョキニョキ
女オーク「急いで!!」ダダ
衛兵「泥棒だ!!ピーーーーーーーーーー」
剣士「ハイディングしながら屋根伝いに帰るよ?行けるね?」タッタッタ
女オーク「付いて行くわ!」タッタッタ
剣士「ハイディング!」スゥ
女オーク「ハイディング!」スゥ
衛兵「居住区全域封鎖しろぉ!!ピーーーーーーーーー」
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766 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:51:57.34 ID:pYa2Z27w0
『宿屋_2階の角部屋』
ガチャリ バタン
剣士「遠回りしたけど無事に帰って来れた…楽しかったね?」
女オーク「いつもこんな事してたの?」
剣士「もう昔話だよ」
女オーク「ウフフ…」
剣士「さて!!この間の続きしよっか」
女オーク「待って…今度は私が上」
剣士「君重いんだよね」
女オーク「これは命令…剣士は私の奴隷なの」
剣士「じゃぁ交代交代で行こう」
女オーク「それから終わっても抜いたらダメ…朝まで繋がりっ放し」
剣士「そんな…終わらないじゃ無いか」
女オーク「命令」
剣士「君はエッチな体してるなぁ…」
女オーク「ウフフ…来て」
ドタン バタン ドスドス
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767 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:52:30.84 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』
チュン チュン
女オーク「剣士!?起きて…」
剣士「んん?」パチ
女オーク「外が騒がしいわ?衛兵がうろついてる…」
剣士「アハハ何も盗んで無いのに」
女オーク「もうすぐこの宿屋にも来る…」
剣士「おっけ!移動しよう…窓開けるからハイディングしたまま飛空艇まで行こう」
女オーク「そうね…」ヨロ
剣士「君フラフラじゃないかw」
女オーク「大丈夫…体力は全快」
剣士「それなら良いけど…じゃぁ窓開けるよ?」
ガラガラ
剣士「ちょっと待ってね服着るから…」ゴソゴソ
女オーク「早く…もう来るわ」
剣士「おっけ!ハイディング!」スゥ
女オーク「ハイディング!」スゥ
剣士「行こう!!」ピョン クルクル シュタ
女オーク「…」ピョン ドスン
タッタッタ
768 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:53:57.07 ID:pYa2Z27w0
『海岸』
ウゥゥゥゥ ガルルル
女オーク「近くに誰か居るわ…」
剣士「フード深く被って」
女オーク「どうするの?」
剣士「見つかっちゃったか…あれはローグさんだ」
スタスタ
ローグ「やっぱり未来君だったでやんすね?この辺に気球を隠してると思っていやしたが…」
剣士「…」ジロ
ローグ「あのウルフが居て近づけんでやんすよ」ガルルル
剣士「ローグさん豪族になったんだね…尊敬していたのに残念だよ」
ローグ「いやいやこれには訳があるんす」
剣士「聞きたく無いよ…ビッグママをローグさんに渡さないから」
ローグ「そら誤解っすね」
剣士「ビッグママの体が欲しいんでしょ?聞いちゃったんだ」
ローグ「あらららら…体が欲しいのは本当なんすが…」
剣士「どいて…」チャキリ
ローグ「ちょちょちょ…デリンジャーは反則っす!」ダダダ グイ
剣士「うっ…」タジ
ローグ「こうしないと話聞いてくれやせんよね?」
剣士「撃ちたく無いんだ…僕の事は放って置いて」
ローグ「未来君は甘いっす…その甘さが命取りになりやすぜ?」
ターン
ローグ「おわぁっ!あぶっ」ドタ
剣士「女オーク先に飛空艇に乗って」
女オーク「うん…」タッタ
ローグ「ちっと話を聞いて欲しいんすが…」バサッ ダダ
剣士「うっ!!砂…」チャキリ
ターン ターン
ローグ「あだっ!!くぅぅぅぅ」
剣士「サヨナラだよ…動かないで…又撃つよ」チャキリ
ローグ「未来君違うんすよ…あっしが豪族になったのには訳があるんす」
シュゴーーーーー バサバサ
剣士「…」---僕知ってるんだ---
ローグさんがビッグママを酔わせて体にイタズラしてた事
今何言われても信用できないんだ
なんか…大事な物を無くした気分だよ
769 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:56:14.30 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
シュゴーーーーー バサバサ
剣士「女オーク!ナイスタイミングで飛んだね?」
女オーク「剣士の行動が分かるようになって来たから」
剣士「じゃぁ次何処に行きたいか分かる?」
女オーク「当てたら私の奴隷って認める?」
剣士「いやいや…それとこれとは話が別だよ」
女オーク「認めたく無いの?」
剣士「認めるも何も君は僕の奴隷だよ…何回も言うようだけど」
女オーク「当てたら認めてね?…行き先は海士島よ」
剣士「う…」
女オーク「ウフフその顔…」
剣士「違うよ行先は名も無き島さ…」
女オーク「はい!海士島に向かいます」
剣士「行きたいなら行っても良いけどさ…」
女オーク「あなた顔が分かりやすいのウフフ」
剣士「もう何て言うのかな…僕より強いからって偉そうなんだよね」
女オーク「言う事聞いて…奴隷は命令に従えば良いの」
剣士「まぁ良いや君が操縦してね」プイ
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770 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/11/19(金) 22:58:02.05 ID:pYa2Z27w0
『海士島上空』
シュゴーーーー バサバサ
女オーク「見つけたわ…あの船が停泊してる島よきっと」
剣士「ふ〜ん…」
女オーク「剣士まだ拗ねているの?」
剣士「僕は奴隷だから大人しくしてるだけさ」シラー
女オーク「もうあなたって…分かったわ…言う事聞いてあげるから」
剣士「アハハハ言ったね?とうとう僕の奴隷だと認めたね?最初から素直に認めれば良いのさ」ズイ
女オーク「私は大人しくしているわ…」ストン
剣士「おけおけ!操縦は僕やるよ」グイ
女オーク「困った奴隷ね」
剣士「拗ねてる?」
女オーク「拗ねてなんか居ないわ?懲らしめる方法を考えてるの」
剣士「フフよし!あそこの林に飛空艇隠そう」
-----------------
『広場』
ワイワイ ガヤガヤ
剣士「女オーク!フード深く被ってね」ファサ
女オーク「うん…でもどうして?」ファサ
剣士「君の背格好はビッグママにそっくりなんだよ」
女オーク「私を囮にしているの?」
剣士「豪族達がどんな反応をするのか見たいんだ…大丈夫!君は僕の奴隷だからちゃんと守ってあげる」
女オーク「ウフフしっかり守って?」
剣士「今お金いくら持ってる?」
女オーク「金貨3枚よ」
剣士「おけおけ十分…ここの露店色んな物が売ってて面白い…見て行こう」スタ
--------------
771 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:58:32.03 ID:pYa2Z27w0
御札屋「らっしゃい!お札に興味あるかい?」
剣士「コレ何?初めて見た…」
御札屋「ご利益のあるオークのお札だ…珍しいだろう?ちぃーっと値が張るがどうする?」
剣士「沢山種類がある…全部同じ?」
御札屋「良い所に気付いたね?コレが魔除け…コレが虫除け…コレが水除け…まぁ色々だ!」
剣士「1枚いくら?」
御札屋「高いぞぉ?1枚銀貨20枚…さぁどうする?」
女オーク「剣士?これ全部本物よ?どうしてこんな物が…」
御札屋「そりゃ本物よ…裏ルートで入手したオークのお札…他では売って無いぜ?」
剣士「研究したい…全種類欲しい」
御札屋「ほぉぉぉこりゃ良いお客さんだ!12枚で銀貨240枚…ええと金貨にすると…」イチニーサン
剣士「女オーク金貨お願い」
女オーク「…」チャリン ジャラジャラ
御札屋「毎度ぉぉ!!ほら持って行きな」パサ
剣士「紙切れに金貨2枚も必要かぁ…高いなぁ」
御札屋「そう言いなさんな…ここでしか売って無い珍しいお札だ…ご利益あるぜぃ?」
---------------
剣士「あと残り金貨1枚と僕の持ってる銀貨20枚…贅沢出来なくなっちゃた」
女オーク「そのお札はオークシャーマンしか作れない物なの」
剣士「そうなんだ?ここで売ってるという事は繋がりがあるんだね」
女オーク「普通は体にタトゥーを入れるのよ?紙だとどのくらい効果あるのか…」
剣士「いや研究したいだけだよ…呪術ってあんまり知らないからさ」
女オーク「それなら良いわ…」
剣士「じゃぁ宿屋取って酒場にでも行こう」
女オーク「うん…」
772 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 22:59:18.58 ID:pYa2Z27w0
『海の酒場』
ワイワイ ガヤガヤ
見ろ…カウンターに座ってる2人…女の方は多分海賊王の娘だ
なにぃ!!よく確認しろ
あんなデカイ女そうそう居るもんじゃ無い…どうする?
船だ…何処に船を隠してるか後を付けて確認するぞ
しかし…キ・カイに居るという話はデマだったのか?
タイミングが悪いな…向こうに数隻行った後だ
拿捕かけるには人手が足りんか…俺らだけで行っても返り討ちがな
兎に角見張って様子を探るぞ
ワイワイ ガヤガヤ
剣士「いやぁぁ君は人気者だね?」グビ
女オーク「私じゃ無いわ」ゴク
剣士「最近思うんだ…君を独り占め出来てる僕は幸運だなってさ」
女オーク「ウフフそう言って貰えて嬉しい…今晩もする?」
剣士「勿論!その為にわざわざ宿に泊まってるんだ…ウルフに見られたく無いからね」
女オーク「嬉しい…」ニコ
剣士「でも僕達さ?エッチばっかりしてるけど中々赤ちゃん出来ないね…僕の種もダメかもしれない」
女オーク「気にしないで?いつかその内…」
剣士「じゃぁそろそろ帰ろうか…桟橋の方まで散歩してハイディングね?」スタ
女オーク「うん…」スタ
店員「又のお越しを」ペコ
----------------
773 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:00:03.87 ID:pYa2Z27w0
『桟橋』
ザブン ザザー
剣士「どの船にしようかなー」スタスタ
女オーク「後を付けて来る人…バレバレなの気付いて無いのね?」
剣士「そうだね…もっと上手く尾行出来ないんだろうか…」
女オーク「あの大き目の船はどう?」
剣士「ハハ商船じゃないな…多分豪族の船だ…まぁ良いか?」
女オーク「面白そう」
剣士「じゃぁ走って船に乗り込んだらハイディングね?」
女オーク「付いて行くわ」
剣士「ゴーー!!」
タッタッタ
見張り「おい!!誰だお前…」
剣士「ちょっと忘れ物」タッタッタ
見張り「待て!!」
剣士「ハイディング!」スゥ
女オーク「ハイディング!」スゥ
見張り「あれ!?誰だったんだ?」キョロ
----------------
野郎1「ちぃ!気付きやがった!走って逃げるぞ」タッタ
野郎2「あの船は何処の豪族か分かるか?」
野郎1「後で調べる…にゃろう身内に隠れて居やがったのか」
野郎2「戻って仲間集めるぞ…この船に拿捕かける…俺らをコケにしやがって許せ無ぇ」
野郎1「道理で見つからない訳か…だがここで確保したとなりゃ海賊王を追い詰められる」
野郎2「早く来い!ここで逃げられちゃ意味無ぇ」
タッタッタ
774 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:00:44.74 ID:pYa2Z27w0
『翌日』
チュン チュン
剣士「う〜ん」ノビー
女オーク「すぅ」スヤ
剣士「さて!行く準備しようかなー」ゴソゴソ
女オーク「ううん」パチ ガバ
剣士「おはよう…良く寝た?」
女オーク「私どうして寝て…」
剣士「僕が勝ったから…もう行くよ」
女オーク「あ…うん…準備する」ゴソゴソ
剣士「アハ外騒いでるな…巻き込まれないうちにサッサと行こ」
女オーク「豪族達?」
剣士「なんか揉めてる…見つかると厄介だ」
女オーク「行けるわ」
剣士「ハイディングして飛空艇まで行こう」
女オーク「そうね…」
剣士「じゃぁ扉開けてっと…」ガチャリ ギー
剣士「ハイディング!」スゥ
女オーク「ハイディング!」スゥ
タッタッタ
775 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:01:47.07 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
フワリ シュゴーーーー
剣士「操縦頼むね…南東の方角…高度上げて偏西風に乗って」
女オーク「うん…」
剣士「ん?負けた事気にしてる?」
女オーク「悔しい…朝まで繋がって居られなかった」
剣士「いやずっと繋がってたさ…君が覚えて無いだけだよ」
女オーク「記憶が…」
剣士「やっと勝てて僕は嬉しい」
女オーク「それなら良いわウフフ」
剣士「ちょっと今から呪符の研究するから邪魔しないでね」
女オーク「うん…」---心も体も充実してる…幸せ---
剣士「えーと…これが退魔の呪符だったな…」ブツブツ
アーデモナイ コーデモナイ
---------------
---------------
---------------
剣士「しまったなぁ…魔術書持って来るんだった」
女オーク「何か分かった?」
剣士「オークの呪術は僕達が使う魔術の前身だよ…僕達の言葉で古代魔術」
女オーク「それはスゴイ事なの?」
剣士「そうだね…ねぇオークって文字を使った書物って有るの?」
女オーク「オークシャーマンだけが文字を知ってる…普通のオークは知らない」
剣士「エルフも文字を残す文化が無いんだけど…ここに記されて居るのは多分エルフの言葉を文字にした物だ」
女オーク「え?エルフとは言葉が違うわ?」
剣士「えとね…多分こうだよ」
本来オークは古代文字を使って居たんだよ
でもそれが許されて居るのは一部のオーク…つまりオークシャーマン
それ以外のオークは文字を教えて貰えないから独自の言語に変わって行ったんだ
一方エルフは古代文字をそのまま話す
それをオーブと言う物で知識の伝達をして来たから文字は残らないけど言語はそのまま残った
それが森の声と呼ばれる言語
この呪符には古代文字が記されていて僕達魔術師がずっと昔から研究している物なんだよ
776 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:02:21.38 ID:pYa2Z27w0
剣士「そして古代魔術の方が僕達の魔術よりもずっと優れている…オークの呪術は失われた古代魔術なんだ」
女オーク「そう?…私にはあまり興味の無い話」
剣士「どうして君がオークシャーマンの呪いを恐れて居たのかこれで理解出来た…僕が思ってたよりずっと強力なんだ」
女オーク「その呪符は使えそう?」
剣士「これは多分僕達の魔方陣と同じだろうね?退魔の呪符は退魔の魔方陣とピッタリ重なる」
女オーク「剣士にも出来ると言う事ね…」
剣士「出来ない物もある…例えば耐火の呪符…僕達の魔術書には耐火の方陣は記されて居ない…これは大発見なんだ」
女オーク「ウフフ剣士目が輝いてる」
剣士「かわいいって言わないでよ?僕の方が強いんだ…君は僕の奴隷…イイね?」
女オーク「はいはい…」ニコ
剣士「この呪符を体にタトゥーで刻めば耐性を得られるとしたら魔法なんか要らないな」
女オーク「西オークの戦士たちは皆オークシャーマンに強化してもらうのよ」
剣士「魔法は効かないって思った方が良いね」
女オーク「魔法だけじゃなくて力の増強とか筋肉の強化とか色々有るのよ?」
剣士「君はタトゥーが無いね」
女オーク「あなたに処女を奪われた時に全部消えた…呪いもタトゥーも」
剣士「じゃぁ弱くなったのか」
女オーク「野良オークがひっそり暮らすのは強化されたオークに勝てないからよ」
剣士「なるほどね…大分オークの事が分かって来たぞ」
女オーク「ウフフ…」
剣士「あのさ?そんな凄いオークシャーマンの首を切り落とす寸前だったのは大変な事だったよね?」
女オーク「そうね…でもオークシャーマンはそれを気にする程小さい器では無い」
剣士「え?どういう事?」
女オーク「本当はとても寛容なの…戦争を起こす悪いオークだけど」
剣士「寛容?…まぁ気にしてないなら良いけど」
女オーク「ほら?人間に処女を奪われたら呪いを解ける様にしているのよ?追いかけても来ない」
剣士「どうしてそんなヘンテコな呪いなんだろう?」
女オーク「それはオークシャーマン自身が人間と関係を持つ事に肯定的だから」
剣士「つまり人間と結ばれる人は許しますよ…っていう事だね?」
女オーク「寛容でしょう?」
剣士「まぁなんか変だけどねw…なんでそんなヘンテコな呪いにしたんだろうなぁ…」
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777 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:03:12.70 ID:pYa2Z27w0
『名も無き島』
フワフワ ドッスン
ウルフ「ガウガウ!!」ピョン シュタタ
女オーク「ウルフが走り去って…」
剣士「体動かしたいんだよ放って置いて良いから…よし!樽を運ぶの手伝って」ヨッコラ
女オーク「遺跡の地下ね?」グイ
剣士「うん…ホム姉ちゃんの部品の所」
『古代遺跡地下』
ヨイショ ドスン
剣士「ふぅ…商人さんを待つよりもう一回僕が精霊樹に行った方が早そうだ」
女オーク「また行く?」
剣士「いや言われた通り待つよ…ちょっと休憩さ」
女オーク「キ・カイへは?」
剣士「う〜んどうしようかな…君と立ち合いして疲れたら帰ってエッチして寝て…起きたらまたエッチして寝る」
女オーク「ウフフ…」
剣士「ここならそんな生活も許されるなぁ…なんてね?」
女オーク「私の事好き?」
剣士「もう君以外に興味無い…いつの間にか君の虜になってる」
女オーク「私の奴隷だって認める?」
剣士「ちょ…それは違う」
女オーク「ダメよ…あなたにはやる事が有るから…立ち止まってはダメ」
剣士「ええええ…良いじゃないちょっとくらいさぁ」
女オーク「来て?満足させてあげる…満足したら前に進みましょ?」
剣士「ここホム姉ちゃんが目を覚ましそうだからベッド行こう」グイ
女オーク「ウフフ…」
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778 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:04:27.68 ID:pYa2Z27w0
『随分前_暁の墓所』
スタスタ
魔術師「姫様…女戦士殿が到着されました」
魔女「おぉ!やっと来たな?丁度遺跡の調査がひと段落した所じゃ」
女戦士「この墓所は一体…」スタスタ
魔女「まずこれを見よ…」スッ
女戦士「朽ちた刀…」
魔女「主が研いだ刀に間違い無かろう?」
女戦士「…」サワサワ
魔女「どういう事か想像出来るな?」
女戦士「未来はどうした?」
魔女「一人旅じゃ…安心せい!仲間を得て程よく成長しておる」
女戦士「そうか…」
魔女「して?精神と時の門ではどの位過ごしたのじゃ?」
女戦士「もう分からない…30年か…40年か…」
魔女「心の傷は癒えたかいの?」
女戦士「フッ…」
魔女「時空は体得したな?見せてみぃ」
女戦士「…」フラリ ノソ
魔女「ほぅ…わらわと同じ時空に居るか…主は打たれ強いで己に打ち勝つのはしんどかったじゃろう?」
女戦士「私の弱点が良く分かった…」
魔女「うむ…色欲を克服したな?」
女戦士「言わないで欲しい」
779 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:05:16.40 ID:pYa2Z27w0
魔女「時空の修行はもう終わりじゃ…時が動き出すで覚悟は良いな?」
女戦士「次は私が未来を守る…もう失わせない」
魔女「良い…じゃが朗報もある…どうやらアダムを滅ぼすのは未来では無さそうじゃ」
女戦士「どういう事だ?」
魔女「黄昏の賢者が目覚めるやも知れぬ…アダムを滅ぼすのは黄昏の賢者じゃと思うとる」
女戦士「誰なのだ?黄昏の賢者とは…」
魔女「恐らくオークシャーマン…3000年前にドリアードを葬ったその本人」
女戦士「では未来は危険を冒さなくて良いと?」
魔女「うむ…じゃが導いてやらねば未来は先走る…故に今から主と共に未来の先回りをするのじゃ」
女戦士「何処へ?」
魔女「思案中なのじゃが…一先ず主の船が動き安かろう」
女戦士「アサシンと連絡は?」
魔女「これからじゃ…一旦シン・リーンへ戻るぞよ?」
女戦士「その前に遺跡の壁画を見て行って良いか?」
魔女「おぉそうじゃったな…勇者ら2人が描かれて居る…ゆっくり見て構わんぞ」
女戦士「…これが…私の妹…」
魔女「生きた証じゃ…奴らはずっと生きて居った…」
女戦士「そうか…良かった…」グッ
---------------
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780 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:05:59.72 ID:pYa2Z27w0
『気球』
ガサゴソ ゴタゴタ
姫様と女戦士殿が帰還される!準備を急げ!
情報屋「ねぇ魔女?女戦士はずっと魔術の修行を?」
魔女「うむ…女戦士は勇者2人の最後を見て心傷してしもうての?己の未熟さを悟ったのじゃ」
情報屋「未来君はそれを知って?」
魔女「いや…未来は知らぬ…未来は未来の道を歩ませばならぬ故…距離を置いたのじゃ」
情報屋「未来君の心傷は?」
魔女「それを乗り越えるのも修行じゃ…心に闇が育たぬ様に注意はしたぞよ?」
情報屋「そう…」
魔女「心配せんでも良い…未来は良い子じゃ…心でしっかり感じて居る」
情報屋「私も未来君みたいな子が欲しかった…」
魔女「悲しいのぅ…産めぬまま時が流れるのはなんと不幸か…」
スタスタ
女戦士「待たせた…行こうか」
魔女「目が腫れて居る」チラ
女戦士「私の妹の苦悩を思うとな…」
魔女「考えすぎじゃ…あの二人は楽しくやって居る」
女戦士「…」トーイメ
-------------
-------------
-------------
へーーーーっぷし!!
781 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:06:47.47 ID:pYa2Z27w0
『剣士の家』
ゴソゴソ ドタドタ
女オーク「ハッ!!」パチ ガバ
女オーク「又…」キョロ
剣士「あ…おはよう」ヨッコラ ヨッコラ
女オーク「ゴメンなさい…満足させてあげるって言いながら私が…」
剣士「ハハ満足したよ…僕は君が意識無くすのを見るとすごく満足だ」ヨイショ ヨイショ
女オーク「又私の負け…」
剣士「そうさ僕は君を征服した…こんなに気持ち良い事は無い」
女オーク「悔しい…」ググ
剣士「急にやる気が出て来たんだ…ハテノ村行って次にキ・カイに行く…君も準備して」
女オーク「うん…」ヨロ ドタリ
剣士「ハーーッハッハ参ったか!?君が気持ちよくて意識失う顔…かわいいよ?アハハハ」
女オーク「かわいいって言わないで!」
剣士「ムフフ急いで準備してね?置いて行くよ?」
女オーク「ムムム…」ギリ
『飛空艇』
フワフワ
剣士「ウルフ!乗って!」
ウルフ「ガウガウ!」シュタタ ピョン
女オーク「あら?水は乗せて無い?」
剣士「ちょっとだけだよ…ほら?」チャプン
女オーク「鉄をハテノ村に持って行くのね?」
剣士「うん…向こうに鉄が無いから色々作れない…水はこれだけ有れば十分」
女オーク「私は何を持って行こう…」
剣士「君は体だけで良いよ…僕の為に」
女オーク「…」ジロ
剣士「はいはい乗って乗って!飛ぶよ!」
女オーク「…」ストン
剣士「怒ってる顔も可愛いよ?フハハハハ」
女オーク「…」プイ
剣士「しゅっぱぁぁぁつ!!」グイ
シュゴーーーーーー バサバサ
782 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:07:40.85 ID:pYa2Z27w0
『上空』
剣士「あれ?偏西風が弱い…なんでだ?」
女オーク「逆風が無くて良いのでは?」
剣士「まぁそうなんだけどね…偏西風が無いなんて初めての事だ」
女オーク「下は分厚い雲で現在地が分からないわ?」
剣士「火山の噴煙探そう…雲の下は多分土砂降りだ」
女オーク「水には困らないのねw」
剣士「機嫌直った?」
女オーク「私は機嫌を損ねてなんか居ないわ?」
剣士「そか!ほんじゃちょっと君を改造する…」
女オーク「どうする気?」
剣士「牙を少しだけ生やす…少し見えていた方がかわいい」
女オーク「このままで良いのに…」
剣士「大人しくして…これは命令」
女オーク「フン!好きにして…」
剣士「変性魔法!」ニョキ
よしよし…笑って見て?
おけおけ!少し見える
肌の色はもう少し褐色にしよう
変性魔法!おぉ健康そうだ!
女オーク「あなた好みに変えて居るの?」
剣士「まぁね?どんぐり…食べ辛くない?」ポイ
女オーク「…」カリ モグ
剣士「良さそうだねフフフ完成だ!」キラキラ
女オーク「…」---かわいい---
剣士「ぐぁぁ…ちょちょ…苦しい放して」ギュゥゥ
783 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:08:28.92 ID:pYa2Z27w0
『ハテノ村』
ザザー フワフワ ドッスン
剣士「すごい雨だ…急いで荷物降ろそう」バチャバチャ
女オーク「何処へ?」ベチャベチャ
剣士「盗賊さんの飛行船が無いなぁ…教会に持って行こう」
女オーク「分かったわ…よいしょ!」グイ
ハンター「剣士!戻って来たんだね!!」
剣士「丁度良かった…鉄を沢山持って来たんだ…運ぶの手伝って」
ハンター「分かった…教会で良いよね?」
剣士「うん!これお願い」ドサリ ガラガラ
ハンター「うわ…雨に濡れる」
剣士「いそいで運ぼう」ヨッコラ
ザザーー ベチャベチャ
784 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:09:28.80 ID:pYa2Z27w0
『教会』
ピチョン ポタン
剣士「ふぅぅベタベタになった…」
僧侶「剣士さんお帰りですぅ!」スタタ
魔法使い「良かった…もう帰って来ないかと」
剣士「すぐ戻るって言ったじゃない…ねぇ僕の爺いじが来てる筈なんだけど…何処行ったの?」
ハンター「上流の遺跡の所に気球降ろしてあの辺り整備してくれてる」
僧侶「沢山人を連れて来てくれたので助かってるでしゅ」
剣士「盗賊さんは硫黄を乗せてキ・カイに飛んだ感じだね?」
僧侶「そうでし」
剣士「状況つかめたよ…それにしてもひどい雨だね」
僧侶「はいー…土砂崩れが心配だと言って海賊王さん達が慌てて何か建築してるです」
剣士「それで人が居ないのか」
ハンター「雨に濡れて良ければ行って見ると良いよ…上流には温泉もあるし」
剣士「お!?温泉か…なるほど爺いじは先に温泉を整備してるんだな?」
ハンター「ハハ察しが良いね…こっちの教会よりも温泉に目を付けたのさ」
剣士「ちょっと行って見ようかな」
785 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:10:08.72 ID:pYa2Z27w0
『川沿い』
エッサーホイサー
土砂が流出せん様に土手に板張るんや
砂利を使って上手い事押さえや
剣士「爺いじ!!」
海賊王「おぉぉぉ未来かいな!今忙しい所や…おまんは上で温泉にでも浸かってきぃ」
剣士「僕は何もしなくて良いの?」
海賊王「そやな?おまんは木を生やせられるやろう?土手の土が持って行かれん様に木の根を張れ」
剣士「簡単簡単!」チャキリ
海賊王「何をする気や?その銃で木を生やすんかいな?」
剣士「見てて?」
ターン ターン ターン ターン
剣士「成長魔法!」ニョキニョキ バサバサ
海賊王「うほほエライ派手な生やし方や…流石ワイの子…もっとヤレ」
剣士「女オークは温泉に入ってきて良いよ…僕は少し作業してから行く」
女オーク「うん…」
海賊王「ほなワイらはこっち側やるで未来は向こうや…頼んだで?」
剣士「おっけ!」ツメツメ チャキリ ターン
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786 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:10:47.79 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡の入り口』
ワイワイ ガヤガヤ
海賊王「居った居った…未来!温泉入ったか?」
剣士「爺いじスゴイね…温泉からここの遺跡から…」
海賊王「ワイらはおまんの友達の邪魔にならん様にこっち側で要塞作っとる」
剣士「もう鍛冶場もある」
海賊王「道具作らなアカンでな?」
剣士「鉄を持って来たよ」
海賊王「おぉぉソラえぇタイミングや…つるはし作らなアカン」
剣士「爺いじの気球は?もう硫黄積んで飛んだ?」
海賊王「そや…至急で欲しいんや…豪族を追い返して村を救わなアカンで」
剣士「そうだよね…豪族に女の人イタズラされちゃうもんね」
海賊王「それはワイの仕事やからおまんは何も考えんでえーわ…ところでおまんの生やした木」
剣士「ん?何かあった?」
海賊王「川沿いにずっと連なって丁度雨除けになっとる」
剣士「あーそれね?下の教会からこっちに来るのに雨に濡れちゃうからさ」
海賊王「やっぱりそうか…友達も呼んできーな…宴会やるで?」
剣士「この雨の中?」
海賊王「細かい事は考えんでえーちゅうねん…濡れたら温泉入ればチャラや」
剣士「ハハそうだね?」
海賊王「おまんの友達は大人の中に中々入り難い様や…全員で宴会するで?」
剣士「おけおけ!呼んでくる…お酒ある?」
海賊王「当たり前や!!早う呼んでこい」
787 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:11:28.37 ID:pYa2Z27w0
『川沿いの林道』
ワーイ キャッキャ
僧侶「シスター足元滑るので気を付けるですぅ」
シスター「はいはい済まないねぇ」ノソノソ
神父「こら…えらい変わったな?」ノソ
ハンター「剣士が植えた木は大きく育つんだね」
剣士「たまたまだよ…今日は水が沢山あったし…お陰で良く葉が茂った」
魔法使い「他に秘密が有るんじゃない?教えて欲しいわ」
剣士「う〜ん…何だろう?体力かな?」
魔法使い「体力?そうか私達疲れてるのかも…」
剣士「温泉は入った?」
魔法使い「獣が怖くて入れない…」
剣士「なら爺いじが安全にしてくれたから入ると良いよ」
魔法使い「岩場で裸になるのがちょっと…」
剣士「何言ってるのさ…昔は裸で走り回ってたじゃないか」
僧侶「そうでしたねぇ…皆一緒に水浴びしたですねぇ」
海賊王「おーーーい!!早う来いやぁ…みんな待っとるでぇぇ!!」
剣士「アハ…急ごう」スタ
788 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:11:59.05 ID:pYa2Z27w0
『祭り騒ぎ』
ワイワイ ガヤガヤ
おいおい水が落ちて来るやんけ!肉に掛かる
布無いか布ぉ!!焚火だけ濡らすな
コップ無いのにどうやって酒汲むんやろう?
その辺の木材くり抜いて入れたらえーやろ
海賊王「おぉぉシスターはんに神父はんよう来なすった…こっちが濡れんでこっちに座りぃ」
シスター「ありがたや…」ノソ
神父「たまげた宴会じゃ…」ノソ
海賊王「ダハハハハおまんらも好きな物食うて好きなだけ飲め!」
魔法使い「は…はい…どうして全員ふんどし一丁な訳?」タジ
海賊王「濡れるからに決まっとるやろ…ビタビタじゃ気持ち悪いんや…えーから飲め」
僧侶「頂くですぅ」スタタ
海賊王「濡れてもすぐそこに温泉や…ビタビタになる宴会もえーやろ!ガハハハハ」
ハンター「ハハ…又グダグダな感じの宴会だ」
海賊王「何を言うとるんや!これが良いんや!生焼けの肉に魚食らって腹壊して酒飲む…お前もふんどし一丁になれ!!」
剣士「ねぇ爺いじ?女オーク知らない?温泉に行った切りなんだけど…」
海賊王「おまんが迎えに行け!あぁそやそや布持ってけ布」
剣士「そうか着替えが無くて戻って来れないのか…」
海賊王「おまんもふんどしでえーやろ」
剣士「そうだね?おけおけ!濡れた服脱いで来る」ダダ
僧侶「私も行くです」スタタ
魔法使い「ちょっと僧侶…」
ハンター「服が濡れると気持ち悪いから僕らも脱ごう」グイ
魔法使い「ええ!?」
海賊王「子供達も全員裸にせい!!濡れた服は炉で乾かしたる」
魔法使い「えーと…じゃぁ子供達!!温泉入るわよ!!おいで!!」
子供達「はーい!!」キャッキャ
789 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:13:04.37 ID:pYa2Z27w0
『温泉』
モクモク
剣士「とうっ!!」ダダ ピョン
女オーク「あ!!剣士ソコ…」
ザブーン
剣士「熱っつ!!あっつい!!」バシャ バシャ
女オーク「そこ熱いからコッチに…」
剣士「早く言ってよ…熱っつつ」バタバタ
女オーク「ウフフ…馬鹿ね」
剣士「着替えないから布持って来たんだ…それで隠せば良い」
女オーク「わざわざありがとう…困ってたの」ゴソゴソ
ハンター「とうっ!!」ダダ ピョン
女オーク「あ!!ハンター…」
ザブーン
ハンター「だぁぁぁぁ熱っつい!!」バシャ バシャ
剣士「アハハ…アハハハハ」
女オーク「そこダメ…下の方」
僧侶「私達も来たですぅ…下の方は私達が使うでし」チャポン
子供達「わーい」バシャバシャ
僧侶「ふぃぃぃ」グビグビ
魔法使い「僧侶あなたお酒を持って来たの?」
僧侶「魔法使いさんも飲むでしゅか?」
ハンター「良いなぁ下の方はくつろげそうで…あつつつ」スリスリ
女オーク「これでよし!どう?見えないでしょ?」ギュ ギュ
剣士「良いね!じゃぁ僕もふんどしに…」ゴソゴソ
僧侶「みんなでふんどしパーティー楽しいです」
剣士「ここ温泉近くでスゴイ過ごしやすい…良いなぁ…僕の島にも欲しい」
僧侶「剣士さんもここに住めば良いです」
剣士「ハハそうだね…爺いじが気に入ったのも分かる」
ドドドドド ザブ〜〜ン!!
790 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:13:43.26 ID:pYa2Z27w0
ハンター「どわぁぁぁ熱っつい!!」
海賊王「はぁぁぁぁぁぁええ湯や…真から温まる」
剣士「ハハ爺いじには丁度なんだ」
海賊王「者共!!突撃やぁ!!」
ドドドドド ザブ〜〜ン!!
魔法使い「ちょちょ…ちょっと!!ここは女が…」
海賊王「小さい事は気にしたらアカン!皆一緒に入ったらええんや!!」
ハンター「とうっ!!」ザブーン
僧侶「お酒がこぼれたでしゅ…」
子供達「わーい」キャッキャ
者共「はぁぁぁぁ温まる…エ〜ユダナ…ハハハ〜ン」
海賊王「土砂降りの温泉もええなぁ?上がったら肉食うで?」
魔法使い「フフ…皆裸で…何かどうでも良くなっちゃった」
海賊王「おまんは乳がデカいな?」
魔法使い「見ないで!!」ザブ
海賊王「見られて無うなるもんやない!気にすんな気にすんな…はぁぁぁええ湯や」
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791 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:14:20.33 ID:pYa2Z27w0
『土砂降りの宴会』
ワイワイ キャッキャ
誰じゃ木を揺らすのは!!水が掛かるやろ!!
どんぐり焼けたぞぉ!食え食え!
おま…これ毒キノコじゃ無いのか?
魔法使い「フフなんか…原始時代みたい」
ハンター「グダグダだと思ったけど全然楽しいや…子供達も泥んこで遊んでる」
僧侶「お酒持って来たです」
ハンター「ありがとう」グビ
魔法使い「もう忘れていたけど…皆で温泉に入るのってすごく癒される」
僧侶「私のペチャパイがバレたです」
ハンター「昔から知ってるよハハ」
ドタドタ ドスン!
海賊王「どや?楽しいやろう?この感じを忘れんなや?」
魔法使い「海賊王さんありがとう…何か色々思い出した」
海賊王「ワイはこの村が気に入った…今日からこの村はドワーフ国の領地や…領主はおまんがヤレ」
魔法使い「え?私?」
海賊王「そや…おまんはなんやかんやで人徳がありそうや…領主でええ」
魔法使い「領主って何をすれば良いのか分からない」
海賊王「この地を治めればええんやが心配すな?ワイが守ったるで…兎に角子供達を守れ」
僧侶「私は何かやる事無いでしゅか?」
海賊王「そやなぁ…おまんは酒場の女将やな…酒場は大事なんやで?宴会で盛り上げなアカンで」
ハンター「ハテノ村の復興だ!」
海賊王「ガハハハ今日はその宴やな!乾杯じゃ乾杯!」チン グビグビ
僧侶「かんぱーい!!」ゴク
-------------
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アオーーーン ワオーーーーン
792 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:15:18.34 ID:pYa2Z27w0
『翌日』
ザザー ボタボタ
剣士「雨が止む気配が無い…」
海賊王「雨降って地固まるちゅうが…ちと降り過ぎやな」
剣士「建築は大丈夫?」
海賊王「まずはこの遺跡を拠点に建屋作って行くから心配すな…晴れたら下の教会まで行ったる」
女オーク「この雨もしかして…」
剣士「ん?どうしたの?」
女オーク「オークシャーマンの呪術かもしれない」
海賊王「ほう?南方の東オークを洪水で攻め様っちゅう気やな?この雨で下流はエライ洪水が起きとるやろ」
剣士「呪術で天候を操る…それで偏西風が止まってた?」
海賊王「南の空が雷で光っとったわ…オークの難民に備えとった方がええな」
剣士「偏西風を止めるって…この星全体に影響が出るじゃ無いか…そんな事まで出来るのか」
海賊王「未来は知らんやろうがワイらドワーフはオークシャーマンが産んだんやで?」
剣士「ええ?」
海賊王「ワイらにとってオークシャーマンは創造主やな」
剣士「どうやって?」
海賊王「言い伝えではな?ノームちゅう小人とオークの合いの子らしいわ」
剣士「ドワーフは精霊が産んだんじゃ無かったんだ…」
海賊王「正確には精霊がオークシャーマンにやらせたんやろう…ノームの血を引くけぇワイらは器用なんや」
剣士「オークシャーマンってそんなにスゴイ存在だったのか…危うく首を切り落とす所だった」
海賊王「ガハハハ豪快な話やな?神殺しかいな」
剣士「でもね?オークシャーマンはそんなに大きく無い小さなオークの女の子だったよ」
海賊王「ワイは詳しくは知らんがシン・リーンの魔女もそんな感じやろ」
剣士「ハハそうだね…いつも子供の恰好してる…そういう事ね」
海賊王「しかしこの星全体に影響が出るちゅうんは心配な事もあるな?他の地域はどうなっとるんやろう?」
剣士「あ…僕キ・カイまで行くんだった…見て来るよ」
海賊王「ガハハおまんは休むちゅう事を知らん様や…ええぞ?行って来い…前に前に進め」
793 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/11/19(金) 23:16:59.21 ID:pYa2Z27w0
『飛空艇』
ザザーー ボタボタ
剣士「…うんキ・カイまで行ってまた帰ってくるよ」
魔法使い「昨日帰ったばかりなのに…」
剣士「あと2人乗れるけど一緒に行く?」
僧侶「私行きたいですー盗賊さんとお酒飲みたいでし」
剣士「おけおけ!乗って…あと一人」
魔法使い「私は…」チラリ
ハンター「まぁ3人で行っておいでよ…こっちの事は心配しなくて良い」
剣士「おっけ!じゃぁハンター!ウルフの事お願いね…あんまり世話は掛らないと思うけど」
ハンター「こっちも狩りの相棒が欲しかったんだ…助かるよ」
剣士「じゃぁウルフ!頼むよ」
ウルフ「ガウガウ!」
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