【安価】禁忌の工学者

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25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 18:47:48.27 ID:wh53zrLvO
きっくん
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 18:58:42.96 ID:rtmIRlBVO
「鴉ですね」

「思いついたのがこれだったんだよ」

男が名乗る偽名は『クロウ』。なお、これを選んだ理由は特に無い。

それなりの時間を掛けて、辺境の町に到着する。早朝には出たのだが、到着した頃には既に日が高く昇っていた。

「活気がありますね」

「まぁ、ここはダンジョンに近い町だからな。王都までも一直線だし」

大渓谷の入り口を塞ぐように存在するこの町は、古くから商業地として栄えている。

ダンジョンに向かう者、王都に向かう者。どちらも利用するこの町が栄えるのも、当然と言えよう。

その分、負の側面も持っていることになる。人が増えるということは即ち、ならず者や訳ありの者も流れてくることを示す。

「あれは、市場ですか?」

「そうだな。日用品に武器や防具、奴隷に用心棒に麻薬。何でもござれってね」

光と闇の坩堝。そう形容される市場が眼前にあった。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 18:59:47.70 ID:rtmIRlBVO
町での行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。合計で2回行動した後、自宅に帰投します。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 19:14:10.51 ID:wh53zrLvO
市場でお買い物デート
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 20:12:06.44 ID:i17CQeckO
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 20:34:33.59 ID:rtmIRlBVO
購入したサングラスを掛け、市場を練り歩く。男の視線は、店員や商品に向けられている。

「マ…クロウ。何を見ているのですか?」

「物色だ。何か使える奴や物は無いかってな。性分だから、どうにもならないのさ」

視線を悟られないために、サングラスを掛けている。多少の違和感は感じても、捕まったりはしないはずだ。

「そうですか」

淡々と返事をし、アイは出店に視線を注ぐ。全てを記憶しようとしているようだった。

「さて、何を買うかねぇ」

特に決めている物は無いが、せっかく来たのだから何かしらを買っておきたい。それが、アイが感情を持つヒントになるかもしれない。

思いつきとはいえ、デートをしようと決めたのは自分だ。なら、贈り物をするのが道理なのかもしれない。

ふむ、と男は思考に耽る。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 20:35:37.29 ID:rtmIRlBVO
購入する物品を選択してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。一つのレスにつき3つまで選択可能です。
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 20:40:19.56 ID:YqwufvHs0
アイへのアクセサリー(世界観的にはお守り?)
珍しいフルーツ
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 20:44:24.67 ID:rQBpeDii0
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 22:28:25.70 ID:RdDLvQXr0
雑誌に目を通してはいたのだが、女性への贈り物で何が適当なのか、皆目見当もつかない。

色恋沙汰とは無縁だったのが悪いのか、そういうものに興味が無いから悪いのか。どちらかは定かではないが、考えても無駄なことは分かる。

「…ピーンときたのをあげれば良いか」

目に映った一つの髪飾り。それが数多のアクセサリーの中で、唯一輝いて見えた。それがある、と認めた瞬間、身体は既に動いていた。

「これ、付けてみろ」

「データとの照合開始。類似品に《コサージュ》がヒットしました」

「正解」

アイに手渡したのは、『氷郷の薔薇』と呼ばれる植物を模したコサージュ。水色で半透明な、繊細な細工が施された一輪の薔薇。

恐る恐る、といった感じで胸元に取り付けるアイ。なるほど、良く似合っている。自分の勘も捨てたものじゃあない。

「わ、私、は」

コサージュを見て、男を見て。それを繰り返し、言葉に詰まる。ここまでは想定外だったらしい。

「こういう時は『ありがとう』というもんだ」

「あ、ありがとうございます」

また一つ学習したのか、不自然な挙動が元に戻る。そして、ぼそりと呟いた。

「…やはり、理解出来ません…マスターの考えが…私のことが」

それが分かる日が来た時は、その時は。私も、人間になるのでしょうか。

アイの抱いた疑問は、文字列の波に呑まれ、処理された。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 22:48:26.41 ID:RdDLvQXr0
提供された試食を味わい、バスケットにフルーツを放り投げる。新しい物を作った後に、御褒美として頂こう。

「この果物は《帝堕紅玉》ですね。非常に稀少な林檎だったと思われます」

「ダンジョンで採れたらしいな。良く見つけたものだ」

濃厚な蜜と、爽やかな酸味が魅力の貴重品。ある時代には、これを食した皇帝が虜になり、職務に手が付かなくなって帝政が崩壊したという。

「お前、試食しなかったよな。食べられるのに、どうしてかねぇ」

「動力は安定稼働中です。食事をしても、得られる出力は微量ですので」

「人間らしく振る舞うなら、そういうのも必要だろ」

「そう、でしょうか」

人間らしく振る舞う。その言葉を否定せず、熟慮を始めるアイ。思考パターンが変わったようだ。

「…っと、そうだ。忘れるところだったな。ほれ」

「鍵。これは、クロウの自宅の物ですね」

「場合によっては、留守にする時がある。その時にあった方が、何かと便利だと思うぞ」

「なるほど。クロウの好意に感謝を送ります」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 22:49:00.80 ID:RdDLvQXr0
町での行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 23:05:53.95 ID:wh53zrLvO
ホテルというか宿屋に泊まろう
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 23:12:28.66 ID:+PbrJtAeO
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 23:26:09.19 ID:rtmIRlBVO
「あ゛ー疲れたー」

荷物を椅子に置き、ベッドに身体を預ける。全身を柔らかな感覚が包む。

「周囲に生体反応無し。外界からも遮断されていますので、変装を解いても問題無いと思われます」

「つっても、服を着替えるくらいしか今は出来ないからな。このままでいいよ」

男の返答を聞き、壁際に立つアイ。待機モードになったようだ。

大欠伸をする男は、眠そうな表情で水を飲む。こんな場所でやれることなど、たかが知れている。

故に。何も出来ないことが原因で、強烈な眠気が男を襲っていた。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/18(木) 23:26:58.09 ID:rtmIRlBVO
宿屋での行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 23:29:02.69 ID:2SGTdsR9O
アイには生殖機能は残ってるし…試してみるのも悪くないかなぁ…
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 23:35:24.70 ID:HKmNYkfi0
悪いがR案件はNG

安価は男の過去の夢を見る
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 00:50:39.06 ID:3Tn6M8LAO
夢を見た。とても懐かしい夢を。

『はぁ。もう辞めてぇわこの仕事』

『何言ってんすか!?先輩に憧れてウチはここに来たんすよ!その想いを裏切るつもりっすか!?』

機械人形を稼働させ、だらしなく椅子にもたれかかる男。それにぶうぶう、と女性が文句を垂らす。

『だってよぉ、面白くないだろ。同じようなことを繰り返しばかりで、新しい発見なんか何もねぇし』

『うわ、新技術の特許持ってる人が何か言ってる』

『穴があった部分を改善しただけだ。大したことはしてねぇっつの…』

研究所で毎日のように行われていた愚痴り合い。それも、遠い昔のことだった。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 00:58:22.93 ID:3Tn6M8LAO
夢を見た。今思い出しても、興奮が止まない夢を。

『このモノリス…これ、もしかして…っ!』

幾百もの時が過ぎた廃墟の地下、研究所と思しき施設の中に、巨大な石版があった。

古代文字など、てんで分からないが。ご丁寧にも図解されていたお陰で、理解することは出来た。

『なるほど…この技術があったから、『コヨーティ』や『ベヒモシア』とかの機械獣が生み出せたわけだ…!』

『だが、ここの設備はもう使えない。今ある技術で再現出来りゃ、更に機械技術は進歩する…!』

『ぅわっ!…そろそろ崩れるか。写しを取る時間は無い…逃げねぇと!』

見るもの全てが新鮮だった、廃墟探索。あの時ほどに心が躍った日は無かった。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 01:05:37.38 ID:3Tn6M8LAO
夢を見た。思い出すことすら厭う、嫌な夢を。

『ゲ…ホッ…オエッ…』

腹に大穴の空いた男は、雨の中を這いずる。既に、手持ちの機械人形は全滅した。

『…っのやろぉ…。とんでもない化け物造りやがって…。気になるじゃあねぇか…』

乾いた笑い声を上げながら、少しずつ進む。朱い液体は流れ続け、道を染めていく。千切れた臓物が、道を飾っていく。

『…先輩』

ゆらり、と角から出てきた女性。その傍らには、数体の機械人形が。

『…年貢の納め時か…。俺ぁ、ただ技術を試したかっただけ…なのによぉ…』

這い蹲りながら、男は声を絞り出す。意識を保持しておくのも、そろそろ限界だ。

『…ウチは何も言わないっすよ』

『サヨナラ、先輩』

微笑んでいた女性。その眼から流れていたのは、雨か、それとも。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 01:10:06.08 ID:3Tn6M8LAO
「マスター、マスター」

「ん…ぁ……。アイ…か…」

身体を揺すり、声を掛け続けるアイ。その感覚に呼び戻され、男は目を覚ました。

「…酷い夢を見たな。あぁ、頭が痛ぇ…」

「水、頼む。キンキンに冷えた水な」

「了解しました」

アイは飲み物を取りに、部屋を出て行った。1人になった部屋の中で、男は独り言ちる。

最後の言葉、どういう意味だったんだよ。なぁ。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 01:11:27.95 ID:3Tn6M8LAO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。クールタイムが終わったので、開発が可能となります。

本日はここまで。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 02:10:23.41 ID:jnXdbgBr0
ここで>>17
おつ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 07:07:18.65 ID:xQFD9vFF0
演算能力のテスト
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 10:04:30.97 ID:3Tn6M8LAO
「今日の検査項目はこれだ。30分以内に解答して、俺のとこまで持ってきてくれ」

「了解しました」

アイに手渡したのは、自作の計算問題。初等教育で学ぶものから、最近学者が解き明かしたものまで、バラエティ豊かな品揃え。

男は椅子に座り、開発予定の兵器の設計図を書き直す。設計に不備があれば、完成品にも問題が生じてしまう。

「終わりました」

「はえぇんだよぉ!?」

開始して僅か数分で、アイは答案を提出する。ペンを走らせる時間しか掛かっていない気がした。

目に映った、認識した瞬間に計算を終えているとしたら、その速度にも納得だが。どんなに高性能な機械人形でも、ここまで速く解くことは不可能だ。

「全問正解…」

見たら分かる。当たってる奴やん。感嘆の声を漏らしながら、男は無意識のうちにアイの頭を撫でていた。

「あの、えっと」

わたわたと動くアイをよそに、男は満足げな表情をする。

やはり、古代技術は素晴らしい。今あるものなど、ガラクタにしか見えないほどに。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 10:04:59.74 ID:3Tn6M8LAO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 10:49:50.51 ID:iFeTYB7TO
料理とか家事ができるか試してみる
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 11:11:39.29 ID:Yj+LLc6bO
アイのメンテナンスをしてあげよう
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 13:14:52.52 ID:3Tn6M8LAO
「家事、ですか」

書類整理をしていたアイは、不意に聞こえた言葉に首を傾げる。

理解不能。主人が何を思い、自分にそんな命令を出しているのか。まだ分からない。

分からないが、少しずつ拒否感が薄まっていくのを感じる。これも、分からない。

無数の知識がインプットされているのに、分からないことだらけ。世界とは、不思議なものだ。

水晶の双眸が揺れる。戸惑っているのか、思考しているのか。本人にさえ分からないが、嫌がってはいないように見える。

「この書物に書かれている通りにやれば良いのですね」

子供用のエプロンを着け、アイは台所に向かった。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 13:15:31.93 ID:3Tn6M8LAO
アイの家事スキルを判定します。↓1コンマが高いほど、優秀となります。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 13:31:51.83 ID:SfDLDokx0
たかいたかーい
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 13:53:39.09 ID:3Tn6M8LAO
「終わりました」

「ここはいつからホテルになったんだ」

呼ばれたので、リビングに男は入るのだが。見知った場所だったはずなのに、その面影はどこにも無い。

汚部屋に片足突っ込んでいたものを、徹底的に掃除して、新築時の美しさを取り戻している。当初がどんな姿だったのかは知らない。

丁寧に敷かれたテーブルクロスの上には、どこから取り出したのか不明なディッシュが置かれ、料理が飾られている。

それも、一流レストランで振舞われるようなものだ。こんな家で食べられるようなものじゃない。

「………」

パクリ、と一口頂く。うん、美味しい。王都に招待された時の料理よりも美味い。

本当に良く出来た娘だ、と頭を撫でる。娘のような、愛着に似た感情が芽生えている。これには、男自身も少し驚いている。

「ふふ…。変な方ですね、マスター」

「………!?!!!?!?」

アイが、笑った。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 13:55:40.68 ID:3Tn6M8LAO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 14:55:53.26 ID:tq2n3gKtO
〉〉5の開発
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 15:26:28.35 ID:UnsXomVGO
>>17をマイルドにした感じで
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 16:39:59.75 ID:3Tn6M8LAO
「………」

使用済みの食器を洗うアイ。僅かにだが、その表情は綻んでいる。

感情を理解しきったわけではないが、なぜ笑っているのかは分かる。

褒められた。その事実に、胸が躍っていた。喜びを感じる心など、機械には無いはずなのに。

「心は生まれるものなのか。全てが持っているけど気付いていないだけなのか。私には解答出来ませんが」

食器洗いを終え、手を拭う。胸元のコサージュに、ゆっくりと手を添える。

「私にはあるのでしょう。《感情》と呼ばれるものが。だから、笑っているのでしょう」

初期プログラムの中には存在しなかった『感情』というコード。これが、古代技術の本質だとしたら。

いや、そんなことを考える必要は無い。私は、主人の命に従うだけで良い。そう造られているのだから、そうすれば良い。

でも、我儘を言うならば。言っていいとしたならば。

もっと、頭を撫でてほしい。抱き締めてほしい。

私に《愛》を、ください。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 17:21:02.53 ID:3Tn6M8LAO
「次は、何をすれば良いのでしょう」

手持ち無沙汰になったアイ。指示を受けるために主人の元に向かってもいいのだが、今は作業中。迷惑を掛ける可能性を否めない。

ならば、と寝室の掃除に向かおうとする。だが、それは叶わなかった。

「………!?」

システムエラー。障害が発生しました。その文字列だけがプログラムに溢れかえる。

正常な命令が送れない。思考しようにも、エラーが邪魔をしてままならない。

そんな中、一つの映像が再生される。あるはずの無い、出会ったことのない人間が映っている映像が。

「こ、れは」

分からない。判らない。解らない。解りたくない。

これが何なのか、自分は知っている。だが、認めたくない。

私は《I型アイ》。それ以外の何者でもない。主人に生み出された機械に過ぎないのに。

大きな体躯の男に嬲られる光景にも、鏡に映る少女の顔にも、見覚えがあった。正確に言うならば、該当するデータが断片的にあった。

この少女は、私だ。少なくとも、そう記録されている。

私は《I型アイ》。主人に生み出された機械。でも、これが偽だとしたら。

私はいったい、何?

乱れる電気信号。正常な動作を許さない中で、必死に判断をする。

今はまだ、優先すべき問題ではない。その時が来るまで、封印しよう。

アイは自身の判断で、データにプロテクトを施し、データの奥深くに隠した。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 17:22:12.80 ID:3Tn6M8LAO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。行動決定時に、開発対象を選択することは出来ません。

レポート提出時に、開発対象を選択してください。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 17:28:40.00 ID:SfDLDokx0
生き物とふれあいに森に行く
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 17:35:24.72 ID:iFeTYB7TO
上級モンスターが倒せないか試してみよう
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 18:25:04.49 ID:3Tn6M8LAO
00が出てしまいましたね。特典は特に考えておりませんでした。

何かのイベントと開発(クールタイム無し)を特典としたいと思います。
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 19:03:57.76 ID:3Tn6M8LAO
「何かあった時はお守りよろしく」

「了解しました」

偶には外の空気を吸わなければ、と提案を受けた男は、普段着の白衣のまま外に出る。

護衛のために隣を行くは、鋼鉄の兵士。外見は人間と何ら変わらないが、その小さな肉体は殺戮に特化した武器(ちから)を秘めている。

鬱蒼と茂る木々の中に、男の家はポツン、と建っている。数歩歩けば、大自然の中に放り込まれる。

「うおっ、うるせぇな」

「叫びましたね」

どこからともなく聴こえてくる咆哮。粗方、森の主だろうが。

アイがいればどうにかなる、と考えている男は、気にすることなく散策を続ける。

「にゃん」

「あら可愛い」

「マスター、こんなところに普通の猫がいるはずありません。魔物ですよ」

「速攻で頸斬ったな」

サーチ・アンド・デストロイ。アイは動物たちと存分に戯れた。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 19:05:24.49 ID:3Tn6M8LAO
森でのイベントを決定してください。↓2までに来たものを全て実行します。00の特典なので、コンマで判定はいたしません。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 19:14:54.39 ID:fM0nA8w30
忍者の奇襲
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 19:22:16.69 ID:Km2YWxR1O
朽ち果てた機械人形を発見
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 19:40:02.87 ID:3Tn6M8LAO
「マスター、お下がりください」

「ほいほい」

アイが前に出ると同時に、男が後退する。突如、夥しい数の小刀が飛来した。

「迎撃行動を開始します」

それをアイは難なく無力化する。左手の剣一本で、全てを打ち落とした。

「流石でございますな。凡百の絡繰とは次元が違う」

「どーも」

木の陰から躍り出たのは、黒ずくめの兵士たち。特徴的な剣と、額当てをしている。

「拙者はオオワシ。隣の男が」

「シラヌイと申します。どうぞ、お見知り置きを」

「男殿。我らと共に『ヒノモト』に参っていただきたい」

「やだよ。お前らが欲しいのは、古代技術だろ。用が済んだらポイじゃん」

男は聞く耳を持たず、頑なに否定する。溜め息を吐いた忍者たちは、刀を抜いた。

「では、力尽くで」

「マスター、いかがなさいますか?」

「殲滅しろ。俺がいることが知られちゃ不味い」

「了解。殲滅モード、起動します」

アイの両目に、紅い光が灯った。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 19:54:26.39 ID:3Tn6M8LAO
「チェストーッ!」

先陣を切った忍者が、高速で接近して斬り込む。それを片手で防ぎ、アイは右手をもう一人の忍者に向けた。

「機構解放。殺戮銃《ガーンディーヴァ》発射」

瞬きの間に、華奢な右腕は銃身に形を変える。完全に不意を突かれた忍者は、回避することが出来なかった。

「ウボァァァァ!?!」

「シラヌイィ!?」

先程投擲された小刀を優に超える数の銃弾が、忍者の全身を食い破る。血が吹き出て、肉が千切れ。人の形をしていたものは、ただの肉塊に成り下がった。

「殺戮剣《カリブルヌス》展開。脅威の排除を完遂させます」

耳鳴りのような音を立て、剣が光る。刀でそれを防ごうとするが。

「なっ……に……ぃ………」

嘲笑うかの如く、刀ごと両断した。そのまま返す刀で頸を断ち、頭を串刺しにする。

「戦闘終了。マスター、次の指示を」

「指示は無し。しかし…いやぁ、強いなお前」

古代技術の素晴らしさ。それには、いつも驚かされてばかりだ。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 21:04:39.76 ID:3Tn6M8LAO
敵を撃破し、散策を再開する二人。程なくして、ここに在住する男すら足を踏み入れたことのない、秘境へと辿り着く。

「ここまで来たことは無いんだよな。俺ぁ戦えねぇから」

「魔物には襲われませんでしたが」

「…だって、お前がヤバいもん。皆ビビるに決まってる」

「ビビる。恐怖している、ということですか?」

「ああ」

アイの質問を肯定すると、アイは悲しげな表情をする。

「…マスターは、私に恐怖を抱いてますか?」

「いや全然。寧ろ、感動してる」

「こんな凄い技術を再現出来てる…それだけでもう涙が出るね」

「そう、ですか」

嫌われていないことを確認したアイはクスリ、と微笑んだ。
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 21:11:17.87 ID:3Tn6M8LAO
更に奥まで足を踏み入れると、あからさまに風景が変わってきた。自然の中に、人工物が紛れ始めたのだ。

「瓦礫がチラホラ見受けられる。ここに建物があったのは確定だな」

「…マスター。あちらにあるのは、いったい」

「ありゃあ…機械人形だ。それも、数千年前の代物だ」

瓦礫に身を隠すように、機械人形が眠っていた。反応も無く、損傷も激しい。普通であれば、修理を投げ出すほどである。

だが、男はこのレベルなら、何度も修理してきた。現代式の機械人形のみの話だが。

「アイ、こいつを運べるか?」

「問題ありません」

主人の意思を汲み取り、従者は行動を開始した。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 21:12:25.60 ID:3Tn6M8LAO
回収された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
また、ゾロ目が出た場合は、そちらを特別枠として受理されます。

今回は男が製造していないので、名前に○○型は無くても大丈夫です。
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 21:12:46.53 ID:SfDLDokx0
《Name》対龍型S.I.E.G.(ジーク)
《Ability》怪力、高耐久
《Appearance》高さ3m、無骨でメカメカしい男性型
《Weapon》体術による戦闘
《Summary》
対ドラゴン戦を想定して造られた戦闘用メカ
そのため豪快で強烈な一撃を得意としているが小回りが効きづらい
紳士的で物腰柔らかな口調で感情がとても豊か
バグのせいかジョークを無意識に喋ってしまう
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 21:13:25.98 ID:5DLWroPYO
《Name》ドッグ
《Ability》探知分析。
《Appearance》まんま犬。
《Weapon》レーダー。非戦闘用。
《Summary》広範囲の地形・物質・地質などなどを探知・分析できる。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 21:51:08.30 ID:3Tn6M8LAO
「くぅーん」

「…人格とかインストールされてねぇのかよ」

修理を終えた機械人形を作動させる。起き上がったと思ったら、速攻で顔面を舐めに来た。

舐める。めっちゃ舐める。とにかく舐める。これは躾が必要だ。

「お座り!」

「わんっ!!!」

「お手!」

「………!」

めっちゃ利口だ。ここまで犬を再現しているとは。

組成を分析してみたが、一から十まで全て人工物。つまり、アイと同じく純粋な機械人形なのだ。

アイの場合は、死体の少女の外観を基にして作っただけに過ぎない。この機械人形も同じなのだろうが。

「きゅ〜ん…」

足に頭を擦り付ける犬。可愛いじゃないか。

「………」

部屋の片隅で、アイは不貞腐れていた。
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 21:53:19.56 ID:3Tn6M8LAO
特典枠の開発を行います。開発された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
また、ゾロ目が出た場合は、そちらを特別枠として受理されます。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 21:59:20.41 ID:SfDLDokx0
>>76
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 22:07:53.96 ID:iFeTYB7TO
《Name》契約型ドラグ
《Ability》全身がパーツ毎に分かれて装備になる
《Appearance》機械龍。大きさは4〜5m
《Weapon》腹が盾や尾が剣。顔も武器になる
《Summary》鏡の中で戦う戦士の契約龍が基になっているようだ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 23:12:19.77 ID:3Tn6M8LAO
「俺、天才かもしれんわ」

サイズの都合上、外で開発された機械龍。今は設定中のため動くことは出来ず、塒を巻いている。

「来たぁ!」

ゆらり、と首を振り、身体を起こす。機械龍は品定めするような目つきで、こちらを覗く。

「グゴゴゴゴ……。貴様が、我を造りし者か…?」

「はいそうです。お名前をよろしくお願いしまーす」

「我はドラグ…。《契約型ドラグ》だ」

「はいオッケー。それさえ分かってるなら問題無い。ドッグは吠えるな」

燥ぎ回るドッグを抱え、男はレポートをファイルに閉じる。龍は男に、質問を投げ掛けた。

「何故、我を造った。この力が必要か?」

「造りたいから造ったってだけ。力に興味は大して無いな。造れただけで大満足」

「え、マジ?我の力があれば、国くらいは滅ぼせるぞ?」

「滅ぼすメリット無いじゃねぇか。お前はこの家を守ってたらいいよ」

「えぇ…。我の存在意義、それだけなのか…」

「マスター、これだけ大きいと、良からぬ輩を引き寄せると思います」

「こんなところに人なんか来ないからヘーキヘーキ。最悪殺せば良いんだし」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 23:13:11.38 ID:3Tn6M8LAO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
今回の開発は特典のため、クールタイムが存在しません。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:15:03.86 ID:SfDLDokx0
普段の行動で開発するとどれくらいクールタイムが発生する?
安価下
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:28:06.42 ID:jnXdbgBr0
アイとドラゴンを絡ませよう
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:54:48.59 ID:5DLWroPYO
ドッグと遊びながら性能を確かめてみる
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/19(金) 23:56:59.71 ID:3Tn6M8LAO
「………」

「何だ、機械仕掛けの人形よ」

「いえ、美しい剣だと思いまして」

真っ直ぐと向けられる視線。それは主に尾の大剣に注がれているのだが、悪い気はしなかった。

「そうかそうか。貴様は良い目をしている」

「ありがとうございます」

「…して、人形よ」

人形と呼ばれることに不満を持ったのか、アイは語気を強めて警告をする。

「私は《I型アイ》。アイ、と呼称するようにお願いします」

「相分かった。アイよ、貴様は戦闘用に造られた存在か?」

「はい。戦闘用の機構を搭載しております」

「ふむ。ならば、我とドッキングしてみないか?」

「ドッキング、ですか」

「うむ…。我の肉体を分離させ、貴様の身体を覆う外骨格とする。火力、機動力、防御力。何れの上昇が見込めよう」

「考えておきます」

そう言ったアイは、ドラグの頭に乗る。くつくつ、と笑い、ドラグは羽根を休めた。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 00:03:06.87 ID:UEnbz3NOO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。

開発後のクールタイムは、1〜5ターンとなっております。複雑なものほど、再開発までに要する時間が延びていきます。

本日はここまで。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 00:06:28.62 ID:AWGpWgNYO
乙。
開発
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 00:10:38.09 ID:CeS4F9tfO
一応パーティ組めるし最難関ダンジョンに遊びに行こう
おつ
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 10:43:28.04 ID:UEnbz3NOO
開発された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
また、ゾロ目が出た場合は、そちらを特別枠として受理されます。
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 10:52:29.37 ID:gyGxFCEo0
《Name》戦車型バイアグラ
《Ability》火炎放射
《Appearance》普通の虎と変わらない
《Weapon》雄たけびで敵をすくませ、
      火炎放射をするのが基本
《Summary》もろこしの「三国演義」に、諸葛亮の
       秘密兵器として登場するものが原形
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 10:57:03.33 ID:hFKbbUbx0
《Name》魔術師型サラ
《Ability》魔法の行使
《Appearance》1mほどのおもちゃの兵隊
《Weapon》無し
《Summary》あらゆる魔法を扱えるように十分な出力を持つが、今はまだ教えられていないため使えない
物静か
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 23:16:07.47 ID:UEnbz3NOO
「疲れ…た…ぁ……」

「お疲れ様です。デザートをどうぞ」

「糖分が脳に沁みるわぁ……」

アイお手製のミルクレープを味わう。最近、駄目人間化が加速している気がする。

「我もその甘味が欲しいぞ…」

「小さい物しかありませんが、それでよろしければ」

「助かる。…美味い。エクセレントだ」

そんなこんなで、新造した機械の起動が完了する。一匹の虎と、おもちゃの兵士が、ゆっくりと起き上がった。

「恒例の確認だ。名前をどうぞ」

「《魔術師型サラ》」

「《戦車型バイアグラ》でございます。主殿、よろしくお願いします」

「キェアァァァァァァシャベッタァァァァァァ!!!」

ドッグのような機械人形を造りたかったのに、何故だ。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 23:17:29.46 ID:UEnbz3NOO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
今回のクールタイムは2ターンです。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 23:50:32.16 ID:agpVyo0vO
>>86
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 01:00:29.63 ID:ZMLTWLHC0
アイと新入り達とのやり取り
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 01:35:46.53 ID:4Bl+I+nUO
「アイよ、その書物は何だ?」

「《ロミオとジュリエット》です。初めて、マスターに戴いた物です」

「ふむ。…悲しい物語だな。愛に堕ち、溺れ、惑わされ。過ちに気付いた時にはもう遅く」

「ですが、双方の一族が和解した。それだけでも、二人は救われたでしょう」

「そうですかね?自分は、結ばれることなく死した二人は、憐れな存在だと思いますが」

「わんわん」

「貴方を、私はどう呼べば良いのでしょうか。流石に、卑猥過ぎます」

機械に卑猥だと感じる心があるのか。男がいれば、そこに興味を示すだろうが、今は不在だ。

バイアグラは首を横に振り、悠然と答える。

「主殿にも考えがあるのでしょう。忌避感を感じるのでしたら《グラ》とお呼びください」

なお、男は何も考えないで付けた模様。辞書を眺めながら、適当に名前は決めているのだ。

「童謡の鼠みたいだな」

「わぅん…」

「では、これからは《グラ》と呼称させていただきます」

「ふふ。何とも面白い名前ですねぇ」

クスクス、と笑うバイアグラ。虎である必要があるのか、もう分からない。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 01:36:52.54 ID:4Bl+I+nUO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。

土日は所用で、早朝と夜のみしか更新出来ません。ご了承ください。
本日はここまで。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 02:08:44.88 ID:ZMLTWLHC0

安価は>>90とアイとドラグの合体とか試してみよう
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 05:16:26.26 ID:0fEoN+kzO
みんなでお出かけ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 22:26:31.59 ID:4Bl+I+nUO
「ドッグちゃん。お肉あげるから、レーダーで広域探知よろしく」

「わんっ!!!」

ドッグの背部装甲がスライドし、アンテナが展開される。数分ほどすると、何枚かの地図が印刷された。

「お利口さん」

「わぅん」

「………」

「ジェラシーですか。落ち着いてください」

「…ヤキモチなんて、焼いてません」

「分かりやすいな」

じゃれ合う二人を見ながら、アイは?を膨らませていた。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 22:28:15.02 ID:4Bl+I+nUO
確認されたダンジョンの情報を解析します。↓3までにダンジョンの名前と簡単な特徴をお願いします。

どのダンジョンに向かうかは、次の安価で決定します。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:31:05.84 ID:ChR629KJ0
エクイバレント
無限ループの回廊が存在
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:46:07.98 ID:7WjEVnec0
サンドメイズ
見た目はピラミッドのような見た目で中に入ると隠し通路がたったりと複雑な迷路になっている。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 23:45:02.61 ID:ZMLTWLHC0
スクリューパイルドライバー
螺旋式に降りていく
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 00:03:52.73 ID:K0HxZ9ZsO
「ふむふむ。見つかったのは三つか…」

解析結果では、近辺に確認されたダンジョンは三つ。何れも時空の歪みが激しく、相当厳しい場所であることが分かる。

一つは『エクイバレント』。無限に同じ道を進ませられる回廊が複数存在するダンジョンで、予想外の消耗をするかもしれない。

次は『サンドメイズ』。ピラミッドを模したダンジョンで、幾つもの隠し通路で構成された、迷宮だ。

最後は『スクリューパイルドライバー』。どこぞの格闘技の技の名前を冠するだけあって、螺旋状に地下へ降りて行くダンジョンだ。

変な名前であるが、一応最難関と呼ばれるだけあって、時空の歪みが激しい。

「何れも何があるのか未知数なダンジョンだ。どんな初見殺しがあっても、不思議ではなかろう」

「魔法を学びたい」

「マスターの望みの通りに戦うのが、私の役目です。命に代えてもお守りします」

「自分は火を噴くくらいしか出来ませんが」

「わんわん」

「どうしましょ」

正直言って、幾ら機械人形を連れているからといって気軽に向かえる場所ではない。

最低でも、二人は破壊される覚悟をしておいた方が良い。

設計図は残っているが、同じものを造れる保証は、出来ない。
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 00:04:53.10 ID:K0HxZ9ZsO
向かうダンジョンを決定します。二票先取したダンジョンに向かいます。

行かない、という選択肢ももちろんありです。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:06:18.93 ID:ieFEBhDe0
>>105特徴の訂正

ピラミッドのような見た目で中に入ると隠し通路があったりと複雑な迷路になっている。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:48:37.73 ID:tGkzPo/BO
ネタ臭のするパイルドライバー
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 15:20:49.95 ID:WmxmH32MO
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 16:40:31.41 ID:K0HxZ9ZsO
「じゃあ、探索と行こうか。いいアイテムとかがあったら、忘れずに回収しとくれよ」

「了解しました」

煉瓦造りの小部屋内にあるみすぼらしい祠に手を触れると、チキチキ、と音を立てて空間が黒く塗り潰される。

音が止み、闇が消える。すると、今までに良く見た遺跡のような光景が広がっていた。

「ほぅ…。綺麗なもんだ」

再度地図を印刷してもらい、間取りを確認する。

どうやら、無数のブロックが螺旋状に繋がり、地下に向かって延びているようだ。

一つ一つのブロックが迷宮になっており、その一つを踏破するだけでも、かなり面倒になっている。

「ドッグがいるお陰で、多少の迷路なら楽に攻略出来る。魔物にだけ注意するぞ」

「我の身体では先に進めそうにない…。仕方ない、やるぞ。アイ」

「もうですか?」

「この先に何があるか、我も見たいし。ここで留守番もつまらん」

「分かりました」

ズカズカ、と前に進む男の後ろで、二人は何やら話をしていた。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 16:43:01.44 ID:K0HxZ9ZsO
ダンジョンの深度と踏破階数を判定します。↓1コンマがダンジョンの深度(50以下の場合は50に書き換え)、↓2コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 16:44:03.67 ID:tGkzPo/BO
じゃあラッキースケベ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 17:06:58.48 ID:r61JtMoE0
ドラグの重さで床が抜ける
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:11:38.72 ID:1dboMVopO
「では、打ち合わせ通りにいくぞ」

「…了解」

大仰なポーズを取り、アイは静止する。後ろに佇んでいたドラグの身体が光り、分離した。

「悪しき者よ、恐れ怯え、座して待て!」

「…今ここに、裁きが形を成す」

「ドッキング、開始っ!」

分離したドラグのパーツが、アイの身体を包むように装着される。

尻尾の剣は右手の銃に、腹の盾は左手の剣に。頭は、アイの頭部をすっぽり、と覆った。

「さあ!遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ!」

「我こそはー!」

「…《龍装姫兵《ドラグアイ》》。この口上に、意味はあるのですか?」

「これがやりたかった!」

「…失敗作かもしれんわ」

こんな巫山戯た設定をしたつもりはない。帰ったらプログラムを調整する必要があるかもしれない。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:19:10.26 ID:1dboMVopO
「対象の撃破完了。哨戒行動に移ります」

「えげつねぇ」

事務的な殺戮を済ませたアイは、周囲の警戒を再開する。道を埋め尽くす骸からは、紅き液体が止めどなく流れ続けている。

四肢を断ち、首を刎ね。悦楽に浸ることもせず、黙々と命を刈り取った剣は、血に汚れながらも美しく輝いていた。

その所有者も、冷たい表情に赤のコントラストで彩られている。その様は、息を呑むほどに美しかった。

「なんで、オークとかオーガ、ギガンテスのようなマッチョ型の魔物しか出ないんだろうな」

「そういう特徴があるダンジョンなのでしょうね」

「マスター、足元にお気を付けください」

「そう簡単に滑ったりしないから大丈夫だっ」

「あっ」

「間抜け…」

118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:31:12.03 ID:1dboMVopO
一歩足を踏み入れる。そこに溜まっていた血液が摩擦を抑え、バランスを崩す。

バナナの皮を踏んだが如く、綺麗に回転して男は転ぶ。機械人形と警備をしていた魔物は、その美しさに目を奪われた。

ただ一人の機械人形を除いて。

「マスター…っ!」

高速で駆け寄ったアイは、主人の手を取り、身体を支え、抱き上げる。地面に頭を打つよりも早く、救出する。

「助かった」

「………」

「変態だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

転げた拍子で伸ばしていた手は、アイの胸部装甲に触れる。ドラグを纏っていたため、柔らかさなど微塵も感じなかったが。

「おい今何つった。おいドラグ」

「わ、我の胸を触るなど。変態にもほどがある!我は機械人形だぞ!?」

「お前まず雄だよな?女に触られたわけじゃねぇだろが」

「同性同士でも、急に触られて驚かないわけが無い!」

「主殿にはそのような趣向があったのですね。いやはや、これには自分も吃驚仰天です」

「変態、変態」

「俺にその手の趣味はねぇからな」

「マスター、機械人形に欲情するのはいかがなものかと思います。私にその類の機能はありません」

「欲求不満でしたら、娼婦を呼ぶのはどうでしょうか。それか、町に赴いて風俗に通うのも手かと」

「誤解したまま話を進めるのやめてくれない?」

男が望むのは、技術を扱うこと。ただそれだけだ。

それ以外の興味など、一切無い。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:36:20.70 ID:1dboMVopO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》8Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が2以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 18:57:09.85 ID:eRyksl0l0
いやぁ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 19:47:20.08 ID:1dboMVopO
「目ぼしいアイテムは無いな。機械人形も修復不可能なやつばかりだ」

機械人形は原型を留めているものもあるが、どうしようもないほどに砕けたものもある。

いずれにしても、内部の破損や劣化が酷すぎて、技術を分捕ることは出来そうになかった。

「つまらない」

サラは不満を隠そうともせず呟く。ブリキの人形のような顔も、心なしか苛立って見える。

出没する魔物も肉体派ばかりで、魔法を使うようなものはいない。魔法を学習出来ないことは、彼女にとっては死活問題なのだろう。

「携帯食料は持ってきたが、最深部に到着するまで保つかな」

半永久的に、供給要らずで稼働する機械人形の動力とは違い、人間は燃料を必要とする。何とも不便なものだ。

「最悪、殺めた魔物の肉を食べればいいでしょう。お口に合うかは別問題ですが」

「カニバリズムみたいで嫌なんだけど。オークとか豚人間みたいじゃん」

「なら、自分のような魔獣型が出てくることを祈るべきかと」

「人間性は捨てたくねぇなぁ」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 19:48:15.86 ID:1dboMVopO
↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 19:50:35.25 ID:Zd8gp+b60
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 19:52:07.84 ID:lF61aW7t0
放置されたテントを発見
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