【安価】禁忌の工学者

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125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:02:09.07 ID:1dboMVopO
「あー疲れた」

「貴様は歩いているだけだろうが。戦っているのはアイとグラだぞ」

「人間だもん。嫌でも疲れは溜まるっつの…。技術畑生まれだから体力無いし」

更に五階層ほど先に進む。出没する魔物の系統も少し変わり、上位種が徐々に増えてきている。

「この先に広場がある。少し休憩させてくれ」

「了解しました」

「何あれ」

辿り着いた広場には、未知の財産で構成されたテントが設営されていた。ボロボロになってはいるが、まだ使えそうだ。

「この布…シルクとかじゃないな。触り心地が違う。ツルツルしてるけど、何か違うよなぁ」

「このダンジョン、私たちが最初に挑戦したはずですよね」

「いや、古代文明の奴らが先だ。朽ちた機械人形がそこら中にあっただろ」

「こいつは、大昔に入った奴らが用意した拠点の跡地だ。おそらく、戻ってくる前に全滅したんだろ…」

ダンジョンに道具を放置するのはよろしくないことだ。再利用出来る物は、可能な限り回収するのがセオリーである。

「何かあるかもしれないな。調べてみるか」

眼鏡を掛け、男はテントの布を切り取った。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:03:20.40 ID:1dboMVopO
↓1コンマで戦利品の判定をします。2以下で昼寝をしていたオーク軍団と遭遇、3以上6以下で道具入手、7以上で待機モードの機械人形を回収します。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 21:05:49.72 ID:dKkg2R5H0
でやっ
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:19:21.39 ID:1dboMVopO
「………」

「Zzz………」

そこまで大きくないテントの中で、数体のオークが体操座りで仮眠を取っていた。

起こしては不味い、とこっそり逃げ出そうとする男たちだが。

「……誰ですか?」

衣摺れの音が耳障りだったのか、一体のオークが目を覚ます。質問にどう答えるか考える男だが、とりあえず無言を貫く。

「道に迷ったのです。お気になさらず」

「なるほど。ここは強大な魔物が多いのでお気をつけて」

バイアグラがすかさずフォローに入る。うんうん、と頷き、オークは目を閉じた。

「…じゃねぇよ!敵襲!敵襲ー!」

「あれま、誤魔化しきれませんでしたか」

「はいアイさん!やっちまえ!」

「了解、マスター」

両手の剣を敵に向けるアイ。銃口から凶弾が放たれる。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:19:59.30 ID:1dboMVopO
↓1コンマで戦闘を判定します。3以上だと無傷で勝利します。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 21:49:06.96 ID:lF61aW7t0
はい
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 22:05:13.88 ID:1dboMVopO
斉射で討ち取れたのは、先頭の一体だけ。残りのオークは、槍と斧を携え接近する。

「ゴアアアアッッッ!!!」

「………!?」

突然のバイアグラの咆哮に、ほんの一瞬身体が竦む。その一瞬を、アイが的確に突いた。

「龍尾剣《レーヴァテイン》、殺戮剣《カリブルヌス》最大稼働。目標を駆逐します」

右手で薙ぎ、左手で斬り上げる。そのまま天井まで飛び上がり、天を蹴って心の臓を穿つ。

剣を引き抜き、バックステップ。その直後、アイがいた位置を斧が通る。

「グラ、頼みます」

「合点承知」

バク宙して後ろに下がるアイの下から、バイアグラが前進。その口蓋からは、赤い炎が漏れている。

「煉獄砲《ペテルギウス》!」

叫んだ刹那、開かれた口からは、熱線が放射される。長物でそれを防げるはずもなく。

悲鳴を上げることすら許されず、灰燼に帰した。

「さて、行きましょうか」

「テントまで消えた…。サンプルを採取したかったんだけどな…」

「…それはすみません。初お披露目でしたので、出力を上げてしまいました」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 22:06:38.76 ID:1dboMVopO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》13Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が2以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 23:14:17.40 ID:LoU1ODmcO
うりゃ
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 01:58:11.99 ID:BDsD7yUVO
0は基本的にクリティカル、または最大値となります。↓2までに戦利品を記載してください。

本日はここまで。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 08:54:40.37 ID:cmAI5Day0
不思議なペンダント
着けていると射撃系の攻撃の威力が増幅される。しかし使っていく度に精神汚染が進む
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 09:20:12.87 ID:OsYehicGO
ぬいぐるみ
誰かが大切にしていたであろうただの犬のぬいぐるみ
どことなくドッグに似ている
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 14:37:12.03 ID:BDsD7yUVO
「戦闘終了」

幾度となく敵を殺めるアイ。両手の剣は、尚も美しく輝いている。血で錆びる気配は無い。

「だいぶ降りてきたな。そろそろ、精鋭が増えてくる頃か」

「…おっ、戦利品みっけ」

通路の傍らに、丁重に弔われた白骨が。昔の子供服らしき布に包まれ、眠っていた。

抱き締めるようにあったぬいぐるみと、首に掛けられていたペンダントを回収する。紫色の水晶が妖しく光る。

ぬいぐるみの方は、ドッグと似ているような印象を受けた。が、どちらも旧時代の遺物。同じ犬をモチーフにした可能性も考えられた。

「こんなちっこいのに、可哀想なこった」

欠伸をしながら、男はぼそり、と呟いた。
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 14:38:38.40 ID:BDsD7yUVO
↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
今回から、撤退の選択肢も出現します。同時に、今回から損害判定の範囲が拡大します。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 16:38:29.64 ID:3ltDMAO2O
ペンダントはアイに着けてもらう
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 17:32:40.39 ID:5WYGfu+hO
階層が進むに連れて漢のむさ苦しい臭いが漂う
ドラグアイ不快
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 19:05:00.02 ID:BDsD7yUVO
「ほれ、プレゼントだ」

「ありがとう、ございます」

どんな効果があるのか、そもそも、何で作られているのか。さっぱり分からないが、アクセサリーの類であるなら、身に付けるべきだ。

かと言って、野郎や獣、玩具が自身を着飾るわけにもいかず。一番適切であろう少女に、それを贈った。

胸元を飾るコサージュと対を成すように光る、紫色のペンダント。

「………?」

一瞬首を傾げながらも、アイはペンダントを服の中に仕舞い込んだ。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 19:05:59.80 ID:BDsD7yUVO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》17Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が2以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 19:07:15.13 ID:BDsD7yUVO
訂正です。損害が発生するのはコンマ一桁が4以下の場合です。判定先はこのレスから↓1です。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 19:40:28.14 ID:ekvSEItU0
せいや
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 00:41:13.33 ID:nAElFruqO
「チッ…!」

「ドラグ、まだ保ちますか?」

「無論だ…っ!」

ダイヤモンドで構成されたゴーレムと、龍を纏った乙女が鎬を削る。剣が弾かれ、オイルが漏れる。

「ぐ…ぅっ!?」

強烈な一撃を防ぎ損じたアイは、廊下の彼方に消えていった。

「燃え尽きろ」

悉くを焼き尽くす獄炎が、狭い道を塗り潰す。それでも尚、ゴーレムには傷一つ付かない。

「殺戮銃《ガーンディーヴァ》起動。一斉射射射射射射射…」

暗闇から帰還してきたアイは、壁を走りながら銃を乱射する。それと同時に、狂ったように言葉を吐く。

威力が増幅された弾丸が、ゴーレムの装甲を傷付けていく。

「不味い…!」

怯んだ様子も見せないゴーレムは、顎門を開く。

喉から顔を見せた歪な形の銃口に光が集まり、迸り。

姿を隠そうとした刹那、視界を閃光が埋め尽くした。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 00:43:20.22 ID:nAElFruqO
↓1コンマ一桁で損害を出す対象を決定します。

1で男、2、3でドッグ、4、5でサラ、6、7でバイアグラ、8、9でアイ&ドラグ、0はノーダメージです。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 01:37:55.89 ID:y1K+ULjx0
しゃけ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 01:54:58.34 ID:nAElFruqO
アイ&ドラグに決定しました。↓1コンマで被害状況を確定します。

1が両者完全破壊、2がアイ、3がドラグの完全破壊、4から6が重傷、7から9が軽傷、0がノーダメージです。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 02:25:46.88 ID:pd+OcjOkO
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 02:30:46.40 ID:nAElFruqO
ゾロ目ですね。2人が軽傷を負う結果は変わりませんが、今回の戦闘で戦利品を獲得出来ます。
↓2までに、戦利品を記載してください。

本日はここまで。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 03:17:30.88 ID:ZTakvnKdO
それでは追いペンダントで
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 14:21:22.83 ID:e+w2eInHO
またゾロ目出てる
戦利品は黄金のバケツ
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 22:24:59.82 ID:nAElFruqO
「龍腹盾《アイギス》展開」

「あちちちち…!流石に我も堪えるぞ…!」

通路のど真ん中で仁王立ちしたアイが、左手の盾で魔力の奔流を受け止める。

紫電が走り、壁が抉れる。攻撃を一身に受けるアイたちも例外ではなく、合成皮膚が剥がれ落ち、金属の肉体がちらほらと露出していた。


「損傷軽微。まだ戦闘は続行出来ます」

「撤退!あれを黙らせるのに、どれだけ犠牲が出るか分からねぇからな。ここは安パイを取る」

「了解」

「………」

ゴーレムは追撃するでもなく、視界から男たちが消えるまで、見送っていた。対象をロストすると、また同じフロア内の巡回に戻っていった。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 22:31:14.69 ID:nAElFruqO
「死ぬかと思った」

「マスターが無事で良かったです」

ゴーレムの砲撃の余波で吹き飛んだ、大部屋の一角。その奥に隠されていた部屋の中で、皆は会議をしていた。

「主殿、戦利品がこんなところにも」

「バケツ…めっちゃ眩しいな」

「これも」

「さっきのと同型のペンダントか。嫌な予感しかしねぇ」

バイアグラとサラが回収した戦利品を鞄に仕舞い、瓦礫に腰を下ろす。

さっ、と待機している機械人形に目を通す。アイとドラグ以外は無傷で、2人も大したダメージは受けていない。

「だが、困ったな。こんな浅いとこから、あんな大物が出てくるとは」

もし先に進むなら、先程のゴーレムと鉢合わせするのだけは避けたい。あれには、今の戦力では勝てそうにない。

もしや、あれに挑戦した人たちは皆殺されたのか、と疑問が浮かぶ。しかし、証拠が無いので意識の片隅に、その疑問を追いやった。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 22:33:29.50 ID:nAElFruqO
ゾロ目で特典が貰えるのは、コンマで判定を行なっている場合のみです。
何が貰えるか、どんな行動をするか、等の安価をしている際は00のみでしか特典を獲得出来ません。

↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 22:35:58.50 ID:6Cjk6gas0
一旦撤退
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 01:27:31.88 ID:o/2H1zwdO
アイちゃんちょっと精神汚染
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:07:20.00 ID:bFnYQ80wO
「殺戮杭《スヴィティ》起動。対象を破壊します」

バキン、と音を立て、アイの踵から20cm程度の希少金属(レアメタル)製の杭が突き出る。

踏み付けられていたオークの頭は、ザクロのように砕けて散る。脳漿と血液が飛散し、惨たらしい光景が広がる。

銃口から煙の出ている右腕を、元の形に戻す。実弾の弾薬は底を突いたようで、魔力弾の方のカートリッジが稼働していた。

「…レポートもこれくらいで良いか。次に行くぞ」

「…アイ?」

先行するように指示を出す。が、本来なら返ってくるはずの返事が無い。不審に思い、表情を伺うが。

「お?」

「ふふ、うふふふふ。ますたぁ…?」

恍惚とした表情のアイに押し倒され、組み敷かれた。膂力では機械人形に勝てないので、為されるがままだ。

尤も、対処法を用意していないはずがない。どんな状況でも使えるものがあるが、それを使うのは今じゃない。

こんな状況は滅多にない。何か良いデータが得られるチャンスなのだ。

欠伸を一度して、男はアイに問うた。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:15:04.50 ID:bFnYQ80wO
「どうした?アイ。お前に発情するような思考プログラムは無かったはずだが」

「アイ?違うわぁ。もしかして、忘れちゃったの?あたしの名前」

「お前は『I型アイ』だ。それ以外の名前はねぇだろうに」

あくまで冷静に、アイに対して男は問い詰める。準備は済んでいるのだから、焦ることはない。

「むー。またしらばっくれちゃって…いいわ。なら、ますたぁの身体に直接解らせてア・ゲ・ル?」

徐に手を伸ばし、白衣のボタンを外す。上から3番目、つまり1番下のボタンを外したところで、アイの動きが止まった。

「…マスター?何を、しているのですか」

「そりゃこっちの台詞だ。良かったな。あと数秒遅かったらお前、機能停止させてたぞ」

「何があったのですか。私のデータに、直近の記録が残っていないのです」

「あー、うん。知らないままの方が良い」

あのような、アイデンティティがクライシスしたような彼女を、彼女自身が知ってしまったら。

羞恥心で何をしでかすか分からない。羞恥を感じる心すら、無いかもしれないが。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:16:25.87 ID:bFnYQ80wO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》27Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が4以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/30(火) 23:18:38.85 ID:OgA6uE1p0
でやっ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:28:00.43 ID:bFnYQ80wO
「我、もう帰りたいのだが」

「そろそろやべぇな。まだまだ、俺の技術力が足りないか…」

損傷こそ無いが、苦戦する状況が増えてきた。戦闘用なのに、戦闘に参加出来ない機械人形が1人いるのも原因かもしれないが。

「つまらない。…本当に、つまらない」

完全にやる気を無くしているサラは、バイアグラに乗っかったまま動かない。

本人の得意なことは知っているので、同情はしている。だが、どうにも出来ないのが現実だ。しょうがないことなのだ。

「だってさ、ここまでマッチョとかしか出ないとは、夢にも思わねぇだろ」

「魔法を使うような魔物は、1匹たりとも出ていませんね」

出てくる魔物が悉く、パワータイプだ。テクニカルな戦い方をする魔物は、一切出ていない。

先程のゴーレムだって、やっていることは殴る、蹴る、砲撃の3点だけだ。魔法の類は使用しなかった。

「あー、もう怠い」

最深部に何があるのかも分からないのにここまで来れた自分を褒めたいくらい、男も消耗していた。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:29:34.87 ID:bFnYQ80wO
今見たら、4以下が4以外になってましたね。申し訳ありません。

↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
今回から、更に損害判定の範囲が拡大されます。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 23:50:30.59 ID:OgA6uE1p0
二つめのペンダントは着けてないのかな?
ダブルペンダントならその影響で、アイのプロテクトされていた過去の記憶がちょっとこんにちは
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 00:06:28.88 ID:wFJYTUQ3O
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:28:04.59 ID:cjjdon6lO
「はぁっ。はぁっ」

理解出来ない。私の身体は、完全に機械と化している。故に、疲労など一切溜まらない。それなのに。

「………!?」

明らかに、この身体は疲れを感じている。生きていた時と同じ感覚がある。

何故、そんな感覚があるのか分からない。もっと踏み込んで言えば。

何故、私は生きていた時の感覚を知っている。

「づ…ぐ…ぁぁあっ…!」

嫌な感覚。厭な記憶。奥底に封じ込め、鍵を掛けた悪夢が。ギシリ、ギシリ、と音を立て、箱を少しずつ破っていく。

箱が崩れ、破片が散り。僅かに生まれた隙間から、行き場を求めて『あるはずのない記憶』が溢れ出す。

「嫌…嫌ぁぁっ………!!?!」

それは、あるはずのないもの。それは、あってはならないもの。

世界から消えたはずの少女の魂。それは、歪な形で呼び戻されていた。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:36:34.56 ID:cjjdon6lO
暗い、暗い、夜の中。少女はただただ、泣いていた。

怖い。真っ暗闇が、恐ろしい。

怖い。どこかから聞こえてくる犬の鳴き声が、悍ましい。

怖い。私を追いかけていた男の顔が、形容出来ないほどに歪んでいて、嗤っていて。とにかく恐ろしい。

「ひっ………!!!」

声が、聞こえた。私を捜しているような、怒号が聞こえた。

私は必死に声を押し殺した。口を押さえ、身動ぎ1つしないで、ゴミ箱の中に身を潜めた。

鼻を突く生ゴミの悪臭も、何とも思わなかった。今を乗り越えることに比べれば、臭い程度は然したる問題ではなかった。

だが、少女に明日は来なかった。最後の記憶は、暴漢の顔で塗り潰されていた。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:47:31.91 ID:cjjdon6lO
「…どーすんだこれ。アイ、もう駄目じゃねぇのか」

壁に埋もれているアイの身体に触れる。僅かに振動して、機械の動作音が聞こえることから、まだ壊れてはいないことが分かる。

だが、どうする。100kgを超える彼女を運べる人はいない。完全体のドラグなら可能だろうが、リスクがある。

「主殿。そのペンダント、外した方が良いかと」

「まぁ、流石にな。これ以上悪化するとしたら、自壊する可能性もある」

恐る恐る、胸元のペンダントに手を伸ばす。ナイフで紐を斬り落とすと、鋭い音が響く。

「………」

「……ます…たー…?」

虚ろな視線を向けるアイ。男は態度を変えず、普通に答える。

「ん。俺が誰か分かってるなら、問題は無いだろう。もう少し進むぞ」

「はい…」

よろめきながらも、アイは立ち上がって歩き始めた。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:49:06.90 ID:cjjdon6lO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》36Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が6以下の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 00:52:21.99 ID:KG3JX/CjO
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:57:48.46 ID:cjjdon6lO
ゾロ目ですね。それも、99。特典は特殊な兵器の出土です。
回収された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
コンマが奇数の場合は、無条件で回収されます。

今回は男が製造していないので、名前に○○型は無くても大丈夫です。また、多少性能を盛っても問題ありません。珍しいゾロ目なので。

本日はここまで。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 01:15:20.87 ID:KG3JX/CjO
《Name》八島
《Ability》世界に干渉できる能力
《Appearance》ゴスロリ風の服装。かなり動きにくそう
《Weapon》本体は世界を滅ぼすと言われた荷電粒子を放つ大型兵器。その器として少女の姿を使っている
《Summary》兵器状態と少女の姿は自由に切り替えられるが、兵器の姿になるには広い場所があるのがベスト。世界に干渉する力は第四の壁を認識して利用したり自分の都合の良いように展開を書き換えることができるらしい。元の世界ではこの力を使い過ぎ作者から追い出されたので、なるべく大人しくしているつもりだそう
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 08:30:43.17 ID:hQX7t+fsO
《Name》超掘削型探査機モグオン
《Ability》どんなに硬い物質でも掘り進める
《Appearance》ぱっと見はファンシーな茶色いライオン。掘削時には顔が変形しドリルになる
《Weapon》補助ドリルとして前脚も変形し、後脚はキャタピラになる
《Summary》モグラとライオンを足すとどうなるのかそんなコンセプトから生まれたロボ。なぜモグラとライオンだったのか、なぜ掘削探査機として造られたのかは一切分かっていない
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 11:47:06.82 ID:cjjdon6lO
「…ん?この壁だけ、他のところと比べて少しだけ新しいな。皹の入り方も不自然だ」

ナイフの柄で、壁を数回ノックする。他の場所とは違い、空箱を叩く音に似たものが聴こえてくる。

「アイ、ここを斬れ」

「了解」

双剣で分厚い石の壁を斬り裂く。ガラガラ、と音を立てて壁は崩れ去り、空洞が姿を現す。

「また隠し部屋か。どんだけあるんだよ」

「む、何か転がっているぞ」

ドラグの声に反応し、周囲を見回す。ドラグの言う通り、乱雑に機械人形が放置されていた。

「2体か。…いい収穫だが、こいつらを持って深層には向かえないな」

単純にお荷物が増えるのに加えて、ここから先は更に敵が強くなる。今でさえ苦しんでいるのに、負担が増えては敵わない。

そろそろ、潮時なのかもしれない。
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 11:48:59.67 ID:cjjdon6lO
↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
前にも書いていましたが、撤退することも可能です。
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 12:05:39.85 ID:1SHGZHNP0
アイちゃん可哀想だし撤退
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 12:20:36.89 ID:n39rBM3YO
サラの機嫌も最悪なので今回はここで帰ろう
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 16:00:33.17 ID:cjjdon6lO
「収穫は充分あった。帰投する」

男は鞄から緑色の結晶を取り出し、地面に置いた。表面がボロボロ、と崩れていくと、球状にエネルギーが広がっていく。

「ほれ、入った入った」

「何でしたっけ、これ」

「『脱出結晶』。科学が生み出した便利アイテムだ」

「…これ、魔法で再現出来る」

「それは有難い。毎回買うのも面倒だからな」

結晶は8割ほど崩壊している。パリパリ、と電撃が走り始めた。

「ちゃんと入ってろよ。外にいたら、置いてけぼりを食うからな」

「わんっ」

ドッグの鳴き声を合図に、一行は姿を消した。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 16:25:00.32 ID:cjjdon6lO
「さてさて、今回の機械人形はどんな技術が使われてるのかなっと」

上機嫌で整備をしていく男。アイとドラグの損傷は、しっかりと直している。

装甲を取り外し、コアを確認する。破損は見受けられず、そのまま元に戻した。

「この女性型は…謎の貯蔵タンクが内蔵されてるな。燃料か?」

「こっちのライオン…ライオンで合ってるの?これは、ドリルが内蔵されてるから、掘削用か。何故にライオンの姿を」

もう慣れっこだからか、いつもに増して修理時間が短縮される。

昔の人がどれほど手早く済ませていたのかは分からないが、近づけているのだろうか。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 16:26:34.12 ID:cjjdon6lO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
開発はまだクールタイム中なので不可能です。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 16:46:23.74 ID:o1nbWRp10
直った新入りと会話だ!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 17:02:19.00 ID:h4IRBhdTO
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 18:33:30.40 ID:cjjdon6lO
「こうして見ると、どんな反応をすれば良いのか分からんな」

「グルル?」

ちょこんと座っているライオンもとい『モグオン』。どこぞのドーナツショップのマスコットを彷彿させる外見をしている。

というか、そのマスコットの基となった機械人形なのではないか?そんな疑問が浮かぶ。

「Zzz…」

こちらを見たと思ったら、寝た。ライオンの雄はかなりぐうたらしているらしいが。

「面白い漫画は無いの?」

「マンガ?…何だっけ、聞いたことはあるような、無いような」

「えぇ〜人生の半分は損してるわよ」

「んなこと言われてもな。俺はこうやって機械人形を弄れりゃ、それで良いんだし」

「復讐したくないの?あの、あなたの土手っ腹に大穴を開けた女に」

「…何で、あいつのことを知ってるんだ?」

「なーいーしょ」

クスクス、と笑い、『八雲』は煙に巻く。彼女から嫌な感覚がするのは気のせいなのだろうか。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 18:34:17.00 ID:cjjdon6lO
イベントを決定してください。↓2までに来たものを全て実行します。00の特典なので、コンマで判定はいたしません。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 19:27:06.96 ID:h4IRBhdTO
男以外にも色々と覗き見る八雲
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 19:31:07.45 ID:kAPmKyys0
改めてアイとコミュ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 20:05:03.24 ID:cjjdon6lO
「うぅん、他の子はそこまで面白い記憶は無いのね」

「はい?」

「は?」

「我らは出来立てホヤホヤだ。大した記憶など無い」

「よねぇ。ドッグちゃんは…ペットね、うん。それ以外に形容しようが無いわ」

「わうん?」

腹を見せるドッグを撫で、視線をモグオンとアイに向ける。虹彩の中で、幾何学模様が形を変えた。

「モグオンちゃんは、鉱山で働いてばかりだし…」

「…へぇ、面白い記憶持ってるじゃないの。アイちゃん」

「何を言っているか、理解出来ません」

「理解したくないだけでしょ?あんな地獄を、認めたくないだけでしょぉ?」

「…そんなこと」

「恨みがあるなら晴らしなさいよ。それくらいの力、あるのは知ってるはず」

「私は《I型アイ》です。私が望むのは、マスターの無事だけです」

「それだけ…なんです…」

悲痛な面持ちのまま、アイは部屋を出て行った。それを見送りながら、八島はつまらなそうに頬を膨らませた。

「復讐、楽しいことなんだけどなぁ」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 20:11:13.31 ID:cjjdon6lO
「………」

深夜。男の私室を訪ねたアイは、男の後ろで待っていた。

「こんな夜更けに何だよ。何かお強請りでもしに来たか?」

「いえ、そのつもりはありません。ただ…」

「…ただ、マスターの傍にいたい。そう思ったのです」

「邪魔しないなら、好きにしろ」

男は開発作業を進めながら、平坦な声色でそう答える。形だけでも受け入れてもらえた。

それだけでも、良かった。ここなら、私が私でいられる。《I型アイ》でいられる。

壊された少女を、この時だけは忘れられる。

「…私は、アイですか?」

「急に何言ってんだ?お前はお前…それ以外の何者でもねぇ。前にも言っただろうに」

いつもと変わらない物言いが、心地良く感じた。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 20:12:30.54 ID:cjjdon6lO
名前間違え、申し訳ございませんでした。

↓2までに、アイとのコミュニケーション時の男の行動レポートを提出してください。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 20:27:00.79 ID:h4IRBhdTO
抱き上げるには重過ぎるので抱き締める
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 20:30:05.35 ID:qfrMysDn0
↑+そしてキスする
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 00:39:24.55 ID:MaidOTrKO
「…ふむ」

今までの行動から、アイが感情を獲得しているのは分かっている。

イレギュラーなアクションをして、どういう反応をするのか。それを探るのも、研究に役立つだろう。

思い立ったが吉日、と言わんばかりに、男は両手を広げる。

来い、と命令する前に、アイは身を寄せた。

「……これで、良かったのでしょうか」

「ああ」

合成皮膚を介し、金属の冷たさが肌を伝う。人を外見を取り繕っていても、結局は機械人形だ。

だから、躊躇う必要は無い。これは、ただの作業だ。

「………っ!?」

少し屈み、視線を合わせ。ゆっくりと顔を近付け、唇同士を重ね合わせた。

初めての接吻だが、何も感じない。そういう対象として見ていないから、当たり前なのだろうが。

「い……っ…やぁ………!」

どう反応するか、と目を開け、様子を見た瞬間、アイは顔を背け、距離を取った。

「…お前、泣いてるのか。涙腺を真似た器官があるから、出来ないわけはないが…なぁ?」

「え、あ、いえ。…えっ?」

目尻を拭って、初めて気付いた。私は泣いていた。

「…ふむ。生前の記憶でも引っかかったか。いや、でも人格なんか残ってるわけがないしな。魂とかが引っ張られたとでも…」

「…俺には分からないな。聖職者か呪術師でもいりゃあ、分かるんだろうが…」

何故、泣いているのか。必死に結果を演算してみるが、判明しなかった。だが、言えることはある。

私は、苦しんでいた。主人と口付けをする喜びより、過去の悪夢を彷彿させる苦しみが、上回っていた。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 00:40:04.33 ID:MaidOTrKO
特典枠の開発を行います。開発された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
また、ゾロ目が出た場合は、そちらを特別枠として受理されます。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 00:58:02.33 ID:pNPlXSil0
《Name》万能型CUBE
《Ability》自己増殖
《Appearance》まんま箱。それがいくつも繋がり任意の形を作る。丸いものも作れるようだ
《Weapon》ウエポンキューブとして箱を連結し、大きな箱を作る。その中から様々な武器が出てくる。何が出るかはお楽しみ!
《Summary》コアキューブ以外の箱は自我を持たず切り離した後のキューブは時間経過で消滅する。男は自分の移動手段としてキューブを簡易的な乗り物にしようとしているようだ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 01:28:18.43 ID:okivc3btO
《Name》破滅型装甲衣グランドクロス
《Ability》装着者に様々な力を与える
《Appearance》ウエディング・ドレスのような美しい純白のドレス。女性や雌型の人型しか扱えない
《Weapon》特定の武器は無く装着者によって能力が変わる。ある時は天使のように空を舞い、ある時は天変地異を齎す厄災となる
《Summary》身に纏った人物が悪なら世界を滅ぼす槍となり、善であるなら何者からも守る盾となる
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 01:59:24.55 ID:MaidOTrKO
「今回は趣向を変えて、強化外装方面のやつを作った」

「あら、綺麗なドレスね。私にくれるのかしら」

「ほざけ。お前は当分監視する。嫌な予感がするからな」

「むぅ」

衣紋掛けに吊るされるは、純白のウエディングドレス。とは言っても外見だけで、実態は機械人形を強化する装備に過ぎない。

外見が示している通り、人型の機械人形、特に女性型の物にしか、適正が無い特殊な装備だ。

装着者に合わせ武器や能力が変化するそれは、善なる物が身に付ければ、悪しきを払う聖義の力と、邪なる物が身に付ければ、光を滅する渾沌の力と変わる。

故に、丁重に扱わねばならない。世界を終わらせてしまうかもしれないそれは、時が来るまで眠らせるしかない。

技術を試せない不満はあるが、最低限のモラルは残っている。命を弄ぶことに嫌悪感は抱かないが、世界を滅ぼすことは快く思わない。

だって、世界が滅んだら。

技術が進歩しないじゃねぇか。

新しい技術が試せないじゃねぇか。

俺は識りたいだけなんだ。古代の技術を。まだ、人が踏み入れたことの無い領域を。

俺は触れたいだけなんだ。誰も手が届かない、遠いセカイに。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 02:05:40.60 ID:MaidOTrKO
「で、こっちが」

「Good morning,Creator.私は《万能型CUBE》。Nice to meet you」

「ってやつだ。こいつは、武器を作り出す能力を持ってる。アイの支援機だな」

「私の支援機、ですか」

「Yes.貴女の剣と盾になりましょう。Mademoiselle」

「…また人格設定ミスったかな。何でいつもいつも…」

性能は保証するが、人格は保証出来ない。俺が造るといつもこうだ。

上手くいったのは、最初に造ったアイだけ。悲しくて涙が出てきそうである。
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 02:07:55.66 ID:MaidOTrKO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
クールタイムは経過したので、開発が可能です。改造も可能ですが、こちらにもクールタイムが存在します。

本日はここまで。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 02:14:34.19 ID:pNPlXSil0

安価はアイに言い寄る八島
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 02:44:00.31 ID:AkXBSbaNO
↑とダンジョンリベンジ
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 09:54:41.81 ID:MaidOTrKO
ついでに出来そうな行動は二つくらい可能(Ex.町に出掛ける&部品購入)ですが、今回のようなあまり関係性のないものは片方しか実行出来ません。
↓1にどちらを選ぶかお願いします。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/01(木) 10:12:48.06 ID:vNiHAkZUO
>>199
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 11:43:40.43 ID:MaidOTrKO
「ねぇ、アイちゃん」

「…何ですか」

椅子に座って待機していたアイの元に、八島が歩み寄る。アイの太腿を撫で、アイの顎に手を添え、八島は問う。

「本当にいいの?今なら、あの暴漢を殺せるわよ」

「…どこにいるか、私に知る術はありません。だから、無意味です」

殺すこと自体は否定されなかった。ならば、と八島は北叟笑む。

「私は知ってるわよぉ。どこにいるか…知りたい?」

「………っ」

アイの肩がぶるり、と動いた。好機と見た八島は、更に詰め寄る。

「あんな人間の屑、殺したって誰も咎めないわよ?今だって、犯罪を重ねて収監されてるんだもの」

「アイちゃんみたいに殺された人も、他にはいるんだから。ほら、あなたは皆の無念を晴らすのに相応しい存在よ」

「愚者に、正義の鉄槌を下すのよ。それが出来るのは、あなただけ…」

「でも、それは、マスターの命令に」

「このまま苦しんで、愛しのマスター様に迷惑を掛ける方が、問題じゃなくって?」

「大丈夫。私が上手く言っておくわぁ」

「………っ!」

その夜、アイは失踪した。
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 11:47:41.18 ID:MaidOTrKO
「腹減った…。アイ、飯…って、ありゃ?」

普段なら、食事が用意されているはずのリビングには、誰もいない。何も無い。

「寝てるのか?機械人形なのに。それか、森の散策でもしているか」

欠伸をし、男は面倒くさそうに調理を始める。レシピ通りにしか作れないが、食べないよりは幾分マシだ。

フレンチトーストとコーヒーを作り、口にする。やはり、アイの手料理の方が数倍美味い。

「暇だな…」

食事をしながら、男はぼそり、と呟いた。

205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/01(木) 11:48:16.93 ID:MaidOTrKO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 11:51:08.69 ID:epKVk8110
機械も増えたのでメンテナンスのための消耗品買い出し
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 12:29:15.37 ID:pNPlXSil0
一部始終を見ていたサラが男にアイの事を言おうとするが八島の干渉を受ける
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 01:34:54.87 ID:TqmHjzcaO
「んじゃ、ちと出掛けてくる。ちゃんと家を守っておくれよ」

「かしこまりました、主殿。ですが…」

「護衛は要らんのか?我は出来ないし、するつもりもないが」

「連れて行ける奴がいない。人型じゃないと色々不味いだろ」

「私、私がいるわよ」

「却下だ。お前は絶賛軟禁中だからなぁ。疑いが晴れるまで、好き勝手行動するのは許さん」

「ちぇっ」

文句を垂れる八島を無視して、男は町に向かって移動を開始する。

1人というのは、存外つまらないものだ。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 01:36:22.62 ID:TqmHjzcaO
町での行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。合計で2回行動した後、自宅に帰投します。
消耗品の補給は勝手に遂行されるので、指定する必要はありません。

本日はここまで。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 01:45:49.01 ID:z411/3KP0

刑務所的な所が襲撃を受けたと耳にする
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 02:09:13.18 ID:K7bw532IO
↑を教えてくれたのは町の警備兵
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 08:39:17.98 ID:TqmHjzcaO
今回の安価は行動であってイベントではありません。男がアクションを起こす形でお願いします。
↓1に再度安価を出します。
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 09:48:39.28 ID:cFWvqg880
最近のダンジョン攻略事情を収集
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 12:18:00.76 ID:TqmHjzcaO
「ふーむ。普通のダンジョンは攻略されてるな」

冒険者ギルドに何食わぬ顔で入り込み、情報を確認する。掲示板には、大量のビラが貼られている。

「『特別指定迷宮』ね。前潜ったあれも含まれてる区分のやつか」

男の視線は、掲示板のど真ん中にあるビラに注がれる。そこには、二つのダンジョンが記載されていた。

一つは『天蓋に続く塔』。もう一つは『深淵を臨む虚』。どちらも、発見から数週間が経過しているが、踏破者はいない。

前者は聖獣型、後者は混沌型のモンスターが多数出没するらしく、何者かが住んでいた、という目撃情報もほんの僅かにある。

「ま、関係ねぇや。どうせ碌でもない場所に決まってる」

適当にメモを取り、男はギルドを抜け出した。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 12:18:58.17 ID:TqmHjzcaO
町での行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 12:57:32.06 ID:7D1w6pQiO
調べものに書店とか旧知の賢者宅とか立ち寄る
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 12:57:38.87 ID:z411/3KP0
留守番している連中にお土産でも買う
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 13:58:12.71 ID:TqmHjzcaO
「数週間ぶりだな、ここに来るのは」

人でごった返す市場を進むが、前に向かって歩くだけでも一苦労だ。

相も変わらず活気があるが、巧妙に隠された辛気臭さも、危ない橋を渡ってきた故か男には感じ取れる。

「ほぉ。珍しい奴が売られてやんの」

市場の中心では、奴隷たちが販売されている。調達手段は様々で、身売りに遭った者、人攫いに遭った者、敗戦国の捕虜等だ。

可哀想、とは全く思わない。所詮、他人でしかないのだ。自分は情が湧くような、真っ当な人間ではない。

それが解っているから、こんなことをやっているのだろう。本人は、そんなこと苦にも思っていないが。

「何を買おうかねぇ。食い物とかでも良いが、魔術書とかを買うのも、戦力向上には役立つかな」

金貨で手遊びしながら、男は鼻歌混じりで店舗を物色する。
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 13:58:54.13 ID:TqmHjzcaO
購入する物品を選択してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。一つのレスにつき3つまで選択可能です。
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/02(金) 14:15:49.69 ID:YqIBugDwO
魔術書、漫画、可愛い服
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 14:27:46.02 ID:z411/3KP0
八島へ奴隷、ドッグに骨、サラに魔法の杖
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 15:07:39.91 ID:TqmHjzcaO
「ふう。これ以上はもう持てないな」

鞄に魔術書、漫画、女性物の服を入れて店を出る。思ったよりも漫画が高くついてしまった。

「兄ちゃん、知ってるかい?」

「何を知ってるのか、それを先に言ってくれないと答えようがないでしょうに」

「たはは、確かに」

荷物を整理するためにベンチに座ったところで、隣にいた男性に声を掛けられる。

無視すると変に目立ってしまうため、取り敢えずは応対をする。世間話には付いていけないから、どうにかして誤魔化すつもりだった。

「今日、王都で牢獄が何者かに襲撃されてな。1人だけ、収監者が死んだんだ」

「そりゃ目出度い話ですねぇ。犯罪者が居なくなるってんなら、悪いことじゃない」

「ま、そうなんだけどよ」

くつくつ、と笑い、男性はふらふら、と去って行った。片手には酒瓶が握られていたから、酔っているのだろう。

「アイ、いったいどこに行ってんだか。飯作るのは面倒なんだよなぁ」

重い腰を上げ、男は帰路に着いた。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/02(金) 15:08:12.31 ID:TqmHjzcaO
行動、イベントを決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/02(金) 15:55:52.81 ID:z411/3KP0
血塗れになって帰ってきたアイ
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