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ほむら「エヴァンゲリオンVS魔法少女 最後の戦い」
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165 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/23(土) 23:58:46.85 ID:/ZOiCtFO0
◆
先生「うむ。それじゃあ自己紹介を」
ほむら「……暁美ほむらです」
おー、と唸るような声が教室内に生まれる。
トウジ「なんや、えらいべっぴんさんやな」
ケンスケ「綾波や惣流に負けず劣らず……正統派って感じだね」
ヒカリ「こら、そこのバカ二人! 失礼でしょ!」
ほむら「……」
先生「他になにかないかね?」
ほむら「あ、はい。以前は第二東京に住んでいました。まだこちらに来て日が浅く、右も左も分かりません。……どうぞ、よろしくお願いします」
先生「うむ。暁美の席は……空いている席に自由に座るといい」
ほむら「はい、分かりました。それじゃあ……」
何気なく教室内を見渡すと、ほむらは適当に選んだかのような仕草で首を縦に振った。
ほむら「そこの真ん中、右側の席にします」
シンジ「あ、僕の隣だ……」
ほむら「これからよろしくね」
シンジ「う、うん。よろしく」
166 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/23(土) 23:59:15.85 ID:/ZOiCtFO0
◆
休憩時間
同級生「ねえねえ、暁美さんってどうしてこっちに越してきたの?」
ほむら「社会学習の一環……みたいなものよ」
同級生「暁美さんの髪、すっごくきれいだね! どこのトリートメント使ってるの?」
ほむら「美國コンツェルン傘下のシャフト製薬の無添加シャンプーとトリートメント」
同級生「暁美さん、なにか部活入る気ある? バスケ部はいつでも大歓迎だよ!」
ほむら「ごめんなさい、私インドア派だから」
次から次へとやってくる質問をさらりと切り抜け、ほむらは息を吐いた。
ほむら(転校回数が二桁超えている私にかかればこれくらい余裕ね……ふ、ふふ……)
決して自慢できない特技に仄暗い笑みを浮かべていると、今度は男子から声をかけられた。
ケンスケ「ずばり! 暁美さんはエヴァのパイロットだったりしない!?」
ほむら「!?」
167 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/23(土) 23:59:54.06 ID:/ZOiCtFO0
ほむら(……さすがにこの質問は予想してなかったわ。どう返したものかしら……)
ちら、とシンジを含めたパイロットの様子を窺う。
窓の外を眺めている青い髪のファーストチルドレン以外はこちらに疑問の視線を向けていた。
パイロットに警戒されるのは好ましくないな、とほむらは首を傾げてみせる。
ほむら「……エバーの……パイ?」
ケンスケ「……」
ほむら「えっと、なんの話かしら」
ケンスケ「……なーんだ、やっぱり違うのか」
ほむら「エバーのパイロットってなにかしら? 隣のあなたは知ってる?」
シンジ「え? えっと、うん、まあ……一応は」
ほむら「そう。興味があるから教えてもらえるかしら。あなたの名前は?」
シンジ「ぼ、僕? 僕は……えっと、碇シンジです」
ほむら「よろしく。碇シンジくん」
168 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:00:26.91 ID:7Bbxp8Ei0
軽い自己紹介を経て、ほむらはシンジを中心としたグループから詳しい話を聞いた。
ほむら「……つまり、あなたたちは巨大人型ロボットを運転していると?」
シンジ「うん。ロボットっていうか人造人間……らしいんだけど」
ケンスケ「人類が持ちうる科学の粋を集めたロマン溢れる存在、それがエヴァンゲリオン! なのさ」
トウジ「シンジたちがおらんかったらワシら全員とっくに死んどるんや」
ほむら「へえ……」
いまいち信じられないというふうに生返事を返しつつ、ほむらは椅子の背もたれに身を預けた。
どうやらエヴァのパイロットやエヴァの存在自体は、このクラスでは半ば公然の事実となっているらしい。
中には親が研究所に努めている生徒もいるようだ。本来ならば機密漏洩もいいところだが、
そこはあくまでも子供。さほど重要な秘密を知っているわけではないため見逃されているのだろう。
特にエヴァに関しては目新しい情報を得ることは叶わなかった。
これに関しては、米国NERV第二支部に潜入している同僚からある程度の情報が既にもたらされているためでもある。
“かつて世話になった”魔法少女の顔を思い出し、ほむらは眉をわずかに下げた。
ほむら「……その話が本当なら、碇君や惣流さん、綾波さんにはお礼を言わなければならないようね」
シンジ「へ? いや、いいよそんなお礼だなんて……僕はそんな……」
ほむら「それでも言わせてちょうだい。世界を守ってくれて、ありがとう」
シンジ「……」
169 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:01:36.56 ID:7Bbxp8Ei0
碇シンジは顔を背け、恥ずかしがる――というよりも、困惑していた。
そんな言葉を向けられる資格はないんだと、そういう意志を言外に匂わせていた。
サードチルドレンはナイーブで内向的で葛藤持ち、と記憶に付け加えておく。
アスカ「そこの転校生、バカシンジなんかよりもこのアタシに感謝しなさい!」
ほむら「ありがとうございます」
アスカ「……なんか事務的に感じるんだけど」
ほむら「本心なのだけれど」
アスカ「フーン……まっ、べつに感謝されたくてやってるわけじゃないし、どうだっていいわよ」
トウジ「無茶苦茶やんけ!」
ほむら(なんというか……セカンドチルドレンは面倒臭い子ね)
エヴァのパイロットが以下に優れた存在なのか語り始めたアスカから目を離し、窓際にいる青い髪の生徒を見る。
青い髪の女子生徒はこちらに対して完全に無関心を決め込んでいた。
興味が無い、というよりそもそも意識の中に無いのかもしれない。
ファーストチルドレンは孤独を好む冷静タイプ、と記憶に付け足す。
ほむら(青い髪……ね)
ファーストチルドレンと同じように青い髪をした中学生をほむらは知っている。
物静かな彼女とは異なり、元気ハツラツとしていて好奇心旺盛。義理に篤く真っ直ぐな子だった。
かつては頼り、共に戦い、最期を看取り。
憎み、邪魔な存在だと蔑み、不要だと切り捨てたこともあった。
だけど、今なら分かる。
彼女は。
友達のことを心配し、そして好きな人のためにその生命を燃やしたあの子は――
170 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:03:42.73 ID:7Bbxp8Ei0
ほむら「良い子だったわね」
アスカ「はぁ?」
ほむら「なんでもないわ。それより、エヴァの話って私が聞いても良かったのかしら」
シンジ「……どうなんだろ?」
ケンスケ「ある程度は平気だろ? ミサトさんだって俺たちを太平洋艦隊の旗艦に乗せてくれたんだしさ」
トウジ「あれは酷いクルージングやったなぁ」
ヒカリ「あんたたち、そんなことしてたの?」
アスカ「そう、聞いてよヒカリ! このバカったら初対面でいきなりね!」
ケンスケ「ああもう、汚い話はやめてくれよ! とにかく、そういうわけだから気にしなくていいって」
ほむら「そ、そう。でも聞いてばかりでは申し訳ないわね。……あ、そうだ」
我ながら嘘くさいな、と思いながら、ほむらは鞄を膝の上に置いた。
ほむら「貴重な話が聞けたお返し……というわけではないけれど、あなた達にも紹介しておくわ」
アスカ「紹介ぃ〜? アンタ、まさかペットでも持ち込んだんじゃないでしょうね?」
ほむら「同じようなものよ。……ほら、出てきなさい」
171 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:04:58.31 ID:7Bbxp8Ei0
ファスナーを開けてぽん、と側面を軽く叩いてみせる。
すると勢いよく鞄の中から白い物体が飛び出してきた。
それはするりと流れるようにほむらの身体を伝い、肩に飛び乗って来る。
?????「ぷはぁ! ようやく出てこられたよ」
トウジ「うわっ、なんやこいつ!?」
シンジ「猫が喋った!?」
ヒカリ「猫っていうよりリスじゃない? でもリスも喋らないわよね?」
アスカ「動物が喋ってたまるもんですか!」
ほむら「良いリアクションね。ほら、自己紹介」
軽く指で小突いてやると、肩に飛び乗ったそれは赤い瞳をぱちくりさせながら言葉を発した。
?????「初めまして! ボクの名前はキュゥべえ!」
シンジ「きゅーべえ……?」
キュゥべえ「ボクと契約して、友達になってよ!」
アスカ「うっさんくさ……なにこれ、ペットにマイクでも取り付けてるわけ?」
ケンスケ「いや、違う。まさかこれは……あああああああ!?」
アスカ「うわっ、なによいきなり!」
トウジ「どないしたんや?」
ケンスケ「あ、あ、暁美さん! もしかしてこれって自律思考AI搭載型マスコットロボット『べえくんシリーズ』の最新モデルじゃないか!?」
ほむら「ふふ……よく気が付いたわね」
172 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:06:29.93 ID:7Bbxp8Ei0
説明しよう!
自律思考AI搭載型マスコットロボット『べえくんシリーズ』とは、美國コンツェルンが製造、販売しているおもちゃである!
子供から大人まで愛されるあなただけのお友達、をコンセプトに開発された本機は、
既にシリーズ全体の生産台三百万台を突破し、世界中で愛されているのだ!
特に搭載されているAIは非ノイマン型コンピュータであり、人間そっくりな柔軟な対応が可能となっている!
この『べえくんシリーズ』はブラックボックス化された特殊AIの柔軟さが最大の売りであり、
高性能な人工知能の最高な無駄遣いであると批判されるほどの性能を誇る!
現時点での最新モデル『ハチべえくん』は、お値段なんとたったの三桁万円!
サラリーマンのお父さんにはとてもではないが手が出せない高級玩具である……!
ケンスケ「……というわけで、それはそれは凄い玩具なんだよ!」
ヒカリ「それ、聞いたことあるかも」
トウジ「ロクべえくんってやつなら見たことあるで! もっとゴッツくてブサイクやったな!」
シンジ「……えーっと、でも最新型はハチべえなんだよね? この子、キュゥべえって言ったような」
ケンスケ「そう、そう、それだよ! 去年発売されたハチべえくんが最新モデルなんだ! でもこいつはキュゥべえって言ったんだ!」
ケンスケが指を指すと、キュゥべえは若干引き気味に返事をした。
キュゥべえ「そうだね、相田ケンスケ。ボクはキュゥべえ。まだ正式に発表すらされていない非売品なんだ」
ケンスケ「うおぉおおぉ……なんてスムーズな会話なんだろう! 凄い凄い、すごすぎる!」
アスカ「なんでそんなのがここにあるわけ?」
キュゥべえ「ボクの所有者である暁美ほむらは、美國コンツェルンの会長である美國織莉子の保護下にあるからね」
ケンスケ「えええええええええ!?」
173 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:07:39.02 ID:7Bbxp8Ei0
ほむら(この子、リアクションがいちいちうるさいわね……)
ケンスケ「ってことは暁美さんって、あの美國会長の娘さんなのか!?」
ほむら「いえ、あくまで保護者というだけで血縁関係はないわ」
ケンスケ「あ……そうなんだ。悪い、ちょっと無神経だったかな」
ほむら「気にしないでちょうだい。……そういうわけで、最新モデルの試作型を何台か生産して、そのデータ収集を目的に渡されたのがこのキュゥべえよ」
シンジ「そっか。でもすごいね、普通に喋れるなんて」
キュゥべえ「最新のAIを搭載しているからね。こうして何気ない会話を積み重ねることで、ボクらはより良い方向へ学習、修正されていくんだ」
アスカ「にしたってなんかうさんくさいわね。特にこの赤い目、これがうさんくさいのよ。いやらしい赤い目!」
キュゥべえ「ず、ずいぶんと赤い目にこだわるね……」
トウジ「赤い目っちゅーと綾波も赤い目やな。肌も白いしなんや似てるなぁ」
アスカ「……」
ほむら「外観はさておき、キュゥべえがうさんくさいという意見に関しては……」
ほむらはくすっと笑った。
ほむら「心底、同意しておくわ」
174 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:08:40.43 ID:7Bbxp8Ei0
第四話 笑う、転校生 完
第五話 侵入、ジオフロント に続く
175 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:17:49.37 ID:7Bbxp8Ei0
べえくんシリーズ:広報公開情報
美國コンツェルン傘下の企業が製造、販売しているマスコット型ロボット。
猫だかリスだかキツネだかウサギだか分からない奇妙なデザインをしている。
高性能のAIにより、お子様から大人まで幅広い層に愛されている。
初代べえくんである『イチべえくん』は現在製造が終了しているためプレミアが付いているが、
低コストが売りの旧式機である『ミツべえくん』はたったの八万円で販売されている。
べえくんシリーズ:一般情報
高性能AIを搭載しているため高額商品であるべえくんシリーズだが、意外なことに所有者は十代の少女が多い。
というのも、もともとは『小さな女の子のためのお友達』を目指して開発されたため、
美國コンツェルンの会長が十代の少女の手に渡るよう、少女向けの漫画雑誌の懸賞の景品で配布しているためである。
中にはカスタマイズされたべえくんも出回っており、べえくんを肩に乗せて出歩く少女の姿が度々目撃されている。
ただし高額商品であるため窃盗される危険性があり、外には持ち出さず屋内での起動が推奨されている
176 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/24(日) 00:29:39.49 ID:7Bbxp8Ei0
今回はここまで
ちょっと過去のレスが読みにくいんで念のために抽出しておきます
>>1-29
一話
>>52-65
,76,78,82,83,90,96,101,109 二話
>>136-154
三話
>>159-175
四話
となっています。それでは
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/24(日) 04:38:27.62 ID:xcFmYTjKO
乙!
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/03/26(火) 12:00:22.56 ID:+X6eauVzO
乙
かずみたちも参加してるのかな
179 :
◆wulQI63fj2
[saga]:2019/03/30(土) 00:48:14.41 ID:8b6zM/O40
この時期は仕事がどうにも…
なんでちょっと遅くなります。もっと書き溜めてから始めるべきでしたかな〜
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/01(月) 02:10:26.54 ID:crCakQWko
待つからえたるなよ
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/03(水) 02:23:12.39 ID:07ad8Dt+O
うめ
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/03(水) 02:23:55.20 ID:07ad8Dt+O
うめ
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/03(水) 02:25:09.82 ID:07ad8Dt+O
うめ
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/04(木) 04:05:33.00 ID:Y+q4D+Hw0
古き良きssだの
機密情報の紹介はエヴァ2のそれみたいでいいね
全く違う作品をまぜこませるのは難しいことだけどいい感じだと思う
頑張って
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/04/17(水) 15:21:04.57 ID:u3wM5gV8O
ゆっくり待ってます
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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