召喚術師「安価で修業する」

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334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:18:45.08 ID:OPqu/friO



335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:19:32.62 ID:OPqu/friO

某次元


フェイト「……」

プレシア「おはようフェイト 早く支度なさい……」

フェイト「……? 母、さん……?」

プレシア「よく眠っていたようだけど "昨日"話したことは覚えているかしら?」

フェイト「…………昨日…… は、…… はい 覚えています」

フェイト「ジュエルシードの……探索」

プレシア「アルフが待っているわ 急ぎなさいね」

フェイト「はい 母さん……」



アルフ「……どういうつもりだ」

プレシア「……」

アルフ「答えな……なんで今回の分、フェイトの記憶を忘れさせたんだよ」

アルフ「失敗する度に添削してくつもりなのかい?」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:20:50.12 ID:OPqu/friO

プレシア「……」

アルフ「……使い魔に話す義理はないって? フン ああそうかよ」

アルフ「研究に向けてる一欠片だけでも 娘に愛情をやれないのか!」

プレシア「  」ギロ


Photon Bullet


アルフ「っ!!」ビスッ

プレシア「……フェイトは使い魔の作り方が下手ね……」

プレシア「忠犬と狂犬の区別がつかないようじゃ やっぱり出来損ないだわ……お前共々 アルフ」

アルフ「何だとッ……!」

プレシア「次は当てる 頬なんて言わず お望み通り腹を撃ち抜いてあげるわ」

プレシア「さぁ まだ私の時間を無駄にするつもりなの? お前と違ってあれは私の言うことをよく聞くのよ」

プレシア「"使い魔が研究の邪魔をする"と言ったらどうするかしらね……」

アルフ「フェイトはっ――」
プレシア「フェイトは?」

プレシア「お前を庇う? でしょうね 庇って……それから?」

プレシア「知ってるでしょう フェイトはイイ子よ……」

アルフ「……っ……」キッ

プレシア「早く行きなさい まだあれと一緒に居たければ、だけど」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:22:08.20 ID:OPqu/friO


プレシア「(……何故消したか ですって?)」


フェイト『……ごめんなさい、母さん……ごめんなさい……』

フェイト『次は もっと…… 上手くやります……から』

プレシア『……』chain release

ドサッ

フェイト『…………母さん……』

プレシア『何』

フェイト『私には……姉妹……が いるんですか……?』

プレシア『……………………何を言っているの?』

フェイト『名前を 聞いたんです……』
プレシア『いないわ』

フェイト『母さん 笑ってた かわいい猫とっ……』
プレシア『黙りなさい』

フェイト『アリシア……って……』
プレシア『黙れ』

フェイト『その子は アリシアは 今どこに――』
プレシア『…………』

プレシア『悪い子ね フェイト』



プレシア「……娘への愛情?」

プレシア「勿論あるわ 当たり前でしょう」

プレシア「それだけよ」

338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:23:05.41 ID:OPqu/friO


「………………」

「…………』

『…………』

『……』

『  』

『 』


339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:23:55.09 ID:OPqu/friO


「……あなたに 言いたいことがあって来ました」

「私は アリシア・テスタロッサじゃありません」

「あなたが造った ただの人形なのかも知れません」

「だけど 私は フェイト・テスタロッサは あなたに生み出してもらった……育ててもらった……」

「……あなたの娘です」


「ふふ……ふふふふ」
「あはは」
「ぁっははははは」

「だから何? 今さらあなたを娘と思えというの?」

「…………あなたが それを望むなら」

「……それを望むのなら 世界中の誰からも どんな出来事からも あなたを守る」

「私があなたの娘だからじゃない あなたが 私の母さんだからっ……!」

「……」


「……下らないわ」
「っ……」


「私は向かう アルハザードへ! そして全てを取り戻すッ……」

「過去も 未来も たった一つの幸福もっ……ッ!」

「母さん……っ!!」
「フェイト!」


「……一緒に行きましょう アリシア……」

「…………今度はもう 離れないように……」

340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:25:24.49 ID:OPqu/friO


『 』

『  』

『……』

『…………』

「…………』

「………………」

341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:26:12.07 ID:OPqu/friO



術師「全部で9個か」

少年「……それで これがジュエルシード?」

術師「手に持っているそれがかと聞かれれば はいそうです」

術師「どう見ても報告したものと違う 倒れた女性と培養槽の少女がかと聞かれれば いいえ違います」

術師「老化が止まっているのは見た目だけ? 白髪は駄目らしいですが」

少年「慎みたまえ」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:26:50.10 ID:OPqu/friO


少年「とにかく召喚は成功だ よくやった 帝国の発展のため、これらは有効活用させて貰おう」

術師「奴の話に乗られるんですか」

少年「私は私の見たものしか信じはしない 知っているだろう不出来で醜い愛弟子よ」

術師「貴方の尺度で言うのであれば醜さにかけて貴方に敵う者は存在しないのでは イェー。ツートップ」

少年「マジでクビにすんよ?」

術師「またまた」

少年「……向こうからの接触である以上そう時間はかからない筈だ」

少年「また呼ぶ 今度は少し人が増えるからそのつもりで」

術師「承知しました 総長」



343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 21:27:29.90 ID:OPqu/friO

【事件から一ヶ月後】

344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:06:30.05 ID:OPqu/friO




泥棒「…………」

泥棒「(…………ここは……)」


『被検体4017号 蘇生しました』

『早かったな 今日はもう終わりかと思っていたが このペースならもう少し続けられるだろう』
『次の実験の触りだけ見てみようか 準備してくれ――』

『了解しました』


「さっきので何回目だ?」

「後で記録係にでも聞け 人間が三つも四つも腹に機械を繋がれればああもなるか うん」

「もう喋れるんだな いい回復速度だ」

「噂の魔法石、実験してみたいな……許可が降りるかも分からないんだ 大学の変態共め」

「しかし趣味の悪い実験だよな 少なくとも死ぬってのだけは予想つく分」

『聞こえてるぞ 大事なのは"多分こうなるだろう"を一つずつ――』

『"やってみたらこうだった"に変えていくこと それが実験というものだ そうだろう』

『4017号 分かりますね……』


泥棒「…………」


「おい 被検体と喋っていいのか」

『発狂されては困る 精神の回復に時間がかかるのは君も知っているだろう』

『君こそ貴重な特殊実験素材をもっと丁重に扱うべきだ……』

「フン 違いない 高い買い物だったようだしな」


泥棒「……」

345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:12:35.75 ID:OPqu/friO

「……高い買い物?」

「知らないのか? あれだけ大暴れして身一つで娘の治療を買ったんだ この生命体は」

「"生命体"ね 魔法石、魔法生物との融合を経験した好実験素材」
「万が一命知らずのどこかにつつかれても"人間じゃない"から好きにできると」

「表向きには薬殺刑 実際はさる筋からここへ売られたって訳だ」

『……対魔法生物用鎮圧魔導兵器が時間的には適当なのでは? すぐに済みます』

『ガスと新型弾頭だったか 換気があるしガスは後回しだな……』

「その娘とは会えたのか?」

「分かるだろ」
「それに会わない方がいい 互いのためだ」

「……まあそうだな」

『五分で準備できる 待っていてくれ』


泥棒「……」ごろん


「どんな気分なんだろうな 殺されても生き返らせられるってのは」

「色んな薬も入ってる 内容を知ってる身からすれば落ち着いて見えるってだけで大したもんだ」

「正気なのか?」

「聞いてみろよ」ハハ

「そうだな じゃあ――」

「あ おい冗談だって……」

346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:13:58.70 ID:OPqu/friO


泥棒「(……娘はどうなった)」

泥棒「(ちゃんと医者がついたのか)」

泥棒「(奴らは約束を守った? 本当に?)」

泥棒「(疑問は尽きねぇのに 知りたいとまで思わねぇ 気力が湧かねぇ)」

泥棒「(おかしくなってる 薬もそうだし 魂を削ったってのも関係あんのか)」

泥棒「(……だが)」

ガチャ

『時間だ 開いたドアに従って進んでくれ 杖、転ばないように』

『足は次の魔導実験には必要ないから後回しにする 終了後に生やす処置をしておくから心配しないように』

「4017号さん 気分はどうだ?」

『何をやってる』
『彼に何を聞いても……』

泥棒「娘はどうなった」

『……そら……またこれだ』
『何度も言ったが大丈夫だ 帝国一番の医者が責任を持って治しにかかっている』
『これはあなたの身元を送ってきた所の意向でもある、反故にはできない いいから進んで』

泥棒「……娘はどうなった……娘は」ブツ ブツ

カツ カツ カツ

『……本当に心配いらない』
『4017号 あなたは犯罪者のモルモットだが、今の時点でもあなたの帝国への貢献は凄まじいものがあるんですよ』
『あの技術は間違いなく魔導史を揺さぶる――』

泥棒「…………」

カツ……カツ……カツ……

泥棒「(どうでもいい)」
泥棒「(俺にとって大事で 確かなのは これが安い買い物だったってことだけだ)」

泥棒「次は 先生」



347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:15:06.17 ID:OPqu/friO

事件から一週間後
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:16:00.21 ID:OPqu/friO




車掌「申し訳ございません、当乗合は今のお客様で満員でして……」

半鳥「あ ……本当ですね 二階席は?」

車掌「はい、二階席もです……」


おっさん「……」チラ

半鳥「……これは 乗れなくてラッキーだったのかしら」

スク

おっさん「……亜人の嬢ちゃん! 俺立つよ 二階のここ座りな」

半鳥「え……?」

車掌「お客様、走行中は危険ですからできれば座って――」

おっさん「おたくらが安全運転すりゃ問題ないだろ そうだろ? すぐ降りるし 転んだぐらいじゃ文句言わんよ」

車掌「そこまで言うんでしたら……」

半鳥「……では、乗ります……」

349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:18:55.39 ID:OPqu/friO

魔法大学 廊下


半鳥「ってことが今朝あったの」

ドリアード「ああ、そうなの……」

茶「あら! 召喚魔法研究室の名誉助手、栄えある1号ちゃんとアイドル兼任2号じゃない!」

ドリアード「ブ ラ ウ ン」

茶「あっ それでこれが雑誌の仕事の振込明細ね! 口座無いと思って作っといたから」はい

ドリアード「……………………………………これは」まじまじ

半鳥「ドリアードちゃんドリアードちゃん 札束でひっ叩かれてるわ」

ドリアード「はっ」
ドリアード「こんなもんで私を懐柔できるだなんて思わないでくれない? 一応身内じゃ賢木の精で通ってるのよ……………………」チラチラソワソワ

茶「心配しなくてもそれはあなたのものよドリアードちゃん、あなたが自由に使っていいのよ。ふふふ……」

茶「ところで何の話をしながらどこへ向かってるのかしら?」

半鳥「話? いえ 来る途中で前に喧嘩したおじさんとまた会っちゃったって話で」

茶「ゴーレムでぶっ飛ばしたってヤツね。サモナーから聞いたわ 先週の宝石強盗事件の後で」

350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:20:24.52 ID:OPqu/friO

半鳥「なんでも娘さんの夜遊びが激しいらしくて 気が立ってたから当たっちゃったんだって謝られたんです」

半鳥「教授の言った通り 話してみないと分からないこともあるのね って……」

茶「そりゃあそうよー。それが分からなくちゃ勿体無いわ! カッとなった時こそ落ち着く! 視点を広く持つの」

茶「多角的に物事を捉えなくちゃ、例え自分の経験したことでだってね。何をどうするにしたって情報と発想は多いに越したことないわ」

半鳥「そうですね……けどごめんなさい なんだかブラウン教授がちゃんとしたこと言うとビックリします……」

茶「じゃあこれでもう一個勉強できたってことねハーフィ。うふふふ」

ドリアード「……でっ! どこへ向かってるなんて何でわざわざ聞くのよ 研究室に決まってるでしょ」

茶「うん そー思ったから呼び止めたの サモナーなら珍しく講義よ、担当の教授が空けちゃったんで臨時の代理ね」

茶「それはあともう少しで終わるけど、今日はちょっと忙しくなりそう……」

ドリアード「そうなの」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:21:23.68 ID:OPqu/friO

半鳥「久しぶりに 助手みたいなことをするんですか?」

茶「それは彼次第だからなんとも言えないけど……とにかく研究室で待っててあげて。じゃあ私は行くわね!」

茶「ああそれとハーフィ 今日は服が全体的に白いわね!」

半鳥「……ええ」

茶「なんだか喋り方や佇まいまで大人しげだし…… 何 風邪でも引いてるの? まぁまぁかわいいからいいけど!」bye

半鳥「それじゃあ また……」フリフリ

ドリアード「…………」

352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:22:28.49 ID:OPqu/friO


術師「……以上をもって召喚魔法の講義を終了とする 代打のゲリラ開講にも関わらずこれだけ集まってくれた生徒諸君らに感謝したい」

術師「と共に謝罪を 取ってない連中まで大勢来るなら端っこの教室じゃなく大きな部屋を使わせて貰うべきだったな」

「使えるんですか?」

術師「勿論」

術師「同じ時間にやってる算術魔法や攻性魔法 各種魔導研究の講義には顔を出さず――」

術師「元のやつ共々 こんな益体もない万物アブダクションに貴重ォーな時間を割く君らの為なら 喜んで」

術師「しかし 担当教授が法事とか抜かしやがって急遽こうなった訳だが 大体元のこの枠の講義取ってるのはどういう奴なんだ?」

術師「講義名"啓蒙"だぞ"啓蒙" 去年テスト中に発狂して精神病院行った生徒がいるのは知ってんだろうな」

「単位っス教授 単位……」

術師「テケリリとか鳴かされてる奴はいないか」

術師「見えてなかったデカブツに握り潰される幻覚を見た者は? ふむ 今年は某か足りてる連中揃いってことかな」

「正直後悔してます」

術師「伝えとく」

pray STINGER TENTACLE

術師「元気があって大変よろしい」pray CIRCLE WALL

「うわああ俺の槍触手が跳ね返されっ――ぎゃあああああああ!!」

「キモっ うわ何それお前の魔法キモっ イカ? タコ?」

術師「盛んな血気に免じて今回の講義における君の評価は上々ってことにしとこう」

術師「その触手の魔法もいい感じ うん 凄く啓蒙してると思うよ なんか」

術師「他に評価を上げたい者は? いない? よしじゃあ終わりだ終わり」
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:25:03.13 ID:OPqu/friO

「教授 たまの講義ですし質問とかさせてくれないんですか?」

術師「やだ こう見えて私は忙しい」

術師「実演を交えてわざと分かりやすくクドクドやったのも時間一杯使うためだ ふはは眠かったろ 寝てもよかったんだぞ」テキパキ

術師「レポートは適当に目を通しておくから次回啓蒙の教授に渡しておくように レポートのお題はなんだった?」

「召喚魔法による次元的差異に起因する被召喚対象との時間軸歪曲についてです」

術師「まあ当たり前のことだというのは当然分かってくれていると思うが 今回のレポートを――」

術師「一言の説明で終わるテーマを延々と引き伸ばして書き連ねる練習としてくれれば幸いだ」

術師「潰しの効かない魔法使いだしな たまには普通の処世術を教えてもいいだろう」

「流石 説得力違いますね」

術師「その通り 始末書を書くのにも役立つ技だぞ」

術師「ノルマ1000行な」

BOOOOOOOoooooooo

術師「じゃっ お偉方とマイスウィート助手二名が待ってるのでこれで失礼」


「教授の変態ー! 未成年淫行で取っ捕まっちゃえー!」
「死ね」
「教授はロリコンなんじゃないかって魔導研究者はみんな知ってんだぜ!」
「ズーフィリアー! 毛羽フェチー! 好き者ー!」
「木に欲情する変質者ー! 拝金主義ー! ロリのサディストー!」
「人外魔境ー! ロリハー! 酒池肉林ー! お取り寄セフレー!」
「ゲンジ・ヒカル計画 実在していたのか……!」


術師「私が手ェ出すかどうかで賭けてるなら教えてくれよ オッズ高い方に全財産賭けて実行する」

術師「破産覚悟でブックメーカーやる奴? いない? なんだつまらん じゃあな」

354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:26:09.66 ID:OPqu/friO



術師「ふう いつも思うが校内は無駄に広い 空間魔法で広げてるにしてもやり過ぎだろうが」ツカツカ

J「病み上がりの身には堪えるかい? 友よ」

術師「我が親友の二足歩行猫じゃないか 丁度良かった」

J「?」

術師「総長は年だそうだしな」

J「そうは見えんが そうなのか」

術師「さあ」

J「???」

術師「研究室来る?」

J「……行こう 一息つきたい」

J「で ハーフィの具合は」

術師「かなり悪い 深窓の令嬢然としつつある」

J「君の嫌いなタイプだったか?」

術師「迷ってるが このままだと飽きて手を出してしまいそうだ 亜人はまだなんで興味もあるし」

J「……今度ドラゴンのステーキが美味い所に連れて行ってやるから そろそろそれやめにしないか」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:27:00.03 ID:OPqu/friO

術師「戸籍のある奴は食わん それに心配するな、犬猫は油泡が凄いそうじゃないか」

J「そーいうこと言ってんじゃねーから」

術師「生来の魔力炉たる脳や心臓には確かに魔力増強作用があった」

術師「医食同源ってね 普通の魔法使い以上に私にとって魔力の有無は死活問題だからな」

J「それは知ってるが……」

術師「美味いしィ〜」

J「それはありえん」

術師「とりあえず癖の無い所からいってみないか? 二の腕とか乳房とか 腕を振るうぞ、魔力も増すし」

J「やめろやめろやめろ昼食まだなんだ それにこれ以上強くなってどうする」

J「友よ もう個の強さが物を言う時代は斜陽を通り越して夜に差しかかっているのだ」

J「一人のメイジメイガスに寄って集って十人で銃弾を叩き込むのが最新のトレンドだ それが分からん君ではないだろ」

術師「突然どうした」

J「……すまない 例えが軍事になってしまうのは私が大量虐殺畑のメイジのスカラーだからだ」

J「それはいい 私が言いたいのはな、最近の君の活躍についてだよ」

術師「……」

J「トップからしてそういう人間が据わってる溜まり場な上 君はその直接の弟子な訳だから筋といえばそうなのだろうが」

J「名声は柵を呼ぶばかりだぞ 陳腐な事物に煩わされる君なんて見たくない 師を見ろ」

術師「昼間からマタタビでもキめてやがるのか」

J「…………あ いや 最後の方オフレコでお願いします」

術師「私の手料理を食べるということで手を打とう」

J「っサモナー!」

術師「真に受けるなよ ここは軍部じゃないんだから」

術師「……そうそう で丁度いいってのはだな」

術師「念のための触媒の確保に協力して欲しいんだ」

J「触媒?」

356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:28:32.29 ID:OPqu/friO


半鳥「(帝都で起こった"宝石強盗事件"から一週間が過ぎた)」

半鳥「(なんて 訳知り顔で言ってるわたしも報道されてる以外のことはそこまで詳しくは知らない)」

半鳥「(教授達とかとちょこちょこ話してみて分かったのは、)」


刑事『事件の捜査状況について外部に話すことはできない それくらいは分かるだろハーフィ』tell

刑事『……いや駄目だ そいつは賄賂になっちまうからな 論外だ 駄目』

刑事『………………だが一発で口臭が治る薬ってのは話半分に聞くだけ聞いてやらんこともないこともないぞ あくまで あくまでプライベートな話として』


半鳥「(帝都警察では早々に事件が片付いたということ、なのに偉い人から直々に敷かれた箝口令がまだ生きているということ)」


刑事『この件は 俺はまだ終わってねェと見てる』

刑事『無論俺らなんかの手からはもう離れてる いつもの水面下でってヤツだ』

刑事『犯人は挙がり、邪魔者は教授殿がボッシュート、俺は失態と上の思惑が差し引きして辛うじて手柄になった』

刑事『これが全て それで終わりだ』

半鳥『……』

刑事『納得いかねェって沈黙だな だが納得しろこれ以上は無ぇ 何も』
刑事『もういいか?』

半鳥『……ええ 分かりました』

刑事『んンッ! それでだな――』

半鳥『勿論薬の件はしっかりやります 多分やれるんじゃありませんか 相談してみますね』

半鳥『ブラウン教授に』ニコ

刑事『? ……!? おい既製品の話じゃなかったのかよ!?』

刑事『おい! ちょっと待てコラてめェ、人の悩みをn』ガチャン
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:29:49.11 ID:OPqu/friO

半鳥「(……どうして わたしが首を突っ込みたがるか?)」チラ

シュル…

半鳥「……髪、動かせる……わたしの場合は羽根も ね……」

半鳥「(銃弾を使った召喚魔法の実験をしている途中で、気が付いたら読んでた……"読めてた"あの日記)」

半鳥「(吸い込まれるようにわたしは読んでた 文字も分からないのに そこからおかしくなってるのが自分でも分かる)」

半鳥「(どんどん他人のようになっていってる)」

半鳥「(こんな動き辛い、飛びにくい服はわたしの趣味じゃない 袖があると腕の翼を広げられないから)」

半鳥「(さっき言われた喋り方もそう、ずっと前からこんなだったみたいに……なってる)」

半鳥「(最初に服を見せた時の教授の反応からして 例の事件とあの日記が現れたのは無関係じゃない気がする)」

半鳥「(何よりも怖いのは……段々慣れてきてる 危機感が薄れていってる……わたしが私じゃなくなっていくことに)」

半鳥「(…………あの幽霊になっていくことに)」

ガチャ

半鳥「……教授?」

術師「おはよう 昼だが」
術師「待ってたって顔だな」

半鳥「ええ」

J「……」
術師「な」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:32:16.05 ID:OPqu/friO

術師「ドリアードは?」

半鳥「買い物に 遅くなるって」

術師「そうか 好都合だな」

半鳥「? ……教授 ブラウン教授から聞いたの、今日は忙しいって」

半鳥「ねえ それって先週の事件のことでなの そうなんでしょう」

術師「J やってくれ」

J「……これを君にかけるのは気が引けるな」pray SOUL TRAP

半鳥「……教、」

フッ

半鳥「授……?」フラ

術師「よっ」ガシ

J「役得かな」つ魂石

術師「薄い チマい 細い 青い 砂肝嫌い 羽根が邪魔」

術師「鳥肌キモい 足が鳥の趾(あしゆび)っぽくなっててキモい さっきはああ言ったがやっぱ無いな」

J「ダメだこりゃ」やれやれ

J「長時間の部分魂縛が負担をかけることは無論知っているよな もう行くんだろう」

術師「ああ」ヨイショ

半鳥「ぅぐぇ……」ドサ

J「樽じゃないんだから……せめて横抱きにして運んでやらないか」

術師「行くぞ ……っと」

マンチカン「フゥゥゥゥゥゥ」
髪蛇「シェアァァァァァァァ」

術師「大丈夫だ心配するな」

術師「あんな女如きにどうこうされてたまるか そうだろ? ちゃんと元に戻す 待ってろ」

マンチカン「……」
髪蛇「……」シューシュー

J「ソファーは腰に悪いからな その心配をしてるのだろう」

術師「ベッドでも置けと」

J「ふ 引きこもりが捗るかもしれんぞ」

J「気を付けてな」

術師「ありがとう……何を?」

J「水臭い 行けよ」

359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:33:40.22 ID:OPqu/friO


大学内 某所



ガチャ

術師「遅くなりました」


総長「講義には遅れず出た癖に」

術師「未来ある生徒達を待たせる訳にはいきませんからね」

「成程 我々二人が待たされるのは理に敵っているということだな、Mr.サモナー」

術師「……これはどうも 直接お会いするのは初めてですね、お噂はJから予々」

術師「こう薄暗くては寡黙な護衛の数の多さが不気味です 帝国陸軍大将殿」

護衛's「「「……」」」

陸軍大将「ボーリングのピンを増やすようなものだと総長殿には言われてしまったのだがね」ハハハ

陸軍大将「これが彼らの仕事だ ま この部屋はだだっ広いし悪く思わんでくれ」

術師「……僭越ながら 言い得て妙かと」

陸軍大将「傲岸不遜で通っている君にそんな顔で言わせる程の 取引なのか ほほう」

総長「向こうの準備も整っている 後はこちらから繋ぐだけだよ」

術師「せっかち過ぎやしませんか」

総長「時は金なり 大将もよろしいか」

陸軍大将「ご随意に」

総長「おい 何か用意をしているのならいつでも出せるようにしておきたまえよ」

術師「何でもお見通しですか」つ魂石

総長「いざ」open GATE


バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ



白衣の男「……揃ったようだ」

360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:35:10.46 ID:OPqu/friO

総長「遅くなって申し訳ない」

白衣の男「いや構わない 最初からそちらで足を用意して貰えるという話だったが――」

白衣の男「実際助かった この次元世界はこちらからだと繋ぎ辛くてね……」

術師「音声越し一週間振りか いいスーツだ 白衣の下の」

白衣の男「君もなサモナー 大学総長と……?」

陸軍大将「ゲストだ」

白衣の男「……」

術師「秘書は? まさか本人が来るとは思わなんだ」

白衣の男「誠意だよ サプライズに貢献してくれることへの フフフ」

白衣の男「それに一人で来た訳じゃない」

ザッ

無人兵器『『『   』』』

白衣護衛「……」

護衛's「「!」」ジャキッ
陸軍大将「撃つな」

術師「愛嬌のあるデザインですねあれ 総長」

総長「通してる以上感知してはいる、安心したまえ」

術師「自分の身は自分で守れと」summon

ズ ル リ……

伽耶子『     』

総長「人の魂石に何故悪霊が因んでいるんだ いい趣味をしている」

白衣の男「下がれ 問題ない」

白衣の男「さて挨拶はこれくらいでいいかな」

総長「どれを持ってきた?」つ鞄

白衣の男「言っていた物は全部 といっても手に入る範囲でだがね」クイ

無人兵器『   』ガシャン パカ

白衣の男「ご所望の各種デバイスだ カートリッジ類のオマケもつけておいた」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:38:58.94 ID:OPqu/friO

陸軍大将「……この機械 人が乗っていない……」

白衣の男「欲しいならそれもサービスしようか 荷物持ちがいるだろう」

白衣の男「総長 次はそちらの番だが」

総長「……」カパ

白衣の男「おぉ……間違いない、PT事件の立役者 失われし物とされていた」

白衣の男「ハハハハハ やはり君達に頼んで正解だったよ……しかし」

白衣の男「取り寄せに成功したジュエルシードは 4つ だけかい?」

術師「ああそうだ」

白衣の男「即答だ」

術師「言及されると予想していたからな」

術師「術者である私の沽券に関わる話だが、力不足は認める他ない」

術師「すまない……」

総長「……」

白衣の男「(…………)」
術師「(…………)」

白衣の男「…………まあ、いいだろう」

白衣の男「取引成立だ」

術師「良かった」

総長「……では」スッ

白衣護衛「こちらに」

無人兵器『  』ガション

総長「これの扱い方は?」

白衣の男「普通に命令すればいい」

総長「ふむ "私の弟子に向けAMFを展開"」

術師「?」

無人兵器『   』active Anti-Magilink-Field

術師「……!?」ガクッ

総長「まあお前ならそうなるだろうね」

白衣の男「? ……ほう そうか 成程……」

陸軍大将「サモナー? 総長殿 何を?」

術師「ッ……こいつは……」グググググ

総長「"停止"」

無人兵器『   』stop

術師「っはぁ! …………ふぅ、久々に死にかけた……くたばれショタジジィ」

総長「またまた」

白衣の男「少々の調整を施せばここの魔法体系にも有効に働くだろう」

術師「余計な物までつけてくれたな……」

白衣の男「そう誉めないでくれ」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:40:16.44 ID:OPqu/friO

白衣の男「ところでサモナー 少しの間私の所へ来る気はないかな?」

術師「何か デカい仕事があるとか言ってたな」

白衣の男「愉しいことだ」ニィ

白衣の男「他の馬鹿共ならいざ知らず 君なら私と一緒に楽しめるだろう そこは保証するよ……」

術師「美女に囲まれてという点は非常〜に魅力的だな 何匹かくれるなら考えよう」

白衣の男「難しい条件だ……」

術師「真顔になるなよ 冗談だって おいおいホムンクルスの目があんたの目付き並みに怖いぞ……」
術師「襲わせないでくれ匹で数えたのは謝るから 言葉の綾!」

術師「悪いが ここを気に入ってる」

術師「今は弟子が面白い」

白衣の男「……残念だよ」


総長「とても有意義な取引だった 感謝します」

白衣の男「こちらこそ……」ス

術師「愉しみとやらが上手く行くことを願っている」

術師「Dr.スカリエッティ」

363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:42:45.71 ID:OPqu/friO

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ


術師「……」

陸軍大将「……」

総長「……」

術師「行った?」

総長「荷物持ち君以外は」コンコン

陸軍大将「……いや 私も久方ぶりだ、空気を張り詰める殺気に中てられたのは」

総長「お前のせいだぞ弟子よ 大将殿が心臓発作を起こしたらどうするつもりだったのだ」

陸軍大将「はは、そこまでヤワではない……つもりだが 死にかけた感はあったなサモナー お互いに」

術師「全くです 総長これからはどうぞ夜道に気を付けて」

総長「夜道で悲鳴を上げる 美 少年と襲いかかる魔法大学の問題児? ショタコンの評まで冠したいと 絶倫さんめ」

総長「さて大将殿 あなたに同席していただいた理由はお分かりですかな」

陸軍大将「皇帝陛下の御為、帝国軍へこれを導入する際の橋渡しを……といったところか」

陸軍大将「どれくらいかかります」

総長「解析から始めるとして…… 機構部分はこちらの技術に合わせた物とせねばなりませんから」

総長「帝国の工業力に見合った形へデバイスを造り替える所からでしょうな 早くて二週間か……」

術師「付呪魔法教授ならあなたの一声で動くでしょうが 肝心の魔導機構学教授は分かりませんよ」

陸軍大将「分からない とは?」

術師「えーと……」

総長「東方の島国へ行っています 食べ物のラーメンを極めるために」

陸軍大将「は?」

総長「呼び戻しますので問題ありません 心配なさらず」

術師「一応休暇取って行ってるんですがね……」

総長「大学在籍者である前に帝国臣民でいたければ 必要とされ得る時に協力しなければならない」

陸軍大将「素晴らしいお心掛けです」

術師「(アホか)」

陸軍大将「それでですな…… 肝心のデバイスの能力を私はまだ見れていない」

陸軍大将「総長殿の言を信用していない訳ではないが……」

総長「勿論 魔法の使える兵士を一人お借りしても?」

陸軍大将「どうぞ おい」

護衛「はっ」

364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:55:14.02 ID:OPqu/friO

……


陸軍大将「――仔細についてはまた日を改めて詰めていきましょう 今日はいいものが見れた 総長殿」

陸軍大将「総長殿がストレージデバイスに封入した魔法を扱った者と それを見る兵の目を見られたか?」

術師「山盛りの玩具を見た子供のようでした」

陸軍大将「そんな気分だよ……フフフフ これは楽しみだ……」

ザッ ザッ ザッ…


術師「帰りますか」

総長「ツッコミ待ちか」
総長「その悪霊 護衛と魔法試射の的にするためだけに呼んだのではないのだろ」

術師「流石は総長」


伽耶子『  こ  ろ   し て     や』


術師「憑依している人間の魂石がこれです 触媒とするために部分魂縛をかけて封印しました」agreeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeement bind

総長「?」

術師「この一週間お忙しいようでしたから お時間を見ていたので部分魂縛が必要な程まで結合が進んだんです」

術師「引き剥がすのを手伝って頂きたい」

総長「ああ……お前が頭を下げても聞かないだろうからね 死霊術研究の彼女は」

術師「頼めますか」

総長「随分と殊勝だ 弟子にでも憑かれたのかな」

術師「……」

総長「え 本当に?」

総長「それは…………はは そうかい そうかい 分かった、お願いしておくよ」

術師「ありがとうございます」

総長「ただ見るからに強烈な悪霊だからね、彼女の力を持ってして影響が残ることも十分考えられる 分かっていると思うが」

術師「お願いします」

総長「今度は大成させたまえ 私のようにね」

術師「……どうでしょうね」

365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 22:58:15.80 ID:OPqu/friO

術師「そういえば――」

総長「なんだね?」pray FORCED VANISH

バシュッ

伽耶子「     ァ゛  

術師「(人の喚んだ奴を召喚契約ごと消した 化物が……)」

総長「どうした 話したまえ」ニヤリ

術師「…………そういえば 彼女らはどうなさったんですか」

総長「彼女ら?」

術師「一番最初、未回収のジュエルシードを喚んだ折 9個と一緒に来た二人……」

術師「保存槽の肉体は死んでいたように見えましたが」

総長「ああ 二人とも私の息がかかった病院にいるよ」

術師「二人とも?」

総長「成人女性の方は あれからずっと治療に当たっているが目を覚まさないそうだ」

総長「原因は不明 外傷や傷付いた内臓など外科的に手の施せるところは全て治した が、それでも起きない」

術師「植物人間」

総長「まだ魔導治療に移っていないからね そちらも試して駄目ならそうだな」

総長「少女についてだが……」

術師「埋葬したとか」

総長「まずそれを考えたよ だが状態を見てやめた」

術師「確かに 鑑賞用として趣味の良い調度になりそうですからね」

総長「相変わらず幾つになっても口の減らない子だ……」

総長「少女の肉体保存は完璧だったんだ やろうと思えばいつでも我々の力で蘇生させられる程に」

総長「採取した生体情報を魔導的に照らし合わせた結果分かったのだが、彼女らは親子だ」

術師「…………また親子か」

総長「母親がその死を認められず娘を保存したという所だろう 他の多くの世界では禁忌・不可能とされる死者蘇生を目指して」

術師「そういうことなら……彼女の愛情の程は身をもって知っています そのイカれ具合も」

総長「?」

術師「いえ それで?」

総長「近親者がいるなら蘇生には許可が絶対だからね 多少なりともの変性は覚悟して貰わねばならないから」

術師「随分と殊勝だ」

総長「慎みたまえ とにかく現状は愛多き母の覚醒待ちだ」

総長「……フフ つまらなそうな顔をして 親子愛は嫌いかな?」

術師「先に戻ります」

総長「拗ねることはないだろうに」

ガチャ


総長「……は ならとっとと女の一人でも引っ掻ければいいだろうに」


366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/14(土) 22:59:23.11 ID:OPqu/friO



『"新技術〈デバイス〉発表 魔法大学、魔導文明に革命か 高度魔法の使用が容易に"』

『"試作一号機デモンストレーション 単独での戦術魔法発動に成功 機械の杖"』

『"帝国軍部デバイス導入に本腰 特化部隊の育成 陸軍大将「敵は周辺諸国ではなく予算委員会」"』

『"魔導技術体系の変遷? 各界騒乱、賛否両論「デバイス・ショック」"』

『"教会関係者苦言「神秘を堕とす傲慢」「我々は銃器発明直後の混迷を再び見ることになる」"』

『"「不透明な開発経緯」魔導技術者懸念"』

『"ジュエルシード事件首謀者死刑執行"』

『"市民団体がジュエルシード事件と歩行植物の関連性を指摘 ブラウン教授失笑"』




次は↓
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 23:01:13.98 ID:ENtAoJoP0
召喚術師が子供の頃に親に捨てられた玩具のロボットがパワーアップして帰って来た!
召喚術師が書いた自身の名前すら格好良くリデザインされ、光ったりまでするように
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/14(土) 23:09:25.54 ID:ENtAoJoP0
貴重な正月休みを俺達の為に使ってもらえるなんて、贅沢な味わいです!
や、それにしても本当に半端ない物語の練りっぷり。惹き込まれたわー
ここ最近は、これを読んで安価を踏む為だけに気を張ってた甲斐がありましたってもんですぜ
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 23:47:55.16 ID:/VNtAID00
超乙乙!!
わーい、気になってたとこ全部乗せだぁー!
しかし、今回の話で一番報われてなかったのは、やっぱ泥さんだな。娘さんは本当に治ったんだろうか
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 12:39:59.49 ID:yXl23nKB0
家族関連を嫌がってる所にこの安価か……でも流石にその程度のちっさい事が家族ヘイト?の大きな要因て訳はないよね?思い出すとやな気持ちにはなるかもだけど
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/15(日) 21:08:49.12 ID:JWSHH1lC0
>>367ですが、重い話にしてもらおうというつもりはなかった。とだけ
まぁ、そういう話にするかどうかを決めるのは>>1さんですし、そうなったとしても、思いきり噛み締め思いきり味わうだけ!って感じですねw
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/15(日) 21:53:58.85 ID:l2u6H+5PO
重いのが続いてるので軽いのにします
あと解釈の差についてはご容赦ください
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/18(水) 13:21:16.16 ID:5GK3kq3Y0
まさか召喚術師でボスキャラ程度の強さとは……総長こそが真のチートであったか
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/18(水) 22:36:24.47 ID:HCSEIJAkO

帝都魔法大学
魔導工学棟 魔導機構学研究室


半鳥「ぃよっ……」グイッ

ブルルル… ブルルル…

半鳥「……かかんない! ダメじゃんこれ、本当に動くんですかー!?」

機構教授「はははは…… 壊れてはいないよ」

術師「腕力の問題じゃあないな、魔導炉かけるコツが掴めてないか」

術師「魔導耕運機とかチェーンソーとか 農業機械を使った経験があればそのままなイメージなんだがな 起動した感じ」

機構教授「まあ そんな風に落ち着いたね」

機構教授「発動補助・魔法記憶を担う心臓部と、本体始動と魔力増幅を行う補助魔導炉を頭に――」
機構教授「柄には利き手に合わせて位置を調整出来る手動発動用ピストルグリップを付けた」
機構教授「大分上が嵩張ったから石突きにウェイトを増やしてバランスを取ってる」

機構教授「大出力魔法に備えて部品単位で全体の耐久性も見ているから、ティーンの子が持つのは相当……」

半鳥「ええい 動け! 動けおらぁ!」ブンブン

機構教授「……ああ、彼女は亜人だったか 腕の羽根とサンダルの爪目立たせないと忘れるな」

術師「ハーピィ種とのハーフだけどな ……振ってどうする鳥頭、魔法の杖じゃないんだぞ」

半鳥「魔法の杖でしょ! かけるだけやってくれたっていーじゃんそんな離れたとこで見てないで!」

術師「私はもう一仕事したから 後はお前の仕事だ助手よ」

半鳥「イジワル!!」ブルルル… ブルルル…
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/18(水) 22:38:34.03 ID:HCSEIJAkO

術師「待機形体の再現はやっぱキツいか」

機構教授「起動するのにだってスターターの紐を引かせてるんだよ 僕らの技術じゃまだまだ無理無理」

機構教授「この上、インテリジェントデバイスとやらは意志まであるんだろう? 話だけではもう想像もつかないよ」

「お話し中すみません、今総長が追加のデバイス関連資料をお持ちになられました Dr.ヌードル」

機構教授→麺「また総長自らか 確かに誰よりも早く動けるんだろうけれどねえ」

術師「人間不信だからな」

麺「それは初耳だ」

術師「そりゃそうだろ今適当に考えた 流布していいぞ」

麺「……君も、その辺にしておきなよ 人の悪口は関心しないぞ」

術師「優等生ぶりやがって」ハッ

術師「お前に誠実さを見てあそこで働いてる助手共全員に、一晩で娼館三つと立ちんぼ五人と――」

術師「行きずりの女十数人にそいつら引っかけたバーのウェイトレス半数を ウィスキー一杯で"菜斬り"にした伝説話してやりてーよ」

麺「あれは一夜の過ちあれは一夜の過ちあれは一夜の過ちあれは一夜の過ちあれは一夜の過ち……」ブツブツブツブツ

術師「もっと自分を解放しろ……奔放に生きていいんだメン食い博士……」ガシ
術師「たっぷり眠ることが許されない以上、クリアできてる食欲の次は性欲といこうじゃないか……なあ……」ボソ…

麺「うごごごごごごごごごごごごggggggggggggggg」ガクガクガクガクガクガク

機構助手「うちの教授で遊ばないでください」
機構助手「強制のお休み明けで仕事溜まってるんです お暇な貴方と違って」

術師「だからこそ小休止が必要なんだ彼のために文句は言わせん お忙し過ぎて多忙に快楽を覚えると終いにはレスるぞお姉さん」

機構助手「訴えますよ?」

術師「これは申し訳ない忙しいんだから相手なんかいなかったなぁ! はははははははははは」ユッサユッサ

術師「どうです相手いない者同士?」

機構助手「……っ本ッ当に下品な人! 早くテスター済ませて帰ってください、じゃ!」

術師「おい おい 今の反応見たか? 列伝披露は彼女からにしよう――」

麺「離れてくれ! アルコールと香水と妙な焼肉の匂いがするぅ!」バッ
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/18(水) 22:41:53.88 ID:HCSEIJAkO

術師「えー……? 鼻の良さは褒めてやるがそれぞれ一昨日と五日前と 最後のは先週のどっかだぞ」

術師「まーいーや、こっちは適当にやっとくから戻ってくれDr.ヌードル」

麺「言われなくてもそうする! まったく、デキるんだからもっと真面目にやったらどうなんだ!」ツカツカ


半鳥「教授さあ ほんといい性格してるよね」ブルルル…

半鳥「こないだ年輩の生徒さんから教会のシスターの電話番号貰ったんだけど 言い辛いことあったら相談してみなって」ブルルル…

術師「でかした」

半鳥「暴行事件被害者とかのカウンセリングやってる人でしたよ 色々活躍してんのに何やらかしたらこんな評判になんの?」ブルルル…

術師「嫉妬だハーフィ嫉妬 出る杭は打たれる……」

術師「優れ過ぎ世に貢献しまくっていることが必ずしも称賛を呼ぶばかりではないのです迷い子よ どう? いけそう?」

半鳥「うん 何が?」ブルルル…

術師「友達の神父の真似」

半鳥「きったねェ神父」グイッ


ブルルルルrドルルルルルルルルルルルルルルル……


半鳥「あ かかった!」ヤッタゼ

術師「デバイス始動だけで十分弱だ お前の村も文明化されていればな」

半鳥「機械化は甘え」

術師「歳いってからもおんなじ事言えるなら大したもんだが 」

半鳥「必要な分しか作らないからそんなのいらないの! たくさん作ったって腐っちゃうよ」

半鳥「お年寄りはお年寄りにしか出来ないことがあるもん 言えますよー残念!」

術師「嫌なババアになりそう 胃石飛ばしてきそう胃石 カァーッペッッて」

半鳥「もういーから黙って! じゃあやるよ! やるから! これ握って普通に撃つ感じでいいの!?」ワクワク

術師「…………………………」

半鳥「黙らないで教えろください」

術師「そんな感じ」

術師「封入してる私の魔法に魔力を送るだけでいい お前なら余裕だ」

半鳥「オッケー そい!」バチッ

デバイス《ランダムサモン》

半鳥「ゑ?」

術師「(笑)」


バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/18(水) 22:44:51.59 ID:HCSEIJAkO


半鳥「教ぉー授ぅー……」RDY GUN

麺「な、何事だい!?」ドタバタ

機構助手「召喚魔法……いい加減にして下さい」equip chakram-gear

術師「出せたの確認したらすぐに消す そう慌てるなって」

半鳥「そんな言って猫とペルセウス様以外ロクなことになってないでしょーが!」

術師「大丈夫大丈夫神話生物でもここがぶっ壊れるだけだから」

麺「僕もそろそろ怒るぞサモナー!」

機構助手「来ます」pray MAGNETIC FIELD


ロボット「…………ここは……どこ……?」


半鳥「……目が光る鉄の人形? 小さい……」

半鳥「でも喋った」ズギュゥーン

チュィーン

ロボット「ぅわッ……!」ricochet

麺「あのデザインは……知ってるぞ かなり昔の魔導鎧だ 人形っぽくデフォルメされてるが間違いない」

機構助手「歯車チャクラム電磁投げ!」シュバババババ

ロボット「い 痛い 何? 何なの、やめてよっ……」ギィン ギィン ギィン ギィン

麺「……? 二人とも一旦やめるんだ!」

術師「………………」



こいつをどうする(行動 半鳥)↓
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/18(水) 23:19:31.44 ID:e2Mbch1Z0
バラして構造を見よう
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/19(木) 00:38:13.57 ID:iznNXEm20
痛いで済むのか(困惑)
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/19(木) 19:18:27.95 ID:krE2TraJ0
ちゃんと元通りにできるんだろうね?ハーフィ
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/19(木) 20:06:15.06 ID:6Pd7OVLs0
ちょっと!玩具にも愛を!
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/20(金) 15:25:04.43 ID:HY+PKIoV0
麺氏が止めた所を速攻でバラそうとするハーフィ(汗
ロボ君が耐えてくれるか、サモナーがどう出てくれるかだよなぁ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/21(土) 21:16:11.98 ID:irsDWeGU0
大丈夫だってきっと、軽い話だからバラされても「あー、ビックリした!」とかって勝手にくっついて元通りだろ。余裕、余裕(震え声
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/22(日) 15:10:15.76 ID:GBOyKnaYO

半鳥「本当に人形なんですか」

麺「かなり昔に出た玩具だよ 子供向けの知育魔導遊具、糸の代わりに魔力を通して動かすんだ」

麺「色々なモデルがあった その中に軍用機型のやつも確かあったと思う 僕も子供の頃遊んだなぁ……」

半鳥「でも自分で動いたりなんてしなかったんですよね」

麺「……まあ、流石に……」

半鳥「まいっか バラせば分かるでしょ」

術師「…………」

麺「それもそうだね。サモナー 君が呼んだわけだけど動きを止められるかい?」

術師「おらよ」agreement bind

ギシッ

ロボット「っ!」ギギギギ

術師「……頭部を撃てハーフィ そのガラクタの制御系が埋め込まれてる」
術師「旧式の軍用魔導鎧よろしく装甲に被弾経始の働く形状だ 真正面からド真ん中を狙え」

半鳥「了解」チャキ

ロボット「待って 待っ――」


ズギュゥーン バギン


ロボット「ぁだっ!」ステーン

半鳥「確保ォー」ヒョイ

ロボット「は、放して! 放せー!」

半鳥「全然元気っつーか折角作った強装弾跳ね返しやがったんですけど」

術師「いい腕してるぜ」

半鳥「曲線ボディに滑らせず当てろって結構なムチャぶりしてる自覚はある? おゥけィもう一発」ジャキ

術師「もういい 裏にツマミあんだろ それ捻ればおk」

半鳥「裏ー?」クル

ロボット「降ろしてよ!」

半鳥「……そんなのない……けど あ 名前かなこれ」

術師「なんだと?」

半鳥「えーと…………えー……ハイパー 何……?」

術師「……ハイパー? 読めないならいい捨てちまえ」

半鳥「違う 長いの」

半鳥「子供みたいな字で"超究極銀河狩人"って書いてある」

術師「…………そんなの書いたっけか……」

半鳥「へ?」

術師「いやなんでもない」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/22(日) 15:13:46.93 ID:GBOyKnaYO

麺「見せて…… 本当だ」

ロボット「お、降ろして……」

機構助手「……教授 仕事を」

麺「分かってる分かってる、サボってこっちに行ったりはしないよ」

麺「でも懐かしい物を見てしまったな サモナーは知ってるかいあれ?」

術師「よーく知ってる」

麺「ロボット君 君のご主人様は誰だい?」

ロボット「……え……?」キョトン

麺「分からないのかな? うーん、召喚で適当な霊魂が混線したか? 見たことはないけどツクモガミってやつなのかな」

半鳥「はーいこっちいらっしゃい」むんず

ロボット「頭掴まないで!」

半鳥「助手さん!」

機構助手「何?」


麺「年代物は年代物だし誰かのコレクションだったのかもね」

術師「燃えないゴミが化けて出たってか クソが……」

麺「や、現在もファン っていうかプレイヤー? がいるんだよ。年齢層も相応だし 事情が事情だから規模もそこまで大きくないらしいけど――」

麺「コレクションは勿論 高いフレーム強度と工作自由度から来る改造と、魔導操作を用いた対戦が熱い……とか」

術師「オタクっぽい感じか」

麺「どうだろう、賭け試合が常態化してるとも聞くから 少なくとも子供の玩具では完全になくなっているみたいだね」

術師「ほーう……?」

バギッ

術師「あ?」

麺「へ? ……ああっ」


半鳥「あー」

ロボット「」首無し
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/22(日) 15:15:23.30 ID:GBOyKnaYO

機構助手「……工具を貸してって言われて貸したけど 使い方知らなかった訳じゃないよね」

半鳥「え モンキーレンチって潰してネジ切る使い方じゃなかったんですか?」

機構助手「おかしいのは使い方じゃなくて発想か…… バラしたいの? 壊したいの?」

半鳥「頭が弱点だっていうからまずそこから〆たの 」べきべきべき

半鳥「装甲取れた。セイギョケイってどれ? これは人形の骨だし……ん それっぽいの見当たらないなー」つドライバー

ロボット「あっあっ」ビクンビクン

麺「?」

術師「ああ知ってるぞ そうそう 塩梅を見て弄るとそんな感じになるんだ」

半鳥「はい?」

麺「……待って それ本当に頭がカラみたいだね」

術師「見れば分かるだろ」
半鳥「あ゛?」

麺「違うよ 見てごらん」グイ

ロボット「あぴょ」ビグッ

麺「本当に制御用の魔導回路が入ってない 人で言う頭蓋骨に当たる頭部フレームと――」

麺「下にほら ハーフィ君が千切った頸部フレームの余りがくっついてるだけだ」

機構助手「制御用の魔導回路?? ただの玩具になんでそんなもの」

術師「豊かな才能と豊かな家柄 温室の純粋培養で滞りなく今の地位に収まった腐れ秀才オタク野郎が懐かしむ玩具だ 分かれ」

機構助手「そんな言い方しなくたっていいじゃないですか 何なんですか本当」

麺「気にすることないよ助手君 僕らへの挨拶みたいなものさ」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/22(日) 15:18:43.07 ID:GBOyKnaYO

麺「しかしとなると物質的核を持たないツクモガミめいた霊的生命体ということでほぼ確定かぁ……参ったなぁ……」キラキラ

麺「ねえサモナー、それ僕にくれ……いや預けてくれないかいっ?」

機構助手「ああもう」sigh
機構助手「教授、軍部にせっつかれてるのをお忘れになったんですか? そんなゴーストまた見繕えばいいでしょう」

麺「で でも! もし遠隔傀儡のイタズラじゃないなら、このロボットを操ってる彼? を分離させて定着させれば例のインテリジェントデバイスに近いものが――」

機構助手「今は目先の仕事が先です インペリアルデバイスの性能を落とさず機構を簡略化させられ得るのは付呪教授とあなたしかいないんですよ」

麺「…………廉価版の研究なんて嫌だあ! もう出力変換効率比と睨めっこなんてしたくない、背油と塩分と麺を啜ってもいいテーブルがこの国には無いんだ!!」うをををををををを

機構助手「また始まった みんな!」finger snap


「教授辛抱してください!」
「またインスタント買ってきますから!」
「食事の時我慢しますから啜ってもOKですから!」

麺「ヤメロー! ヤメロー! 僕は ボクは ぼくは 本物が欲しいいいいいぃぃぃぃぃ」ジタバタ

「おい 足持て! 担げ!」wasshoi!!
「あっスリッパ脱げた」
「後にしろ カンヅメ部屋にブチkお連れするのが先だ!」

麺「新年だって月半ばになってから初めて家族以外にあけましておめでとうって言ったんだぞ!! まだ三日残ってるんだああああああああああぁぁぁぁぁぁ」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/01/22(日) 15:19:10.82 ID:GBOyKnaYO


機構助手「召喚教授 工具はお貸ししますからその生きてる残骸を早く持ち帰ってください いいですね」

術師「今度一晩付き合ってくれるなら」

機構助手「後日内容証明を送ります 楽しみに」

術師「んーそそる あの坊っちゃんには勿体ない逸材だと思わんかハーフィ」

半鳥「やっと分かった 体つきのこと言ってんでしょ」
半鳥「もう訴えられちまえよ」

術師「駄目だ ちょっと催してきた」

術師「その人形で遊んで満足したら適当に片しておけ 私はちょっと食事に出てくる」ジュルリ

半鳥「やだ もう教授の変態! 大っぴらに言わないでよ変態 変態!」

術師「何勘違いしてんだ、普通の飯しか無い以上普通の飯をただ食いに行くというだけだ 想像力が逞しいようですね?」

術師「食事という単語に何を見出だしているんだやーい変態ー! ベーコンとアスパラガスで掛け算でもしてろ!」ガチャ バタン


半鳥「くそっ 子供みたいな言い返し方しやがって! ……掛け算ってナニ?」

ロボット「」スヤァ…

半鳥「……とりあえず これ……この子どうしようかな」


どうする↓
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/22(日) 18:05:47.82 ID:91qCFFse0
近所の情熱溢れるおもちゃ屋の主人に見てもらって、直せそうなら手伝いつつの修理を頼む
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/22(日) 20:27:47.52 ID:AmrlsOfy0
ロボ系アニメのメカニックさん的な?
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/23(月) 16:31:37.10 ID:MWGr1DoU0
貸してもらった工具の質によっては、おもちゃ屋さん大歓喜?
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 21:02:49.74 ID:BMasXdnU0
しかし3時間程も安価が踏まれないなんて珍しいねぇ
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 22:07:01.73 ID:LVtr8pT00
昼更新が珍しかったのが
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/27(金) 12:13:15.24 ID:6G2Rv9cR0
名前はそう変わったか。賭け試合とやらには出させられたりするのかな?
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/29(日) 20:32:06.95 ID:ECBRRp0f0
超究極銀河狩人……サムスさんかな?

サモナーは元々なんて書いたんだろ
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/04(土) 03:22:11.67 ID:37rwMzzt0
いやぁ、続きが楽しみですな
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:10:47.29 ID:eC2dk0PHO


麺『くっ……ハーフィ君ッ!』ビリ サラサラサラ シュバッ

半鳥『へ? うわっ紙が手裏剣みたいに ……メモ?』パシッ

麺『そこへ行くんだ! 老舗の玩具屋、その鉄の人形"対戦傀儡"のこともよく知ってる筈だ!』

麺『僕は模型を買いによく行く 名前を出してみてくれ!』

半鳥『はあ…… ありがとうございます』

麺『礼には及ばないよ! けど直ったらそれ僕にっ――』

機構助手『教授 その辺で』pray STUN WIRE SHOT

麺『あばばばばばばばばばばばばばばばばば』ttttttttttaaaaaaaaasssssssseeeeeeeerrrrrrrrrrrrrr

半鳥『お邪魔しましたー!』スタコラー


半鳥「とゆーわけでやってきましたここが老舗の玩具屋さんです」

ドリアード「なんで私まで……」つグラサン

半鳥「最近歩き回り辛くなってきてたでしょ? 研究室覗いたら寂しそうだったから」

ドリアード「寂しくなんかない 私は元々古木なのよ」

半鳥「うん 森に住んでるから一人ぼっちだったことなかったんだよね」
半鳥「帝都にいる時は私がいるから 大丈夫だから!」ニコー

ドリアード「……いいわもう それで」フイ

半鳥「照れちゃってこのこの こっち向きやがれ」ツンツン

ドリアード「やめなさい。お店に用があるんでしょ」

半鳥「はいはい! じゃ行こっか」

半鳥「ごめんくださーい」チリンチリーン

398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:11:45.81 ID:eC2dk0PHO


玩具屋「で 今回は何のパーツを造れって?」

禿客「でよぉ、だから奴の装甲をブチ抜けるように射突型ブレードを――」
太客「おい」
禿客「……っと」

玩具屋「いらっしゃいませ」

半鳥「(ハゲ デブ オッサン ふむイケメンの香りが毛ほどもしねぇ)」
半鳥「(なんて思っちゃダメだよねぇー教授みたくなっちゃうぅー)」

ドリアード「こんにちは……こちらで対戦傀儡を取り扱っていると聞いたのですけれど」

半鳥「頭が取れちゃって 出来たら直して欲しいんですけどー……」

禿客「……」
太客「……」

玩具屋「……対戦傀儡? そんなお高い骨董品はうちじゃ取り扱ってないよ」

玩具屋「君らが分かってるのか知らないが 起動させた対戦傀儡は抜き身のナイフと同じ扱いを法律でされる」

玩具屋「即逮捕とまではいかないけど 鑑賞目的の単純所持も怪しい曰く付きの代物なんだがね どこで手に入れた?」

ドリアード「…………私のじゃなくて今日はこっちの友人の付き添いですので」スッ

半鳥「ええっ」

ドリアード「(だって貴方 そんな脛に傷のある代物だなんて聞いてないわよっ?)」コソコソ

半鳥「(私だって聞いてませんから! えーどうしよめっちゃ怪しまれてない えー……)」コソコソ
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:13:58.92 ID:eC2dk0PHO

半鳥「き、(ょうじゅは違うかなぁ)」

玩具屋「きィ?」

半鳥「……帝都魔法大学の魔導機構学教授から貰いました ここも紹介してくれて」

玩具屋「魔導機構学……」

半鳥「(名前出せって言われたけどそーいや名前聞いてねぇ……アダ名だよねあれ 通じるかな)」

半鳥「えーと Dr.ヌードルって呼ばれてました」

ドリアード「何そのふざけた名前は……」

玩具屋「ああ……ああ ああ! はいはいはいあのあんちゃんね」

ドリアード「通じてるし」

太客「誰よ」

禿客「ほら麺キチガイの」
禿客「島国街の地下でやった帰りにギャラリーで痩せの大食い発揮してたヒョロガリがいたろ」

太客「ああ ああ ああ ああ 一人で大豚ダブル八杯も食ってたアホインテリか 対戦傀儡はやってないんじゃなかった?」

玩具屋「やってなかったけど理解はあったろ、普通の模型買ってきがてら見てたのもそう けど持ってたんだなぁ――」

玩具屋「御大層な肩書きまで付いてるとは まあ金さえあるなら入手ルートはいくらでもあるからね、何でもそうだけど」

半鳥「はい あはは そうですね 」

玩具屋「それじゃ分かった 承りましょう」

玩具屋「悪い、どっちかちょっと見てて貰える? 店」カチャカチャ

禿客「おいおい俺注文の最中だったろーがよ 俺も下行くよ」

太客「俺別にいいぜ どうせこの時間は客滅多に来ないしな」ドッコイセ

半鳥「玩具屋の常連さんですか?」

太客「いい歳してって思ってんだろ ははは 店より店長と馴染みなんだよ」

禿客「こっちこっち カウンターの裏来てみな」

玩具屋「俺の台詞だよ」ガチャ

玩具屋「ついてきて 階段急だから足元気を付けてな」カツ カツ カツ カツ …


ドリアード「なんかユルい」

半鳥「いいよ 素人相手だからってしゃっちょこ張られるより 行こ」

ドリアード「まあそうね」

半鳥「"らしい"とか"聞いた"とかぼかしちゃって 結構しっかり見てたんじゃんラーメン教授……」

400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:18:38.57 ID:eC2dk0PHO


老舗玩具屋 地下工房


禿客「電球は代えたのかよ」

玩具屋「ああ忘れてた 買ってこなきゃあな」パチッ

light on

禿客「散らかってるけど気にしないでくれな」ズカズカ

玩具屋「だから」

半鳥「うわ結構広い……あ バラしてるそれとか全部魔導傀儡のパーツ? あっちはでっかい金庫……」ほわぁ

ドリアード「前はよく 呪い師が木から削り出して呪術用の触媒を作ったものだけど」

ドリアード「今 この人形は骨がある上に全部鉄製なのね 凄いわね 安心したような寂しいような」はー

半鳥「マゾなの」

ドリアード「ああん?」ぐにー

半鳥「ごぇんなさい」いだだだ

玩具屋「?」

ドリアード「何でもないわ いい工房ね」パッ
半鳥「っつー……」ヒリヒリ

玩具屋「ありがとう 人形みたいなお嬢ちゃん」

半鳥「あのでっかい金庫は?」

玩具屋「金塊なんか無いよ」ヘヘ

玩具屋「あの金庫の中にさらに個別の金庫がゴロゴロ入ってるんだ」

玩具屋「家に持って帰れない客の魔導傀儡を預かったりもしてんのさ」

半鳥「へー……」

禿客「先ちょっと弄っててーわ いいか」

玩具屋「15番の鍵な ほらよ ……さて、見せてごらん 」チャリン

半鳥「あ これです 工具箱の中」ゴトッ

玩具屋「工具箱? 随分立派なのを使ってる……」ガチャ

玩具屋「……これは……はは 後ろのカッコイイのは名前? どれどれ――」

ロボット「  」キュイッ

玩具屋「(動いた?)」

半鳥「……」

玩具屋「(悪戯? いや、剥き出しになってる中枢部は空だ……魔導回路が抜かれてる これじゃ動かない 気のせいだろ)」
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:21:00.70 ID:eC2dk0PHO

半鳥「ど どうですか……?」

玩具屋「……んー…… このね、人形の頭に普通は……こいつを動かすための脳ミソみたいな部品があるんだけど」

玩具屋「頭部装甲を剥がしてそれだけ抜いてるんだよね 首の壊し方も酷い、工具で力任せに無理矢理やったんだわ」

玩具屋「丁度ほら、こんな感じのモンキーレンチでネジ切ったんだよ ……クソ」

半鳥「……………………」

ドリアード「よく出来た玩具なのに 心無い人間がいるのね……」

玩具屋「魔導回路はそこそこ高く売れるから それに危険物扱いされてるのは事実だからね」

玩具屋「ある程度儲かる目算があるからってのも勿論あるけど でも俺もやっぱり好きでやってるからさ、こういうの見ると許せないな」

ドリアード「お察しするわ こういう簡単に壊すのも作る大変さを想像できないからなんでしょう」

ドリアード「何にせよ 任せるのが情熱のある人で良かったわ ね ねハーフィ?」

半鳥「…………そっスね」

ドリアード「ハーフィ?」

ロボット「  」ギョロ…

玩具屋「……」
玩具屋「ざっと見て 回路の積み直しと剥がれた装甲と痛んでる旧フレームだなぁ、首から上含め総取っ替え 誓ってボろうとしてるわけじゃなくてさ――」

玩具屋「この型はかなり古いんだ 今のゲームで使われてる奴にはとても太刀打ちできない、マトモに遊べるレベルにするなら交換必須」

半鳥「(ゲームって……)」

玩具屋「ただフレームに関してはそこ以外割りと無事だし 下取りで多少安くできると思うよ」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:25:24.90 ID:eC2dk0PHO

半鳥「……で その えーと じゃあそれで大体お幾らくらいに……」オズ

玩具屋「そうね……」カタカタ ッターン
玩具屋「これくらいかな」show calculator

半鳥「どれどれ……」
半鳥「」

半鳥「」チラ

ドリアード「駄目です」

半鳥「私達友達でしょぉー……?」

ドリアード「だからこそお金の話を挟みたくないのが分からないのなら 今日からは一歩引かなきゃならなくなるわ」

ドリアード「私はそんなの嫌よハーフィ 貴女は」

半鳥「…………うぐぬぅ」

玩具屋「ははは 優しい正論だ」

禿客「笑ってていーのかよ」カチャカチャ

玩具屋「商魂も大事だが楽しんで笑わせるのが玩具の本懐ってもんさ」

玩具屋「ハーフィちゃんって言った? 扱っといてなんだけど対戦傀儡は高いから 金を貯めてくるか、でなきゃ無理はしない方がいいよ」

半鳥「うーん、そうですね……ごめんハンター君……」


ロボット「……ゴメンじゃない!」ビコォーン


玩具屋「うぉばっ!?」ポイッ
禿客「え? はっ?」
半鳥「ですよねー……」
ドリアード「……」

ヒューン ガシャッ

ロボット「いだ! 投げないでよおじさん!」flash MonoEye

玩具屋「……気のせいじゃなかった……のか マジか」
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:30:00.65 ID:eC2dk0PHO

半鳥「……だってしょうがないじゃーん……」

ロボット「しょうがなくない そもそもおれを壊したのだってムガモゴ」

半鳥「あー あー 口はこの辺でいいのね バラしててもこっちの頭を塞げばOKと」ガシ

玩具屋「? ……?」

半鳥「本当ゴメンって、あれで喚んだ人外は警戒しないといけないから…… お小遣い三ヶ月分はキツいんだってば」

ロボット「くそ、体さえ動けばおまえなんかっ……」

玩具屋「その 腹話術的な?」

ドリアード「いいえ、人形に何か憑いているようね ハーフィ側の私が言っても胡散臭いでしょうけど」

ドリアード「でも気配が薄すぎて分からなかった 普通の人形じゃないならどうしてそうと言ってくれなかったの」

半鳥「あれー、言ってなかったっけ? あははは……」タジ

ドリアード「……壊したのって」

半鳥「そんなことよりハンター君!! 自分の体の事なんだから君からもちゃんとお願いしなきゃなんじゃないのっ?」

ロボット「この この鳥ガラ女! おじさんなんとかして直してくれませんか!」

玩具屋「これは……困った っていうか理解が追い付いてない」

禿客「昔やってたアレみてーじゃんか今のお前 ラジオドラマのメカニックさん的な?」

玩具屋「何ですぐに適応できてんだよ ひょっとして俺はまだ寝ててこれは夢なのか?」

禿客「随分いい夢見てるな」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:30:33.33 ID:eC2dk0PHO

ロボット「お金は持ってないけど 直してくれたらお店の手伝いとかして返すから!」チカチカ

半鳥「うおっまぶしっ」

ロボット「お願いだよ!」

玩具屋「……うーん 直してあげたいのはまあ さっきっからそこは山々なんだけど」

玩具屋「本当に総取っ替えだからさボウヤ、君の体が大丈夫なのかも心配だしお金もちょっと無視できないのよ」

禿客「フレームは屑鉄とかから奥のオンボロマシンで部品成型して 組み立てはこの中年が手作業でやってんだ」

禿客「組み立ては慣れりゃ俺とかでも出来なくねーけど 装甲とかの"外"なんかは基本オーダーメイドだしなぁ」カチャリ

禿傀儡「  」

半鳥「今弄ってるのがおじさんの? 持ってるライフルとか背負ってるヤツって飾り?」

禿客「ライフルもロケットポッドも小さいだけで機能自体は本物の魔導兵器だぜ ライフルの弾は加工した釘だけど」

半鳥「へ〜」

ドリアード「危な……」

ロボット「……そ そこまでにしてなんて言わないから……せめて体をなんとか……」

玩具屋「んー……うぅーん……」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:31:56.66 ID:eC2dk0PHO


「……だーかーら そっちはスタッフオンリーだっつの!」

「奥にいるんだろう?」

「今は留守だよトイレ無ぇから下痢腹抱えて走ったっきり――ああ待てって!」

「通してもらうよ」

ガチャ

半鳥「?」

スーツ野郎「こんにちは」

玩具屋「こんにちは おしゃぶりなら2ブロック先にいいベビー用品を扱ってる店があるよ」

スーツ野郎「この店がいいな」

玩具屋「……本当にしつこい奴だね」


太客「あーくそズカズカ来やがって すまねえ」ドタドタ

ドリアード「お友達って感じじゃないけど」

禿客「老舗じゃない玩具会社の御曹司様だ お子様相手に手広くやって今じゃ財界の大物よ 親父が」

太客「親父がな」

半鳥「強調するね」

太客「一代で会社ぶち上げた親父殿は俺らも大したもんだと思うがよ あの坊っちゃんは――」

太客「札束でぶゎッさぶゎッさぶっ叩くことしか知らねえし出来ねえ」

禿客「長者三代ってありゃ嘘だぜ もっと早ぇ あのガキじゃ惨dieだわな」

半鳥「ひでぇ」

半鳥「あと太ってる方の人すいません唾飛ぶんでちょい離れて もっと!」

太客「ひでぇ 一歩離れたのにさらに言われた」

406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:33:38.13 ID:eC2dk0PHO

玩具屋「いくら積まれようが いくら条件を増やそうが 返事は変わらない」

御曹司「そんなこと言わずにさ うちの製作部門に来るのがあなたにとって一番なんだよ」

御曹司「対戦傀儡を作る腕前 工作機械の開発 ギミックのアイデア あなた個人はどれを取っても超一級――」

御曹司「ただ 経営者としてここを背負ってしまっているという一点だけがマイナスなんだ」

玩具屋「マイナス? 食うのには困ってないんだけどね」

御曹司「その能力を活かす環境があればもっともっと稼げる」

御曹司「多くの子供達を笑顔にできる 玩具を作る者ならそれが至上の喜びってものだろう?」

玩具屋「そうだね」

御曹司「なら」

玩具屋「手始めにそこのおっきな子供達から笑顔にしてみない 輝く頭と段腹が特徴の二人だ」

玩具屋「あの子達はここが無くなると悲しむだろう 泣いちゃうかもな どうしよう?」

太客「ランニング頑張ってるんです」
禿客「俺もう泣きそうなんだけど」

御曹司「大の大人が玩具で遊んでるのはおかしい」

玩具屋「自分のとこで作った玩具で遊ばないのか?」

御曹司「そんな暇ないから そういうことが出来るのは現場の人間ならではでしょ 好きならだけど」

玩具屋「……ダメだね 話にならない 坊っちゃんのとこで働いてたら玩具が嫌いになりそうだ」

玩具屋「帰んな 腕を買ってくれてるのは嬉しいけどおたくとじゃ反りが合わないよ」

御曹司「……そこまで言ってくれちゃうか」

御曹司「分かったよ じゃあこのやり方はやめだ」

玩具屋「……」

半鳥「どういう意味」

御曹司「店を潰す」

半鳥「は?」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:37:09.07 ID:eC2dk0PHO

御曹司「土地ごと買い取ってこの地下工房も埋めてやる いいよ まずは余計な枝葉の剪定からだ」

玩具屋「坊っちゃんの観葉植物になった覚えはない」

御曹司「何度も温室に移してやるって言ったのに断ったんだから仕方ないだろ?」

玩具屋「何が仕方がないって? 話通じてるかな? 前提が食い違ってないか、俺は自由に出来る玩具じゃないって言ってるの」

御曹司「出来るんだよ 話通じてないのはそっち」つ小切手

御曹司「とりあえず好きな額書いてみなよ ここが無くなるのはもう今決まったから 当面のこと考えてさ」ビリ

玩具屋「…………呆れて物も言えねぇ」ツカツカ

御曹司「どこへ行くんだ」

玩具屋「奥だよ すぐ戻るけどもう帰っとけお前は」


御曹司「……」

禿客「……」ガサゴソ

太客「ここ禁煙」

禿客「ちっ」ゴソガサ

半鳥「……」

ドリアード「……」

半鳥「……ねえ」

御曹司「?」

半鳥「お金持ちってホントにみんなコガネムシみたいな人達ばっかなの」

御曹司「何お嬢さん コガネムシ?」

半鳥「あれって花を食べちゃうんだよ "分かってない"お金持ちの社長さんにそっくり」

ドリアード「……幼虫は根をかじって枯らし殺すしね ぴったりじゃないハーフィ 上手」

半鳥「いぇーい」

御曹司「君達には悪いけど これはビジネスの話だから」

半鳥「そうなの」

半鳥「けど あの横からでごめんねけどさ 社長さんお金沢山積んででもここの店長さんに自分とこ来て欲しいんでしょ?」

御曹司「ああ」

半鳥「玩具作りが凄いから」

御曹司「そうだよ それが何か?」

半鳥「おんなじことされたらどうすんの」

御曹司「?」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:39:27.80 ID:eC2dk0PHO

半鳥「お金で無理矢理引っ張ったらまた今日積み上げた以上のお金で別の誰かに引っ張られちゃうんじゃない」

半鳥「いい腕してるからっていうなら店長さん欲しがる玩具野会社他にもあるんだろうし そもそも嫌々入らされる上に――」

半鳥「社長さん嫌な人だから お金さえあれば簡単にそっち転んじゃうよね お金だけじゃ釣られなさそうだけど」

御曹司「たらればの話を心配してたんじゃキリがない」
御曹司「いずれ人が資本に食われるなんて与太話が怖くて起業なんかできるかい? 分からないか」

半鳥「……もうちょっとさー、向こうからその気にさせようとか考えない? なんかビジネスとか以前の問題じゃないの」

半鳥「玩具で稼ぐんだから玩具で釣るとか……うーん? ごめんちょっと待って えーと……」

ドリアード「……ちゃんと話す内容纏めてから言いなさいよ……」ハァ

半鳥「感情が先走って」

御曹司「何が言いたいんだ 馬鹿なのか?」

半鳥「んーだから……職人気質の人って儲けだけじゃ動かないんだよ そういうもんなの」

半鳥「とりあえず社長さんも対戦傀儡で遊んでみればいいんじゃない 大人がどうだからとか言ってないで仕事として」

御曹司「……」

半鳥「……ごめんなさい 気にしないでー……」

御曹司「…………君 名前は」

半鳥「ええ……? 周りにはハーフィってアダ名で呼ばれてるよ ハーフのハーピィ」

御曹司「……安直だね」

御曹司「センスが感じられない うちでそんな名前商品に付けるような奴はクビにするレベル」

半鳥「そこまで? ふぅん あッそ」



玩具屋「よう まだいたの」

御曹司「もう帰るところだよ」

玩具屋「それがいい早く帰ってやんな 親父さんが待ってる」

御曹司「……父が何を」

玩具屋「話してきたんだよ 御隠居に免じて今日の癇癪は水に流してやる」

玩具屋「行きな 近く対戦傀儡の催しがある 準備で忙しいんだ」

御曹司「催し」

玩具屋「これで遊ぶんだよ いい大人……ああ……おっきな子供が集まって 大会ってな」

玩具屋「大人が来るとこじゃあない お気になさらず」

御曹司「…………」ジロ

半鳥「(店長さんを見るのは分かる、けどその次なんで私 そんなに怒ったんスか)」
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:45:00.17 ID:eC2dk0PHO

御曹司「……まあ いいや」

御曹司「精々腕を鈍らせずにおきなよ でなきゃ折角招いても待ってるのは座敷牢だからね……」

カツ カツ カツ カツ …

玩具屋「……」

禿客「クソガキが タンスの角に小指ぶつけろ チャックに皮挟め 入口の段差でコケちまえ」thumbs down

ドリアード「みみっちい……」

太客「しかし露骨だったな」

玩具屋「腐らせずにおく用意ができたってことだろね 先代はいい商売仲間だったんだけどな」

玩具屋「息子さんはそっとしといてくれないらしい、生き急いでるねぇ……」ガサゴソ

太客「ここ禁煙 って決めたのお前」

玩具屋「いいんだようるさいな」シュボッ スパー

禿客「まったくだぜ」シュボッ

玩具屋「ここ禁煙だっつってんだろマナーも守れねぇのか」フゥー

禿客「」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:45:30.95 ID:eC2dk0PHO

半鳥「……話が見えないんですけど……」

玩具屋「いいよいいよ気にしないで ほんと内輪のアレだからお客様に失礼なヤツ ごめんね」
玩具屋「あ 煙草大丈夫?」

半鳥「平気です」
ドリアード「気にしないで」

玩具屋「世渡りデキるタイプ」スパー

玩具屋「それじゃあ悪いけど、今日はもう店仕舞いにさせて貰おうかな 注文も来てるし 準備しなきゃだし」

ロボット「……」シュン

玩具屋「ややこしくなってたかも知んない、よく大人しくしててくれたなボウヤ そう凹まんでよ」

ロボット「だって……」

玩具屋「んー……じゃあそうだ 本物のゴーストにお目にかかるなんてのも一生に一度あるかないかだし」

玩具屋「一番安い中古のフレームで良かったら譲ってあげよう そのまま買い取ったやつだから魔導回路も付いてる 必要か知らんけど」

ロボット「え…… そ それって体直して貰えるってこと!?」

半鳥「いいんですかっ?」

ドリアード「よかったわね けどどうやって霊魂の定着を移すつもりなの」

ロボット「ていちゃく?」

ドリアード「つまりハンター君 あなたのその意志の宿ってる箇所が今分からないでしょう? 見てると多分頭だと思うけど」

玩具屋「オバケのオバケ的心臓がどこにあるかってことだろ? その辺は上手くやっとく 任せなさい」

ドリアード「あら なら慎重にやってあげてくださいね」
ドリアード「骨を引っ掻くだけでエクソシストを名乗れるようになるかも知れないから」

ロボット「えっ?」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:47:41.94 ID:eC2dk0PHO


禿客「いやー しかし本当にそれ自力で目ぇ光ってんのか ロボ夫」

ロボット「ええ あー うん……」

太客「店長様が直しゃあ動いて喋るロボ吉が見れるってことだろ? すげーよ、コミックの世界じゃん! なあ?」

禿客「懐かしいし面白かったけどあれも今考えると凄い設定だったよな、やることなすこと対戦傀儡の勝負で決める世界で――」ペラペラ

太客「帝国転覆を目論む悪の天才魔導師と帝国情報局エースの主人公のガキが 時計塔頂上でカウントダウンの始まった時限空間消滅爆弾の前で決着付けようと――」ペチャクチャ

禿客「対戦傀儡でな その後の島国から来た傀儡忍者編とか戦う共和国議員編とかも――」ベラベラ

ロボット「……」ポカン

半鳥「なんか始まった」

玩具屋「終わりだって言ってるだろ さあ帰った帰った家でやれ ハゲお前のはしまっといてやる」

玩具屋「ハーフィちゃん達はまた明日来てくれるかな? ハン太預けていってくれるならだけど」

半鳥「私は願ったり叶ったりです それでオッケーハンター君?」

ロボット「おれもいいよ いいけど」

ロボット「も もう痛くしないでよ……?」

玩具屋「まあ……頑張る」

ドリアード「じゃあ よろしくお願いします」

半鳥「お願いします!」

412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:54:34.67 ID:eC2dk0PHO



半鳥「やー良かった、なんとなく高いだろーなぁってのは想像ついたから」

半鳥「ドリアードちゃんに断られた時はどーしよーかと」

ドリアード「…………ふーん ああそう 財布が欲しかったのね」ジト

半鳥「冗談だよ!」

ドリアード「どうだか サモナーやさっきのお子様を見たでしょう」

ドリアード「お金があることが必ずしも楽で豊かとは限らないわ お金って怖い」

半鳥「……ドリアードちゃんが孤独なセレブの階段を上ってる……もう慣れてきたけどなんか服もお洒落な感じになってってるよね」

ドリアード「やらされたとはいえ一応自分の身で稼いだ物だけれど ポンと大金が入るのも考え物よ……」

半鳥「わあ嫌味ったらし」

ドリアード「……」

半鳥「……怒った?」

ドリアード「愉快ではないわね 怒ってもないけど」

半鳥「ドリアードちゃん大好き」

ドリアード「私もよ 貴女も内面から段々素敵になってきてるわ師匠に似てきて」

半鳥「じゃあさじゃあさ、それで美味し(くて高)いご飯のお店があるんだけどォー!」

ドリアード「………………」



413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 22:57:55.99 ID:eC2dk0PHO




帝都 某所路地裏


資産家「行くぞ!」


SMOKE GRENADE

資産傀儡『   』ボシュゥゥウウウウウウウ

外套男「(残弾の怪しい煙幕を撃った、仕掛けてくるな 巻かれる前に距離を置く 何で来る――)」

外套傀儡『(一旦後退)』back step

資産傀儡『  』RDY RIVET-MACHINEGUN

BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM

外套傀儡『  』チュィンチュィンチュィンチュィン

外套男「(炸裂弾でもなし 通常釘弾をバラ撒いてどうする気だ)」

資産傀儡『(当たった そこか!)』SMOKE.G more

ボシュゥッ……

外套傀儡『(追加の煙幕! 煙越しに位置を特定してきた――傀儡の聴覚で拾ったのか?)』avooooooooid

外套傀儡『(跳んだら魔力噴射の光と反応で嗅ぎ付けられる オーバーヒートまで宙で踊らされ着地を殺られて終了だ)』チュィン ガスッ チュィィーン

資産傀儡『(包んだッ! 次のランチャーで炸裂弾を叩き込みそのまま削り殺すッ!)』ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

外套傀儡『(中距離戦でアクセントに使ってきた炸裂グレネードはまだ残ってる筈だ 次はそれが来る)』

外套傀儡『(榴弾銃は単発中折式 やるなら装填中の今)』バッ

資産家「!」

外套傀儡『そこ』flying knee

ガッシャァァアアアアッッ

外套傀儡『(頭部小破 胴体小破 腕部中破 膝関節が今ので中破 噴射で無理矢理動かせばまだ行ける)』バシュ

資産傀儡『(頭が、揺らされっ――)』グラ

外套傀儡『ガラ空きだ』straight fist

バギャアッ

資産傀儡『   』HEAD breakdown


資産家「なん だとッ……」

外套男「頭部を破壊された傀儡は失格となるだったか 今も変わってなければ」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 23:00:35.77 ID:eC2dk0PHO

外套男「ベテラン風吹かしてたようだが どうだい? ぺーぺーの若造にそれも武器無しで負けた気分は! ククク」

資産家「ぁぐ……一体どうやってこちらの位置を……感覚同期は一朝一夕で身に付くもんじゃないぞ」headache

外套男「人形のことは人形にやらせればいい 撃たれまくって痛いのが嫌なら撃ってきた方向も死ぬ気で探るってな」

資産家「な、何を言って……?」

外套男「急に見繕ったから武器まで間に合わなかったというだけなんだが 丸腰は慣らし運転に丁度良かった」

外套男「さ 約束は守って貰おーか」スッ

資産家「……正直、いきなり現れたかと思ったら"催し"の権利を賭けて勝負しろと殴り込まれ――」

資産家「五分でこの様だ 私がプレイヤーだということや出場権の有無をどうやって知ったのかも含め 非常に納得できない」

外套男「レンガやブロックからは目玉と耳が生えるもんだ 資産家なら知っておけ」

外套男「で 反故にする気ならどうする 靴でも舐めて頼み込んでみるか」ヒョイ

資産家「……いいや……そんなことは言ってない 悔しいが……」つ鞄

資産家「私も対戦傀儡を嗜むプレイヤーの端くれ 愛機を駆り負けた以上勝負に乗せた約束は違えない」ゴソゴソ

資産家「持っていくがいい」つボルト

外套男「……ただの汚いネジにしか見えないんだが」しげしげ

資産家「どういう物かまでは知らなかったんだな? ペテンにかけているのではないよ」フフ

資産家「旧型フレームの大ボルトに手を加えたそれのネジ山が開催場所のドアの合鍵になっているんだ 器用だろう」

外套男「開催場所に入る権利はやるから勝手に入れと…… チケットみたいなものを想像してた」

資産家「私もそうだったよ」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/12(日) 23:01:06.20 ID:eC2dk0PHO

資産家「目的は果たしたようだが まだ何かあるか」

外套男「ない だがおっさんあんたは物欲しそうな顔をしてる 暇だからな」

資産家「仕事の切り上がったところに颯爽と現れたのは調べたからか」

資産家「もう一勝負どうだい? 対戦傀儡はまだある」

外套男「面白そうだが賭け試合の方に興味がある そっちの準備がしたい」

外套男「今度は準備万端で来られるやも知れないしな 私はこの一匹きりなんだ」

資産家「金か それともギャンブルが好きなのか、そっちはどうでもいいが……ふむ賭け試合……」

資産家「……なら こういうのはどうだ?」

外套男「?」



416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 21:08:10.43 ID:n06ejEfJ0
おお!?いやはや熱くなってまいりました!!
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 05:49:00.07 ID:z2xSY1670
乙!
本当に誰も彼も味わい深く書かれるお人だ
対戦傀儡については、コミックとラジオの方も気になるな!
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/15(水) 12:35:29.31 ID:wY1ttWZ40
こちらで言う所のデュエル脳やボーグ脳と同じ感じな訳ねw傀儡脳とでも言われているのだろうw
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 18:24:43.91 ID:mVE6uXoa0
"催し"の会場への入り方まで凝ってる。同好の士ならではってヤツなんだろうな
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/17(金) 20:18:01.35 ID:0SKPIXWS0
外套の男とは何者で、どう繋がるのか……
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/02/19(日) 18:50:44.60 ID:JTqNCAcl0
軽い話から熱い話にシフト!

ところで対戦傀儡って例えるなら【プラレス3四郎】【メダロット】【カスタムロボ】
【ミクロマン(旧版含む)】【エンジェリックレイヤー】【武装神姫】【ダンボール戦機】どれに近いのかねえ?
まぁ【やろうと思えばどれだろうと可能】ってのが正解っぽいんだろうけどねっ
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/23(木) 16:54:15.78 ID:STozTom70
乙だね!
傀儡達に操作以外の思考があるように見えるのは、感覚同期ってぇのの表現なのかい?
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 17:51:50.70 ID:40s6Xxr40
武装神姫で思ったけど、そもそも対戦傀儡に女性型は居るもんなんだろうか?
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 23:32:34.57 ID:FKJ0eI+b0
>>1さんも繁忙期でお疲れっぽいかな?
425 :職種が変わり申した 繁忙期がある仕事じゃありませんが大分間が空いてしまってますね 忘れてるわけではないのでどうか待ってて!! [sage saga]:2017/03/07(火) 15:59:28.92 ID:I0n+totxO
 
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/08(水) 17:42:43.71 ID:WnIiYlmO0
ありゃ、何か急かすみたいになっちゃいましたね
こちらは待ってるだけで丁寧に練られた作品を読ませてもらえているんですから、今後も余裕のある時にゆっくりと練って頂ければと思っております
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ sage ]:2017/03/11(土) 00:49:16.19 ID:hKzgIr0H0
そうですよ、みんな1は時間が掛かるけどいい文書を書いてくれるて分かってますから
自分は気長に待たせてもらいます、暇なときここを除いて続編が来たどうか確認しますから、ただその変わり時間をかけても良いので文章は丁寧に書いてください、まあ要望してはそんな感じです
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/11(土) 08:15:00.35 ID:Q48Dj3uN0
そんなことよりおうどんたべたい
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/11(土) 14:07:37.74 ID:vCC2svILO




玩具会社 社長室


コン コン

御曹司「どうぞ」

ガチャ

秘書「失礼します 例の件、資料に纏めておきました……」つ茶封筒

御曹司「ありがとう 相変わらず仕事早いね 下がっていいよ」パラパラ

秘書「……ええと」

御曹司「何?」ペラ

秘書「社長にお会いしたいという方が……その もうそちらまで」

御曹司「今日もう何にも無かったよね? 歯切れ悪いんだけど。その辺の管理君に一任してるよね自分でも覚えてるけど一応さ」ペラ

御曹司「誰」ペラ

秘書「お父様です」

御曹司「……あぁ なんか言ってたなあの人が……」

ガチャ

先代「あの人 か」

秘書「先代社長! 困ります」

先代「何が困る 私に見せられないものでもここにはあるのか」

御曹司「そんなものはない 見せて得をするものが無いから」ポチ

先代「彼から電話があった」

御曹司「いたよ」

先代「久しぶりの会話がこんな形になるなんて、とまだ前置いてくれていたから良かったが」

先代「買収と地上げをやられたと言っていたぞ いい加減にしろ……」

御曹司「同業他社を潰し自社の力にするこの上ない良案でしょ」

先代「彼に関わるな」

御曹司「何故? あんなに褒めていたのに」

御曹司「評判を聞かされて俺は育った 興味を持つのは自然な流れだ 実際――」

御曹司「この帝政政治国で鶴の一声に背き 細々とはいえ鬻いでいけるだけのものを持っているのは本当に凄いと思う」

御曹司「今の私と我が社に無いものを持ってる 分かっていますよ"先代"だからです」

御曹司「性急に見えるだろうけど準備を重ねてきた 彼を使いこなせるのはうち以外にない」

先代「……使いこなせる……? 分かってない お前は分かっていない……」

先代「彼は放って置くんだ お前なら他にいくらでもここを盛り立てる手段を考えつく筈だ」

御曹司「皮肉かよ」パラッ

先代「お前はまだ若い あの時の彼よりも」
先代「同じ轍を踏まされるぞ」

御曹司「……」


ガチャッ


警備員1「社長! 何事ですか」

先代「?」
430 :また長くなりそう…… [sage saga]:2017/03/11(土) 14:09:48.70 ID:vCC2svILO

警備員2「机の下の非常用警備ボタンが押されています 誤報でしたか」

御曹司「迅速だね」
御曹司「呼び鈴に使った こちらの老人が帰るところだから入口まで安全にお送りして欲しくてさ いいかな」

先代「お前っ……」

警備員1「こちらへ」

先代「私は前代の社長だぞ 不審者扱いするつもりなのか!」バッ

御曹司「だからこうして見送りをつけるんです先代社長 他の客や不審者にはしないことです」

御曹司「"あり得ない""前代未聞""常識外れ"対案を出せないネガティブな社員はもううちにはいない」

先代「そうだったな お前が重役連中を菜切りにした日もこうして私は来た 本当に愚かなことをした」

御曹司「今日は忙しい もういい?」サッ

警備員2「……」

先代「……いや……近付くな自分で行く 警備員も新品というわけか」

先代「もういい 分かった 今後お前のやり方に口を出すことはしない」

先代「ただ 譲ったことをこれ以上後悔させないでくれ」

御曹司「階段 急でしょうが気を付けて」

先代「……」

ガチャ バタン
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/11(土) 14:11:24.24 ID:vCC2svILO


秘書「……」

御曹司「でと……続き続き」パラ パラ

御曹司「…………ん 件の場所は本当にここで合ってるの? こんな大きな倉庫を借りてたのか」

秘書「確認しました パトロンがいるようです」

秘書「場所を提供する客が何人かいると 今回は帝都郊外や辺境に土地を持つ富豪の客がそのようで――」

秘書「数々のご友人に混ざり度々明らかに毛色の違う人間と一緒にいるのを見たという話もあります 信憑性は高いかと」

御曹司「倉庫は主要幹線と近いしね……リストアップされてるがこの人、森に山に平原に」
御曹司「遠くじゃ丸ごとの小さい町や村まで持ってるんだ 凄いのを誑し込んでるな」

御曹司「帝都に持ってる土地で稼いで 遊びに近郊で塩漬けにしてるか何かの所を使うと ふーん……」

秘書「やるのなら人里離れていることも必要です 小火器オプションは爆竹レベルですが対魔獣用拳銃並みの口径を持つ物もありますから 騒音が」

御曹司「あれは野蛮な遊びだろ やるなら起伏に富んでたりなんかする所だな いくつか印がついてるやつがそう?」

秘書「広さなどを適当に鑑みた目星でしかありませんが 付けていないのは主に一軒家等の物件類です」

御曹司「ま、たかが人形遊びだし 大型倉庫一つあればまさかそのためだけに貸し切った土地へ出向くこともないだろうけどね」

秘書「次を」

ペラ

御曹司「これこれ」

秘書「財力的にパトロンが可能な方の内 交渉に応じ得るかと思しい方々の名簿です」
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/11(土) 14:13:05.97 ID:vCC2svILO

御曹司「…………」ペラ ペラ

秘書「他 いくつかの備考は最後のページに」

御曹司「操縦感は魔導鎧に似る パーツは全て手製少なくとも現在1000種以上 賭け試合のブックメーカーは外注 店主はイボ痔ぃ? おいおい」フフ

御曹司「この紙束だけでちょっと前の会食に出てきた余興とかぶっちぎりだよ 名簿は名簿で年いってるのばっかだし ははっ」ハハハ

御曹司「ご苦労様」

秘書「ありがとうございます」

御曹司「早速始めるよ 会社からは何か?」

秘書「新しい玩具の企画が立ち上がっております 近く話を上げるとのことです」

御曹司「会議の日取りを掴んできてくれ 折を見て突撃」

御曹司「何が話を上げるだ、貴重なお時間を取らせたくないとでも言うんだろうね まだまだナメられてる」チラ

秘書「……」

御曹司「はい終業時間 今日やって欲しいことは終わったから疲れ取って 明日から少しの間いつも以上に忙しくなるから」

秘書「では お先に失礼いたします」

御曹司「お疲れ様」

ガチャ バタン

御曹司「……さて まず銀行からだ」ジーコ ジーコ


433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/03/11(土) 14:15:11.52 ID:vCC2svILO


翌日

帝都魔法大学 召喚魔法研究室


ガチャ

半鳥「おはよう教授」

ドリアード「来たわね おはよう」

術師「おはよう弟子」ペキ

半鳥「学生さん達のレポートのやつ判子やっといたの見た? 言われた通り適当にだけど」

術師「押してないやつの言い訳を適当に聞こうか」

半鳥「そっちよけてるのは適当に難しかったやつ」

術師「ん 半々だったな、面白い内容のはお前が処理できた方に偏ってた」シャッ シャッ シャッ

術師「よけた方に紙繋げまくってやたら長くなってるレポートがあったろ 1行に1単語で1000行達成してたやつ」

術師「あれ書いたバカが最優秀賞 奴以外に評価をやろう」ペキ

半鳥「流石にマズくないっスか」

術師「モグリモグリ」ペキ ペキ

ドリアード「あら 優しいのね」

半鳥「何かの暗号かと思ってそっちにやったんだけど ていうか本当に1000行やった人いたんだ……なんも出ないのに」

術師「冗談だって分かるだろうにな 一々真に受けてちゃ生き辛そうだよな」シャッ シャッ

半鳥「真面目なのはいいことだと思うよ」

術師「そうですね」ペキ
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