過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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◆zO7JlnSovk
[saga]
2018/10/18(木) 21:23:25.28 ID:O/Bsn0vio
【 、──── 音が響く、耳障りな音が、──── 】
【例えるならそれは蝕みの音であった、脳裏にこびり付いた瘡蓋を、欠けた爪で剥ぐ様な】
【加えてそれは百代に刻まれた因業の如く、運命が追いかける様な歪む音階で】
【路地裏から響く音、──── それでも興味を惹くには十分に】
【 "貴方"は如何なる理由を以てそこに飛び込むのだろうか、蛮勇か或いは、何かしらの意図をして】
【弾む手まりの嘶く拍子を、脳髄へと溶かし込んだ果てに似て】
して、乙女の食事を覗く野暮な御人は、何方でありんす?
【長い茶色の髪を後ろ括りで結い、鮮やかな簪で一つに纏める、それでも前髪が額を濡らすほどの髪の量】
【肩を露出するほどに大きくずり下げた色打掛、赤を基調としたそのデザインは、服の上で花が咲いた様に】
【前に組むのは艶やかな俎板帯、一片の隙も見せない、鮮やかに溶ける花魁の様相】
【紅色の瞳が印象的な少女、重ねた和装の上でも分るほどに肉感的な体つきをしていて────、】
【彼女は口元を扇で隠し、路地裏に佇んでいた、流し目、流麗な瞬きの中に艶を浸して】
【────、足下には血溜まり、新鮮な血液が、月明かりに照らされて煌々と】
【けれども無かった、あるはずの、傷を受けた、或いは死んだその "もの" が】
【──────── 今ならきっと分かる、脳内に響いた、貴方を呼び込んだ音の正体】
【咀嚼音であった、と、徒に笑った】
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