過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/10/15(月) 22:15:13.22 ID:Vs2rAjY50
【街中――大通り沿いのカフェ】
【ほんの少し前の暑さも忘れてしまったような温度の日だった、甚く涼しげな風が吹くたびに、空は少しずつ夕暮れて】
【空を見上げれば端っこから少しずつ夜になっていくのがよく分かった、――ぱちりぱちりと遠くの方から、通りに設置された街燈が点灯していって】
【だからこそ傍迷惑な客の姿もよく目立つと言うもの、――店の前にいくつか設置された外の席、その一つに、突っ伏す誰かの人影】
――――――――……。
【――服装と見える身体つきから判別するに少女らしい、とは、分かるのだけれど。それ以上の理由はきっと分からなかった、強いて言えば、】
【席に立てかけるようにして置いてある松葉杖とそのともすれば今にも倒れてしまいそうな斜めの角度が何かを説明しようとしているみたいに見えるのだけれど】
【あるいはもう少し考察を深めるのなら、突っ伏す頭のところに置いてあるものがこの店のテイクアウト用カップに詰められた、おそらく元はミルクティーだったものが】
【とっくのとうに溶け切った氷ともともとの内容物が分離してしまって二層になっているのと、たっぷりかいた汗がテーブルまでしっかり濡らしていることから、】
【おそらく結構な時間そうしているらしいこと。――――それから、それから、体調でも悪いのかと(おそらく数度目の確認なのだけど)聞きに来た店員に】
【ちらりと――割と凄い目を――向けているから、死んだりはしていないらしいこと。――真っ青な目はそれでもひどく拗ねた様子であったから】
――――もおっ、ひどいよ……。
【退散/追い返され/店内に戻った店員がひそひそと数人で囁き合っていた、ならば警察か何かを呼ばれる一歩手前、それでもやはり突っ伏す彼女に】
【もしも近づく誰かが居るのならそんな呟き声でも聞こえるのだろうか。常なら甘やかそうな気配を孕む声、けれど今では拗ねきってぶちぶちと不満を表明して】
【たぶん一番不満を表明したいのは店なのだと思うんだけれど、――あげた顔をまたゆるゆる戻して、籠城のポーズ、再建してしまうから】
【――腰まで届く白銀の髪が夕焼けの風に揺れる、瞳はひどく澄んだ青色で、縁取る睫毛は白と薄藤を重ねた色合い。顔は、どこかあどけない少女のものであるなら】
【いくらか背が高いのが目立つかもしれなかった。白いタートルネックに深い赤色の全円スカート。足元は丈の短いソックスに、右足には甚く厳重に包帯が巻かれて、】
【ぎゅうっと自分の腕を掴む指先は丁寧にドレスグローブで隠しこまれていた。――総合すれば十七ほどの少女であるのだけれど、如何せん、やさぐれた雰囲気が目立つから】
ばか……。
【――――もし誰かが近づくのなら、拗ねた青色の瞳にぞろっと睨まれることになるのだろう。けれど、それを気にさえしなければ、別に噛みついたりするわけではないのだけれど】
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