過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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◆zuR4sSM1aA
[sage saga]
2018/10/15(月) 19:31:02.01 ID:Ogx5srvQ0
>>524
【体は横たえていながらも、その視線はしっかりとしたものだった】
【月輪を眺め、何故自らがこの場所に居るのかを模索する──果たして、ここは死んだ先にある地なのか?】
【幾ら記憶の糸を手繰ったところで、このような風景の場所など出てこないのだけど】
【気配、足音──それだけで、男は誰かが近づいてきていることを悟る】
【サーベルの柄をしっかりと握りしめ、足音のする方向──月影が輝く方へ目線を移す】
【こんな人間に興味を寄せる好き者がどんな人物であろうかと、月輪の姿が歪んだ方を凝視すれば】
「あたかも天女、ってところか。俺は死んじまったみたいだな」
【胸元までずり下げられた艶やかな着装、その上からもわかる肉感的な体つき】
【花魁というよりも、むしろ天女のようで──彼女の存在は、死地にたどり着いたのだと錯誤させる程で】
【サーベルから手を離し、天女の顔を見上げる。眉間の皺は、すでに消え去っていた】
「ダァホ、火遊びしたってここまで傷を負う程馬鹿じゃねぇよ」
【火遊びをしたとしても、ここまで傷を負う程馬鹿ではない】
【傷を負わせられた上に、焼かれたのである。遊びと言う程愉快なものではなかった】
【未だに傷がじくじくと痛む。立ち上がろうとすればすぐさま悲鳴を上げたかのように激痛が走る】
「んで、お前さんは何しに来た?横たえているだけの男を見に来ただけって程の好き者でもねぇだろ」
【天女のような装いをした彼女に、男は問うた──お前は何しに来たのか、と】
【何らかの目的があって近づいてきたのだろうか。ともかく、寂しい夜だ。話に付き合ってもらうくらいはいいだろう】
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