過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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487: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/08/29(水) 22:00:08.03 ID:yulifd4J0
>>484

【"彼女"の結論は肯綮に中っていた。 ─── 本質からして彼らは、人皮を被った狼である。最大多数の最大幸福を追求する公機関であるという点を除けば】
【禁じ手知らずの迅速激烈を旨とする点において、墓暴きと同質の組織であった。犠牲者を出さなかったのは、出す必要がなかったからに過ぎない。】
【道理があるのならば誰であろうと何時であろうと何れだけであろうと殺せるのが、後藤たちの本質だった。 ─── リーイェンがその喉笛を戒めるのも、然るべきこと。】


「 ───………… "機械の中の幽霊"ねえ。」「今更チューリング・テストの是非を問うつもりは、おれにはないよ。」
「生身の頭脳と人工の知能の間に、截然たる境界があるとも考えちゃいないしね。だが、 ───……… まあ、これは此方の話だな。」


【然して血を浴す事そのものを好まぬが、彼らを獣から遠ざけていた。なれば彼の言葉は、婉曲した警告だったのかもしれない。】
【感情的になった協力者は不能である。リーイェンが嘗て忠告した言だった。 ─── それを後藤は否定こそしたが、然し】
【人間であろうとなかろうと、あらゆる知性の屈折した心理を弄び、都合よく導いてきたのが虚ろの神々であるのも事実だった。狂気に近付いて尚も、その正道を糺さねば】
【屈辱や狼狽を前にした時、彼らは行く路を見失うに違いなかった。それでも告げ切ることはしなかった。言語のみでは通達し得ない理解もある。】


「であれば奴の目指す"調和"とは、やはり存外に穏やかではないものなのかもしれない。 ─── 無論ながら、奴さんへ直接に聞いてみなきゃ分からんが」
「敢えて逆説するならば、影が世界を覆うなら、それを影と知るものはいない。 ……… いくつかの推論くらいは、立てておくに躊躇うことはなさそうだ。」


【そこで一つ彼は言葉を切り、 ─── 大きく嘆息するのだろう。そこからは現実の領域だった。彼らの寄って立つ業界だった。】


「 ……… 本格的な資料の押収は、ウチも画策していた所だ。」「渡りに船。解析にあたっても外部の協力が得られるなら有難い事だし、ね。」

「繰り返しにはなるが、政界の中にも彼の高踏的な態度を好ましく思っていなかった人間は多く居る。 ─── まして」
「生前の嵯峨野は調停官という一種ピュアな中立性を求められる役職に就きながら、民間企業との癒着とも取れる関係にあった。」
「そこに重なって今回の件だ。 ……… 利潤の為だけに首を突っ込んでたような連中は、揺さぶるまでもなく手を引くだろうよ。」
「有り難いことに後ろ楯にも心当たりがある。 ─── これでもまだ遮られるなら、そっちにも働きかけてみるさ。」

「 ─── 奴が虚神を創る過程において試みた仮説、実験、結果、」「その全てを可能な限り収集し、整列し、記録しよう。」
「然るに、ひとたび記憶したモノを掻き消せぬのもまた人間だ。認識上の罠が仕掛けられている可能性も、十二分にある」
「二の足を踏むつもりはないが二の舞も避けたい。 ……… 保険と人選には、細心の注意を払っておくよ。」


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