過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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265:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/15(水) 00:03:53.53 ID:WXC9Iihe0
>>260

【ウォータータイマーだってもっと情緒的に泣くに違いなかった。それくらいに彼女はただ子供みたいにひたすら涙を落としていた、どうしようもなくなって】
【迷子のしぐさと変わりなんてなかった。どこまでも迷ってしまった子だった。気づいたらはぐれてしまって、誰も居なくなって、行き先さえも朧気に】
【どうしようって振り返る道はもう戻れるはずもなくて。どうしようって見据える先もまた暗澹の中に微睡んで。だからもう蹲るしかなかった】
【だけれどそうしていたら助けてくれる人なんてどこにも居なかった。夜空はただ遠く煌めくだけで味方なんてしてくれなかった、神様さえ】
【ほんとうにいるの、って、疑ってしまいそうになった。だってみんながそんなの居ないって言うんだ。そんなはずないのに。ないよね?】
【って呼びかける声すら虚空に吸い込まれていく、せめて反響でもしてくれたら気が紛れただろうに。前後とも闇だった、だから惑う】
【伸ばす両手はそれぞれ前か後ろにしか向けられない手をしていた。だから必然的に張り裂けてしまうしかないに違いなかった、】
【それなら右の手まで蛇色にしてしまえば憂いなく先へ進めるのか、それとも狼なら要らぬ手など食いちぎってくれるのか】
【自分を否定する声ばっかりが聞こえて泣きたくなる。神様が居ないなんてそんなはずなかった、信じたくなかった】
【だけど現実として神様は自分を助けてくれていなかった。どちらかへ進まなきゃいけなかった、難しいのに】
【だからどちらも決めることが出来なくて蹲って泣いているのとおんなじだった、しにたいって呟くなら】

【そのまま殺してほしかった/そんなの駄目よって優しく抱きしめてほしかった――だから死にたい】

――――――――――そんなの、知らない……。
……ねえ、知らないです、そんなの知らない、知らないよ――、っ、……ちが、う、――、ちがくて、あああああぁ、もぉ――、
私は、……。ウヌクアルハイ様……。ウヌクアルハイ様に、救って、ほしくて、……。だって、私と居ると、みんな――、死んじゃうんだ、
不幸になるんだ、だから……、だから、嫌だから、もう、やだから……、だから――、ウヌクアルハイ様は蛇の神様だから…………。
蛇の神様に赦してもらえたら……だから……。違う、違うの、狼じゃない、――、違うの……。

【――ぎゅう、と、自分を抱きしめる、そうして漏らす言葉は、】
【けれどすぐさま自分の言葉で否定される。ひどく絶望的な声をしていた、自分なんか嫌いって言い捨てる声をしていた、けがらわしいものを見るような目をして】
【地面に落ちてるなんだか奇妙にカラフルになった雑巾を片付けないといけないような声をしていた、指先でつまむことすら死んでしまいたいほどの嫌悪感を孕んだ】
【知らない? そんなはずなかった。そんな言葉赦されなかった。ウヌクアルハイはウヌクアルハイであるはずだった、何かに置き換わることなんてありえないでしょう?】
【それならやっぱり死にたかった。――だってそれがきっかけだったのだから。蛇に呪われていると思っていたから。それも違うって言われてしまった。どうしたらいいの】

【であれば彼女は間違いなく誰かを思い浮かべてしまっていた。狼――それはいつか彼女が口にしていた、誰かを呼ぶときの、符丁】
【それが示す人間なんて一人しかいなかった。全部が繋がってしまうのだろう、ぎちりと強張った身体、それなら――、それなら、抱きしめてほしい、みたいに】


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