過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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16:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/09(木) 18:22:40.56 ID:xSkVyWoQ0
>>14

【顔にかかる髪の毛を優しい指先がそっと退かす。そうしたらちょっと揶揄うみたいな温度で頬も撫でるんだろう。柔らかな歌声も刹那止んで】
【小さく笑うような吐息。また歌ってやる。自分もいつか聞かせてもらった歌声だった。――蛇の神様に歌ってもらった子守歌。だから、人間の言葉じゃないけれど】
【かといって蛇に言語はないから。だからそれは蛇の神様にしか歌えない曲で間違いないんだろう、信仰を得て言葉を手に入れた蛇から見た、世界のかたち】

――――――うん、わたしだよ。

【――あるいはだからこそ少女は笑う。もはやヒトから外れて等しかった存在は自分を蛇だと認めることで、ようやく、安寧を得たのだから】
【何度も呼ばれたなら少し困ったような顔でもするだろうか。それでも嬉しげに笑っていた。あるいは相手を安堵させるかのように、笑いかけて】
【崩れ落ちそうに震える指で必死に身体を起こすなら両腕も伸ばすんだろう。相手が受け入れてくれるなら――自分の胸元に、抱き留めようとするに違いない】
【それで受け入れてもらえたなら、ぎゅうって抱きしめて、頭から背中までを一続きに何度も撫ぜるんだろう。頑張った子にする、ご褒美みたいに】

ヤサカさんが夕月ちゃんはお休みって言ってたから、探してたんだ。……。……。次はセリーナも探さなくちゃ。
……わたしは元気だよ? 夕月ちゃんの方が、――元気じゃないみたい。わたしのために頑張ってくれたの? ――ずっとね、聞こえてたよ。ありがとう。
だのに。……遅くなっちゃって、ごめんね? だけどね、もう、大丈夫だよ。見つけたから。……。

――――、泣かないで。大丈夫だよ。わたしね、ここに、居るから……。

【――――――見つけた。から。引きずりこんだ。いくらも乱暴すぎるやり方だった。だけれど、そうじゃないと今の自分には世界でのかたちが存在しないから】
【けれどある意味では危なっかしい行為だったのかもしれない。この少女は相手の現状を知らなかった。それでもかろうじて平和に思えた、優しげに見えた】
【わたしここにいるよって囁く――そんな"ここ"がありふれた世界とは異なっているんだとしても。確かにそこに居るのは彼女だったから、それでもいいなら】
【泣かないで大丈夫だって言って。――いろんな言葉を端折って、ただ優しい言葉だけ連ねる。"彼"の名前を口にしていた、だから、何かがあったんだろう】

【――別に、その言葉は、相手の泣く自由を剥奪するようなものではなかった。だから、泣きたいのなら、まだずうっと泣いていてもいい】
【そうだったとしても少女は柔らかい表情で泣き止むまで背中を撫ぜたりするから――だから、相手に委ねられて】

/おまたせしました!


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