過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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15:タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk[saga sage]
2018/08/09(木) 17:53:41.72 ID:ROo/6Q+F0
>>13

っ……ふ、ぁ――――ッ

【指が撫ぜる。耳を撫ぜる。首を撫ぜる。滑らかに、手慣れた手つきで、温かく、ゆっくりと】
【そうして指に触れられる感覚に、彼女は耐えて、堪えているのだろう。強張る様な、かすかな震えがその身体を走って】
【耐えきれず視線を逸らしたのと、再び呼吸が乱れたのが同期したのは、きっと偶然ではない】

……さてね……っ、私には、覚えはありませんけどね……っん……!
そんな、不意に危ない、っ……橋を渡る様な真似を、したつもりは、ないんですがねぇ……っ、はぁ……ッ――――
それとも私……何か、迂闊しちゃいましたか……ッ?

【嵯峨野の言葉に、イーレイは心胆寒からしめられる思いがした。いつの間にか、自分は事態に深く入り込んでいるという】
【それが真実なのかどうか――――この海千山千の青年の言葉、全てが真実とは限らない。それは承知の上で、しかし――――】
【彼が、自分の事、そしてそのある程度の経緯を承知の上で、本人の言う通り「わざわざ」この場に顔を出して、接触を求めてきた】
【それを想うと、ケチなブラフとも考えづらい。いくら何でも、ただ治安維持という『裏の表』の立場で、闇医者1人を捕まえるために、ここまでの手間は掛けないだろう】
【――――『裏の裏』として、彼らは何かを自分に求めている。それこそ、確信的に――――】

くっ…………、はぁ、はぁ……ぃ……ッ

【ようやくその手から解放され、さっとイーレイは外していた帽子をかぶり直し、顔を背ける】
【怒り――――否、どちらかと言えば悔しげに睨みつけられた瞳が、つばの奥から覗いている。その頬も、恐らくは羞恥と屈辱の故に赤く染まっていて】
【言葉が出てこないといった様子で、口元と眉とがたわめられていた】

――――カチューシャの事、彼女の事を言ったらあなた……それは陳腐だって、そういいましたよね……ッ
なら――――もう、思い当たる事なんて……――――――――ッ
(いや――――まさか……)

【嵯峨野と自分との接点。それを思い出すなら、当然にカチューシャに行き当たる。だが、それは嵯峨野の求める答えではないという事は、既に確認されている】
【なら、既に自分と接点を持っている人間の中で、実は嵯峨野と繋がっていた人物を、そこに仮定しなければならない】
【そんなミッシングリンクになりうる人間というのが、今までにいただろうか――――1つ1つ、可能性を上げては潰していき。消去法は、1つの名前をそこに残した】

――――まさか『あの子』……なんか怪しい所はあるなと思ってましたが、本当にあなたたちの仲間って訳ですか?
……あの忍者っ子――――鵺。こういう、なんか危険そうな繋がりでって事なら、もうこれくらいしか思い当たりませんねぇ……
――――それが見当違いだっていうなら、或いは私は期待外れって事になりますか?

【――――先ほど、思考の合間にふと浮かび上がった名前。その時は、今回には関係ない事だと流してしまっていたが、改めて、その名前がもう1度持ち上がった】
【――――『黒幕』と『公安』との戦いについて、自分に情報を提供してくれた、遊びがいのあるお得意様――――鵺】
【イーレイは、最後の答えとしてそれを提示した。でなければ――――お手上げだ】


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