【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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226:名無しのパー速民[sage saga]
2019/05/15(水) 23:50:58.00 ID:Stpt5Ft/0
>>223>>225

……………………いいの、

【――――ぽつりとした声は少しだけ掠れているように聞こえた。それでも確かに鈴の音を宿していた。ならきっと錆びた鈴の音、貴女の涙で錆びついてしまった?なんて】
【きっと自分の涙が銀色を赤錆色にしてしまったのだろう。だからきっと泣きじゃくって落ちた雫を磨り潰すように拭った指先の指紋すらそこにはきっと残っている】
【焼く前の陶器なら何度だって粘土に戻せるといったって限度があるんだろう。だからきっと彼女はとっくに限界を超えてしまったんだろう。なんにもなれない土くれでしかない】
【神様が人間を作ろうって思っても見向きもしないようなぼろぼろで痩せたなんにもない石だらけの泥。畑だって出来やしない。なんにも生えない、なにもない、なんにもない、】

【だからもういっかい、「いいよ」を繰り返して、】

――――――――――――――――――――――――――わたし、ね、世界を救ったんだよ。

【ぽつと漏れる声の意味を辿る必要は、ないのかもしれなかった。だって明確に何かおかしかった。だって彼女は世界なんて終わってしまえと願ったんだった、】
【それすら消極的な言葉でしかなかった。滅ぼしてやるでも終わらせてやるでもなく、滅んじゃえだなんて言葉を使った。「滅んじゃえよ、もう」なんて、失望したように】
【世界を滅ぼさなかったことで救ったなんて言うのかもしれなかった。だとしたら殺してやるしかないほどにばかげていた(死ねないけど)(死ねないのに)死ねないからこそ、】

――――ウェインさんと、エヌと。……きっと、たぶん、危なかったの、……あぶなかったんだよ。
三人で、わるいもの、追い返したの。この世界の思い出がいっぱいあって。……わたしは、嫌なことばっかりだって思ってた。だけど、"思ってたより""少しだけ"、

……………………………………………………だけど、"そう"じゃ、なかったんだね、

【ざあと再び舞い戻る薄霧の白はきっと彼女の表情をぼやかした。だからやはりここは彼女の聖域なのかもしれない、なんて、】
【だけどきっと表情なんて分かるんだ。――ばかげた自嘲の色で笑っている。"なにか"期待したんだ。何か。何を。ひどいこと言っても自分を選んでくれる誰か?】
【――ひどいことを言ってしまうような子でも愛してもらえる世界があるっていつか知ったから。だって自分が与えたんだから。(だからわたしだってもらっていいはず)】

【――――――――――――――――????】


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