もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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93:1[sage saga]
2024/11/01(金) 21:04:11.05 ID:4JAHijIv0
 
フリーレン「……なにやってるの?」

シャミ子「桃とバトったと聞いて……怪我してるみたいなので<かいふくのつえ>を……」

シュタルク「俺の怪我もさっき治して貰ったんだよ。フリーレンが殴られた怪我も治してくれるって言ってて……」

フリーレン「……シュタルク、どこか怪我してたっけ?」

シュタルク「めちゃくちゃ殴られてたじゃん! あのピンクのに!」

フリーレン「怪我って言うほどの怪我だった?」

シュタルク「ひどい……戦士は鉄で出来てるとでも思ってるんだろ……師匠と比べないで欲しい……」

フリーレン(そういうことを言ってるんじゃ無いんだけどな)

 フリーレンもシュタルクの怪我の程度は把握していた。打撲数カ所。しばらく経てば熱を持って腫れ上がり、数日は酷く痛むかもしれない。

 言ってしまえばその程度の物だ。そしてその程度の怪我をわざわざあの魔族は治してくれたという。

フリーレン(私達を治療するメリットは何だ? 警戒を解かせるため? いや、もう洗脳魔法が通じないことは分かっているはず)
フリーレン(あの魔族は私を殺すしかないし、怪我をしてたのは殺すのに絶好のタイミングだったはず……)

 どう考えても答えはひとつ。フリーレンの常識に鑑みれば有り得ざる解答だったが。

フリーレン(この魔族は、本当に害意を持っていない……のか?)

シャミ子「?」

 首を傾げる魔族の顔は、こちらまで脱力してしまうような間抜け面そのものだったが。

フリーレン(なんかどうでもよくなってきたな……)

ミカン「あっ、いた! 桃ー! シャミ子ー! 無事ー!?」

フェルン「フリーレン様、ご無事でしたか。でしたら精神魔法をこちらのミカン様に――」

 フェルンと知らない少女の声が近づいてくる。おそらく矢の魔法の使い手だろう。どういう経緯があったのか、この二人も戦闘を中断して戻ってきたらしい。

 死者は出なかった。傷は魔族が消してしまった。遺恨は――まあ消せないほどのものは――生まれないだろう。

 この状況で、自分だけ意地を通しても仕方ない。フリーレンはため息をついて、自分が生涯魔族に掛けることはないだろうと思っていた言葉を口にした。

フリーレン「……戦いを仕掛けたこちらが言うのもなんだけど……話し合いがしたい。そっちはどうかな?」



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