もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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88:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:57:26.94 ID:4JAHijIv0
 
フリーレン「はぁ……はぁ……痛った……」

桃「ふぅー……ふぅー……」

 互いに満身創痍の状態で、彼女たちは自身と敵の負傷度合いを確かめる。

 フリーレンは間近で発生した爆圧の影響で全身に打撲と裂傷を負っていた。咄嗟に魔力で防御していなければ死んでいただろう。

 刀を完全に回避することもできていない。咄嗟に仰け反って首を落とされることこそ防いだものの、代わりに左肩に深い創傷を負った。血がどくどくと景気よく流れ出している。

フリーレン(この怪我はちょっと不味いな。この村に教会は無い。止血して、最寄りの教会まで飛ぶ……間に合うか?)

 対して桃は自身で切り落とした左腕の痕から同じく大量出血していたが、魔法少女にとってはいますぐにどうこうという傷では無い。
 全身をエーテル体に変換した魔法少女は、たとえ胴体から真っ二つになってもしばらくは生存できる。

 だが負傷の程度はフリーレンよりも大きかった。爆発のダメージを最小限にするため半身になったせいで、爆圧に晒した右半身がその影響をもろに受けている。

 右足はほぼ千切れかけており、地面に突き立てた刀を杖代わりにしてようやく立っていられるという有様。その刀を保持する右腕さえ、骨に罅でも入ったのか痛みと痺れを伝えてくる。

 そうまでなっても、しかし互いに戦闘態勢は崩さない。

桃(足をやったのは痛いな……機動力を失った以上、先手は許すことになる)

フリーレン(血が流れ過ぎてる。時間は掛けられない。一撃で仕留める必要があるな。というより、一撃以上は無理だ。連射に耐えられるような負傷じゃ無い)

桃(右腕がこれじゃ、投擲は使い物にならないな。魔力勝負も撃ち負ける公算が大きい……右腕と武器を囮に、どうにか組み付いて左脚で首をへし折る)

フリーレン(自爆戦法はもう無理だ。杖もさっきの爆発でどっかに吹き飛んだ。魔力放出で片をつけるしか無い)

桃(敵の攻撃はさっきの衝撃波だけ……と仮定する。あの出血だ。向こうは短期決戦を望んでいるだろうから、殺傷力の低い不可視の圧力は選択肢にないだろう)
 
フリーレン(あの腕じゃ投石の類いはない……と賭けるしか無いな。幸い、さっきの自爆で村人の転がってない方へ移動できた。もう弾道は気にしなくて良い。遠距離戦では私に分がある)

桃(時間の経過は私に有利だ。後の先を取る。敵がじれて魔法を撃ったらカウンターで飛び出してやる。集中しろ。この距離、一発目を回避できれば私の勝ちだ)

フリーレン(どうせ撃てるのは一発だけだ。村人に被害が及ばないギリギリで、可能な限りの広範囲をなぎ払う。もう捕らえるのは諦めた)

 刹那の内に思考を纏め、両者は最後の一撃の為の準備に入った。片や魔力を収束させ、片や最速で踏み出すために左脚に力を入れる。



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