もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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[sage saga]
2024/11/01(金) 20:56:15.53 ID:4JAHijIv0
フリーレン「さて、話を聞かせて貰おうか――」
――だが、その言葉が両断される。
フリーレンの台詞を断ち切ったのは、桃が右手で握っていた刃だった。
当然ながら、フリーレンはその凶器を警戒していた。仮に振り回しても届く距離ではなかったが、投擲された場合の対策も考えていた。
桃「――」
だが無音で振るわれ、滑らかに動く刃が断ち切ったのは桃自身の腕だった。
フリーレン「……は?」
切断され、圧力の中に置き去りにされた少女の左腕を見て、フリーレンは思わず疑問符を漏らす。
フリーレンが反応できなかったのは、その動作に一切の躊躇いがなかったからだ。
気合いの雄叫びでもあれば気づけただろう。だがまるで帰宅した後玄関の鍵でも閉めるかのような自然さで、その少女は自らの腕を切り落とした。
自由を取り戻した桃は伏臥の状態から跳び上がり、残り半歩分の距離を瞬時に埋めた。刹那で振るわれる刀が、フリーレンの首筋に向けて猛速で迫る。
桃「とった……!」
フリーレン「――!」
次の瞬間、轟音と共に巨大な土煙が舞い上がり、二人の姿を覆い隠した。
爆発の正体はフリーレンが再度試みた魔力放出による攻撃だった。それを自爆覚悟で己の足下に撃ち込んだのだ。敵が至近にまで迫っていたからこそできる捨て身の戦法だった。
土煙が薄くなっていく。その中で、二人分の影が起き上がった。両者の間で起きた爆発の衝撃で吹き飛ばされたのだろう。二つの影は数メートルの距離を挟んで向かい合った。
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