もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
1- 20
87:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:56:15.53 ID:4JAHijIv0
 
フリーレン「さて、話を聞かせて貰おうか――」

 ――だが、その言葉が両断される。

 フリーレンの台詞を断ち切ったのは、桃が右手で握っていた刃だった。

 当然ながら、フリーレンはその凶器を警戒していた。仮に振り回しても届く距離ではなかったが、投擲された場合の対策も考えていた。

桃「――」

 だが無音で振るわれ、滑らかに動く刃が断ち切ったのは桃自身の腕だった。

フリーレン「……は?」

 切断され、圧力の中に置き去りにされた少女の左腕を見て、フリーレンは思わず疑問符を漏らす。

 フリーレンが反応できなかったのは、その動作に一切の躊躇いがなかったからだ。
 気合いの雄叫びでもあれば気づけただろう。だがまるで帰宅した後玄関の鍵でも閉めるかのような自然さで、その少女は自らの腕を切り落とした。

 自由を取り戻した桃は伏臥の状態から跳び上がり、残り半歩分の距離を瞬時に埋めた。刹那で振るわれる刀が、フリーレンの首筋に向けて猛速で迫る。

桃「とった……!」

フリーレン「――!」

 次の瞬間、轟音と共に巨大な土煙が舞い上がり、二人の姿を覆い隠した。

 爆発の正体はフリーレンが再度試みた魔力放出による攻撃だった。それを自爆覚悟で己の足下に撃ち込んだのだ。敵が至近にまで迫っていたからこそできる捨て身の戦法だった。

 土煙が薄くなっていく。その中で、二人分の影が起き上がった。両者の間で起きた爆発の衝撃で吹き飛ばされたのだろう。二つの影は数メートルの距離を挟んで向かい合った。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
141Res/228.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice