もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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[sage saga]
2024/11/01(金) 20:47:41.50 ID:4JAHijIv0
◇森の中
標的を貫いた感触を得て、ミカンは矢を放つのを止めた。
油断せず、その場から大きく飛び退く。使ったのは毒矢ではない。死に至るまでの数秒でこちらにとって致命的な魔法を放ってくると言うことはあり得る。
念のために毒矢を装填しながら、1秒、2秒と胸の中で時を刻む。
ミカン(どうにか……勝てたわね)
10まで数えたところで、ミカンはようやく勝利を確信した。うっすらと汗に濡れた額を拭う。こちらも魔力の消耗は限界に近かった。
恐るべき相手だった。攻撃、防御、索敵――全てがこちらより格上。元の世界でならともかく、まともにやっては勝ち目など無かっただろう。
そんな中で勝利を拾えたのは、当然ながらまともにやらなかったからだ。
ミカン(防御魔法の消耗が激しい、って"聞けた"のが大きかったわね……さて、急がないと。まずはシャミ子を探して――)
と、そこまで考えたところで。
ミカンは最速の動きで振り向いた。ボウガンを突きつけ、背後に矢を放とうとする。
だがそれよりも早く、暗い木々の間から一筋の光条が閃いた。光はミカンのボウガンに直撃し、機構を破壊して地面にたたき落とした。装填されていた矢が明後日の方角に飛んでいく。
ミカン「……っ」
フェルン「動かないでください。次は頭に当てます」
木々の間から進み出てきたのはミカンと同じ歳くらいの少女だった。先ほどまで戦っていた相手だろう。構えた杖の先に魔力を収束させ、いつでも放てる状態にしている。
ミカンはため息をつくと、両手を挙げて降参のポーズをとった。
ミカン「あの魔法を掻い潜ったっていうことは……そう、ビーコンに気づいたのね」
ミカンは予め、桃に複数のビーコンを渡していた。一方通行ながら情報の伝達が行えるし、相手に取り付けることが出来れば一方的に遠距離狙撃が可能になるからだ。
フェルンにそれが取り付けられたのは、先の桃による格闘戦の最中だった。
シュタルクに阻まれて掠めるにとどまったフェルンへの一撃。その際に桃が外套の死角になる位置に取り付けたのである。
フェルン「ビーコンというんですね、あの魔道具は。ええ、ギリギリでしたが、以前に似たような手を使われたのを思い出しまして」
フェルンが思い出したのは霧を操る魔族と戦った時のことだ。あの時は共闘していたメトーデの援護で勝つことが出来た。
もしも今回の敵が、あの時の自分たちと同じようなことをしていたら? 即ち、協力することでこちらの位置を仲間に把握させるような絡繰りがあったとしたら?
フェルンは思い出す。最初に桃色が攻撃を仕掛けてきた時、その拳が自分を掠める場面があったことを。
フェルンは思い出す。かつて戦った血を操る魔族は、その血を付着させた相手の位置を探知することが出来たことを。
そしてフェルンは魔力探知を精度の高い近距離探知に切り替え、魔力切れの寸前で自身に取り付けられていたビーコンを発見するに至ったのである。
フェルン「脱いだ外套を放り投げたら、矢がそちらに集中したので――あとは全面展開した防御魔法の解除と同時に、私に当たる矢だけ防げば」
ミカン「結果は見ての通りってわけね……それで? 私をどうするつもりなの?」
フェルン「それは――」
フェルン(……どうしましょう。この方が魔族に洗脳されているとして、それを解けるのはフリーレン様だけです。私の魔力も底をつく寸前。拘束して魔法で運ぶのは難しい――)
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