もしもシャミ子が葬送のフリーレンの世界に飛ばされたら
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80:1[sage saga]
2024/11/01(金) 20:45:46.84 ID:4JAHijIv0
 
シュタルク「……つまり、まとめるとだ。さっきも言ってたけど、お前はこことは別の世界からきた魔族だと」

シャミ子「はい!」

シュタルク「そもそも人は食べないし傷つける気もない。迎えが来たのでもう帰るところだと」

シャミ子「そうです! さっき空から降ってきたのが迎えの桃です!」

シュタルク「俺、お前が逃げた後あいつにしこたま殴られたんだけど……」

シャミ子「ぇあ!? ほ、ほんとですか!? ごめんなさい! 桃はすぐ腕力に訴える癖があって! ほんとごめんなさい根はいい子なんです!」
シャミ子「そういえば他にも殴られてた人いましたよね!? 怪我は!? 骨とか折れてませんか!?」

シュタルク「いや、めっちゃ痛かったけどそれだけ。フリーレンの方は知らねえけど……まあそれは脇においとくとして、だ」

シャミ子(桃の全力パンチ食らってなんで無事なんでしょうこの人……)

シュタルク「結局、お前が本当のこと言ってるって証拠がなぁ……」

シャミ子「本当なんです信じてくださいぃ……」

シュタルク「魔族は嘘つくしなぁ……」

シャミ子「嘘なんかつきません! 何でも正直に答えます! 質問してみてください!」

シュタルク「え? えーと……じゃあ好きな食べ物は?」

シャミ子「お米です!」

シュタルク「……で、それが本当だってどうやって証明するんだ?」

シャミ子「え? あー……ご飯を持ってきてください! 一合平らげてみせますよ!」

シュタルク「それは……なんか違わないか?」

シャミ子「ですよね……私も言っててなんか違うな、って思いましたもん……」

シュタルク「……なあ、本当に魔族なのか? 頭に角が刺さってるだけの村人だったりしない?」

シャミ子「まぞくですぅ……」

シュタルク「うーん……」

シュタルク(正直、危険な奴には全然見えないんだけど……それも含めて演技だったら、って考えるともうどうしようもねえな)

シュタルク(こいつが嘘をついてたり演技してたりしたら、俺には見破れない。そうすると、確実なのは――)

シュタルク「――よし、分かった。あんたを信じてみようと思う」

シャミ子「! ほ、ほんとですか!? ありがとうございます!」

シュタルク「うん。だからほら、その貝殻から出てきてくれ」

シャミ子「はい! ……あ、あのー、本当に信じてくれたんですよね?」

シュタルク「うん?」

シャミ子「出てきた瞬間に攻撃とかしないですよね……?」

シュタルク「そんな訳ないだろ。よし、心配ならこの斧は遠くに投げ捨てるから、ほら」

 どさっ

シャミ子(重い物が遠くに落ちる音……確かに捨ててくれたみたいですね)

シュタルク「これでいいだろ? ほら、さっさと出てこいよ」

シャミ子「分かりました! よかったぁ、やっぱり話あえば解決するんですね」

 ぽん、と心の壁フォームを解除して、地べたに座った状態で外気に身を晒す。

 そんな体勢から見えたのは、思いっきり武器を振り上げた状態で待ち構えていたシュタルクの冷めた表情だった。

シャミ子「……ぁえ?」

シュタルク「悪いな。確実な手がこれしか思い浮かばなかったんだ」

 そんな台詞と共に、シャミ子には反応することも出来ない速度で得物が振り下ろされた。


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