【ゆるゆりSS】きもちに寄り添う数秒間
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2024/09/07(土) 22:55:13.49 ID:49voo3/L0
「向日葵は……」
「?」
「向日葵は、何かしたいことある?」

 櫻子はゆらゆらときらめく足元の水面に目を落としながら、向日葵にぽつりと尋ねてみた。べつに特段不自然な会話というわけでもないのに、なぜだか少しだけ心がむずがゆかった。
 しかし向日葵は青空を見上げ、「そうですわねぇ……」と考え込むと、

「特にないですわね」

 あっけからんとそう言い、櫻子はまた背中からプールにひっくり返りそうになった。

「ないの!? 噓でしょ!?」
「でも赤座さんたちと遊ぶ予定は昨日立てましたし」
「それだけじゃないでしょ! もっとしてみたいこととかあるでしょ! 夏休みはいっぱいあるんだから!」

 向日葵はまた首をかしげながら考える。何をそんなに難しく考える必要があるのかが櫻子にはわからない。「櫻子みたいに年がら年中遊ぶことしか考えてない人ばかりじゃないんだし」と花子に言われ、櫻子は手で水をすくって花子の頭にかけた。

「じゃ、じゃあ今日は?」
「?」
「今日は何する予定だったの? まさか初日から一日中宿題ってわけじゃないでしょ?」
「それでもいいかと思ってましたけど……そうですわねぇ」

 普段あれだけ将来のことも考えなさいとお説教してくるくせに、自分の今日の予定すら立てていない様子の向日葵に愕然としそうになる。しかし「あっ」と思いついたようで、櫻子は「なになに?」と身を乗り出してその答えを待った。

「そういえば、図書館に行こうと思ってたんでしたわ」
「……」
「読書感想文の題材にする本を探すのと、あと普通に読みたい本も探したいところだったので」

 なぜか無性に、今日は向日葵の予定に付き合ってあげようという気になっていたのだが、「図書館は遊ぶところではないでしょ……」という気持ちがどんどん櫻子の表情を固くさせていく。頭の中では海辺の砂浜できゃっきゃと楽しむ絵が浮かんでいたのだが、さすがに図書館できゃっきゃはできない。


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