12:名無しNIPPER[saga]
2024/09/07(土) 12:22:29.71 ID:d5CFnAaM0
「古泉、今なんて言った?」
心の声と発した声が全く同じだった。
それほどまでに動揺したということだろうか?
「おや、ええと……こちらはお約束ではなかったですかね」
「なに?」
俺からの返答が予想外だったらしく、若干の困惑があるようだ。
この時点で俺は先ほどの質問が失敗だったと気づいた。
「僕では役者が不足でしょうと、前に申したはずですが……おやおや」
「分かりやすいジョークのつもりでしたが、あなたのその反応はあの夏と変わらずそのまま」
「いや、むしろ───」
「そこまでだ古泉」
恥の上塗り、いや、これから恥をかくのだから恥の下塗り、とでも言うべきか。
ともあれ、俺は古泉のいうお約束にのれず、古泉の発言に動揺を隠しきれない無様な姿を皆に曝したわけだ。
このまま世界が滅ぶのならいっそこのままでも、と自分の存在を抹消したい衝動を抑え込む。
「これ以上俺を揶揄おうとするな。不快だ、耳障りだ」
「これはこれは、失礼しました。では、あなたにお任せしても?」
「何を期待されているのかは知らん。知らんが───」
「皆、部室から一度出て行ってもらおう」
せめてもの抵抗さ。意味があるとは思えんが。
ついでにコトが終わった後、俺の記憶を消してもらうことを長門にお願いしてみよう。
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