11:名無しNIPPER[saga]
2024/09/07(土) 12:21:09.96 ID:d5CFnAaM0
「ハルヒ、起きろ。おい、ハルヒ」
軽く頬をつねったり、つついたりしてみても、以前反応はない。
そもそも動かない。ハシビロコウや長門でももう少し動くぞ。
「涼宮さーん! 起きてくださーい!」
俺だったら逆に眠ってしまいそうな天使の声で朝比奈さんも呼びかけてくれる。
それでもハルヒはウンともスンとも反応しない。
「……───」
「───……」
古泉と長門が何やらコソコソと話している。いよいよやばい段階になってきたのか?
古泉のたまに見せる神妙な顔つき、そして長門の目も1ピコメートルほど見開かれ、火急であることは疑いようもない。
ただ眠るだけでここまで人を慌てさせる、とんだ迷惑者をさっさと起こしてやらねば、精一杯声を上げている朝比奈さんが可哀想でならない。
西日が眩しい時間帯、普段ならそろそろ長門が本を閉じ、解散する頃だ。
……わかったよ。世界の命運がかかっている時に、僅かな可能性を捨てることはできない。
俺1人のはずかしめで世界が救われるなら、お釣りで鶴屋山を買えちまうぜ。
意を決し、言葉を紡ぐ。
「分かった、俺が───」
「では、僕が試してみましょう」
「───うぇ?」
素っ頓狂な声を発したのは、古泉でも朝比奈さんでも、当然長門でもなく、どうやら俺らしい。
古泉、今なんて言った?
24Res/22.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20