映画の脚本を書いて、ひとりの女の子と出会った話。
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78:名無しNIPPER[saga]
2024/09/03(火) 23:47:18.03 ID:tvVwDFm30
ひとり取り残された俺は、
次の日も仕事があるっていうのに
その場所で酒を飲んでいたんだ。
79:名無しNIPPER[saga]
2024/09/03(火) 23:52:41.85 ID:tvVwDFm30
その後の生活は悲惨なものだったな。
仕事をして、寝るためだけに家に帰るような生活を続けてたんだ。
あの時こうしていれば、なんてそんなことを
80:名無しNIPPER[saga]
2024/09/03(火) 23:54:45.90 ID:tvVwDFm30
そんな風に毎日焦燥に駆られる生き方にも次第に疲れていって、
いよいよ限界を迎えたころ、俺は会社を辞めることにした。
81:名無しNIPPER[saga]
2024/09/03(火) 23:56:03.07 ID:tvVwDFm30
数年勤めた仕事から距離を置いたら、
もしかしたら何かが変わるかもしれないと
そんな淡い期待を抱いていたんだよな。
82:名無しNIPPER[saga]
2024/09/03(火) 23:58:36.74 ID:tvVwDFm30
生きる指針すら失ってしまった俺は、
週末にふらっと近くの公園に訪れると
ぼんやりと湖の方を眺めたりしてたんだ
83:名無しNIPPER[saga]
2024/09/04(水) 00:00:56.35 ID:lGZh6aoj0
今更彼女とのことをどうにかしようとは考えていなかった、
それでも彼女のために「何か」を行動すべきだという思いに偽りはなかった。
だから、秋晴れの真っ新な空を眺めているうちに、
84:名無しNIPPER[saga]
2024/09/04(水) 00:03:55.05 ID:lGZh6aoj0
それからしばらくして、
俺はまたあの頃みたいに脚本を書き始めたんだ
何枚も何枚も、ひたすらに文字を連ねていく、
85:名無しNIPPER[saga]
2024/09/04(水) 00:10:16.72 ID:lGZh6aoj0
だから、脚本が出来上がった時は
達成感というよりも終わってしまった、
という気持ちになってたな。
86:名無しNIPPER[saga]
2024/09/04(水) 00:11:12.43 ID:lGZh6aoj0
くだらないことだけども、その瞬間、
俺ははじめて真っ当に生きてると思えたんだ。
なぜだかその喜びを誰かと分かち合いたくて
87:名無しNIPPER[saga]
2024/09/04(水) 00:12:43.65 ID:lGZh6aoj0
「……もしもし?」
向こう側からは、やけに眠そうな声が聞こえてきた。
「寝てたのか?」
88:名無しNIPPER[saga]
2024/09/04(水) 00:13:18.78 ID:lGZh6aoj0
「悪かったよ、急に電話して」
「私も先輩じゃなかったら出てませんよ」
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