459: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/30(火) 01:04:05.12 ID:dsRGtLN30
――梅雨の時期に燦燦と輝く太陽の下、東京レース場。砂塵が舞う中で15人のウマ娘がゲートに入ります。
――一番人気は勿論このウマ娘、ステラライム。全日本ジュニア優駿優勝ウマ娘としての実力を見せつけることはできるか。
――二番人気、シルヴァーパピヨン。前走ではステラライムに敗れ、このレースでリベンジなるか。
460: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/30(火) 01:05:29.72 ID:dsRGtLN30
パピヨン「――っ!」
――ほぼ揃った出だし、その中からスーッと前に出て行くのは7番シルヴァーパピヨン。やはりのこのウマ娘が先頭を走ります。
スタートダッシュは完璧。後ろからは、事前に知っていた3番と11番、そして12番のステラライム。
461: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/30(火) 01:06:31.12 ID:dsRGtLN30
『…………パピヨン?』
真っ先にパピヨンの走りの違和感に気づいたのは【貴方】だった。
462: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/30(火) 01:07:38.17 ID:dsRGtLN30
パピヨン「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!もっと、もっと先――!」
――第3コーナーを曲がり、最終コーナー。他のウマ娘がそろそろ仕掛けてくる。勿論、あのステラライムも。
463: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/30(火) 01:10:26.78 ID:dsRGtLN30
腕が動かない、脚が動かない。心臓だけがうるさくて、周りの音が、何も聞こえない。
パピヨン(なんで――なんでなんでなんで!?動くでしょ、いつもなら動くじゃん!?意味分かんない、分かんない分かんない分かんない!)
464: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/04/30(火) 01:16:44.05 ID:dsRGtLN30
とりあえずこれだけです。おやすみなさい。
465:名無しNIPPER[sage]
2024/04/30(火) 01:19:28.04 ID:ndTKmKGro
おつ
掛かっちゃたかー
これパピヨン元来はすげー頑張り屋っぽいのでは?
466: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/05/01(水) 01:38:22.51 ID:TLTvYtE00
「――君の走りは凄いなシルヴァーパピヨン!今の年でその速さなら、きっとダート重賞……いやG1勝利だって夢じゃないな!」
――小学生の頃の記憶。誰かが言ったこんな言葉を、アタシはずっと覚えていた。
走ることがずっと好きだった。思うがままに走って、大地を蹴って、風を感じて……それが何だか楽しくて、気持ちよくて。だからずっと走っていた。
467: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/05/01(水) 01:38:50.94 ID:TLTvYtE00
短距離レースもあるけれど、やはりダートはマイルや中距離のレースが主戦場だと誰かに言われ、そのまま一気に中距離のレースに挑んで、そのまま撃沈。
その時は周りの人は励ましてくれた、距離が長すぎたからマイルに行こうと。そして、次にマイルのダートレースに挑んで……下から二番目。
――いくら走っても一着になれない。二着にも三着にも、掲示板にも入れない。
468: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/05/01(水) 01:39:30.66 ID:TLTvYtE00
――――ワァアアアア……!
歓声。一着になったステラライムに歓声が沸き上がる。今世代屈指のダートウマ娘、その無敗記録がまた継続したんだから。まあこの歓声も当然だよね。
ライム「ありがとうございます……!ありがとう、ございます!!!」
469: ◆OX0aJKbZO.0H[saga]
2024/05/01(水) 01:40:04.02 ID:TLTvYtE00
『…………お疲れさま』
控室に砂まみれで戻ってきたパピヨンに、【貴方】はお疲れさまと声を掛ける。
しかし、パピヨンから返事はない。
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