クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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51:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:07:41.38 ID:zxU3s34mO
「その友達には実の姉のように慕っている人がいる。小さい頃から仲良しで大切な人だ。だから友達は恋の悩みを打ち明けた。するとその人は「依存するのは良くない」と咎めた。なのである程度距離を保ちつつ、交際することにした。しかし付き合ってみると恋人と過ごす時間が少なく感じて寂しい。なんなら姉のように慕っている人のほうが家庭教師という名目で恋人と頻繁に逢瀬を重ねている。それを聞いたあたしはこれはもう浮気なんじゃないだろうかと思った。どう思う?」
これは実話だ。あたし自身のエピソードだ。
せっかく田中と恋人同士になれたのに毎日毎日勉強勉強。今日だって放課後になったらいつの間にか田中の姿がなく、校門からカヤの愛車のRX-7が走り去るのが見えた。前にあたしと彼氏しか乗せないって言ってたのに。
52:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:09:45.19 ID:zxU3s34mO
「ちなみに、山田ならそんな時どうする?」
「あたしならとりあえずブチギレる。浮気相手を徹底的にボコして恋人は捨てる。以上」
山田は凄まじい。だけど参考にならないな。
53:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:11:38.15 ID:zxU3s34mO
「ねえ、山田。そっちに行っていい?」
思えばこれまで悩みを打ち明ける相手はカヤしかいなかった。もちろん田中も恋人なので相談出来るけど当事者たちに今回のような悩みを相談することは出来ない。だから山田は貴重な存在だ。もっと仲良くなりたかった。
「は? 普通に嫌なんだけど」
54:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:12:54.44 ID:zxU3s34mO
「カヤ! さっきの写真、なんのつも、り?」
「おかえり有栖川!」
「おかえりなさいませ、お嬢様」
即座に帰宅すると田中とカヤが出迎えてくれてふたりはケーキを手に持っていた。上に乗ったチョコレートに"お誕生日おめでとう"と書いてある。そこでふと思い当たる。そういえば、そろそろ自分の誕生日だったことを。
55:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:14:26.03 ID:zxU3s34mO
「カヤ。ケーキを食べる前に話がある」
「はい。何なりとお申し付けください」
「田中と過ごす時間が足りない」
「お勉強のあとに、田中様と一緒にお食事をして、歓談するだけでは物足りませんか?」
「ふたりきりの時間がたっぷり欲しい」
56:名無しNIPPER[sage]
2023/11/15(水) 11:59:40.40 ID:N99IpenDo
にやにや
おつおつ
57:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:14:03.56 ID:uxBB7sXNO
「有栖川さんってほんとスタイルいいよね」
「直視できない……女に生まれてよかった」
はいどうも。今回は現在、不人気キャラ投票ダントツ1位を独走中の佐竹でお送りします。
有栖川家の使用人に完全敗北を喫した私のエピソードなんて誰も興味がないと自覚していますので、女子更衣室からレポートします。
58:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:17:56.96 ID:uxBB7sXNO
「なあ、あの子誰? もしかして転校生?」
「でもあの席、佐竹の席だよな……?」
「まさか佐竹、転校したのか? そんな!」
転校していません。今ここに座っているのは正真正銘の佐竹です。朝起きて、ふと髪を切りたくなったので、キッチンバサミでジョキジョキ切りました。毎日手入れを欠かさなかったとぅるとぅるの髪をゴミ箱に放り込み、昨日のかわいい私とは、おさらばしました。
59:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:19:40.84 ID:uxBB7sXNO
「山田、腕……痛いよ。もう離して」
ずっと二の腕を掴まれていて、さすがに鬱血しそうだったので、そう訴えると、山田は立ち止まってキッ!とこちらを睨んで吠えた。
「佐竹が危なっかしいから掴んでんだよ!」
60:名無しNIPPER[saga]
2023/11/16(木) 00:22:28.76 ID:uxBB7sXNO
「は? あんた誰?」
「あの人は有栖川さんの家の人だよ」
山田の誰何に私が答えた。あの人のせいでこうなったとは言わない。ただ私は、あの人と話してみたい。話さなくてはならなかった。
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