クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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39:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:05:17.30 ID:tXlGNfuHO
「ねえねえ、ヒマならオレらと遊ばない?」
「てか、歳いくつ? どこ中? 彼氏いる?」
すっかり秋めいて、街路樹の色づいた葉が落ち始めてきた今日この頃。皆様は如何お過ごしでしょうか。僕は有栖川に連絡を貰って、指定された待ち合わせ場所で中学生の坊やたちに絶賛ナンパされています。困ったなぁ。
40:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:07:14.02 ID:tXlGNfuHO
「言葉も通じない動物園児は嫌いだよ。あたしはサンゴちゃんに恋するのを推奨してんだ。今お前らがナンパしてるこの子のどこにサンゴちゃん要素がある? ん? サンゴちゃんに似てるのはこの子を毛嫌いしてる山田ってガキだからナンパすんならそっちに行きな」
「チッわけわかんねーこと言いやがって!」
「ちょっとキレイだからって調子乗んな!」
喚き出した子供たちにずいっと顔を近づけ。
41:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:09:44.67 ID:tXlGNfuHO
「安全運転を心がけますのでご安心下さい」
滑らかに走り出す車。魔法の絨毯みたいだ。
「あの……すみません。どちら様ですか?」
42:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:12:33.28 ID:tXlGNfuHO
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43:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:14:30.22 ID:tXlGNfuHO
「はぁー楽しかった。ありがとうカヤさん」
「気に入って頂けたなら幸いです。そろそろお屋敷に到着します。ようこそ有栖川邸へ」
閑静な住宅地の丘の上に僕らの暮らす街を見下ろすように有栖川のおうちが建っていた。
立派な門を潜り敷地内に入ってもまだ建屋には辿り着かない。広い庭園が迷路のようだ。
44:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:17:31.86 ID:tXlGNfuHO
「あー……カヤちゃん、ちょっとちょっと」
「はい、旦那様。如何なされましたか?」
「あの子がうちの子の彼氏? かれぴっぴ?」
「はい。田中様がお嬢様のかれぴっぴです」
「なんかイメージと違うんだけど……?」
45:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:19:40.84 ID:tXlGNfuHO
「有栖川、僕だよ」
ノックして訪ねる。すると内側から開いた。
「お、おかえりなさいませ……だんにゃ様」
46:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:22:53.64 ID:tXlGNfuHO
「有栖川、僕は有栖川のことが……!」
「失礼します。お茶とお菓子をお持ちしました。田中様はミルクと砂糖が必要ですか?」
「あ、欲しいです……」
完璧なシチュエーション。完璧なムード。そして完璧なタイミングで邪魔をされた。怒りよりも虚しい。有栖川が代わりに激怒する。
47:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:25:27.86 ID:tXlGNfuHO
「んじゃ、車に乗りな。帰んぞー」
「あ、はい。よろしくお願いします」
あの後、祝賀会だと言われて豪勢な晩餐を頂いて、有栖川のお父さんの手酌をなんとか躱しながら、テーブルの下で有栖川と手を繋いだりなんかしてイチャついて、夜9時くらいに僕の恋人がおねむとなったのでお暇した。
48:名無しNIPPER[saga]
2023/11/14(火) 00:28:29.51 ID:tXlGNfuHO
「本当に有栖川のお姉さんみたいですよね」
「それマジで脳汁出るから。もっと言って」
「怒った顔とか、笑った顔がそっくりです」
キッと路肩に停まる。なんだろうと伺うと。
49:名無しNIPPER[saga]
2023/11/15(水) 00:02:15.17 ID:zxU3s34mO
「あーもう! こんな筈じゃなかったのに!」
放課後、佐竹が頭を抱えて何やら叫んでいる。学校一の美少女の乱心をひと目見ようとよそのクラスや違う学年からも野次馬が集まり、ちょっとしたお祭り騒ぎとなっていた。
「山田。佐竹どうしたの? まるで"FXで有金全部溶かした人"みたいになってるけど……」
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