クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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25:名無しNIPPER[saga]
2023/11/11(土) 02:26:14.25 ID:K/6HqkOhO
「田中はこの前、高橋先輩が山田のことなんて"眼中にない"って言ってたけどさ。あんなの別に気にしなくていいんじゃないの?」
「でも、眼中にないならあたしは……」
「そもそも目と耳は違うじゃん」

ただの屁理屈。眼中になくても聴こえてる。

「私は山田のれをる様っぽい歌声好きだよ」
「れをる様って……まあ、もういいけどさ」

諦めるなとは言わないしウジウジするくらいなら玉砕覚悟で告ったほうがいいのかも知れない。このまま思い出にするのもまたよし。
そう言えば、昔はお互い名前で呼んでたな。
それもまた今となっては思い出でしかない。

「山田って、先輩の下の名前知ってる?」
「……佐竹の下の名前なら知ってる」
「私も山田の下の名前、知ってるよ」
「まあ、呼ばないけど。今更恥ずかしいし」
「山田って、結構かわいい名前だったよね」
「有栖川と田中の前では絶対に禁句だから」
「はいはい。仰せのままに。ガキ大将閣下」

昔のようにへりくだると、そっぽを向いて。

「ふん。ていうか、その……今日は嬉しかった。あたしの歌声、好きって言ってくれて」

おやまあ。昔からは考えられない。進歩だ。

「れをる様の【ヒビカセ】歌ってくれる?」
「いいけど……田中たちがいない時限定で」

やったね。変わり者の幼馴染は役得ですわ。


【結局、私も幼馴染を下の名前で呼ばない】


FIN


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