クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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24:名無しNIPPER[saga]
2023/11/11(土) 02:24:18.76 ID:K/6HqkOhO
「いや〜なんだかんだ楽しかったね」
「別に」
帰り道、田中たちと別れてから山田と一緒に帰路につく。山田は私の幼馴染で家が近所なのだ。とはいえ仲良くなったのは最近だが。
昔はチビの癖にやたら凶暴なガキ大将だった山田によく虐められていたものだ。とほほ。
「まだ悔しいの?」
「は? なにが?」
「田中の歌声に高橋先輩が惚れちゃって、取られちゃったこと」
高橋先輩は中学から軽音部で、歌やベースが上手かった。休みの日にはライブ活動をしていて、そこで中坊山田は高橋先輩と出会い、憧れて独学でバンドの知識を学んでいった。
同時に洒落気を出して伸びなかった低身長も功を奏し絶世のメスガキへと成長したのだ。
「あとちょっとだったよね……」
あとちょっとで、バンドのメンバーに加えて貰えたかも知れない。ていうかそもそも勇気を出して軽音部に入部していれば、今頃は恋が成就していたことだろう。今は昔の幻だ。
「あたしの声はあの人の耳に届かなかった」
たまたま合コンみたいな形で高橋先輩とカラオケに行き、人数合わせで呼んだ田中がハスキーボイスで魅了した。その瞬間、負けた。
山田のアニソン系の歌声では勝てなかった。
「あの時先輩は田中を選んだわけだし……」
しかしどうだろう。私はそうは思わないな。
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