クラスの変わり者が揉め事を起こして始まる一次創作
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23:名無しNIPPER[saga]
2023/11/11(土) 02:21:22.38 ID:K/6HqkOhO
「チッ……なんだよ同点とか。つまんねー」
「100点以上は表示されないからね」
勝負は引き分け。いやはや耳が幸せですわ。
「どう? 有栖川さん、歌えそう?」
「ん。なんとか」
「あ、じゃあ僕と一緒に歌おう有栖川!」
「まあ、やぶさかではないというか……」
田中にリードされながらデュエットする有栖川さん。やれやれ。素直じゃないんだから。
ていうか、うま!? 今聴いたばっかなのに。
まるでおん湯が歌う帝国少女だ。え、本人?
「なんだ、音痴なら笑ってやったのに」
「山田も歌いかたを教えてあげたら?」
「やだよめんどくさい。それよりあたしらも一緒に歌うぞ、佐竹。今度こそ勝つんだ!」
「私をチーム対抗戦に巻き込まないでよ」
結局、チームで分かれてのど自慢合戦となってしまった。有栖川さんはめきめきと上達して、平凡な私が足を引っ張ったことにより、最終的にこちらのチームは負けてしまった。
「よし! あたしらの勝ちだ!」
「ふたりは無敵! プリキュアだね!」
ハイタッチするふたり。結果は見えていた。
「あーあ。負けた。だからやだったのに」
「別に……勝敗なんかどうでもいいし」
「私が足引っ張ったこと、責めないの?」
訊ねると、山田はおもむろに席を立って。
「有栖川」
「ん?」
「佐竹に感謝するべきじゃないの?」
いきなり矛先を向けられた。何か言う前に。
「佐竹、ありがとう。おかげで楽しかった」
「あ……いえ。お気になさらず」
有栖川さんの貴重な笑顔を向けられて、ちょっとだけ田中の気持ちがわかった。これはたしかにいいものだ。マジで惚れそうになる。
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