47:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:37:17.84 ID:sZTlet6c0
王女『どう? 凄いでしょ?』ジマンゲー
屈託なく笑う妹に、腹の奥底からわっと怒りが湧いた。
王子『……お前は嘘つきだ』
48:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:37:51.28 ID:sZTlet6c0
王女『嘘なんてついてないよっ』
王子『嘘だ! お前は嘘つきだ!』
王女『ついてない!』
王子『いや、ついてる! 理解なんて出来るはずない!』
王女『……なんで』
49:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:44:35.38 ID:sZTlet6c0
王子『――っつ』
王女『ひぐ……うぅ……』
王子『わ、悪か――』
王女『うわああああああん!』
50:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:45:05.47 ID:sZTlet6c0
王子(……やってしまった)
王子(3歳下の妹に、大人気なくなに言ってんだ。僕)
王子(才能ないくせに、魔族としても小さいな)
王子(……ああ、もう!)
51:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:45:31.19 ID:sZTlet6c0
王子『……えっ?』
王子が異変に気づいたときには、もう遅かった。
王女の感情の奔流が、魔法を暴走させていたのだった。強大すぎる精神エネルギーに、ありとあらゆるマギカに反応し、直前に理解した魔法を無意識に発生。
52:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:46:28.94 ID:sZTlet6c0
それは小さな歪みで、吸い込まれる力こそなかったが、泣きわめく王女のすぐそばで生まれていた。
王子『――あぶねえ!』ドンッ
王子は王女を押しのけ、身代わりになるかたちで歪みに吸い込まれる。
53:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:46:55.32 ID:sZTlet6c0
王子『……良かった。お前が無事で――』
悪かった、という言葉を言う直前に歪みが閉じた。
王子は、意識を、失った。
54:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:47:21.69 ID:sZTlet6c0
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55:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:47:52.55 ID:sZTlet6c0
王子『……ん? うぅ』
少女「良かったぁ。息してる。ほっとしたよ」
王子『うぅ……あっ。ここは?』クラクラ
少女「そんなすぐ起き上がらないで。君、さっきまでどんぶらこどんぶらこって川を流れてたんだから」
王子『……何語、ですか? さっきから』パシパシ
56:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:54:44.06 ID:sZTlet6c0
王子のおぼつかない視界は、ゆっくりとピントが合ってくる。
そこは見慣れぬ川のほとりで、体はびしょ濡れで、肌を突き刺すように日差しは熱くて。
少女「えーっと、外国の子なのかな? すごく凝った衣装着てるし、もしかしてなにかの撮影中?」
57:名無しNIPPER
2023/06/11(日) 01:55:10.04 ID:sZTlet6c0
今日はここまでです。
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