80: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 11:56:57.45 ID:c3b0uZJF0
英玲奈「私たちは町のリーダーだ。そんな泣き言を言うためにここに来たのか?」
ツバサ「英玲奈、やめなさい」
英玲奈「私は有意義な話し合いをすると聞いてここに来たのだが……。その気がないのなら、クロユリに戻ってもいいか? 私はこんなところにいる場合じゃないんだ」
凛「何、その言い方!!」
希「凛ちゃん、やめとき」
ツバサ「英玲奈も、言葉を選びなさい」
英玲奈「……」
海未「英玲奈……クロユリが大変な時なのは理解しています。ですが、私の顔に免じて……一旦矛を収めてもらえませんか」
私は頭を下げる。
クロユリが大変な時──クロユリシティは……数日前、謎の大型ポケモンの襲撃を受けた。
英玲奈が撃退をしたそうだが……未だにそのポケモンの正体はわかっていない。
空間の穴から突然現れて、倒したら再び穴の中へと逃げ帰っていったとのことだ。
英玲奈はそんな中で、緊迫したクロユリの地を空けて、わざわざローズまで来ているのだ。苛立ちや焦りがあっても仕方ない。
英玲奈「頭を下げないでくれ……。……すまない、私も口が過ぎた……謝罪する」
花陽「い、いえ……わたしも……ごめんなさい……」
凛「り、凛は謝らないよ!」
希「こら、凛ちゃん。そういうこと言わない」
凛「にゃ……ご、ごめんなさい……」
英玲奈も花陽も凛も、動揺が見て取れる。
いや、彼女たちだけじゃない。
ルビィ「お姉ちゃん……大丈夫……?」
ダイヤ「ルビィ……えぇ、わたくしは大丈夫ですわ……」
相変わらず真っ青な顔色のダイヤ。それを心配するルビィ。
にこ「真姫……あんた大丈夫? 目の下酷い隈よ……?」
真姫「ごめん……ちょっと……あんまり、眠れてなくて……」
真姫もあまり体調が芳しくないらしい。
理亞「…………」
理亞はそんな中なせいか、とにかく居心地が悪そうな顔をして座っている。
地方を取りまとめる存在であるはずのジムリーダーたちが、揃いも揃って酷く動揺しているのが目に見えて明らかだった。
それもそのはずだ。……チャンピオン──即ち、この地方最強のトレーナーが敵の手に落ちるとはそういうことなのだ。
……会議室内の空気が酷く重い。
こんな雰囲気で会議を始めていいのだろうか……そう思っていた、そのとき、
「──あの、皆さんっ!!」
一人のジムリーダーが、立ち上がりながら、大きな声をあげた。
全員の視線がその声の方に向く。
声の主は──
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