740: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/09(月) 00:26:44.73 ID:jK0Y5xHa0
愛「りなりーをぉっ、かえせぇぇぇぇぇっっ!!!!!! かえせぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
果林「っ……!」
ただ、アタシには──ぼんやりと遠くにカリンたちの声が聞こえる気がする……そんな認識だった。
果林「……フェローチェ……!」
「──フェロッ」
果林「“みねうち”……!」
「フェロ」
愛「がっ……!?」
急に腹部に衝撃を受け──
愛「……りな……りー……」
アタシの意識は──ゆっくりと闇に沈んでいったのだった……。
👏 👏 👏
──その後、目を覚ましたときには、りなりーと一緒に過ごしてきた……自室に居た。
部屋の鍵を外から掛けられ……見張りも付けられ……ポケモンも全部没収されている状態だった。
所謂、軟禁状態。
最初はあの事故の原因が、政府の陰謀だったとカリンたちに伝えることを考えた。
だけど……完全に手を打たれていて、カリンたちと話したいと何度言っても、二人がアタシのもとに訪れることはなかった。
たぶん……アタシたちが最後に行っていた調査内容は……握りつぶされ、他世界への侵略が計略されている頃合いだろうか。
愛「………………」
何もする気が起きなかった。
食事は定期的に運ばれてくるけど……正直、食べる気なんてこれっぽっちも起きなかった。
……このまま、餓死でもしてやろうかな。そんな風にさえ思っていた。
政府は、誰もが助かる遠回りよりも、誰かから奪って自分たちが生き残る近道を選んだ。
愛「…………馬鹿馬鹿しい…………」
世界は……なんて、馬鹿馬鹿しいんだ……。
愛「……りなりー……」
りなりーの名前を呼ぶ。……もちろん、りなりーの返事は……ない……。
りなりーは恐らく……ウルトラスペースの高エネルギーの中で……情報レベルでバラバラになった。
通常領域ならまだしも……あそこはもう中心特異点の重力圏内だ。
エネルギー密度の濃い空間では……生身の人間の身体なんて耐えられるはずがない。
愛「…………そういえば…………りなりー…………それについての論文……書いてたっけ…………」
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