694: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 12:57:35.67 ID:5MWtUFJH0
愛さんはお得意の一気に距離感を詰める切り出し方をする。
果林「は、はぁ……」
愛「あっと……名乗ってなかったね。アタシはミヤシタ・愛! んで、この子はりなりー!」
璃奈「えっと……て、テンノウジ・璃奈です……」
「ニャァ〜」
璃奈「この子は……お友達のニャスパー……です……」
また、ペコっと頭を下げながら、自己紹介をする。
果林「……えっと……それじゃ、ミヤシタさんとテンノウジさん……」
愛「愛でいーよ! りなりーもファーストネームでいいよね?」
璃奈「うん。ファミリーネームは長いし……ややこしいから、璃奈でいい」
テンノウジはお父さんとお母さんの名前でもあるから……何かと公式な場で使うとややこしくなりかねないし……何よりファーストネームの方が呼ばれ慣れている。
果林「……わかったわ。愛と……璃奈ちゃん」
果林さんは頷いて私たちの名前を呼んだあと、
「ニャー」
果林「それと……ニャスパーね」
軽く膝を折って、私に抱っこされているニャスパーに目線を合わせながら挨拶してくれる。
それだけで……少なくともポケモンには優しい人だというのは十分わかった。
果林「それなら、私たちのことも下の名前で呼んで頂戴。良いわよね、彼方」
彼方「うん〜、もちろん〜。よろしくね〜、愛ちゃん〜、璃奈ちゃん〜」
彼方さんは間延びするような口調で喋りながら、
彼方「あ〜あと、この子は彼方ちゃんの親友のウールーだよ〜」
「メェ〜〜」
足元に居たウールーを抱き上げながら、紹介してくれる。
愛「うん、よろー! カリン! カナちゃん! ウールーも!」
璃奈「よろしく、お願いします……果林さん……彼方さん……ウールー……」
顔を上げて、二人の顔を見ようとしたとき──果林さんと視線がぶつかる。
態度には出さないようにしているけど……果林さんはさっきから、私たちを見定めようとしているのがなんとなくわかった。これから、一緒にやっていくのに相応しい人間なのか……観察しているんだと思う。
私は彼女のその眼力に負けて、思わず愛さんの後ろに隠れてしまう。
隠れてしまってから──失礼なことをしたかも……と思った瞬間、
彼方「果林ちゃん、璃奈ちゃんが怖がっちゃってるかも……」
「メェ〜〜」
彼方さんが果林さんに向かってそう言う。
果林「……彼方、それはどういう意味か説明してくれる?」
彼方「冗談だってば〜。璃奈ちゃん、もしかして緊張してるのかな〜?」
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