侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」 Part2
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680: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 12:45:22.85 ID:5MWtUFJH0

璃奈「そもそも……人前でうまく、話せない……」

愛「やっぱり、人前に立つと緊張しちゃう感じ?」

璃奈「それもあるけど……私、4年くらい誰とも話せなかったから……。……人ともほとんど関わらなかったし……。……所内でもお話し出来るの、愛さんと所員食堂のおばちゃんしかいない……」

愛「まぁ、発表は愛さんがするよ」

璃奈「でも……研究室長は私だし……」

愛「別に室長がしなくちゃいけないって決まりはないでしょ? そこは助け合おう♪」

璃奈「愛さん……。……うん」


確かに、もう発表まで日もないし……今回に関しては、もともと研究テーマ的にも愛さんがやっていたことだ。


璃奈「……もっと……上手に人とお話……したいな……」

愛「りなりー……」


お父さんとお母さんが目の前でいなくなっちゃったショックで喋れなくなっちゃって……。

ただ、ニャスパーはエスパータイプでテレパシーが使えたから、無理に喋らなくても最低限の意思疎通が出来たし……食堂のおばちゃんも事情を知っていたからか、メニューを指差せば察してくれていたお陰で、どうにかなっていた。

逆に言うなら、私はそれ以外のコミュニケーションを一切取ってこなかった。

そのツケというか……代償というか……。


璃奈「私……表情がないんだって……。……無表情で何考えてるかわからないって……噂されてるの……知ってる……」

愛「そんなことないよ」

璃奈「……そんなことある。……わかるのは愛さんが特別だから……。……普通の人は……私の顔を見ても……何考えてるか、わからない。……わからないものは……怖いから、誰も近寄らない……」


特に私は創設者の娘。……そんな人間がずっと無表情だったら……確かに近寄りたくないと思う。


璃奈「お父さんとお母さんがよく言ってた……私たち研究者は、未来の誰かの笑顔のために研究をするんだって……。……未来に繋ぐために研究をするんだって……」

愛「……」

璃奈「お腹が空くのは辛いから、お腹がいっぱいになれるように、食物の研究をする。不便だと大変だって思うから、それを解消しようって便利なものを作る。武器だって……人を傷つけるものだけど……根本にあるのは、自分たちや自分の大切な人や物を守りたいって想いがあるから……。……研究は、そういう想いがあって、初めて始まって……それが繋がって、大きくなって……為して行くものだって……」

愛「……そうだね」

璃奈「でも……それをしようとしてる人が……笑顔一つまともに出来ないようで……伝わるのかな……誰かの笑顔を……未来に繋げていけるのかな……」


今の私は……そもそも研究者として相応しいのか。

大袈裟かもしれないけど……そう、思ってしまう。


愛「……別に無表情な研究者は普通にいるし、それは願いの大小とは関係ないから……アタシはそんなに気にすることだと思わないけど……。……りなりーにとっては大事なことなんだよね」

璃奈「……うん」

愛「じゃあ、何か考えてみよっか」

璃奈「……ありがとう、愛さん。……でも、一朝一夕で表情が豊かになる方法なんてあるのかな……」

愛「うーん……なかなか難しいかもね」

璃奈「せめて……自分が今思ってる気持ちだけでも伝われば……誤解されることはなくなるのに……」

愛「……あ、ならさ」

璃奈「……?」


愛さんは、近くにあった紙にペンで何かを描き始める。



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