474: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/31(土) 12:34:12.43 ID:8UVAxvmj0
彼方「…………」
かすみ「……っ゛……ぅ……」
侑「歩夢……行っちゃ……ダメだ……!」
歩夢「侑ちゃん……来ないで……」
侑「……!!」
ボロボロになって気を失っている彼方さん。
満身創痍の侑先輩とかすみさん。
そして……歩夢さんが、目の前のある大きな空間の穴に向かって──果林さんと一緒に歩いているところだった。
歩夢「ごめんね……」
侑「あゆ……む……」
歩夢さんが連れ去られようとしている。
今、私に何が出来る? ポケモンを出して戦う……? いや、無理だ。
侑先輩やかすみさんに勝てなかった相手に、私が挑んだところで勝てるわけがない。
だから歩夢さんは自分を犠牲にして付いていくことを選んだんだ。そうじゃなきゃ、無抵抗に付いていったりするはずがない。
私は目の前で起こっている出来事に対して、脳をフル回転させながら分析し、激しく思考する。
──今、私に、何が出来る……?
その自問自答が至った答えは──
しずく「フェローチェ……」
果林さんの横に居るポケモンだった。
──ドクリと胸が高鳴る。あのときのフェローチェに酔う感覚を身体が思い出す。
でも──もし、これに抗って、敵の懐に潜入出来たら……? もしかしたら、今度こそ……本当に正気を失って……壊れてしまうかもしれない。
だけど、
しずく「……やるしかない」
今、私に出来ることは──いや……今、私にしか出来ないことは、これしかない……!
果林「さぁ、歩夢この穴に──」
しずく「──待ってください!!」
私は──大きな声で果林さんを引き留めた。
しずく「…………」
かすみ「しず……子……?」
──オウサカ・しずく。あなたは今から──フェローチェの虜になった、可哀想な女の子……。
しずく「…………私も、連れて行ってくださいませんか……♡」
この瞬間から、私は──私の戦場に自らを駆り出したのだった。
──
────
──────
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20