286: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/25(日) 10:30:54.69 ID:PfMOWZim0
透き通るような青の世界を漂っていると、まるで自分が海に溶けているのではないかという錯覚さえ覚える。
その非日常感に胸がドキドキする。それと同時に──歩夢にもこの景色を見せてあげたい。そんな気持ちが私の胸を過ぎる。
うぅん……あげたいじゃない。一緒に見に来よう……絶対に。
そのためにも、今は目的を果たさなきゃ……!
リナ『バイタル正常。レギュレーター正常稼働。オールグリーン』 || > ◡ < ||
果南『侑ちゃん』
侑『はい! フィオネ、お願い!』
「フィオ〜」
掴んでいたフィオネを放すと、フィオネはゆっくりと海に潜っていく。
曜『侑ちゃん、ラプラスに掴まって』
「キュゥ♪」
侑『はい!』
曜さんのラプラスに掴まり、先を泳ぐフィオネを追いかけ始める。
曜『……どんどん、深いところにいくね』
善子『どれくらいの深さなのかは見当付いてるの?』
果南『マナフィの伝説では、人がマナフィのいる場所にたどり着いてるから……人が耐えられないような水圧の場所じゃないとは思うけど……。水深100mを越えるようだったら、一旦引き返そう』
リナ『レギュレーター正常稼働。生成エア圧力平衡維持』 || ╹ᇫ╹ ||
果南『エアはレギュレーターが生成してくれるけど、息は出来るだけ深く長く吐くことを意識してね』
侑『は、はい! イーブイ、苦しくない?』
『ブイ♪』
抱っこしたイーブイも問題なさそうだ。
──私たちはフィオネを追いかけながら、ただひたすらに潜っていく。
リナ『潜水時間10分経過。深度33m。レギュレーター正常。バイタル安定』 || ╹ ◡ ╹ ||
曜『30m超えたね』
果南『侑ちゃん、苦しくない?』
侑『は、はい、大丈夫です』
果南『OK. 出来るだけ、呼吸は深く長く……吸うよりも吐くことを意識し続けてね。吐き方が足りないと体内窒素を排出しきれずに、窒素酔いを起こすから』
侑『わかりました』
善子『……嫌なこと思い出した』
曜『善子ちゃん、窒素酔いで意識飛ばしかけたことあるもんね』
果南『各自、耳抜きも忘れないように』
侑『はい』
曜『了解』
善子『承知』
潜行は続く──
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20