185: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:18:52.81 ID:/nLmInIK0
理亞ちゃんにローズの病院に来て欲しいと言われたからです。
お互いジムリーダーなので、海未さんに許可を取って……少しの間、四天王さんたちの守る範囲を広げてもらっています。
ルビィ「それにしても……理亞ちゃん、急にどうしたの……?」
理亞「……ルビィには、知っておいて欲しいと思って」
ルビィ「……?」
そう言って前を歩く理亞ちゃんは──案の定、聖良さんの部屋に向かっていた。
理亞「──ねえさま。ルビィを連れてきたよ」
ルビィ「お、お邪魔しま──……え……?」
私はベッドに横たわる聖良さんを見て、びっくりする。
聖良さんの目が開いている。
理亞「ねえさま、意識が戻ったんだ。……だけど、心がないんだって」
ルビィ「……心が……ない……?」
確かに、聖良さんは目こそ開けているものの……なんというか、人間味のようなものが感じられない。無表情って言うのかな……?
理亞「やぶれた世界に行ったって言うのもあって……心だけが……どこかに行っちゃったって……」
ルビィ「…………」
確かにありえない話じゃないと思った。
聖良さんはディアンシーの怒りを受けた。……それが理由で、心を──魂を奪われてしまったのだとしたら……。
理亞「ただ……会議で話を聞いていて……思ったの。もしかしたら、ねえさまの魂は──ピンクダイヤモンドに閉じ込められてるんじゃないかって」
宝石には人の魂が宿ることがある。お姉ちゃんが言っていたことです。
お姉ちゃんは迷信レベルの話だから、本気にされてもと困っていたけど……ルビィは正直、迷信だとは思っていなかった。
何故なら……私の心は、コランに宿っていた気がするから。
守りたいって気持ちが一番強くなったときに、コランと共鳴して──私の心に住んでいたグラードンが出てきてくれた。
だから、ここまで聞いて、理亞ちゃんの言いたいことはなんとなく理解出来た。
ルビィ「……ディアンシー様に、会いたいんだね」
理亞「……! ……うん」
理亞ちゃんは頷くと、私の前で跪いた。
理亞「……クロサワの巫女様。……私を……ディアンシー様と会わせてください」
ルビィ「……理亞ちゃん、顔を上げて」
理亞「…………」
理亞ちゃんがゆっくりと顔を上げる。
ルビィ「前にした約束……覚えてる?」
約束──それは、やぶれた世界で戦ったときのこと。
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