153: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/20(火) 13:07:13.67 ID:B+X5AS2s0
かすみ「その赤い破片はですね、この工場のあちこちに落ちてた、壊れたモンスターボールの破片です! ジグザグマが“ものひろい”で拾ってきたんですよ!」
侑「そして、その欠片をライボルトに持たせて……物陰に潜ませていました。……真姫さんに接近出来る機会をずっと待ちながら」
真姫「……まさか…………“すりかえ”……?」
侑「はい」
そう、ライボルトが最後に背後から攻撃したのは──メガハッサムを倒すためじゃない。
真姫さんのすぐ真横を通るためだ。
至近距離まで近付けば──“すりかえ”で奪うことが出来ると思ったから。
侑「ライボルトが、真姫さんを横切る瞬間に──“すりかえ”ました」
真姫「……………………」
真姫さんはしばらく絶句していたけど……。
真姫「…………私の負けよ。完敗」
そう言いながら、ハッサムをボールに戻した。
その動作が、言葉が、完全に試合が終わったことを意味していた。
侑「……か……勝った……」
私は力が抜けて、尻餅をつく。
隣を見ると、
かすみ「ど……どうにか、勝てたぁ……」
かすみちゃんも力が抜けてしまったのか、私と同じようにへたり込んでいた。
リナ『侑さん!! かすみちゃん!! すごい!! ホントに勝っちゃうなんて!!』 ||,,> 𝅎 <,,||
侑「あはは……ホントにね……」
かすみ「むー……絶対勝つって最初に約束してたじゃないですかー……。かすみんはずーーーーっと勝てるって思ってましたもんね!」
かすみちゃんがぷくーっと頬を膨らませる。
そんな私たちのもとへ、
真姫「……貴方たちの覚悟、見せてもらったわ」
真姫さんが近付いてくる。
真姫「どんな状況に陥っても勝利を諦めない執念。追い詰められても、勝ちを手繰り寄せる策を選び取る冷静さ。見事だったわ。貴方たちは、その“クラウンバッジ”を持つのにふさわしいトレーナーよ」
侑「真姫さん……」
かすみ「えへへ……そんなことありますよ〜」
真姫「私も……慢心せずに強くならなくちゃね」
真姫さんは少し自嘲気味に言う。
真姫「ここまで来たら……最後のバッジもちゃんと手に入れてよね。私だけ本気の手持ちで負けたなんて知れたら、赤っ恥もいいところなんだから」
かすみ「ふふ、任せてくださいよ!」
侑「はい、必ず……!」
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