20: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:40:01.78 ID:ut4Hw6Jr0
(年が近いアイドル仲間がいると心強いし)
一昨日の川島瑞樹とのやり取りを思い出す。
21: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:40:52.32 ID:ut4Hw6Jr0
翌日、出社して支店長に報告を行った。
「分かってはいたが、思ったより急だったな」
22: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:41:24.66 ID:ut4Hw6Jr0
「我社のアイドルプロデューサーの間では、最初にプロデュースしたアイドルを『ファースト・シンデレラ』と呼ぶのを知っているかね?」
「同期の林田がそんな事を言っていましたね。まぁ彼のファースト・シンデレラはガラスの靴ではなくて、ガラスの眼鏡を掛けていたようですけど」
23: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:41:57.83 ID:ut4Hw6Jr0
ただ、人生を変えるほどの出会いという意味では、申し訳ないが彼女は『ファースト・シンデレラ』ではない。
俺の『ファースト・シンデレラ』は、もうどこにいるのかもわからない、探し出すためのガラスの靴も持っていない。
24: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:42:30.20 ID:ut4Hw6Jr0
午後になり、川島瑞樹が事務所に来訪してきた。
「はぁい。プロデューサー君、お待たせ」
25: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:43:00.56 ID:ut4Hw6Jr0
「それで、どうだったの?」
お土産の菓子を渡し、椅子に座った後、彼女は尋ねてくる。
26: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:43:37.92 ID:ut4Hw6Jr0
「ユニットメンバー候補はこちらの4人です」
「いやだわ。私よりみんなずっと若いじゃない」
27: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:44:24.80 ID:ut4Hw6Jr0
「局の方ではどんな反応でした?」
「なんだか拍子抜けするくらい、あっさりだったわ。プロデューサー君のプロダクションから声がかかっているのも、知ってた、みたいな雰囲気よ」
28: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:44:54.99 ID:ut4Hw6Jr0
「川島さん、改めてこれからもよろしくお願いします」
「なぁに?プロポーズ?」
29: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:46:13.59 ID:ut4Hw6Jr0
川島瑞樹が事務所を退出後、ここ数日間で溜まっていた仕事を取り掛かる。
そうこうしている内に思いつく新しいアイデア、プロモーションをノートに書き込みながら、気がつけば夜はすっかり更けていた。
30: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:46:43.80 ID:ut4Hw6Jr0
― 第一章「川島瑞樹」 了 ―
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