137: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:23:55.84 ID:sQ22x4PF0
物思いに耽っていると、誰かが車の窓を叩いていた。
「菜々さん……」
遠慮がちに、窓の外で俺の顔を見ている。
「おはようございます!プロデューサーさん!今日も一日頑張りましょう!」
心地よい、明るい声が胸を満たしていく。
「おはようございます、菜々さん。今日もよろしくお願いします」
冬空の下でも、菜々さんの笑顔は眩しい。頬は少し赤らんでいて、吐く息は真っ白だった。
「すみません、菜々さん。寒かったでしょう?早く車に……」
「いえいえ!いま来たところですよっ!」
なんて温かい笑顔なのだろう。なんて温かい心配りなのだろう。
「行きましょうか。今日もきっと楽しいですよ」
菜々さんを助手席に迎えて、車のエンジンを点ける。
「はいっ!今日もアイドルを楽しみますよー!」
この笑顔が見たいから、見続けていたいから。
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