127: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:18:29.29 ID:sQ22x4PF0
Scene 1
128: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:18:58.02 ID:sQ22x4PF0
走っていた。ずっと、ずっと。
高校のブレザーを着ていた俺は私服に着替えて、そしていつの間にかスーツに身を包んでいた。
129: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:19:30.72 ID:sQ22x4PF0
――そこで、目を覚ました。
130: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:20:04.24 ID:sQ22x4PF0
既に朝日は姿を現していて、空からは雪の粒が車の窓に落ち、溶けて消えている。
人もまばらな交差点を歩く男女が、凍りつく空気から互いを守るように寄り添って歩いていた。
131: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:20:34.61 ID:sQ22x4PF0
(7時半頃にはアパートの付近のコンビニに着いていると思います)
そう言いながら、実際は6時頃には目的地に着いていた。
132: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:21:11.86 ID:sQ22x4PF0
菜々さんと再会し、どれくらい時間が過ぎただろう。
着実に仕事も増えてきたし、ファンクラブ会員数も順調に伸びている。
133: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:21:41.59 ID:sQ22x4PF0
それとも、とうに恋ではなくなっていたのだろうか。
134: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:22:23.80 ID:sQ22x4PF0
「その子が好きだったんでしょー?」
菜々さんをスカウトする少し前、担当アイドルである川島瑞樹さんと片桐早苗さんと3人で飲みに行った時、早苗さんからあっけらかんと言われたことがあった。
135: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:22:56.17 ID:sQ22x4PF0
その時は不思議な問いだと思ったものだ。
だけど再び出会ったあの夜、胸を打ったのは再会の喜びではなく、寂れたステージに飛び込んできた菜々さんの、変わらない笑顔。
136: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:23:25.75 ID:sQ22x4PF0
コンッ……コンッ……
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