134: ◆1hbXi1IU5A[sage]
2022/12/07(水) 23:22:23.80 ID:sQ22x4PF0
「その子が好きだったんでしょー?」
菜々さんをスカウトする少し前、担当アイドルである川島瑞樹さんと片桐早苗さんと3人で飲みに行った時、早苗さんからあっけらかんと言われたことがあった。
「早苗ちゃん、少し違うと思うわ。これはもう愛よ。LOVEなのよ」
川島さんもその日は随分と酒が入っており、いつもの知的で落ち着いた雰囲気は無くなっていた。
「会えると良いわねー。おねーさんたちも会いたいわー!」
ビールジョッキを呷りながら、その日の早苗さんは殊の外愉しげだった。
「プロデューサー君。私、少し思うことがあるの」
そんな最中、川島さんは猪口を持った手を止めて、神妙な面持ちをする。
「プロデューサー君はその子と再会したら、何よりもスカウトしてしまえばいいと、今も思ってるわ。でもね……」
そして、猪口のお酒を空にする。
「こんなにも永く想った相手を、アイドルとしてだけ見ていくことができるのかしら?」
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