977: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 01:55:02.64 ID:eLOLjL7n0
侑「樹の上に避難!!」
「イブィッ!!!」
「アントーーーッ!!!!」
地面から飛び出してくるアイアントをギリギリで回避して、樹上に逃げる。
英玲奈「む……また、面妖な技を……」
侑「イーブイ! 穴を狙うよ!」
「イブィッ!!!!」
そして、樹から大きなタネを──アイアントが掘った穴目掛けて落とす……!
“すくすくボンバー”のタネが次々と、“あなをほる”の入り口を塞ぐように落下する。
英玲奈「……なるほど、自分たちは樹上に退避し、さらにアイアントの動きを制限するために穴の口を塞ぐというわけか」
侑「…………」
もちろん、それだけじゃない。この技は“やどりぎのタネ”だ。
そんなの初見でわかる人なんて……。
英玲奈「ただ、私にはこの面妖な技が、それだけの技のようには思えない」
侑「……!?」
英玲奈「“タネばくだん”のようなものか……いや、それならとっくに爆発させているだろう。……なら、“やどりぎのタネ”のようなものか……?」
う、嘘でしょ……!? どんだけ、勘がいいの!?
英玲奈「……どうやら“やどりぎのタネ”だと言うのは、図星のようだな」
侑「!?」
英玲奈「さっきから、ポーカーフェイスをしているつもりかもしれないが……君は考えていることが顔に出るタイプのようだね」
侑「ぅ……」
リナ『確かに侑さんは表情豊か』 || ╹ ◡ ╹ ||
歩夢「──侑ちゃんのそういうところ、私は大好きだから、大丈夫だよー!!」
侑「そう言ってくれるのは嬉しいけど、この場合フォローになってないってー!!」
歩夢もリナちゃんも、たぶん本気で言ってくれているんだろうけどさ……!
英玲奈「凡そ、穴の中で“やどりぎのタネ”のツタを伸ばして、捕まえようという魂胆だろう」
私は目を逸らす。
英玲奈「だが、無駄だよ。アイアントは岩石をも噛み砕く顎で、複雑に入り組んだトンネルを作ると言われている。いくら掘った穴にツタを張り巡らされても──常に新しい穴を掘り続けていれば問題ない」
侑「…………」
英玲奈「それに……君たちは、どうして樹上なら安全だと思い込んでいるんだ?」
侑「え?」
「ブイ?」
次の瞬間──急に樹がグラリと傾き始めた。
侑「な……!?」
ハッとして、樹の根本を見ると──アイアントが樹の根本を齧って伐採している真っ最中だった。
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