978: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 01:55:52.48 ID:eLOLjL7n0
「イ、イブィィィ!!!!」
傾く樹からイーブイが振り落とされ、
──ズシンッと、音を立てながら樹が横倒しになる。
侑「っ……! イーブイ、平気!?」
朦々と土埃の立つフィールドに向かって声を掛けると、
「イ、イブィ〜」
鳴き声が返ってくる。どうやら、無事なようだ。
英玲奈「さぁ、今度こそ逃げ場はないぞ」
侑「……それはお互い様です」
英玲奈「……何?」
侑「確かに、“すくすくボンバー”のタネは“やどりぎのタネ”です。でも──私たちは“やどりぎのタネ”で捕まえようとしてたんじゃない」
──土煙の晴れた先で、イーブイが“すくすくボンバー”のタネの前に立ち、
侑「“めらめらバーン”!!」
「ブイッ!!!」
そのタネに──自らの炎を着火した。
英玲奈「な……!」
侑「確かにツタの成長速度じゃ、地中のアイアントには追い付けません……でも、そのツタに引火した炎と熱から、逃げられますか!」
ツタに引火した炎は一気に穴の中で燃え広がり、仮にツタの長さが足りず炎が届かなかったとしても──穴が繋がっていれば、その熱は穴全体を蒸し焼きにする……!
「アーーーントーーーー!!!!?」
急な熱波に驚いて、穴から飛び出してきたアイアントに、
侑「そこだ……!! “めらめらバーン”!!」
「ブーーーイッ!!!!!」
「イアーーーントッ!!!!?」
今度は“めらめらバーン”を直接炸裂させた。
全身を炎に包まれながら吹っ飛んだアイアントは、
「ア、アイアン……」
大の苦手なほのおタイプの技によって、戦闘不能になったのだった。
英玲奈「く……戻れ、アイアント」
英玲奈さんがアイアントをボールに戻す。
英玲奈「……まさか、ほのおタイプの技まで持っているなんて予想外だ」
確かに、“相棒わざ”は初見だと対応が難しい。それは百戦錬磨の英玲奈さんでも例外ではなかったようだ。
……改めて、イーブイが“相棒わざ”を使えてよかった……。
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