573: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/26(土) 12:02:33.41 ID:K66c2REr0
ジグザグマは手足を“じたばた”暴れさせ、周囲の砂を吹き飛ばしながら、これ以上沈むのを耐える。
花陽「じゃあ、追撃の“すなじごく”」
「ナク」
「グマァ〜〜!?」
抵抗虚しく、ジグザグマはみるみる砂に沈んでいく。
程なくして──ジグザグマの姿は完全に見えなくなってしまった。
かすみ「あ……」
花陽「これで2匹目も戦闘不能だね。ちょっとくらいなら砂に埋まっていても、ボールを投げれば手元に戻してあげられると思うから」
かすみ「…………」
花陽「かすみちゃん、ジグザグマをボールに戻して、次のポケモンを出してもらえるかな?」
かすみ「…………」
花陽「かすみちゃん、悔しいのはわかるけど、早くポケモンの交替を……」
かすみ「………………まだです」
花陽「? まだ……?」
かすみ「……まだ……ジグザグマは戦闘不能じゃ──ありませんよ……!」
次の瞬間──
「ナックッ!!!?」
ナックラーの体が砂の中に引っ張られるように、沈み込んだ。
花陽「えっ!?」
かすみ「かすみんのジグザグマはですね、穴掘りは得意なんですよ! 前に何時間も砂浜で、“ものひろい”をしてたくらいなんですから! 最初っから砂に足を取られてなんかなかったんですよ!」
花陽「……!? じゃあ、ナックラーのさらに下に潜り込んで……!?」
かすみ「相手を捕えたつもりが、逆に捕らえられちゃいましたね! 逃げ場のない砂の中で、爆音を食らわせてやりますよっ!! ──“ハイパーボイス”!!」
「──ザグマアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」
地中から砂をぶっ飛ばす大音量で、ジグザグマが“ハイパーボイス”をぶっ放す。
そして、その大量の砂に交じって、
「……クラァ……」
至近距離からの大爆音に卒倒したナックラーが宙をくるくると回転しながら──ボスッと砂のフィールドの上に落ちていった。
花陽「…………ナックラー、戦闘不能。……このジム戦、かすみちゃんの勝利です」
かすみ「……やったー!! ジグザグマ! よく頑張りましたね!」
「ザグマァ♪」
飛びついてきたジグザグマを抱きしめる。
かすみ「あらら……こんなに砂だらけになっちゃって……」
体に付いた砂を払ってあげながら頭を撫でると、
「ザグマァ♪」
ジグザグマをご機嫌な鳴き声をあげるのでした。
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