574: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/26(土) 12:03:19.25 ID:K66c2REr0
花陽「まさか……最後の1匹を見ることなく負けちゃうなんて……」
かすみ「ふふん、どうですか? かすみんの実力は!」
花陽「すっごく強かったよ……! 残りポケモンに差を付けられての負けって、ジム戦でもあんまりないから……びっくりしちゃった」
かすみ「そうでしょうそうでしょう! 今日のかすみんは最強なんですから……!」
花陽「うん、そうだね……! その証として──この“ファームバッジ”を受け取ってください!」
かよ子先輩から、稲穂型のバッジを受け取る。
かすみ「えへへ、ありがとうございます!」
本当は1匹も倒されないくらいの圧勝がしたかったけど……十分快勝だったと言えるレベルでしょう。たぶん。
かすみ「これなら……少しくらい、しず子を守れるって証明も──」
「──かすみさんっ!」
そのとき、声と共に──誰かが私を背中側から抱きしめてきた。
いや、誰かは……声を聞けばわかるんだけど……。
かすみ「し、しず子……!?」
しずく「かすみさん……バトル、すごかったよ……」
かすみ「え、えぇ!? み、見てたの……!?」
しずく「うん……途中からだったけど……」
かすみ「か、体は!? 体はもうなんともないの!?」
しずく「うん……簡易検査で、とりあえず動いても問題ないって言われたから……見に来たんだ」
かすみ「そ、そうだったんだ……」
しず子が後ろからぎゅーっと抱きしめてくる。
かすみ「しず子……苦しい……」
しずく「……ごめん……」
しず子は「ごめん」と謝った割には、全然力を緩めてくれなかった。
かすみ「しず子」
しずく「……なに……?」
かすみ「しず子のことは……かすみんが守るから」
しずく「……うん」
かすみ「だから──」
しずく「一緒に冒険……続けよう」
かすみんが口にする前に──しず子に言われてしまった。
それだけ言うと、しず子はやっとかすみんを解放してくれる。
振り返ると──今の今までかすみんを抱きしめていたはずなのに、今はこっちに背中を向けていた。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20