436: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/18(金) 14:20:01.18 ID:/fdwqF8y0
そこにはしずくが立っていた。
光は“スポットライト”を当てるように彼女を照らしていた。
光源を追って上を見てみると──
鞠莉「Lanturn...?」
ランターンが、まさに“スポットライト”でしずくを照らしているところだった。
そんな中、
しずく『──はぁ〜ぁ……今日もこのおやしきの中ですごすのかぁ……』
しずくは急に大きな、通る声で喋り始めた。
しずく『毎日毎日……おやしきの中でたいくつ……。どうして、パパもママもわたしが外に出るのをゆるしてくれないのかしら』
これ……もしかして……演劇……?
しずく『まどの外には鳥ポケモンもいるけど……見てばっかりじゃ、やっぱりたいくつ……わたしも外であそびたい』
『カァ〜〜カァ〜〜』
アオガラスがパタパタと飛んできて、屋内を軽く飛んだあと、捌けていく。
しずく『……でも、外に出たらおこられるしなぁ……。……はぁ、今日もおやしきの中をたんけんしようかな』
しずくはパントマイムをするように、ドアを開ける仕草をする。恐らく、登場人物は今部屋を出て、お屋敷の中を探検し始めたのだろう。
そして、そんなしずくの前に、
かすみ『お嬢さま〜探検ですか〜?』
メイド服に身を包んだかすみが現れて、声を掛ける。
……というか、あれ……わたしの使用人のメイド服じゃないかしら……。
しずく『うん。でも、もう2階も3階も4階も5階もたんけんしきっちゃったから……どこに行こうかな……』
かすみ『あとは〜……地下階くらいですかね』
しずく『地下か〜……うん、じゃあ今日は地下をたんけんしてみよ』
かすみ『いってらっしゃいませ。何かあったら呼んでくださいね』
しずく『うん。ありがとう』
しずくは再び歩き始める。程なくして、目的地にたどり着いたようだ。
しずく『ここが地下……何かおもしろそうなもの……あるといいな』
しずくは、ドアを開け、
しずく『うーん……なんにもないわね』
首を振りドアを閉め、他の部屋のドアを開けては、
しずく『ここにも……とくにおもしろそうなものはない』
また首を振って閉める。そんなことを何度か繰り返す。
しずく『……はぁ……ここには、わたしのたいくつをまぎらわしてくれるものは何もなさそう……』
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