437: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/18(金) 14:20:52.88 ID:/fdwqF8y0
心底がっかりしたような溜め息を吐きながら──次のドアを開く。
すると、
しずく『わ、なにここ……!』
急にしずくが目を輝かせる。それと同時に──何やらガラクタらしきものが、しずくの目の前に運ばれてくる。
コンテナ内の端の方に目をやると……暗がりの中に薄っすらプルリルの姿が見えた。恐らく、プルリルの“ポルターガイスト”だろう。
しずく『すごいすごい! いっぱいものが置いてある!』
しずくは無邪気に笑いながら、ガラクタたちを手に取って、眺め始める。
手に取って、じーっと見つめたあと、首を傾げたかと思うと、それを置いて今度は別の物を手に取る。
そしてまた手に取った物に飽きたら、次の物を手に持ち、興味深そうに眺める。
そんな中で、
しずく『……! なにこれなにこれ!』
──ガラクタの中に、何かを見つけた。
しずくの台詞と共に──周囲のガラクタが、サーっと捌けて、“スポットライト”が彼女とその何かを照らす。
鞠莉「え……」
「ロ、ロト…!?」
あれは──
しずく『もしかして……テレビ……かな? でも、すっごくおっきい……』
それは大きな大きなブラウン管のテレビ。ただ、そのテレビには見覚えがあった。
今でも研究所の倉庫にあるはずの……テレビ。
しずく『お部屋のテレビはもっと薄かったけど……後ろに何か入ってるのかな?』
しずくは画面を手で払ってみたり、軽く叩いたりしている。
すると次の瞬間──画面がブンと点き、
『ロトロトトトトト!!!!!!』
甲高い鳴き声と共に──画面から激しい光が漏れ、甲高い鳴き声の中に耳障りな雑音が流れ出し、さらに周囲にバチバチと“でんきショック”が走る。
普通の子供だったら……いや、大人でも驚くような光景の中、しずくは──
しずく『わぁ♪ なにこれなにこれ!! すごいすごい!!』
大喜びしていた。
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