332: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/13(日) 12:31:04.07 ID:CEy3tu000
どうして凛さんがいるのかはわからないけど、ジムリーダーが二人揃っている場面なんて、なかなか出くわせないことだし、思わずときめいてしまう。
もしかして、交流戦とか練習試合のために来てるのかな!? なんて、思いながらワクワクしていると、
花陽「あ、えっと……実はわたしたち、今から出掛けないといけないの……」
そんなワクワクとは正反対の回答が返ってきた。
侑「え?」
凛「ちょっと用事があってね。凛はかよちんを迎えに来たところなんだ」
侑「そ、それじゃ……ジム戦は……」
花陽「ごめんね……。帰ってきてからになっちゃう……」
侑「そ、そんなぁ……」
せっかくのジム戦日和だと思って意気揚々とここまで来たのに、出鼻をくじかれてしまった気分だ。
まあ……用事があるなら仕方ないか。ジムリーダーも人間だし……いつでもどこでもどんなときでもジム戦が出来るわけじゃないもんね。
花陽「本当にごめんね……。昨日だったら……ジム戦してあげられたんだけど……」
歩夢「……え……」
私の隣で、歩夢が声を漏らした。
そして、小さな声で、
歩夢「………………………………私の…………せいだ………………」
そんな呟きが聞こえた。
侑「歩夢……?」
──歩夢は急に前に出て、
花陽「きゃっ!?」
花陽さんの腕を掴んだ。
歩夢「……お、お願い……します……侑ちゃんと……ジム戦を……して、くれませんか……?」
花陽「え!? で、でも、これから用事が……」
歩夢「……い、一回だけで、いいんです……お、お願いします……」
侑「ち、ちょっと、歩夢……!」
私は思わず、歩夢の肩を掴んで止める。だけど、
歩夢「……お、お願い……します……お願い、します……」
歩夢は私の制止も聞かず、声を震わせながら、花陽さんに必死にお願いをしていた。
侑「歩夢……! 私は大丈夫だから……!」
歩夢「お、お願い、します……っ……!!」
花陽「……えっと……」
今にも泣き出しそうな歩夢の様子に、花陽さんもどうすればいいか困惑しているようだった。
そんな中、横でその様子を見ていた凛さんが、口を開く。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20