333: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/13(日) 12:32:16.06 ID:CEy3tu000
凛「歩夢ちゃん、だったっけ?」
歩夢「……っ……。……は、はい……」
凛「今日じゃなくちゃ、ダメなのかな? かよちん、困ってる」
歩夢「…………っ……!」
少し鋭さを帯びた声音に、歩夢がビクリと身を竦める。
侑「歩夢……いいから、ね?」
歩夢「…………っ……」
私も歩夢の肩を掴んで下がらせる。
凛「それじゃ、かよちん。行こう」
凛さんはそのまま花陽さんの手を引いて、この場を去ろうとするが、
花陽「待って、凛ちゃん」
それを制したのは花陽さんだった。
凛「かよちん……?」
花陽「ジム戦をしたいのは侑ちゃんだけなんだよね?」
侑「え、は、はい……」
花陽「まだ、少しだけ時間に余裕があるから、1戦くらいなら出来ると思う。ジム戦しよっか」
侑「……え。……いいんですか?」
歩夢「! ほ、ほんとですか……!」
凛「か、かよちん!」
花陽「大丈夫だよ凛ちゃん。それに、わたしたちはジムリーダーだもん。せっかく来てくれた挑戦者を無下には出来ないよ」
凛「にゃ……それはそうだけど……」
凛さんは複雑そうな表情を浮かべて、小さく唸りながら考え始める。
凛「えっと……侑ちゃん、バッジはいくつ持ってる?」
侑「“アンカーバッジ”と“スマイルバッジ”の2つです」
凛「ってことは、セキレイから逆時計回り……コメコジムが終わったら、ホシゾラジムにも挑戦するってことだよね」
侑「……そうなりますね」
凛「ただ、凛たちは数日は戻れないと思うんだ。今ここで無理にジムバトルをしても、どちらにしろホシゾラシティで足止めさせることになっちゃうよ。それでも……歩夢ちゃんは今、この場でジム戦をしないとダメだって言うの?」
凛さんはそう言いながら、歩夢に視線を向ける。
歩夢「……ぁ……えっと……その……」
再び、言外の拒絶の意を受けて、歩夢が半歩下がる。
花陽「凛ちゃん、そんな言い方しちゃダメだよ……」
凛「かよちんは優しすぎ。凛たちジムリーダーにも事情があるんだよ。確かに挑戦者を大切にしなくちゃいけないのはわかるけど……」
花陽「うーん……でも……」
侑「あ、あの! ホントに大丈夫ですから! 歩夢、行こう!」
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