334: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/13(日) 12:33:25.62 ID:CEy3tu000
私は歩夢の腕を掴んで、退散することにした。
これ以上、ジムリーダーの二人に迷惑を掛けるわけにはいかない。
だけど、
歩夢「…………今日じゃなきゃ……だ、ダメ……です……」
歩夢は、引こうとしなかった。
侑「歩夢……!」
歩夢「今じゃなきゃ……ダメ、なんです……」
侑「…………歩夢」
歩夢は断固として譲らないけど、その声は尻すぼみに小さくなっていく。
頑なな意志を見せる歩夢に、
凛「……わかった」
凛さんは溜め息混じりに肩を竦めて言う。
凛「なら、こうしよっか。あくまでジム戦を急ぐっていうなら、凛もジム戦をしてあげる。挑戦者が待ってるってわかったままじゃ、出掛けた後も落ち着かないし……」
花陽「え、でも……」
凛「ただ、2戦やる暇はないから──ジム戦は同時にやる」
侑「同時……?」
凛「そう。凛とかよちんのタッグとのマルチバトル」
侑「!? じ、ジムリーダー二人と同時に……!? わ、私ダブルバトルの経験は……」
いきなりジムリーダー二人を同時に相手して、勝てる気がしない。
花陽「り、凛ちゃん……! それはいくらなんでも……!」
凛「もちろん、一人で戦えなんて言わないよ。マルチとダブルで勝負するなんて、マルチ側が圧倒的に有利だし」
侑「じ、じゃあ……」
凛「そっちも二人、いるでしょ?」
そう言いながら、凛さんの視線が、歩夢を突き刺す。
歩夢「え……」
凛「これはあくまで譲歩だよ。これが嫌なら挑戦は諦めて欲しいかな」
歩夢「…………」
侑「ま、待ってください!! 歩夢はバトルはあんまり得意じゃなくて……!」
凛「なら一人で凛たち二人と戦う? 腕に自信があるなら、それでも構わないけど」
侑「ぅ……それは……」
そんなことをしても、結果は火を見るよりも明らかだ。
でも、歩夢にバトルはさせられない……。
なら、やっぱり、私が頑張ってダブルバトルで勝つしかない。
そう、思ったときだった。
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